あぶりだしのつくりかた(4)


第4項 序盤のつくりかた

図12

 これまでに、すべての駒の意味付けが終わりました。ここで盤面の汚いところを直したり、初手に主眼手が出る場合では軽い序奏を付けます。しかしこの詰将棋では形はまあ整っていますし、特に問題はありませんので、これを完成図とします。








完成図(図12)


作意
 4三飛成、同玉、3四金、5四玉、4五銀、同玉、4六銀、5四玉、4五銀、同玉、5七桂、同と、3七桂、5四玉、6四金、同玉、6六飛、同と、6三と、5四玉、3六角、まで21手

図13








まとめ


  あぶりだしの創り方の一手段は、最終形を決定した後、解後感が良い収束を見つけます。利きの強い駒の動きを制限する配置で、邪魔駒消去を絡めながら逆算で手をつむぎ出していくと創りやすいです。そしてすべての駒が意味を持つように変化、紛れも考えていきます。最後に初形を整えます。








補足

 実はこの作品には大きな欠点があります。18手目、6五合や5三玉と指しますとどうあがいても変同になります。通常の詰将棋では大駒の捨駒ですので取る行ってであり小さキズですが、あぶりだしは収束にすべてを懸けている作品ですので、意図している局面にならない変同は大きなキズです。
 この作品は、投稿したものではなく解答者の善意を期待できる年賀状での詰将棋ですので目をつぶりました。

この作品は詰研会報に載りました。そして解答評を見ると初手5五銀で余詰むみたいです。また修正をします。




読み物に戻る