(C)Two-Way/小学校/国語/1・2年/くっつきの言葉
TOSS静岡/杉山裕之
「子どもは,意味を知ることによって,正しい表記の仕方を納得する。」くっつきの言葉の理解を深める授業です。
(1)「気をつける」
子どもは,意味を知ることによって,正しい表記の仕方を納得する。
上記が,「気をつける」「こんにちは」の表記の仕方について授業をした時の,私の感想である。
1
「あいさつのことば」(教育出版,2下)を授業した時のことである。
さし絵をもとに,二人組でどんなあいさつをするか劇化させた。そして,会話を書かせた。
「すみません。こんどからきをつけます」と言ったような文を書いた子の中で,3人の子が「きをつけ」るの表記をまちがえていた。
きおつける(2名),きよつける(1名)というようにである。
このまちがいをとり上げて,授業をした。
板書 きおつける
きよつける (実際は縦書き)
説明 両方ともまちがっています。
発問をしないでもほとんどの子の手が挙がる。書いた時まちがえていた3人のうちの2人も堂々と手を挙げている(「よ」を書いた一人は手を挙げていなかったので,その子には「君はよで正しいと思っているんだよね。正直だね」と一言ほめておく)。
自信たっぷりそうな子を指名する。そして赤チョークを渡して,黒板に書かせる。
「を」と直す。
「いいです。同じです」と子どもたちは元気である。
私も同調する。
説明 「そうです。これは『お』も『よ』もまちがいで『を』と書かなくてはいけません(そして,まちがえて書いていた子に
「『を』と書くんだよ」と告げる)。
「ところで」と言い,教室を見回して,ゆっくりと言う。
発問 なぜ「を」が正しいんですか。
私はニヤリとする。子どもは,「エ一」ととまどった顔になる。
そこで追いうちをかける。
追いうち なぜ「を」が正しいかわけが言えなくちゃ,君たちの頭はたいしたことないね。わからなかった○○ちゃんの 方が正直だよね。
黙って子どもの様子を見る。10秒ほどして,助け舟を出す。
助け舟 考えられることでいいんですよ。超むずかしいのですから。
3人の手が挙がる。3人とも起立させ,発表させる。
「なるほど」という感じできく(何せ,3人という貴重な人材である)。 2人目の子が言う。
「き」というのは,気もちのことだと思います。気持ちをつけるから気をつけるになると思います。
私は「すばらしい。95点。もうひといき」と言う。
そして板書する。
板書 きお
つける
3人目の発表者は言う。
「おつける」や「よつける」じゃあ「つける」っていうことばとあわないと思います。
そこで,次のように説明する。
「き」は「気持ち」の「気」です。これでひとつのことばです。
「つける」は「のりをつける」などに使うひとつのことばです。
「き」も「つける」も二つともことばです。ことばとことばです。
(ここまでを下のように板書する)
板書 気 を つける
│ │ │
ことば と ことば
今,「ことばとことば」と先生が言った時,「と」というくっつきのことばが入ったでしょう。
同じように,「を」は「気」と「つける」ということばをくっつけるくっつきのことばなのです。
だから,「お」も「よ」もダメなのです。
子どもたちは「なるほど」「わかった」というような顔になる。
2
ある子が言う。
「先生『気がつく』っていうのも「が」がくっつきでしょ」
そこで,「そう。よく気がついた」(何人かが笑う)と言い,間題を出す。
板書 気□つく
「が」が入ります。
それでは,これはどうでしょう。
板書 気□なる
口々に,「に」と言う。
さらに,間題を出す(ノートに書かせる)。
@ 気□入る A 気□うしなう
答えを確認した後,次の指示をする。
指示 今でてきたものより他に,
「気 + くっつきのことば+ ことば」 になるものがあります。
見つけたらノートに書いて先生の所に持ってきなさい。
見せにきた後,板書もさせる。
子どもからは,
「気にする」「気がくるう」「気がきく」「気がすむ」「気がみじかい」「気が長い」が出た。
ここまでおよそ20分である。
<追記>発問1の後,ヒントとして,「このことばのどれか一字を漢字に直すとわかりやすいかもしれません」という示唆も考えられる。
1時間の授業、後半部分は「くっつきの指導『こんにちは』」に続く。
この実践は、教育技術法則化シリーズに所収されたものをweb化したものである。