日本史夏期課題サポート

今年度、みなさんは2年目となりますので、昨年度とは違った内容の課題を課しました。授業で、戦争のことを中心に学習しているので、このような課題を設定しました。「戦争のあと」なんてなかなか見つからないよ、という人のためにヒントとなることをここで紹介します。

静岡・清水地区の「戦争のあと」
●駿府公園…かつては静岡34連隊がおかれていました。今は34連隊の碑だけですが。
●護国神社…本当にいろいろなものがあります。さらに遺品館もあります。だれがこのような事態を引き起こしたのかという視点で見てみるとよいでしょう。
●静岡市戦災犠牲者慰霊碑・B29墜落搭乗員慰霊碑…浅間神社・賎機山古墳のところをずっと登って行くと、あります。なかなかたどり着くのがたいへんですが、登ると静岡の街が一望できますよ。
●陸軍墓地…静岡市立高校のそばに蓮永寺というお寺があります。そこに陸軍墓地があります。お墓からもいろいろなことが分かりますよ。
●竜爪山・穂積神社…授業でも紹介しました。
●清水空襲の跡…禅叢寺(上清水町)を訪ねると、空襲の跡が。また清水空襲の際、逃げ遅れた人びとは巴川の万世橋の下にとびこんだとも。
その他、ここに挙げたのはほ〜んの一部です。「清水の○○に防空壕があるよ」という話(生徒談)も聞いています。探してみてね。
遠足の下見で行きました
木に埋もれてしまいましたが、静岡市戦災犠牲者慰霊碑とB29墜落搭乗員慰霊碑があります。 ひっそりとたたずむ竜爪山・穂積神社。戦前は賑わいをみせていました。若い皆さんは歩いてここまで来てみましょう。

参考となる文献
●静岡県近代史研究会『史跡が語る静岡の十五年戦争』青木書店
●静岡県教育委員会『静岡県の近代化遺産』

静岡・清水地区で開催される催し(いずれも入場無料)
6/14(金)〜9/27(日) 「銃後」のくらし〜下町の写真屋さんが見た静岡の人々〜 静岡平和資料センターにて開催中
金・土・日しか開館していないので注意を。 詳しくは静岡平和資料センターのHPを見てください。
8/9(金)〜17(土) 平和のための清水戦争展 清水市中央公民館・1階展示ロビー
8/10(土)午後、戦争体験者(人間魚雷「回天」の訓練を受けた方)のお話があります。
8/13(火)〜15(木) 平和のための戦争展・静岡 静岡市役所・市民ギャラリー
8/13(火)〜8/18(日) 平和のための富士戦争展 富士市ロゼシアター展示室
8/15(木) 戦争体験を聞くつどい 静岡市中央福祉センター・3階13:20〜16:30
静岡大空襲/シベリア抑留/満蒙からの逃避行
詳しくは静岡平和資料センターのHPを見てください。
8/17(土)〜8/19(月) 静岡大空襲と平和展 静岡市・柳町公民館
8/17〜8/19の毎日14時より語り部の集いが行なわれ、戦争体験のお話を聞くことができます。
*その他に、焼津・三島・浜松などでも「平和のための戦争展」が行なわれるようです。日程・場所は私は把握していませんが。

先輩たちの訪問先
昨年度はこの課題ではなかったので、これというのはありませんが、昨年度、廃線となった清水港線という鉄道について調べた生徒がいました。この鉄道が戦時中に果たした役割についても調べていました。また、静岡平和資料センターを訪問した生徒も何人かいました。これでもよいと思います。しっかりテーマをもっていくとよいでしょう。

その他もろもろのアドヴァイス
まず、要項の評価基準をしっかり見てください。どんなことを評価しているのでしょうか。

B資料等を調べ、
事実を正しく理解し、自分のことばで書いてあるかどうか?(15点)
C調べたことをもとに、感想がしっかりと述べられているかどうか?(15点)


とあり、それぞれ15点(50点満点中)を配しています。この点を重視して採点をしていきますので、ただ単に表示してある看板や案内板を丸写ししてこないようにしてください。とくに戦争関連のものは、しっかり注意してみないと、戦争の悲劇や悲惨さだけを訴えた展示があり、中国や朝鮮半島などアジアの視点がすっぽり抜け落ちてしまっているのがあるので、注意しましょう。戦争は確かに悲劇であり、悲惨です。でも、いったい誰がこれをひきおこしたのか、日本人には全く問題がなかったのか、という視点を忘れずもって展示などをみてほしいのです。