≪A1・HR通信≫
第27号
2003/1/17

2003年の年頭にあたって


2003年最初の『ルネサンス』です。今年も、どうぞよろしくお願いします。
冬休みにいくつかの本を読みました。中でも、まだ最後まで読みきっていませんが、ジョン・ダワーさん(歴史学者)の『敗北を抱きしめて〜第二次大戦後の日本人〜』(1999年ピュリッツァー賞受賞)という本が印象に残っています。
この本では、教科書に載るような有名人ではなく、普通の人びとが占領下の日本でどのように生きていたのかを描いています。とくに印象的なのは、敗戦後の混乱の中でも、当時の人びとはいろいろな方法で疲労と絶望をのりこえ、希望をもち、生き生きと生きていたことです。
そして今日1月17日といえば、8年前の阪神大震災が思いおこされます。このとき被災者の方々は、疲労と絶望に直面していたことでしょう。しかしかれらは、ボランティアの方々に助けられながら、神戸のまちをたて直そうという希望をもち、日々を生きたのではないか、と思います。もちろん、まだたち直っていない人がたくさんいることを忘れてはならないですが…。
2003年の日本。不況、リストラ、就職難、外交問題…、と「疲労と絶望」の淵にたたされています。しかしこのような中でも、過去の人びとのように、現在の私たちは大きな希望をもち、夢を語らねばならないのではないか、と思うのです。そうすることによってのみ、たち直ることができるのです。
2001年にピュリッツァー賞を受賞したのは、ハーバート・ビックスさん(歴史学者)の『昭和天皇』という本。外国人による日本に関する本が、今、話題をよんでいます

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