はやし浩司
子どもの神経症診断 【このテストでわかること】 心だって、風邪をひきます。ごくふつうのお子さんが、ごくふつうのご家庭で、ある日突然、心 の風邪をひくということも珍しくありません。その一つが、子どもの神経症です。心が何らかの 原因で変調すると、その症状は、さまざまな「様子」となって外に現れてきます。その様子をて がかりに、お子さんの心の状態を診断してみようというのが、このテストです。 【診断のし方】 該当する項目に、(○)をつけてください。あとで、その欄にある点数を合計しま す。 ●複数項目あるときは、一つでも該当すれば、(○)をつけます。 ●症状があっても、「軽い……」と判断されるときは、点数を2で割ってください。 ●今、症状が出ているときには(A)欄に、以前にその症状があったときには(B)欄に
(○)をつけます。
(B)以前にそういう症状が見られた
チェックシートは、必要な方に、お分けしています。
一度、お問い合わせください。
注意(比較的症状が重いと判断される項目については、点数を大きくしました。)
あなたのお子さんの年齢 満( )歳( )か月 性別( 男 ・ 女 ) ( 年 月調査) (A)今、出ている症状の合計 (B)以前にあった症状の合計 総合計点 点 点 点 調査協力 浜松市有玉小学校・南庄内幼稚園・大阪市育和学園幼稚園・中日文化センター(母親教室)の皆さん、 計男子78名、女子57名 調査責任者 はやし浩司(ひろし) 【テストの結果はいかがでしたか】 ●診断結果で得られた点数(A、Bと、総合点)が、あなたのお子さんの点数です。下のグラフ で、あなたのお子さんの年齢のところに、その点数を置いてみてください。点数が高ければ高 いほど(平均値を上回れば上回るほど)、あなたのお子さんの心には、何らかのキズがついて いる可能性があります。どうかご注意ください。 少しグラフが見にくいかもしれませんが、上(白線)から、AとBの合計点
中央ライン 現在(A)の合計点
下(破線)、以前あった症状の合計点(B)です。
縦軸……上から、9〜0点
横軸……左から、2歳、5歳、8歳です。
全体として合計点が、7〜8点以内であれば、それほど問題がないとみます。
問題のあるお子さんの場合、得点が、10点以上になるなど、極端に点数が高くなります。
注意(ここに表示したのは、あくまでも平均点です。従って、平均と比べて、どうだというような判断をしてください。) 【子どもの神経症について】 心理的な要因が原因で、精神的、身体的な面で起こる機能的障害を、神経症といいます。子 どもの神経症は、精神面、身体面、行動面の三つの分野に分けて考えます。 (1)精神面の神経症……精神面で起こる神経症には、恐怖症(ものごとを恐れる)、強迫症状 (周囲の者には理解できないものに対して、おののく、こわがる)、不安症状(理由もなく悩 む)、抑うつ感(ふさぎこむ)など。混乱してわけのわからないことを言ってグズグズしたり、反対 に大声をあげて、突発的に叫んだり、暴れたりすることもあります。 (2)身体面の神経症……夜驚症、夜尿症、頻尿症(頻繁にトイレへ行く)、睡眠障害(寝ない、 早朝起床、寝言)、嘔吐、下痢、便秘、発熱、喘息、頭痛、腹痛、チック、遺尿(その意識がな いまま漏らす)など。一般的には精神面での神経症に先立って、身体面での神経症が起こるこ とが多く、身体面での神経症を黄信号ととらえて警戒します。 (3)行動面の神経症……神経症が慢性化したりすると、さまざまな不適応症状となって行動面 に現われてきます。不登校もその一つですが、その前の段階として、無気力、怠学、無関心、 無感動、食欲不振、引きこもり、拒食などが断続的に起こるようになります。パンツ一枚で出歩 くなど、生活習慣がだらしなくなることもあります。 こうした神経症が現われると、親は、子どもを包む家庭環境を猛省しなければなりません。た いてい親は、その原因を外の世界に求め、「いじめが原因だ」「先生の指導が悪い」などと言っ たりしますが、まず反省すべきは、家庭環境です。子どもの側から見て、神経質な環境(こまご ま言う)、威圧的な環境(ガミガミ言う)、過干渉的な環境(上から何でも押しつける)、過関心的 な環境(気が抜けない)になっていないかを反省します。子どもが家の中で、のんびりと、くつろ げるような状態を大切にします。今回の診断テストで、高得点だった人ほど、注意してくださ い。 【今回のテストについて……】 比較的多かった項目を、多い順に並べてみると、次のようにな りました。
(小食、食事がのろい) ……48%(48%の方が、丸をつけました)
(ものをなめる、鼻をほじる、ものいじり)……31% (指しゃぶり、爪かみ、髪いじり) ……26% (涙もろい、ため息、すぐ泣く) ……24% (過食、拒食、異食、偏食) ……19% (不眠、悪夢、早朝起床、寝言、うわ言) ……15% (心因性のじんましん、アレルギー) …… 9% (不安発作、ぐずり、恐怖症、嫉妬) …… 9% (かんしゃく発作、激怒) …… 8% (夜尿、遺尿、頻尿) …… 8% (虚言、妄想、うそつき、言い逃れ) …… 6% (赤ちゃんがえり、下の子いじめ) …… 5% |