うみがめさんたちについて勉強しよう!
親ガメさんたちについて勉強しましょう。





子ガメさんたちについて勉強しましょう。







ここでは、相良海岸に来るアカウミガメについて勉強します。
親ガメさんの大きさは?
 親ガメさんの大きさは甲羅の大きさであらわす事が一般的です。
 甲羅の大きさは、直甲長(たての長さ)大人で約60センチ以上くらいを言うようですが、
 80〜90センチ、巾70センチくらいのものが一般的です。
 アカウミガメの場合、頭デッカチなので、全長で1メートルくらいと覚えておけば良いでしょう。
 ちなみに、甲羅はとれたりする事はありません。
 
親ガメさんたちは冬の間はどこにいるの?
 あまりよく分かっていないのですが、最近、電波発信機をつけたり、標識をつけたカメの
 確認をしてみた結果から、すこしわかってきました。
 大きいものは東シナ海で過ごし、小さいものは日本列島付近にとどまっているという調査
 結果が得られている。
 でも、ウミガメは変温動物なので、あまり寒いところにはいられませんネ!

何年くらい生きるの?
 『鶴は千年、亀は万年』という言葉が昔からありますし、東京には『亀屋万年堂』というお菓子屋
 さんもあるので、よく亀は千年くらい生きるの?という問い合わせがあります。
 でも、これも甲羅に年輪のようなものがないのでよく分からないのですが、一般には百年くらいだ
 と言われています。人間と同じくらいなのかな?

いつも海の中では家族と過ごしているの?
 基本的には、家族では過ごしません。よく、卵がふ化するのを沖合で待っていて、一緒に沖に向かう
 なんて話しがありますが、そんな事はないようです。
 交尾するときは、相手を求めたりして、時々並んで、海面に浮いている姿をみますが、おおくの場合
 ひとりボッチです。

どのくらいの時間、深さ もぐっていられるの?
 これもデータ不足で、よくわかっていませんが、通常10〜20メートルくらいの岩礁地帯に住んでいて、
 最高に潜る時は、100メートル以上潜る事もあるようです。
 アカウミガメから生まれたというガメラが『地深海』にすんでいる事を考えれば、うなづけますね。
 潜っている時間は、子ガメの時はほとんど潜っていられませんが、親ガメになると、通常でも40分
 以上、最大では4時間近くも潜る事が確認されています。

オスとメスの違いは?
 これは、簡単です。
 おとなのアカウミガメの場合、オスには長い尻尾がついています。メスには短い尻尾のようなものが
 あるだけです。
 産卵地でしか見たことのない人は、オスのシッポを見たことがありません。
 もちろん、メスしか産卵しないからですね。オスは生まれてから、二度と陸にあがる事はないようです。
 水族館に行って見てきましょう。

1回にいくつくらい卵を産むの?
 アカウミガメの場合、1回に100〜120個くらいの卵を産みます。ピンポン玉くらいの大きさで、
 ブヨブヨとしていて産み落とされる時のショックをやわらげてくれます。そして、たくさんのネバネバ
 した液が細菌などから卵を守ってくれるようです。

どのくらいの間隔で産むの?
 40〜50日間隔で、1シーズンに2〜3回くらい、卵を産むようです。
 ちなみに相良海岸では、5月19日に産卵した同じカメ(名前は華子という)が7月8日に同じ海岸
 で産卵した事が過去に確認されています。

産卵する浜は決まっているの?
 アカウミガメの場合、『母浜回帰』説というのがあって、生まれた同じ海岸に戻ってきて、産卵すると
 いう説があります。最近ではDNA解析によって、ある一定地区のグループが存在する事はわかって
 きましたが、まだ研究段階です。
 ある程度の広い範囲(100km程度の距離的な広さ)では、そのような事が言えるらしいのですが、
 なにを手がかりに生まれた浜を目指してくるのかは、はっきりわかっていません。

産卵する時期は?
 産卵する時期は通常5月から8月中旬までです。
 4月になると南の沖縄や屋久島からはじまり、北上してきます。

産卵する時間は?
 時間は、ずばり夜の間が最も多いです。多少時間や潮には影響されますが、相良海岸においては、
 人の居ない時間がもっとも多いです。
 人がたき火や花火をしていたり、4WD車が走り回っているのは論外です。
 見物(ウミガメを)に来ても、懐中電灯など点けてていても上陸してきません。

