あぶりだしのつくりかた(3)


 ―中盤のつくりかたの続き―

図8


 3四金、5四玉、4五銀、同玉、3七桂、以下。これが図8で意図した手順です。銀捨てで玉を4五に引きずり込みます。またこの銀の配置は飛の横利きを妨害しているため、飛を動かすために桂との打ち変えを強制しています。
 しかし、実際はうまく行かず、初手あるいは3手目に5五銀で早詰。これは5の駒の利きが重なっているため、すなわち6七桂があるためです。この桂は7五の地点をふさいでいれば良いのでこれを7七香に変更します。図9では13手詰めになりました。

図9

 図9で、5七とは初手5五銀、同玉、5六飛を防ぐという必要駒になりました(5七との存在理由が発生しました)。ですが、6七歩、3三香が無意味な駒です。これを解消するためもう少し手順を模索します。ちなみに3五歩は3四飛や3五金を指せなくするために置かなければならない駒です。

 図9をもう一歩逆算することを考えます。玉を他の場所から4四に持ってきます。それは4三か5四しかありませんが、のちの逆算のことも視野に入れて5四にします。5四玉を4四に持ってくるには横利きの駒しかありません。よって4五飛を置きます(他の駒や他の配置は消しきれない余詰が発生します)が、そのままでは5五飛でだめです。ここで5七とを5六に引いておくと、5五への利きのほか3六飛の横利きを塞いでいておもしろいことがおこりそうなので、持駒に桂を追加し図10のように並べます。
 

図10

 図10は、4四飛、同玉、3四金、5四玉、4五銀、同玉、5七桂、同と、3七桂以下17手。
 しかし、初手4三飛成が成立してしまいます(皮肉なことに3三香がないとこの手は詰みません)。3三桂に変えてもうまく行かないようです。何も置かないと最終形が乱れます。玉方の駒では、前に利く駒は置けませんし、桂では最終手に合駒をされます。唯一残った駒の角を置いてみます。もちろん初手4四飛では詰みませんので4三飛が作意になります。心配なことは、3四金に3にへ逃げられることですが・・・これは3三金、同玉、3四歩から飛角が十二分に働き詰みます。ということで図11になりました。

図11

 図11は初手4三飛成以下の17手です。
 ここで、21世紀記念であり詰手数も21にしたいと目論み、手を入れることができる箇所を探ります。また6七歩が気になるところです。
 そして見つけたものが図12です。

図12

 攻方5七銀の配置。これは5七桂の打ち場所を邪魔している駒です。4五銀、同玉のあと4六、4五と捌いて捨てます。4六銀に同とは桂打ちができるため早く詰みます。また5六銀からの余詰を防ぐため6七銀を配置します。そして4手伸びたので21手詰になりました。これですべての駒の意味付けもできました。


あぶりだしのつくりかた(4)へ

読み物へ戻る