はやし浩司

山荘ライフ01-5-7より
山荘ライフ
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町にいるときは、毎日考えるのは、山荘のことばかり!
はやく金曜日が来ないかと、そればかりが待ち遠しい。
ああ、ぼくは緑が好きだ。雨上がりの木の香は、私に
生きる喜びさえ与えてくれる

(♪+動画・紹介コーナーへ)


はやし浩司の山荘ライフ
Life with Nature in the Mountain House

Are we city people or mountain people?
We believe we belong to the latter for sure.
We love nature and only when we feel being surrounded by nature,
we feel the happiest as we dreamed long time ago, probably in our
childfood days. The photo at the bottom shows the front entrance of the house.
9月16日ナシの実ができ
る。いくつか取って食べた
が、ほんのりとナシの香りが
するという程度のナシ。ナシ
の栽培は難しいと、聞いてい
る。女房がいくつかを切って
テーブルに並べてくれた。
「ナシの味がするね」と、楽し
んで食べた。
地面に落ちたクリの実(9・1
6)。先週とるつもりだった
が、台風で今日に延期。5
0%の実は、もう虫に食べら
れていたが、自然界では当
たり前のこと。気にしなけれ
ば、おいしい。
しばらく水に浸しておくと、
虫が苦しいのか出てくる。
今日の収穫はこれだけ。今
年は少ない(9・16)。やは
りこまめに消毒をしないと、
望むような収穫はできない
ようだ。
彼岸花が道端に咲いていた。夕方、山荘から帰るとき、フラッシュを使ってこの写真をとった。あやしげな花だが、見方によっては美しい。私はあまり好きでない。岐阜のほうでは、私たちは子どものころ、「蛇の花」と呼んでいた? 私はヘビが大嫌い。
山荘での標準的な夕食。適
当な山草と、ご飯。それにダ
シ汁と、魚の切れ端を入れ
て、煮るだけ。それを茶碗に
よそって食べる。二人分で、
300円前後か。もっと安い
かも。この日はデザートにプ
リン。二人で分けて食べた。
10月21日、アケビがどっさりとできていたが、大半はすでに野鳥に食べられていた。先週は山へ来なかった。アケビの収穫は、10月13日ごろか。5月にもアケビはとれたので、アケビは年2回収穫できることになる。秋のアケビは紫色。写真は野鳥に食べられたあとのアケビ。残念!来年は、9月13日ごろ収穫するぞ! 女房の後姿をこっそりととった。こういうとき、女房は一番機嫌がいい。(12・9) さざんかが満開(12・9)。
風呂からの景色。遠くに、太
平洋が見える。
7月14日からヒグラシが鳴
き始めた。カナカナカナ……
と一晩中、悲しそうな声で鳴
く。私は眠るのも惜しんで、
その声に耳を傾ける。
物置小屋の下に何かが住ん
でいる……?タヌキか、キツ
ネか、それともハクビシン
か?夜になると、ここへ戻っ
てきて、ねぐらにしているよう
だ。
テラスは、自分で作った。
定期的にクレオソートで
防水加工している。
イスとテーブルは、近くの
製材工場で手に入れた。
寸法を合わせて切ってもら
ったので、全部で15000
円くらいかかった。テーブル
の工作は自分でした。
毎週、飲料水を山から運ぶ。
市内で飲料する水は、この水を使う。天然のミネラルウォーターである。このタンクは、山の水を、町へ運ぶためのもの。
しかし……私はこのタンクで腰を痛めた。女房も痛めた。
結構、楽ではないぞ!

栗の実。2000年の秋に
は、食べきれないほど、とれ
た。自宅にも20年木の栗の
木があるが、こちらは、熟す
前に実が落ちてしまう。
(7月22日)
レモンが、7個できた。今か
らそのレモンを使って、何を
料理するか、楽しみにしてい
る。(7月22日)
バーベキューコーナー。テ
ーブルは、一応、20人分
用意してあるが、この6年
間で20人も来たのは、たっ
たの2回だけ。

せんダンの木が生い茂った。夏らしい。女房はこの木がたいへん気に入っているようで、いつも「いいわ」と言っている。


散歩道の途中に作った、休
憩所。土台はブロックで作
り、その上に木を渡して、作
った。木陰で、お茶を飲む
と、おいしい。
山荘の西側の散歩道。ずっ
と下まで続いていて、ミカン
の木が2本ある。
散歩道から山荘を見たとこ
ろ。石段は、私が工事し
た。工事と言えるほど、大
げさなものではないが。一
日でできた。

