2007 F1 ROUND15 日本GP
体感パビリオン
1976 F-1 World Championship in Japan

[Lotus77-Ford]

このマシンは、マリオ・アンドレッティが、日本初のGPを制したマシンそのものだそうです。この年、私はまだ高校1年生で14incSONYトリニトロンカラーTVで、この歴史的一戦を観ていました。TVを観ながら、現地に行かなかった事を、もの凄く後悔しました。「来年こそは、何としてでも行くぞ!」と固く心に誓った事を今でも憶えています。そして、77年に、ついにヒッチハイクで行った訳です。
この時の「もの凄い後悔」こそ、今も無理をしてでも、現地に行って観戦する最大の理由かも知れません。トラウマですね!?
てな、訳でこのレースは、私のF1通いを決定付けた、重要なレースだったのです。
Fタイヤは、かなり細くて小さいです。確かフロントは13incだったように記憶しています。Fサスペンションは凝った作りのロッキングアーム式Wウッシュボーンで、アンチロールバーは、かなり下に付いています。ジオメトリーの調整範囲が広い替わりに、ペンシルノーズと言う事も有り、サスがカウルから、かなりはみ出す結果となりました。空力的にはかなり損な気がします。しかし、このマシンが翌年、F-1の空力を引っくり返した、グランドエフェクトカー[ロータス78]にと進化したのです。
ロータスにとって、この2年ぶりの優勝は、翌年以降の快進撃の起爆剤となった、非常に重要な一戦だったと言えると思います。
リア・スタイルは、コジマもそうですが、当時のマシンは迫力有りますね。
フロントタイヤに比べ、リアタイヤの太い事!
でっかいインボード・ブレーキは、ばね下重量の軽減とローターディスクの大型化が可能な為、当時のスタンダードでした。ウイング・マウントはアルミプレートの組み合わせで、KEと比べると、かなり華奢な作りですが、軽さと強烈なダウンフォースにも十分絶えられる剛性を兼ね備えた構造で、この辺のノウハウが、百戦錬磨のチームとスポット参戦チームとの違いかもしれませんね。

[Kojima-Ford KE007]

幻のポールポジション!
日本のF1シーンを語るのに、絶対外せないマシンがこのコジマエンジニアリングKE007です。
チームオーナー:小嶋松久 設計はマキF1も設計した小野昌朗、ボディデザイナー:由良拓也、チーフエンジニア:解良喜久雄 ドライバー:長谷見昌弘とレース界の錚々たるメンバーが揃っています。
あわや「ポールか?」と言うタイムで最終コーナーまで来て、そこで左サス・アッパーアームが壊れ、大クラッシュ!スペアカーの無いコジマは、レース村総出で修復にあたり、40時間後には、10番手のポジションに並べました。東洋の奇跡!

富士スペシャルの為、マーチF2風のスポーツカーノーズを敢えて採用し、直線重視のコンセプト。しかも、カウル下には、ダミーノーズが隠れていて、必要ならすぐにウイングノーズに変換できました。
2枚目の写真の水平マウントラジエターは、設計の小野さんのお得意で、F1処女作「マキ」でもこの手法を使いました。当初国内外から「冷えるわけない」などと極評されましたが、後のF1では水平マウントが主流になった記憶が有ります。テストでは、ラジエターはこの2/3程度のサイズで、オイルクーラ―と二重構造だったと思います。リアウイング下のオイルクーラーも水平マウントです。
タイヤは日本ダンロップ、ショックはカヤバのガス室分離ダンパーと色々革新的要素の入ったマシンでした。

このマシンは、76年のレース後、資金繰りの為、売りに出され、ショーカーとして全国を転々とし、最後の方は四国や山陰の喫茶店などの広告塔になり、最後はタイヤショップに無残な姿で放置されていたようです。
2000年頃、KE007レストア・プロジェクトが有志で発足し、上記のタイヤショップで発見され、レストアが開始されたようです。その時の様子をネット上で公開していました。当時貼られていたステッカーなどの提供も呼び掛けられていましたが、実は私は「KE」のステッカーを持っていたのですが、(レストア後の007には貼られていませんが、予選までフロントノーズに貼られていたサイズ)提供しませんでした。ごめんなさい!
そして見事に蘇り、2004年にグッドウッドフェスティバルに招待され、長谷見さんのドライブで、その勇姿を再び現わし、今回31年ぶりに富士に戻って来たと言う事だと思います。

