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 コピーガードとは

 レンタルビデオ店で借りてきたVHSやDVDをコピー(ダビング)したら、画面が暗くなったり明るくなったりして、まともに録画できなかったことはありませんか?
 これは、ビデオテープにコピーを妨害する為の信号が混ぜられ、コピーできないようになっている為です。
 このように、コピーできないようにする細工のことを「コピーガード」と言います。※1
 また、地上波デジタル/BSデジタル放送のコピーワンスもコピーガードの一種です。
 ※1 「コピープロテクト」、「コピーコントロール」、「不正コピー防止機能」などとも言う。


 著作権とコピーガード

 デジタル技術の進歩もあり、著作権保護の観点から、様々なメディアでコピーガードが利用されるようになりました。
 確かに著作権者の利益は守られるべきです。 しかし、利用者に大きな不利益を押しつけてまでコピーガードを掛け、流通業者の利益を守ることが本当に正しいのでしょうか。

 著作物を一定の範囲で使用、複製することは著作権法でも認められています。
 しかし、1999年10月の著作権法改正ではコピーガードを回避しての複製が違法となり、実質的に著作権者の都合で複製を制限できるようになってしまいました。
 アメリカのようにフェア・ユースの規定がない日本では、過剰な利用制限が心配されます。
 発言力の強い著作権者とそれに従順な利用者という状況が、法律そのものを著作権者に有利な方向へ傾けているのではないでしょうか。
 参考リンク:著作権の未来はどこにある?


 コピーガードの種類

 この章では、「映像」 「デジタル音声」 「DVD」「音楽CD」の4種類に分け、それぞれに掛けられるコピーガードの説明をします。


■ 映像のコピーガード

 LD(レーザーディスク)や地上波テレビ放送を除き、多くの映像メディアではコピーガード規格が採用されています。(下表参照)
 しかし、すぺてのソフトや放送にコピーガードが掛けられている訳ではありません。
 VHSやDVDでもコピー可能な物はありますし、CSは一部の放送(ペイパービュー等)を除き、自由に録画することができます。

※ビデオテープにコピーガードを掛けたいという要望が多いのですが、コピーガードを掛けるにはマクロビジョン社との契約が必要になります。 タビング業者の中にはコピーガードを付けてコピーしてくれる所もあるので、そういった所に依頼するのが簡単です。 試作品として、コピー防止信号挿入器を作った人はいますが...

メディア マクロビジョン カラーストライプ CGMS−A
VHS  
LD    
DVD
CS(スカイパーフェクTV)   ※1
BSデジタル放送    
地上デジタル放送    
 ○:有り(無い場合もある)   △:稀にあり
 ◎:2004年4月より全番組がコピーワンスになります。1度録画した番組はコピーできません。※デジタル録画しない機器(VHS等)へはコピーできます。
 ※1:HUMAXのCS-5000 および松下電器のTU-DSR60(マスプロ CDT590SP)を使うと、全番組がコピーワンスになります。極力避けた方が無難でしょう。

マクロビジョン(Macrovision)
 最も一般的なコピーガードです。
 録画時の明るさを自動調整する機能(AGC、Automatic Gain Control)を誤動作させる方式。
 VHSビデオデッキに録画すると、(1)画面が暗くなったり明るくなったりする、(2)同期が合わずに画面が乱れる、といった症状がでます。
 DVDレコーダー等のデジタル機器の場合は、マクロビジョンを検出すると録画を停止します。
 ここではマクロビジョンと一口に言っていますが、類似する規格(松竹方式、シナノ企画方式など)もいくつかあり、効果に違いがあるようです。
 また、マクロビジョンが効果を発揮するためには、録画する側がマクロビジョンに対応している必要があります。そのため、β・8ミリ・初期のVHSなど一部のVTRでは(マクロビジョン未対応のため)コピーガードが働きません。
 参考リンク:鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」 マクロビジョン

カラーストライプ(Color Stripe)  別名:カラーバーストコピーガード
 マクロビジョン規格の一部で、急速に変調したカラーバースト信号をビデオ信号に加えることから、カラーバーストコピーガードとも言います。
 前項の「マクロビジョン」と重複して掛けられ、VHSビデオデッキに録画した映像には、細い横線が15〜25本、均等間隔で入ります。カラーストライプと言うだけあって、色の乗っている部分にのみ見られるのが特徴です。
 DVDレコーダー等のデジタル機器の場合は、カラーストライプを検出すると録画を停止します。
カラーストライプ
 うる星やつら2 ビューティフルドリーマー より。