散策する女房。女房の前の桜の木は、虫が入って、枯れてしまった。3〜4年木だったので、女房がいつも残念がっている。「来年は芽を出すかもしれない」ということで、まだ切らないで、そのままにしてある。私はダメだと思うが……。
女房と、東側の景色
(6・24撮影)
あじさいが、咲き始めた。
ここまで大きくするのに、
結構苦労をした。あじさい
は、雑草に弱い。(6月17
日)
山荘の周囲の全景
中央、やや左よりに見える
白い建物が私の心のふる
さとの山荘。水はこの山の
中腹から引いている。天然
のミネラル水です。
毎年ここまでは桃もできる。
しかしこのあとは、虫や鳥たちのエサになる。「今年こそ袋をかけよう」と話しているが、そもそも山の中で桃を育てること自体、無理なのだ。(6月9日撮影)
6月3日のサツキ。さらに満
開。美しかった。しばし見と
れる。
ビワが、今年も豊作。
食べきれないぞ!
ビワを食べる、女房(6月3
日)
山荘の入り口。
このあたりの工事は、私と女房がセメントをこねて自分たちで作った。左の七福神は、
100円ショップで買ってきたものを並べた。
2001年6月3日の夕日。
夕日の景色は、しみじみとし
た孤独を誘う。私はひとりぼ
っちが好きなくせに、孤独に
弱いという、矛盾した性格を
もっている。子どものころ、分
離不安症があったような気
がする。たいへんデリケート
な性格なのだ。多分……?
他人は、「明るくおもしろい人
だ」と言うが、本当はさみし
がり屋だと思う。
山荘の下の散歩道。
このあたりにはイノシシがい
るぞ! ホント!
サツキが満開!5月27日
撮影。山荘の入り口の両
側。
ビワが、そろそろ食べごろ。
6月に入ると急に甘くなる。(5月27日撮影)
山間部では、ビワが育てやすい。ほかの果物は野鳥やカラスのエサになるだけ。畑でできるのは、ニンニクとホーレンソーだけ。あとはモグラやイノシシのえさになるだけ。ミカンや柿、キーウィは、ハクビシンのえさになるだけ。これだけ学ぶのに、いくらの投資をしたことか……!
レモンの木がやっとここまで
になった。(高さ、1メートル)
雑草から守ってやるのがた
いへん。今年は1〜2個はで
きそうだ。楽しみ!
山荘の周りの道路舗装も、
自分たち(村の人たちと共
同)でした。コンクリートは村
からただでもらえた。

