(C)Two-Way/小学校/国語/1・2年/くっつきのことば
TOSS静岡/杉山裕之
「子どもは,意味を知ることによって,正しい表記の仕方を納得する。」くっつきの言葉の理解を深める授業です。
くっつきの言葉 「気をつける」の学習を終えた後のことである。
教科書20ぺ一ジに「こんにちは」があることを確認する。
確認する際の指示は「『こんにちは』を指でおさえなさい」である。
そして,言う。
君たちは,『コンニチワ』(「ワ」)と言うでしょう。
でも,この教科書には 「こんにちは」(「ハ」)となっているよ。
これは,本当は,「わ」と書かなくちやいけないと思うんだけど,教科書は,まちがえちゃったのかなあ。
教師のこのことばに触発されて,手を挙げる子もいれば「エ一,教科書がまちがうのかな」とつぶやく子や,困った表情の子などさまざまである。
そこで,一人教師はしたり顔で,手を挙げている子もしばし無視して,少し大きめの声で言う。
そうだ。そうだ。これは,教科書がまちがえちゃったんだ。
「ちがうよ」と手を挙げている子がいるので,「何か言いたいことがあるなら立ちなさい」と言う(その数,クラスの約1/3)。
一人を指名する。
A 「こんにちは」の『は』は,くっつきのことばだから『は』になります。
他の立っている子たちも「同じです」と言う。
そこで,私は,くっつきの『は』だと考えていなかった腰かけている子たちを挑発する。
(「今の○○ちゃんの考えとけんかしろー」と)。
腰かけていた子のある子が言う。
B くっつきのことばなら,下になにかことばがあるはずだけど,「こんにちは」の下には,何もことばがありません。だから,くっつきのことばというのはおかしいと思います。
これを聞いて,さっきまで元気の良かった子たちは,シュンとする。
ここまでの板書は下の通り(実際はたて書き)。
(略)
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しかし,この「くっつきのことばだとしたら,下に何かことばがくる」という問題は,子どもたちには考えにくい。
そこで,私は,ヒントとして(「は」がくっつきとしたら,「こんにち」でひとつのことばになるから)「『こんにち』を考えるといい」と告げ,次の発問をする。
発問 「こんにち」とは一体何のことかな?
ある子が言う。
「『にち』っていうのは,日曜日のにち」
私は,それを聞いて「そう,その通り。たいしたもんだ」とほめる。
そうすると,他の子も言いはじめる。
「『日にち』のにちじゃない」
「こん」の方も発言が生まれてくる。
「こんばんのこん」「こん月のこん」「こんしゅうのこん」
私は,板書を使いながら説明する。
「『こん』をかん字でかくと,今という字になります。(子どもが,「あ,あれで『きょう』と読むんだ」と言う)一一そうです。『こんにち』というのは『きょう』ということです」
そして,つづけて,次のように説明する。
「こんにち」という言い方は,「きょう」ということばをていねいに,あらたまった形でいったことばです。 そして,昔は,人と会ってあいさつをする時に
「こんにちはごきげんいかがですか」「こんにちはいい日になりましたね」といった調子で言っていたんです。
その後の方のことばがだんだんととれて,なくなっちゃって,今では,さいしょの「こんにちは」だけが残ったのです。
だから,「は」の下には,昔はちゃんとことばがあったから「わ」ではなくて,くっつきの「は」を使うのです。 さっき,みんなが見つけた「こんばんは」もいっしょです。
子どもたちは「なるほど」といった顔になる。
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最後に,「こんにちは」についての学習のまとめを書かせる。
この時,書き出しは,次のように統一した(聴視写させた)。
「こんにちは」は,なぜさいごの字が「わ」でなくて「は」なのかべんきょうしました。
さらに,次の条件をつけた。
まとめの中にAとBの発言内容を入れる
(私の場合は,「Aを発言した知春さんとBを発言したまよさんの名前は,まとめの中に必ず入れなさい」と指示した)。
この実践は、教育技術法則化シリーズに所収されたものをweb化したものである。