 この方式は録画する機器によって影響の受け方が大きく異なり、ほとんど影響を受けないビデオデッキも多くあります。
 なお、コピーガードキャンセラーでDVD対応と記載されたものがありますが、カラーストライプ方式のコピーガードを除去できるという意味です。

CGMS−A(Copy Generation Management System - Analog)
 ビデオ信号の垂直ブランキングエリアに複製制御情報を埋め込み、世代管理を可能にしたコピーガード方式。
 CGMS-Aで複製禁止にされている場合、デジタル機器(D-VHS、DVDレコーダー、ビデオキャプチャー機器など)で録画しようとしても、自動的に停止するなどして録画できません。
 VHSやS-VHSなどのアナログ機器では、これに影響を受ける機種は無いようです。
 地上波デジタル放送は全番組がコピーワンスになっていますが、この情報を映像ケーブル(S端子、コンポジット端子)で伝えるのにCGMS-Aが使われています。そのため、CGMS-Aを除去できる画像安定装置を使うとコピーワンスが解除されてしまう訳です。
 参考リンク:鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」 CGMS

DTCP(Digital Transmission Content Protection)
 i.LINK(別名:IEEE-1394、FireWire、DV端子)を使って接続した場合に使われる著作権保護規格。
 i.LINK端子を持った機器間で認証とデータの暗号化を行ない、デジタルコンテンツの不正コピーを防止します。
 SCMSと同様、複製制御情報をやりとりする機能も備わっているので、コピーを禁止したり1世代のみ許可したりといった制御も可能です。
 参考リンク:DTCPの概要

HDCP(High-bandwidth Digital Content Protection system)
 DVIやHDMI端子を使って接続した場合に使われる著作権保護規格。
 i.LINKが圧縮されたデジタル信号を扱うのに対し、DVIやHDMIは無圧縮のデジタル信号を扱います。
 DVIとHDMIの違いは、コネクタ形状と、HDMIは音声も乗せることができること。
 信号自体は互換性があるので、アダプタで相互変換可能です。

 DVDレコーダーや薄型テレビのHDMI端子は全てHDCPに対応しています。
 それに対して、パソコンのモニタはHDCP非対応のものが多く、著作権保護された映像は見ることすらできません。
 そのため、DVI接続のパソコンでHD-DVDやブルーレイディスクを見るには、ドライブや再生ソフトの他にビデオカードやモニタの買い替えも考慮する必要があります。
 アナログRGB接続ならとりあえず視聴可能なので、そっちに逃げるって手もありますが。
 参考リンク:HDCP


 デジタル音声のコピーガード

メディア        SCMS
CD
MD
DAT
DVD(48kHz 2ch)

SCMS(Serial Copy Management System
 オーディオ機器同士をデジタルケーブル(同軸や光)で接続した場合に使われる、デジタルコピー制御機構。
 アナログ音声なら、音質は劣化しますが無制限にコピー可能です。

 デジタルコピーの特徴は、コピーを繰り返しても劣化が無いことです。
 もし、世界中で無制限にデジタルコピーが繰り返されたらどうなるでしょう?
 海賊版CDが大量に出回り、正規版CDが売れなくなってしまうかもしれません。
 そこで、CDなどのデジタルオーディオでは、SCMSという規格を使ってデジタルコピーの世代管理を行っています。
 例えば、CDは1世代だけコピー可に設定されています。そのため CD→MD のデジタルコピーは可能ですが、コピーしたMDをさらに別のMDにコピー(孫コピー)しようとしても、録音機器が停止するなどしてコピーできません。
   --- 参考リンク ---
 ・鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」 SCMS

 [ DVDオーディオとデジタルコピー ]
 DVDオーディオのデジタルコピーについて、原則として1世代のコピーを認めるかという点を巡り、「レコード会社側が1回でも困ると主張して、メーカー側と話し合いが続いている」そうです。
 なお、既にアメリカでは”1世代のみコピー可”で決着していて、”コピー不可”は日本のローカル規格になるようです。 デジタル放送のコピーワンスといい、ホント日本のユーザーは舐められてますね。
 ※ CDレベルにダウンコンバートしたものは、1世代のみデジタルコピーが可能です。


 DVDのコピーガード

 パソコンでDVDのファイル構造を見ると、VIDEO_TS や AUDIO_TS といったフォルダが入っていると思います。
 ちょっと見るとファイル操作によってコピーできそうに思えますが、実際にはファイルが暗号化されているため、そのままではコピーできません。