金宝樹が咲き始めた。5月
19日。
二男が「愛の散歩道」と名づけた散歩道。周囲、20メートルくらいを、ぐるりと作った。
左の円筒形の囲いは、一本一本、コンクリートで女房と二人でつくって、茶色の色を塗った。
初夏のセンダンの木は、本
当に初夏らしい。今日も近く
で一日中、ウグイスが鳴い
ていた。5月19日
5月17日、野イチゴがあたり
一面にできる。今ごろが食べ
ごろ。あと一週間遅いともっ
と甘くなるが、しかし小さなア
リがいっぱい入るので、やは
り今ごろが食べごろ。
山荘から東方面の景色。
新緑の匂いと、花々の匂い
がいりまざって、気持ちが
よい。
雨上がりの山々は、まるで生き物のよう。モヤが、あちこちで、呼吸を合わせたかのようにたちのぼる。すばらしい!
山荘の入り口。たいていの
工事は自分たちでした。
このエントランスも、ユンボを
使って私と女房が工事した。
野外バーベキューコーナー。
このあたりの工事は女房と
二人でした。石は韓国から、
直接輸入した。この村では焚
き火はきびしく禁じられてい
る。そこでこのコーナーを周
囲から独立させ、安全には
細心の注意を払った。
しいたけ栽培も、今年で5
年目に入った。今年(200
1年の春)は、あまりできが
よくなかった。天候が不順
だったからではないか。し
かし毎週、食べきれないほ
ど、できたが……。
小さな山荘だが、浄化槽で一度汚水を浄化したのち、さらに沈殿槽を二つ経由して、
五〇メートルくらいはなれた山の中に地下浸透させている。浸透させるために、深さ3メートル、長さ3メートル、幅1メートルの穴を掘り、そこにジャリをつめた。
水は、一度タンクに入れ、そ
こからポンプで水圧をかえた
のち、ろ過器を通して給水し
ている。ビニールカバーをか
けているので、外からは見え
ない。
土地づくりに6年もかかった。
最大の問題は「水」!こうし
た山村では、水が自由にな
らない。水源地はあるが、昔
からその土地の人たちの貴
重な水源でもあり、山荘を建
てたからといって、すぐ水が
手に入るというわけではなか
った。
週日は浜松市内で過ごし、
週末は山の中で過ごすとい
う生活が、今年(2001年)
でもう6年目に入った。
最高にすばらしいのは新緑
が目にまぶしい5月。秋に
なると、前の山々が赤く燃
えるようになる。
今年はアケビがよくとれた。
シイタケは雨が少なくて、多くは成長途中で春を迎え、今はほだ木の上でひからびている(5月)。
こういうところでお弁当を食
べると、500円のお弁当で
も、どんな料理よりもおいし
いから不思議。そうそう500
円のお弁当をいつも女房と
二人で分けて食べている。
意外とお金がかからないの
が、田舎暮らしの特徴では
ないか。都会の人のほうが、
よっぽど、リッチ(?)。
この花は、何の花?
しゃくなげ。ご存知?
水仙の間にはさまれて、咲
いていた。
5月の中旬になると、周囲
に野生のジャスミンが咲き
誇る。この写真は5月12日
に撮影したもの。今年は例
年より1週間早く咲いた。体
を溶かすようなあまい匂い
が一面にただよう。
これは自宅の庭で、梅(小梅)の収穫をしているところ。
2001年度は、大豊作。これだけでも10キロ近くある。大半は、木の上で腐らせるしかなかった。
置物のリス
入口のマスコット。
エントランス 庭から見た山の方角 入り口のマスコット
うさぎの親子
12・9、レモンの収穫。これ
ならちゃんとレモンに見え
る。
裏山の紅葉。今が一番美しい。(12・9) 前方の景色。(12・9) 前方の景色。(12・9)
2月23日、久しぶりにバー
ベキューコーナーで、焼きそ
ばを焼いて食べる。今日のメ
ニューは、焼きそばとチャー
ハンをまぜた、ソバメシ。
2月はじめの夕暮れの景色。もう少し明るかったが、写真にとると、このように暗くなってしまった。 3月2日の昼食。お弁当をふたつに分け、それに雑炊のもとを入れ、魚を入れて煮たものと、焼きそば。あとはシソの葉ジュース。これは女房の花粉対策用のジュース。 3月2日、ボケの花がまっかに咲いていた。
2月〜3月のはじめにシイタ
ケが収穫できる。今年は木
がだいぶ弱ってきたので、昨
年ほどはもう収穫できない。
また農家の人に、ほだ木を
分けてもらうつもりでいる。
草の中に咲いていた、アカシアの花。オーストラリアでは国花になっている。この花が咲くたびに、私はオーストラリアでの生活を思い出す。私がもっとも幸福で輝いていた時代だ。(3月2日) これはサクランボの花。今年はサクランボが豊作だろうと、女房が喜んでいた。しかし野鳥が多いから、そうはうまくいくかどうか。(3月2日) これは梅の花。大梅、中梅、小梅と三種類あるが、花の色、咲く時期、皆違うから、おもしろい。これは大梅の花。(3月2日)


はやし浩司の
おすすめベスト5
1……5月のころの雨上がりの朝
2……11月の終わりから12月の紅葉のころ
3……ひぐらしが鳴く夏の宵
4……5月の新緑が燃える山々の景色
5……真夜中に冷たい冷気が入ってくる夏の夜


山荘について……北側に玄関をつけたため、近所の人から、「鬼門」と嫌われています。
私たちは、まったく気にしませんが。表(南側)を広く、できるだけ景色を楽しめるように
したため、北側に玄関をもうけました。家だけは信用のおける業者に建築を頼みました。
ジャリなどは、自分たちでトラックを借りて、直接業者から購入して、庭に敷きました。
念のため申し添えるなら、できるだけ自分たちですることです。ジャリにしても、自分たちで買うと
1立米2500円ぐらいですが、中間業者に頼むと、2万円とか3万円をふっかけてきます。
正直に書きますが、この世界、本当にメチャクチャです。悪徳業者にかかると、何でも
10倍以上の値段をふっかけられます。ご注意ください!

