はやし浩司

くだらない話
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はやし浩司

●七個のりんごを、わざと数えまちがて、「六個だよね」などと言うと、幼稚園児でも、「あんた、
バカじゃない」と言う。そこで私は、また数えて、ゆっくりとしたリズムで、「ええと、やっぱり、あ
あそうか、七個だあ」と言うと、「あんた、本当に先生か?」と言う。こうした生意気さは、年長児
にはつきもので、またそういうふうに生意気になるのが、この時期の子どもの特徴といってもよ
い。頭から、決して、おさえこんではいけない。

●子どもの前で、威厳ぶったり、威張ったりする先生もいる。教育には威厳も必要というわけ
だ。しかし先生が権威主義的であればあるほど、子どもの心は生徒から離れる。子どもは先
生の前で、いい子ぶっているだけ。これでは互いの心を開くことはできない。(先生も疲れる
が、生徒も疲れる。)

●しかし失敗もある。以前、こんなことがあった。学習中、フラフラと歩き回る子どもがいたの
で、「パンツにウンチがついているなら、立っていていい」と言ったときのことだ。その子どもは
そのまま席についたのだが、横にいた子どもが、「先生、本当にこの子のおしり、臭い」と言っ
た。それがまずかった。その子どもはそのときは、皆と一緒になって笑っていたが、その夜、父
親から抗議の電話がかかってきた。「貴様は、うちの息子に、パンツのウンチのことで恥をか
かせたそうだな。貴様は、講演をしたり、本を書いているそうだが、それでも貴様は教育者か」
と。こうも言った。「お前はそれでも日本人か」と。世の中にはそういう親もいる。

●親の悪口は言いたくないが、何かにつけてからんでくる親がいる。「先生は、どう思います
か」と質問してくるので、あれこれ答えると、そのつどからんでくる。そこで適当に答えていると、
それも不満らしく、またからんでくる。Dさん(40歳・女性)もそうだった。顔を合わせるたびに、
あれこれとからんできた。「北朝鮮の拉致問題をどう思うか」「消費税をどう思うか」と。そこで適
当に答えていると、「あんたはそれでも教育者か。日本人ならもっと怒るべきだ。日本人である
ことを忘れた教育者など、社会のゴミだ」と。その親は、それからしばらくしてから、アルツハイ
マー病と診断されたそうだが、そういう親もいる。このタイプの親は、とんでもないことを言って
は、ズケズケとからんでくるのが特徴。もっともこういう仕事を30年もしていると、それもわかる
ようになる。アルツハイマーについていうなら、全体の約5%前後の親にその傾向がある。しか
も子どもが中学生になるころから発症するので、タチが悪い。あなたはだいじょうぶ?