エンジン:コスワースDFV

 ミッション:ヒュ―ランドFG400 5速

BP7 ツアーバス乗場
ツアーバス駐車場
バス、バス、バスのオンパレードです。いろんな会社のバスが見れて、バスマニアには、たまらない物が有ったのではないでしょうか?
駐車場は舗装されてなく、どこもぐちゃグチャ!
右側の列はトイレ待ち。
ココはまだ良い方で、シャトルバス乗場は大変な事になっていたみたいです。
TOYOTAブース
TOYOTA TF 104
イベントカーの場合、
寄せ集めパーツで組んで有ったり、カラーリングだけ最新型にしたりと、型式を特定するのは非常に難しいです。特にトヨタはボディ形状が2003年当初から大きな変化が無く、実践マシンでもカラーリング以外で判断するのは難しいですね。
で、このマシンはカラーリングのみ2007年TF107仕様のTF104でファイナルアンサー!?
乗ってるのは
「ヤルノ次男ケイ」!
年がいもなく乗ってしまいました。以前、中嶋悟が乗ったロータス99Tにも座りましたが、それに比べるとかなりコンパクトです。
特にトレッドが狭くなり、99Tだと「とてもこんなデカイマシンで競争なんか出来ない」と思いましたが、TF104だと「これならなんとか走らせる事ぐらい出来そうかな」と思いました。
体感パビリオン
今年の日本GP優勝者L..ハミルトンのヘルメットです。
セナを思わすそのデザインにドキッとしてしまいます。
速いからイイけど!!
今回の富士の雨の中、彼の1コーナー進入スピードは、明らかに他のDr.とは違っていました。新人とは思えぬマシンコントロールにビックリ!腕、頭脳、冷静な心を持った、ずば抜けたレーサーだと思いました。伊達にデビューイヤーにチャンピオンシップをリードしてはいませんね。彼のドライビングを観れただけでも行った価値が有ると思いました。
体感パビリオンには、ほぼ全員のヘルメットが展示してありました(2位のH.コバライネンのは有りませんでしたが)
3位 K.ライコネン
絶対抜けないと言われていた100Rでのアウトからのオーバーテイク!カッコ良かったですね!しびれました。
3位入賞で首の皮一枚でチャンピオンシップに生き残るあたりは、さすがフェラーリドライバー!

トヨタのマシンのステアリングにマグネッティマレッリのECUにつながれてデモしてました。現代F1のステアリングは数多くのボタンとダイヤルが並んでいますが、ドライバーの意思で触るボタンは上半分位ではないでしょうか?下半分のダイヤル&ボタンはエンジニアからの「デフのダイヤル6に」とかの無線指示で動かすんだと思います。はっきりしたボタンの位置は判りませんが、左上下に、セーフティカー、無線、ニュートラル、ファンクション。右上から下に、ピットリミッター、スタート、リバース、ファンクションかな?
ダイヤルは、空燃費調整 トラクションコントロール/エイペックス用、トラクションコントロール/コーナー出口用、エンジンプログラム変更ダイヤル、メニュープログラム変更ダイヤル、デフ。

下白ボタン4ツは、オイル、バーンアウト、ピットコンファーム、タイヤかな?
裏側パドルがシフト、クラッチ。
D席
D席ゲートから後を見ると30度バンクが見えます。正に「強者どもが夢のあと」です。
一時、放置されペンペン草が生えているような状態でしたが、今はメモリアルコースになっていて管理されているようです。
下のトンネルは旧コースの1コーナー駐車場に行く道ですね。懐かしい!

D席24列114番から1コーナーの眺め。
普通に座って正面の眺めです。VeryGood!! ラッキー!!

やはり、ツアー優先の割り振り。周辺は全てツアー客です。
首を少し、左に振った眺め。
中央右の黒い物がサーキットビジョン。パナソニック製なんだけど、これが鈴鹿に比べて2まわり位小さくて、見にくい!
文字なんかとても読めません。鈴鹿は、たしか東芝と三菱製だったように思います。やはりパナを使わないと、まずかったのでしょうか?大変不評で、逆宣伝でした。
今回は、いたるところで逆宣伝ばっかり・・・残念!