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いらぬ、おせっかいかもしれませんが……

土地選びについて ●よくあやしげな業者が、新聞折込で安い山間地の土地を売りに出しますが、ああいう土地に手を出してはいけません。
●たいていは、家も建たないような、劣悪の土地で、しかも現地の相場の10〜20倍の値段をふっかけてきます。
●土地は、大手の信頼のおけるデベロッパーの開発した土地か、あるいは自分たちの足を使って、現地を歩きながらさがします。ぼくたちはそうしました。そして「これは!」と思う土地を見つけたら、地主と直談判をします。
●調整区域、農業地などの土地は買っても、家は建ちませんので、そのあたりの法律の知識は、最低限必要です。
●農地にも、農地委員会の保護下にある、いわゆる「色付農地」と、そうでない「白地農地」があります。色付農地は、保護をはずすのがたいへんで、あなたに農業資格がないのなら買ってはいけません。(農地委員会の許可がないと、変更はできません。しかしその農地委員会を通すのがむずかしいのです。よそ者では、まず許可がおりないとみます。)白地の場合は、木を植えて、山林に一度転用すれば、そのあと宅地に転用できます。この間、最低でも5年間は、山林の世話をしなければなりません。そのあと法務局の審査を経て山林になり、晴れて本登記による移転登記ができます。(たいへんですよ!)が、これで終わるわけではなく、宅地にしたあと、今度は隣地承諾が必要になります。隣接する土地すべての地権者の承諾が必要になります。(これもたいへんですよ!) さらに山間部の土地の場合、県のガケ条例にひかかることが多く、もしそうなら、家は建ちません。ガケ条例からはずれても、建築確認が取れないことが多く、公的な融資は受けられません。まず公的融資はないものと思ってください。
●また川のそばは、それとなく魅力的ですが、春から夏、秋にかけて、湿気がのぼってきて、別荘には向きません。特に夏は、虫、アブの大襲来を受けます。川のそばの土地はやめたほうがいいですよ。使い物になりません。
●山間部でも、北側の斜面の土地はやめましょう。日当たりのよい、南側を選びます。しかしそういう土地はたいてい農業地になっていますので、売買をして仮登記はできますが、移転登記をするには、いくつかの難問があります。この問題をクリアする情熱と時間のない人は、やはり大手のデベロパーの開発した土地を買うのが無難です。あとで売ることもできます。
●安い別荘地は、急斜面にあることが多いですが、急斜面はさけます。どこか不安定で、「落ち着いて別荘ライフ……」というわけにはいきません。
●理想の土地……小高い丘の上にある南向きのひな壇の土地
           背中側(裏)に、家の屋根の高さくらいの山がある。
           (冬に北風を防いでくれる)
           周りに農地がない。あると「隣地承諾」が取りにくい。
           農家からやや離れている。
           中型トラックが入れる場所(工事用)など。
水、排水について ●問題は水です。電気、ガスは、なんとかなります。しかし水がないと、山荘ライフは不可能です。毎週タンクで水を運んでいる人もいますが、やはりたいへんです。
●地元の農家の人に頼んでも、水はまず分けてもらえないと覚悟してください。99・99%、不可能です。山村、農村では、水は、まさに「命」。都会では水を簡単に考えますが、農家の人にとっては、そうではありません。(もちろん水道は別です。)農家の人たちは、自分たちでお金を出し合って、山から水を引いたり、土地をそれぞれ提供したり、あるいは清掃や管理を自分たちでしています。意地悪されたからといって、あなたは文句を言えないのです。しかも「水」は、先祖代々からのめぐみものととらえられています。土地の信仰とからんでいることもあります。水の問題をクリアできないなら、その土地はあきらめます。
●排水も、簡単ではありません。山下のほうへ汚水、生活排水を流すことはできません。排水の問題は、必ず真剣に考えること。
●私たちの水(参考)
  水源地→パイプ(500メートル)→(タンク)→(ポンプ)→(ろ過器)→(水道)としました。ろ過器をつけると、水圧がぐんと弱くなります。それでポンプが必要になります。
 また排水は、(浄化槽)→(沈殿槽)→(沈殿槽)→(50メートルのパイプ)→(浸透ます)としています。農家の人に迷惑をかけないよう、農家の人以上に、神経をつかうこと。
