この前の日曜日、私は興津で行なわれた「坐漁荘(ざぎょそう)開館記念講演会」を聞きに行きました。興津といえば、戦前、「最後の元老(げんろう)」といわれた西園寺公望(さいおんじきんもち、1849〜1940)が暮らしており、このたび彼の別荘である坐漁荘が復元され、一般に公開されました。 |
西園寺公望は、大正時代に2度首相に就任し、その後元老となりました。そのころから風光明媚な興津で暮らすようになり、昭和戦前期、彼のもとを訪れる政府要人があとを絶ちませんでした。 |
西園寺は、広い国際的視野に立って、軍部の政治への進出に反対し、アジア太平洋戦争にも反対し続けました。戦前という時代にあって、西園寺がこのように考えることができたのは、20代での10年間にわたるフランス留学の経験が大きいでしょう。 |
いま、イラクでは戦争が続いています。政府が「危険だから行っちゃいかん」と何度も警告しているイラクに、憲法を無視して自衛隊を派兵し、「復興支援」活動をさせています。(しかしその実態は伝わってこず、本当にイラク人のためになっているかどうかは不明)そのために、日本の人びともテロにあいかねないという(イラクでの人質事件が好例でしょう)、私たちの「平和のうちに生きる権利」(憲法前文)が侵害され、私たちが「迷惑」しています。 |
平和憲法といわれる日本国憲法がないがしろにされている時代を、西園寺が生きていたならば、どのように考え、何を語ったでしょうか?今こそ興津の西園寺の政治思想に学ぶときです。 |
G.W.が始まります。地元の隠れた名所に行ってみてはいかがですか?坐漁荘復元をきっかけに、興津にかつてのにぎわいが戻ってくることを願うばかりです。 |