新潟中越地震 支援活動 (1)

静岡県ボランティア協会主催支援ツアーに参加

11/05(金) 21:00 静岡出発(バス)
11/06(土) 終日 小千谷市ボラセンでボランティア登録して活動
           宿泊は長岡駅近くの曹洞宗のお寺
11/07(日) AM  長岡市ボラセンでスタッフ登録(情報班)で半日活動
11/07(日) 21:30 帰着

<活動内容>

11/06(土)
小千谷市ボラセンにて一般ボランティア登録し、ニーズマッチング。
男女混合のグループを組んでいたため、なかなかニーズとマッチングせず、このままでは活動できないと判断し、女性グループを残し、男性のみ募集の作業に挙手。
県ボラ協派遣の7人と新潟三条市の若者3人、千葉市から一人で車で来た若者の男11人でグループを組み、個人宅のガレキの撤去に派遣される。グループリーダーは私。
まず、必要な資材を物資集積場所で受け取って現場に向かう。ヘルメット、スコップ、土嚢袋・・・でも、革製の手袋がなかった。(個人的に持ってきたので良かったが、ガラスの破片を扱うのに必須)
車で20分くらい。しかし、若者たちの車2台に乗り切れず往復してもらうことになった。途中の道路の状況は主要道路の修復は進んでいるものの、車高の低い車は徐行を余儀なくされる。主要道を離れると、マンホールが柱のように突き出し、Vの字に道路が凹み、とても車は走れる状況でない。
派遣されたお宅は、倉庫となっている旧家屋と建て増した新家屋があって、旧家屋はひしゃげているように見える。こちらは手を付けず、住居として使っている新家屋の屋内と屋外の片づけを行うこととした。
ちなみに水、電気、ガスのライフラインは復旧していない。
まず、居間に入ると真ん中にこたつがあるが、それに向かってテレビがひっくり返り、家具は全部倒れ、ガラス扉が砕け散り、食器が散乱し、壁(石膏ボード)が崩れている。
そのこたつに居たおじいさんは近所の人に引きずり出され、怪我もなく無事とのことで、あの惨状で「奇跡だ」と思う。
応急危険度判定は済んでいないので、本来、ボランティアが手を出すべきでない場所だったと思うが、応急危険度判定は、いつになるかわからないとのこと。これからの方針を固めることもできず、不安を隠せない様子。
応急危険度判定の早期実施とカウンセリングが必要だと感じた。
家財道具を拾い上げ、ガラスや食器の破片を集めた。崩れた壁を取り外し、細かくして土嚢袋に詰めた。ふと上を見ると彫刻された欄間の部分にガラスがはまっていて、割れて落ちかけている。余震があったら頭の上に落ちかねない。ゾっとした。つくづく地震など考えていない地域であったことが分かる。

バイクボランティアについては、小千谷市ボラセン内にバイク専用受付が設けられ、バイクに対するニーズに対応していた。自分が作業に向かう際、作業用物資を受け取った所で、「作業していて不足物資があれば、バイクボランティアを向かわせます」とのことだった。(利用せず)

夜、翌日夜の炊き出し準備をして終了。

11/07(日)
小千谷組と長岡組に分かれたが、長岡組に参加。

長岡市のボラセンの情報班にもぐり込み、新聞の切り抜きのお手伝い。情報班の仕事をいろいろと聞いた。情報発信、問い合わせへの対応、事実と乖離した情報発信者へ取り下げのお願いなどを行っていた。

帰途につく間際、長岡警察署前でバスを待っていたら、NHK、TBSの中継車が・・・、聞くと崖の崩落で親子3人が生き埋めになって収容されていない女の子の収容が始まったとのこと、胸が痛くなった。
(その後収容されたことをニュースで知りました。)


<考えたこと>

【応急危険度判定がなされていない状況での活動】

ボラセンは応急危険度判定がなされていない状況を認識している上で、ボランティアを派遣していた。
自分たちとしては、ボランティアの安全の担保にならないかもしれないが、グループ内に応急危険度判定を行える建築士の方がいたこともあり、屋内での作業に危険は無いと判断しました。(反省すべきか?)
小千谷市では中心部の応急危険度判定は新潟県、周辺部を小千谷市がやるという話をボラセンで聞いた。小千谷市の動きが後手にまわっているとの事。
このような状況で、応急危険度判定がズルズルと遅れていくと、今後の方針も決められないし、ボランティアを入れることができない。

今回、ボランティアとしては「断る勇気」も必要だと思うが、ボランティアできる状態を作る活動ってのも必要だと思った。

例えば、

片づけ支援要請があったが、応急危険度判定が済んでおらず、目処もたっていない場合、まず、応急危険度判定士の資格または同等のスキルを持つボランティアを派遣し、カウンセリング(簡易診断、罹災証明のための作業、再建相談)を行って、簡易診断
の結果をボラセンで把握する。正式な応急危険度判定ではないけれども、安全が確保できると判断された場合に限り、片づけボランティアを派遣する。

みたいなことができないだろうか?

「応急危険度判定が済んでいないとボランティアを派遣できません」とか、行ってみたら応急危険度判定がされていなかったので「ボランティアできません。」って被災者の心情を考えると言いづらいので、ボランティアによるカウンセリングをお勧めするという道があると、被災者側もボランティア側もストレスがたまらなくて良い気がする。

安全面の話なので、こんな単純にはいかないかもしれないが、こんなことを考えた。

【地図情報の活用】

長岡市のボラセンでは、地図システムとレーザープリンターの導入により、鮮明な地図を短時間で出力して渡すことができていた。小千谷市のボラセンでは、必ずしも鮮明で適切な地図が渡されていなかった。(地図ブースというものがあって案内を聞くことができるが・・・)

長岡市のボラセンではさらにGIS(地理情報システム)の導入も予定されているとのことで、ボランティアなどが収集した情報を地図上に記録し、案内のための地図に、道路状況などの関連情報が書き込まれたものを渡すことが考えられる。このようなシステムの導入はスムーズな作業展開が図られ、ボラセンの負担軽減にもつながると考える。

また、地図情報システムがなくても、バイクボランティアを活用し、地元ライダーや地理を把握したライダーの先導などもあって良かったのではないかと考える。

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