しきたりについて ●私たちはよい人たちに恵まれ、たいへんラッキーでした。山荘をもつということは、そのあたりの農家の人たちと同居するということです。距離が村から離れているから……というのは、理由になりません。そのあたりの自覚をもって、村に入ることです。私も山荘をもって、8年になりますが、都会人のおごりというか、傲慢さが、よくわかるようになりました。もともと私は田舎で育った、田舎人間ということもあります。
●山荘をもって、山間部へ入るということは、地元の人たちの世界に入るということです。これも簡単に考えてはいけません。地元には地元の慣習やしきたりがあって、これを無視したり軽視すると、あとでたいへんなことになります。私の友人などは、水道のパイプを切られてしまいました。どこで切られたかわからないので、また新たに引こうとしたのですが、多くの農家の人の土地を横切らねばなりませんでした。が、今度はだれも「OK」と言わなかったため、今は雨水をタンクにためて、生活用水としています。しかしやはり「郷に入ったら、郷に従え」が原則です。
●地元の人とよく話し合うということになりますが、それとて簡単ではありません。ご注意ください。
●とくに都会からやってくる人は、傲慢になりがちですから、ご注意ください。決して、田舎や田舎の人をなめてはいけません。(言葉がきついですが、これはとても大切なことです。)
家について ●私の場合、家だけは、信頼のおける建築業者に頼みました。街中の建築と違って、毎日、建築中の家を見に行くこともできませんから、やはり信頼のおける業者に頼むことです。
●あなたが夫なら、妻や子どもが喜ぶような家にすることです。妻や子どもが来たがらないと、山荘ライフの魅力も半減します。そのためバラックのような山荘は、かえってお金を捨てることになりますから、注意してください。
●場所にもよりますが、
 (1)前にも書きましたが、川の近くはやめる。夏は、蚊とアブの大襲撃を受け、しかも空気が湿気ていて、家は腐るなど、別荘としての機能を果たさなくなります。
 (2)基礎はできるだけ高くする。地面から床まで、最低、60センチくらいはあける。45センチでは、場所にもよりますが、やはり湿気ます。
 (3)雨トイは、近くに林があるなら、つけても意味がありません。秋に落ち葉が風で飛んできて、すぐつまってしまいます。
 (4)北側のカベには、通気口をつけること。つゆどきなど、しばらく閉め切ったままにしておくと、カビがすぐはえます。私の家には、ついていないため、苦労しています。(知ったかぶりの営業マンには注意すること。別荘のことは、別荘を建てた経験のある人に聞くこと。)
電気、ガスの問題 ●電気は、半径2キロ以内に電柱があれば、そこから無料で電線を引いてくれます(中部電力の場合)。ですから地図上で、半径2キロ以内に民家があれば、問題はありません。電柱の建設などは、電力会社がやってくれます。
●ガスも小型トラックが通れるような道があれば、ガス会社がボンベを運んでくれます。
●電気が引ければ、電話も引けます。
●なお、「別荘」ということで申請すると、税金は最高額の満額請求されますから、覚悟しておいてください。
●「借家」で申請して建てるというズルイ人もいますが、これ以上話すと、脱税指南になりますので、話せません。私たちはそういうズルイ方法は一切使っていません。念のため。
その他 ●安全、防犯対策を大切に。あまり人里離れたところだと、夜中に悪さをされます。道路側の目立つところも、よくいたずらされます。家具などをもっていかれることもあります。そのあたりを慎重にしてください。そのためにも、土地選びに時間をかけます。私たちの場合は、約半年をかけて、毎週土地さがしをしました。
●警備会社に警備を依頼すると、設備などで、初回30万円前後。毎月2〜3万円の費用がかかります。安くあげる方法としては、防犯感知機と、自動電話転送機をとりつけることです。パナソニックので、20万円前後で売っています。(侵入者がいると、自動的に別のところに電話をしてくれるシステムです。)
●50歳を過ぎると、気力が急速に弱くなってきますから、「建てよう」と思ったら、45歳くらいまでに決心するといいですよ。50歳過ぎると、そういうことをしようという気持ちすら弱くなってきます。「家でごろごろしていたほうがよい」と思うようになったら、おしまいです。
●地元の人の話をよく聞いて、最後は自分たちで決定します。