身体全体を左に傾けた眺め。
コカコーラ・コーナー進入まで見えます。美味しい席でしょ!

コースイン側は自由席なのですが、コカ・コーラ進入なんて、かなり面白いと思います。自由席ならココか100Rでしょうね。富士の良い点は、自由席でも良い場所が多い点だと思います。
岡の上のブルーの一帯は、パドッククラブ専用観戦席です。雨の中、パドックパス買った人達がココで観るとは思いませんが・・・それでも決勝レース中は、4〜5人いたかな?多分、世界一すいている指定席!
1コ―ナー・エイペックスを肉眼で観るとこんな感じです。けっこうマシンが大きく観れます。満足、満足・・・
ここが噂のC席です。
確かに、仮設席部分の傾斜の方が、常設部分より緩いようです。横から見るとはっきり解かります。
当初、この席にしようと思っていました。危ない・・危ない。
スピードウェイ・プラザ
ジャンクスポーツ・
        浜田大明神
デカっ!
これかなりでかいです。
食事は最悪でしたね。
鈴鹿では考えられない値段で、しかも何処にも屋根がないから、雨水入りフードになってしまいます。そんな状態を見ながら何も対策しないFSW&店側の対応に疑問を持ちました。ビーチパラソルでも何本か置けば、全員は無理でも子供たちだけでも助かったのにと思いました。

写真は「佐世保バーガー」ひとり勝ちの図。唯一、行列の出来る店でした。全長13cm・パティ3cmは有ろうかと言う巨大バーガーです。レタス、パティ、センターパン、目玉焼き、チーズ、厚切りベーコンと昔のアメリカ映画で観たハンバーガーそのままです。これも1,000円でしたが納得しました。お客もバカじゃないって事ですよ!富士SWさん!

シュラフ片手にヒッチハイクで行った77年日本GPから30年。
富士の裾野に再びF1の咆哮が帰って来ました。
当時の私と同い年になる次男と一緒に、富士でF1を観れる事は本当に感慨深い物が有りました。
今回、30年振りの富士開催にあたり、チケット&ライドへの懸念、天候不良時の避難場所確保、
優良席ツアー優先の予感等のリスクマネージメントとしてツアーを選択しました。
結果的に、これが大正解でした。
残念ながら雨天対策の不備、アクセスの問題、C指定席視界不良の件、食事の問題、医療体制等、
余りにもお粗末なオペレーションの結果、観客へのホスピタリティの欠如となり、観客不在のGPでした。
事前に心配されていた事柄が、全て起こってしまう大変なGPとなってしまいました。
また、一般観客にはフラッグ禁止にしておきながら、トヨタは指定席全面を覆う巨大フラッグや
小旗応援団を繰り出し「今日はトヨタGP」とばかりの横行は、許し難い物がありました。
GPを広告媒体とみなし、私物化しようとするこれら一連のおこないは、
GPの名をけなす冒涜行為とすら感じました。
その他、悪天候のせいには出来ない失態のオンパレードでF1ファンとしては目を覆いたくなるGPでした。
そんな中、日本GPを救ってくれたのはドライバー達でした。
あの霧と雨では何も見えなかったと思いますし、走らなくても誰も責める事は出来ない状況でした。
レース中止やボイコットが有っても何ら不思議ではない状況下で、全ドライバーが走ってくれました。
セーフティカーが退き、スタートした時は、感謝の気持ちと、アクシデントが無い事を本気で願いました。
D席に関しては、視界も広いしコースと観客席の距離も近く、音も良くエスケープゾーンも整備されている為、
バトルが観れて、大変面白い素晴らしいサーキットだと思いました。
返す返す、オペレーション失敗が悔やまれます。
来年はこの大失敗を糧とし、素晴らしいGPになる事を願って止みません。
追記:[77年日本GPのブリジストンの帽子]は持って行きましたが、あの雨では被れず終い・・
    残念!!!

富士スピードウェイ 2007/09/30