ふだん、私は白衣を着ているために、K先生から「何を教えてるんだっけ?」と、からかわれることもよくあるので、今回は、「社会科の先生らしい」ことを書いてみようと思います。 |
世論調査によれば、日本が戦争に「巻き込まれる」のではないか、と思っている人が、具体的な数字は忘れましたが、相当いるそうです。確かに、そうかもと感じる今日このごろです。 |
しかし、明治時代以後の歴史をみれば、戦争に「巻き込まれる」どころか、日本が主体的に戦争に「巻き込んだ」というのが実態です(現在もそうかもしれませんね)。現在、日本史の授業で、およそ60年前の「アジア太平洋戦争」を中心に学習していますが、これも日本がアジア全体を戦争に「巻き込んだ」といえます。そして、日本の人びとは「政府の行為によって再び戦争の惨禍(さんか)が起こることがないように」(日本国憲法前文より)と、平和憲法である日本国憲法を定めたのです。 |
12月9日、小泉首相は自衛隊のイラク派遣を決定した記者会見で、その日本国憲法を引用しました。しかも「憲法の理念に沿う」と、まったく勝手な解釈をしながら。私は、あいた口がふさがりませんでした。どう読んだら「憲法の理念に沿う」んだ!と。 |
世界史上もっとも先進的な内容の平和憲法をもつ日本が果たす国際的な役割は、自衛隊(軍隊)を派遣することではなくて、もっと別のところにあるのではないでしょうか?「別のところ」によってのみ、日本が本当の意味で「国際社会において、名誉ある地位を占め」(日本国憲法前文より)ることができるのです。 |
最後になりますが、健康・事故には十分注意して、冬休みを有意義に過ごしましょう。それでは、よいお年を! |