●できるだけ自分でできる工事は、自分でします。これが山荘ライフのおもしろいところです。醍醐味です。
●場所にもよりますが、農家の人は、雑草をいやがります。種が飛ぶ季節前には、雑草を刈りましょう。年に数回は草刈が必要です。体力に自信のない人は、除草剤をうまく使います。
●いろいろ遊びをつくるのが、こうした別荘ライフのおもしろいところです。しかし火の始末などは、細心の注意を払ってください。私も真夜中に、焚き火コーナーを破壊されたことがあります。(これが私が悪かったのです。今になってみると、村の人がなぜそうしたのか、よく理解できます。都会人のおごりでした、これは!)
おまけ ●よく「建ててよかった?」と聞く人がいますが、少し無理をしえでも、建てられるようだったら、建てたほうがいいです。
●別荘というと、ぜいたく品のように思う人がいますが、実際には、維持費はほとんどかかりません。電気、ガスをあわせても、月に5000円もかかりません。私たちの場合、水道代(地主への礼)が、月にプラス2000円かかりますが、合計でも1万円足らずです。つまりそれだけで、休みごとにどこへ行こうかとか、どこで遊ぼうかと考える必要はないわけです。それにドライブなどをすると、結構、お金がかかるでしょう。そういうムダな出費がないから、結局は安上がりになるのです。
●もちろんあれこれ修繕したり、修理したりしなければなりませんが、それを自分たちでするから、楽しいのです。その楽しさがわからない人は、やはり大手デベロパーの開発した別荘地に別荘をもつことです。毎月の管理費だけでも、3〜5万円はかかりますが……。
●山荘では、夫が料理し、洗濯し、……というように、妻には何もさせないのが、コツです。私はそうしています。(妻にさせると、妻の負担が二倍になるだけですね。これではうまくいくはずもないのです。)
●テレビを設置したとき、同じように山荘ライフをしている友人が、山荘にはテレビを置いてはいけないよとアドバイスしてくれました。私もそう思いましたが、しかし結局設置しました。「山荘ライフだから自然の中で……」と、気張ることもないのです。テレビを見たかったら見る。本を読みたかったら読む……という気楽さこそが大切ではないでしょうか。もっともテレビを見るのは、もっぱら女房のほうで、私はほとんど見ません。ビデオも最初のころこそよく見ましたが、今はほとんど見ません。自然の中の生活というのは、万事「自然体」で考えればよいのです。これは私の意見です。
●仲間とワイワイやるのが好きな人もいますが、私の場合、終日は毎日数十人の親や子どもと接しているため、週末はできるだけ人に会わないようにしています。ですから山荘に人を集めてワイワイやるのは、あまり好きではありません。のんびりと昼寝するほうが、私の場合、性にあっています。週末に接待などをすると、かえって疲れてしまいます。それにたいてい客で来た人は、ほとんど家事を手伝ってくれません。これが私の負担を2倍、3倍にしてしまします。本当に余計なことですが、あなたがどこかの山荘に招かれても、家事の半分は積極的に負担することです。決して「客」になってはいけません。これは友人の山荘を訪れる人の、マナーではないでしょうか。

あとはあなたの情熱です!


(付記)ときどき、あのまま三井物産という商社にいたら、もう少しマシな生活(?)ができたかなあと思うことがあり
ます。同期で入社した友人などは、今、ほとんどがそれぞれの子会社で社長をしたり、金持ちの女性と結婚して、優
雅な(?)生活をしています。(私の実家も貧乏ですが、女房の実家もこれまた貧乏でした。……念のため。)毎月経
済雑誌に顔を出して活躍している男もいます。しかしもしあのまま商社に残っていたら、私は今ごろどこかのビルで、
弁護士や会計士に囲まれて、お金の計算ばかりしているかもしれません。人それぞれですが、私はそういう生活は
ごめんです。ごめんだから、あの都会生活から逃げてきました。(本当は、はじき飛ばされたのかも……?)まあ、こ
れからもたいしたことはできませんが、私は今の生活を守りたいと思います。女房もときどきこういいます。「都会生活
と田舎生活の両方を求めるなんて、ぜいたくよ」とです。私の場合は、田舎生活を優先しました。まあ、そう人生、長く
はないし……。そのうち収入がなくなったら、この山荘は売りにだすつもりです。そのとき買ってくださる人がいたら、
そのときはよろしくお願いします。どうか買ってください。お安くします。