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「できない子を生かす」 −3年のわり算の復習(4年での授業)−  

TOSS静岡/杉山裕之

できない子」がきちんと出来るようになるには時として、全体に取り上げてそのできない部分を検討させることも必要です。
出来ない子も出来る子も一緒に成長していく学級の授業を学年がスタートして間もない時期にやっていくことをお勧めします。
「たてる、かける、ひく、おろす」を確実に繰り返すことを確認する意味で大切な情報です。 



 4年生でのわり算の学習を始める前に、3年生のわり算の復習をする。
 3年までの定着を知るために、また、3年までの学習内容を確認するために一斉授業を行う。
 
  1

 次の問題を出した。
     
           
   4)536  

結果は、正解者30名、ウッカリミス1名、できない子2名であった。
 
  2
 ウッカリミスをした子の答えは、次の通りであった。
 

    131…2
  4)536  
    4   
    13    
     06   
      4   
      2   

 4×3=12を13としたのである。答えを示した段階で、自分のまちがいに気づいてすぐに直した。こういったウッカリミスの原因は「ていねいさ、持続性が不足している」(向山洋一氏「授業の腕をみがく」)場合が多い。
 だから、せんひきを正しく使わせたり、最後まで続けてやる努力をさせないと、なかなかこのミスはなくならない。生活全般を変えていかない限り、なかなか直らないから、それ相当の指導も必要である。
 本稿では、このことが中心ではないので、ここでは詳しく述べない。

   3

 できなかった2人の筆算を示す。
   S児       M児    
   1        1     
 4)536     4)536  
   4         4    
   1         13    

 3年までの学習内容の定着が不安定なのだから「学習するための条件が不足している」(前述向山氏)のである。
 だから、個別指導を行わなくてはならないのであるが、4年でのわり算の学習を進めるためにも、また、3年までの学習内容を全員に確認するためにも、この時は、一斉授業で扱うことにした。


 S児とM児の筆算を黒板にまず書かせた。
 「2人ともできなくてこまっているから、みんなの力で助けてやろう」と言った後、次のように発問した。

┌─────────────────────────────────
│ S君とMちゃんでは、Mちゃんの方が進歩があります。どこが進歩し 
│ているのでしょうか。                       
└─────────────────────────────────
 さらに、次のような発問をした。                  
┌─────────────────────────────────
│発問2 S君とMちゃんの間に、もうひとつ途中のやり方が入ります。 
│     それを書きなさい。                     
└─────────────────────────────────
                                  
┌─────────────────────────────────
│発問3 S君にもできていることかあります。何でしょうか。     
└─────────────────────────────────
 ここまでの授業で、次のことがわかった。              

                  
    S   →  間      →M           「わり算のひっ算は、たて
     1     1      1           る、かける、ひく。おろす、
   4)536  4)536  4)536        のくり返しです」と説明し、
     4       4      4           次の指示をした。
            1       13    
  S君は、たてる→かけるまではできた。  
                       
                     

┌─────────────────────────────────
│                            
│ 4)536 のやり方を、最初から答えが出るまで、ひとつずつ、分けて書きなさい。                          
└─────────────────────────────────
 この授業によって、わり算の筆算のやり方が、全員に確認された。
 また、できなかった2人も、どのようにやればいいかは、わかった。

◇付記
 参考までに、536÷4の答えが出るまでのやり方を示す。

@  1    A  1     B 1     C 1     D13   
  4)536    4)536   4)536   4)536   4)536
             4        4       4       4   
                    1       13       13 

E  13    F  13    G 13    H 134   I 134
  4)536    4)536    4)536    4)536    4)536
    4        4        4        4        4   
    13        13        13       13       13 
    12       12       12       12       12
              1         16       16       16
J  134                            
  4)536                            
     4   
    13  
    12  
     16 
     16
      0


 このサイトは『教育技術の法則化』5 第1期プロ教師の基礎技術-小学4年に所収された杉山の論文をWeb化したものである。

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