メディア CSS CPRM CPPM
DVD-Video    
DVD-Video(記録型ディスク)    
DVD-Audio    

CSS(Content Scrambling System)
 ほとんどのDVDビデオに採用されている著作権保護技術。
 映像ファイルは暗号化されている為、単純にパソコンでファイルコピーしても、酷く乱れた映像でしか再生できません。(再生に必要な暗号鍵まではコピーできない為)
 ところが、1999年にノルウェーの少年(15歳)が暗号鍵を解読してDeCSSプログラムを開発してしまい、現在では多くのDVDコピーソフトがインターネット上で公開されるようになりました。
 ただし、日本で市販されているDVDコピーソフトは法律上の制限からCSS解除機能が搭載されていません。 市販のDVDをコピーするなら、DVD Shrink などのフリーソフトを使った方が良いでしょう。
   --- 参考リンク ---
 ・CSS技術の概要

CPRM(Content Protection for Recordable Media)
 DVD-RWやDVD-RAMといった、記録型DVD用の著作権保護技術。
 一回だけ録画が許された番組に対し、暗号化して録画することで、デジタルデータが他のメディアにコピーされるのを防止します。
 CPRMで録画されたデータはメディア固有のIDを鍵として暗号化されているため、ファイルだけ他のメディアにコピーしても復元用の鍵がないために再生できません。

 DVDレコーダーの場合、1回だけ録画可の番組を録画するにはCPRMに対応したディスクを使う必要があります。
 録画されたディスクはCPRMに対応したプレーヤーでないと再生できません。 再生できるプレーヤーが少ない現状では自己録再のみと考えた方が無難でしょう。
 ※地上デジタル放送とBSデジタル放送は、全てコピーワンス(1回だけ録画可)で放送されています。(2004年4月より)
 ※CPRMに対応したディスクはDVD-RAMとDVD-RWおよび一部のDVD-Rだけで、DVD+Rと+RWは対応していません。
   --- 参考リンク ---
 ・これから増えるコピーコントロール「CPRM/CPPM」――その仕組みはどうなっている?

CPPM(Content Protection for Prerecorded Media)
 DVDオーディオに採用されている著作権保護技術。
 CSSを強化したもので、暗号システムの改良とハッキング対策が施されています。
   --- 参考リンク ---
 ・ZDNN DVD-Audioの再出発,延期された製品は出そろったが……?
 ・CPPM技術の概要

AACS(Advanced Access Content System)
 "Blu-ray Disc"や"HD DVD"といった、次世代DVDで採用された著作権保護技術。
 "DVDFab HD Decrypter"や"AnyDVD HD"などでコピー可能です。
 参考リンク:日経エレクトロニクス用語

■ DVDのコピーガード(その2)
 暗号化以外の方法でリッピングを防止する技術です。

DVDMAGIC
 ヴィジョネア社が開発した、DVDに収録された映像にキーロックをかけて視聴期間等を制限する技術。
 パソコンでのリッピングを防止するため、リッピングソフトの起動を妨害する事も行われています。
 この技術はDVDを低価格で販売して視聴時に課金する、ケータイDVD等で利用されています。 最近はローソンでも売ってますね。
 なお、リッピング制限を回避する方法については別ページで特集しています。

RipGuard DVD
 マクロビジョンが発表した、パソコンでのリッピングを制限する技術。
 特殊なメニュー構造により、一部のリッピングソフトではエラーが発生するようになります。
 この技術は互換性に少々問題があるようで、一部のプレーヤーでは再生できない事例が起きています。
 参考リンク:RipGuard DVDはコピーできるのか?

ArccOS/PuppetLock
 読み込めないセクター(不良セクター)を意図的に配置したコピープロテクション。
 一部のリッピングソフト(DVD Fab Decrypter、AnyDVD)では対応済み。
 参考リンク:ARccOSについて


 音楽CDのコピーガード

 エイベックスが発売しているコピーコントロールCD(CCCD)が代表的なもので、CDS-200という方式が採用されています。
 これは、音楽CDに不正な情報を入れることでCD-ROMドライブを騙し、パソコンで読めないようにするプロテクトです。
 ソニーが発売しているレーベルゲートCDもオーディオ部分にはCDSを採用していますが、CCCDと違って、インターネット上で認証手続きを行えば圧縮音声をパソコンにコピーできます。

 CCCDをパソコンに入れると、自動的にプレーヤーソフトがインストールされて再生が始まりますが、これは圧縮音声が再生されているもので、本当のCD音声ではありません。
 また、一部のプレーヤーでは再生できないこともあるので注意が必要です。
 エイベックスは、再生できない場合でも返金しないと言っているので、もし再生できなければ大損です。最悪、CDプレーヤーが壊れる可能性もあるようですし。
 再生できない原因は、CCCDがCDとは呼べない規格外ディスクとなっているためです。

