ウォン・インシック(黄仁植)

 生年月日不明、北朝鮮の宣川(センチョン)生まれ。
14歳の時から、チョイ・ヨンソル先生のもとで韓国合気道を学び、16歳の時には、韓国合気道金段のチィ・ハンツァイ(池漢載)から黒帯を認められる。
その後も修行を積み、韓国合気道七段としてハンツァイ門下で実力ナンバーワンとなる。

 1972年、師匠のチィ・ハンツァイと共にゴールデン・ハーベストと契約し、『アンジェラ・マオの女活殺拳』で俳優デビュー。
相手との間合いを瞬時に詰め、全身を回転させるようなモーションから繰り出す連続回し蹴りが注目された。
また、この作品のスタジオ撮影現場にブルース・リーが表敬訪問に訪れ、『ドラゴンへの道』への出演が決定。
日本人武道家・長谷平に扮したインシックが、ブルース・リーとの一騎打で「お前が、タ〜ンロンか?」のセリフを放った直後、アッという間に蹴りを浴びてブッ倒され、「オ〜痛! アア〜痛!」と唸りながら惨敗するシーンは、マニアの間では“迷シーン”として語り継がれることになった。

 以降、悪役スターとして数多くの作品に出演。
特に1974年の『スカイホーク鷹拳』では、当時69歳だったクワン・タッヒン(關徳興)扮する黄飛鴻を相手に、容赦のない連続蹴りをブチ込み、「最強最悪の俳優だ」と評されるようになる。
 また、ジャッキー・チェンとも『ヤング・マスター/師弟出馬』『ドラゴン・ロード』で共演。
特に悪党キムに扮した『ヤング・マスター/師弟出馬』では、クライマックスでの延々20分に及ぶジャッキーとのバトルで、絶妙のレッグ・コントロールから繰り出される蹴りのラッシュ攻撃を見せ、ジャッキー作品における最強の悪役として、日本のクンフー映画ファンの脳裏に強烈に焼き付いた。

主要出演作品リスト
制作年作品名
1972アンジェラ・マオの女活殺拳
1972ドラゴンへの道
1972麒麟掌【未】
1973死亡遊戯※
1973[足台]拳震九州【未】
1974スカイホーク鷹拳
1974中泰拳壇生死戦【未】
1975暗黒街のドラゴン/電撃ストーナー
1975艶窟神探【未】
1980ヤング・マスター/師弟出馬
1981ドラゴン・ロード
1982カンフー風林火山

※完成版『死亡遊戯』では、インシック出演シーンはすべてカットされた。


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