 CCCDをコピーするにはExact Audio Copyなど、リッピングに特化したソフトを使うのが有効なのですが、基本的に読み込み性能はCD-ROMドライブに依存しているため、ソフトだけでは対応不可能な場合もあります。
 どうしてもリッピングできなければ、最後の手段としてCCCDを読めるドライブを買うしかありません。
 もちろん、「CCCDがリッピングできます」などと言って売られている訳ではないので、どれが対応しているかは各自で情報収集してください。
 対応ドライブさえあれば、後は何も考えなくてもフツーにコピーできるので、とっても楽ちん♪
 参考:CCCDについては、こらむCCCDCD-R実験室が詳しいです。


CDS(Cactus Data Shield)
 Midbar Tech(後にMacrovisionが買収)が提供するコピーコントロールCD。
 この技術には3つのレベルが設定されていて、現在「CDS-100」、「CDS-200」、「CDS-300」の3種類があります。
  --- CDSの種類 ---
・CDS-100:PCでは再生できません。
・CDS-200:オーディオトラックに加えデータトラックにも専用形式で音楽データを記録。さらに、専用の再生ソフトも入っていて、これによりPC上でも再生のみ可能となっています。
・CDS-300:WMA形式の圧縮音声をハードディスクにコピーしたり、DRM対応の携帯プレーヤーに転送したりして聞くことができます。

レーベルゲートCD
 CDS-200にインターネットによる認証を追加した方式。
 認証を受けると1回だけ無料でパソコンにコピーを取ることができます。(2回目以降は有料)
 レーベルゲートCDはパソコンで再生するだけでもインターネット接続が必要でしたが、新方式のレーベルゲートCD2では何もしなくても再生だけはできるようになりました。
 パソコンへの圧縮音声の取り込みは従来どおりネットでの認証が必要です。
   --- 参考リンク ---
 レーベルゲートCDの「認証技術」ってなんだ?
 SMEのCCCD「レーベルゲートCD」が販売開始
 CD-R実験室 - レーベルゲートCD

セキュアCD
 東芝EMIが新たに導入した著作権管理技術。マクロビジョン社の「フェアフリーダムCD」技術が使われている。
 リッピングはできないが、パソコンでも専用プレーヤーソフトが起動することで再生できる。制限付きながら、CDや携帯プレーヤーへのコピーも可能。
 ただし、対応する携帯プレーヤーは Windows Media DRM に対応した機器のみで、iPod は不可。
 対応OSは Windows 2000/XP のみです。(制限が多いな)
 パソコンでの取り扱いに制限があるにも関わらず、CCCDマークは付いていません。買うときは注意してください。
 参考リンク:新たなCDコントロール技術「セキュアCD」を試す

Alpha-Audio
 主に韓国で採用されてる、SETTEC社開発のコピーコントロールCD。
 パソコンに入れると専用プレーヤーが立ち上がるのはCDSと同じですが、再生されるのはCD音源そのものです。(低音質の圧縮音源でない)
 肝心のコピーコントロール機能が弱くて簡単にリッピングできてしまうのも嬉しいですね。コピーガードとしてはダメダメだけど。

MediaMax CD3(旧名:MediaCloQ)
 SunnCommが開発したコピーコントロールCD。
 パソコンにCDを挿入すると、AutoRun機能によりコピーを妨害するソフト(デバイス・ドライバ)がインストールされます。
 コピーコントロールをAutoRun機能に頼っているため、CD挿入時にShiftキーを押すだけで回避されてしまうのが間抜けですが。
 CDS-200などと同様に圧縮音声も収録されていて、これはパソコンにコピー可能です。
 日本国内での採用実績はありません。

SafeAudio
 Macrovisionが開発したコピーコントロールCD。
 SafeAudio技術は、CDに収められた実際のオーディオファイルに意図的に“歪み”を加えることで機能するとMacrovisionは説明しています。
 この“歪み”はCDプレーヤー上で再生する分には問題ないが(一般のCDプレーヤーにはサウンドの欠陥を効果的に除去するエラー修正技術が搭載されているため)、PCハードディスクにデジタル複製されたものを再生すると「パチパチ」「カチカチ」という耳障りな雑音が聞こえるらしい。
 日本国内での採用実績はありません。

key2audio
 SONYの関連会社であるSONY DADC社が開発したコピーコントロールCD。
 「SafeAudio」の1バージョンとの説もあります。
 日本国内での採用実績はありません。
 参考リンク:CD-R実験室 - key2audio


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