子ガメさんの大きさは?
 子ガメさんの大きさは、だいたい5cmくらいです。
 正確にはふ化幼体といって、甲羅はまだやわらかく、お腹には卵黄とつながっていた
 おへそのようなものがあります。

子ガメさんは卵を産んでからどのくらいでふ化するの?
 だいたい60日くらいでふ化します。砂の中の積算温度(毎日の温度をたしていったもの)
 でふ化が決まるので、5月頃のものは80日くらいかかりますし、7月産卵のものは45日
 くらいでふ化するものもあります。
 ですから、早い時期に産卵したものも、遅い時期に産卵したものも、一斉にふ化して海に
 むかうのです。そして、丁度、その時期には、お盆すぎで、どよう波がたち、西風が吹き始め
 そして、子ガメの餌となるクラゲのアカチャンの大群が沖合の黒潮に乗ってやってくるのです。

子ガメさんのオスとメスはいつ決まるの?
 ふ化途中の一定期間の砂の温度で決まると言われています。
 29℃より高いとメス、低いとオスになります。これは、温度性決定といわれ、は虫類では
 ワニなんかもそのようなシステムで性が決定されます。
 最近、地球の温暖化が問題になっていますが、このようなものも、ウミガメの性比に影響
 を及ぼせば、将来は絶滅という事態になるのかもしれません。

子ガメさんはどうやって巣穴から脱出するの?
 100個から120個の深さ40〜60cm産み付けられた卵は、順次ふ化してゆきます。
 最初にふ化したものから、最後のものまで1週間くらいかかってふ化しますが、ふ化した
 順番から脱出するのではなく、みんなの共同作業で、少しずつ、上部に登ってゆきます。
 そして、上部の砂温が低下したのを察知して、(夜になった)一斉に巣穴から出て、海を
 目指します。
 もし、外敵がいても、全滅はさけられます。これが、自然にあたえられた生き残る為の本能です。

子ガメさんはどうやって沖をめざすの?
 子ガメの進行方向誘導システムは、つい最近までわかりませんでした。アメリカのケネス・ローマン
 博士というひとが、調べたところわかってきました。
 子ガメは巣穴から脱出すると、陸よりも海の方がわずかに明るいという事を利用して、より低く、
 また明るい方へ向かって進みます。(この時、街灯や車の光が方向を狂わせます。)
 そして、海に入ると、波の向かってくる方向に進みます。そして、ある程度沖合にいって、
 波の来る方向と沖合が一致しなくなると、磁界をたよりに方向づけをしてゆく事が分かりました。

子ガメさんはどこでどうやって親ガメさんになるの?
 これも、最近わかってきた事ですが、子ガメは相良海岸からふ化して沖合を目指します。
 すると沖合には、黒潮が流れており、そこには、えさとなるクラゲの赤ちゃんの大群がいて、
 いっしょに南下して、1年から2年かけてハワイ諸島付近を横断して、3年から4年で
 メキシコ沖まで流れついて、そこで大人になります。
 大人になるまで、20年から25年かかります。そして、また卵を産むために太平洋を
 横断して、相良に戻ってくるのです。

子ガメさんは何を食べているの?
 クラゲが主な食料のようですが、雑食性で、魚の死骸なども食べます。
 泳ぐ力も少なく、浮いているだけの初期の頃は、浮遊物が主な食料となります。

子ガメさんは自分の産まれた浜に戻ってくるの?
 戻ってくると言われています。しかし、まだ証拠はありません。
 それは、子ガメに標識をつけること自体たいへんな事に加え、生き残る確率の非常に低い
 子ガメを追跡することが非常に困難だからです。
 しかし、最近のDNA鑑定などから、ウミガメがその生息地域において、いくつかの別の
 グループを形成していることがわかってきました。

子ガメさんはどのくらい生き残れるの?
 一説には5000分の1と言われています。
 卵の間に、人間に採られたり、タヌキや砂ガニに食害にあったりする事から、多くの試練
 があり、親ガメになっても、定置網やトロール漁業で死んでしまったり、1億年以上も生き
 続けてきた、ウミガメが人間の営為の為に、まさに絶滅しようとしています。


今回は、相良海岸に来るアカウミガメについて、少し勉強してみました。
違うなと思ったり、そうだよと思ったりして、意見があったら教えてね。

wbs01469@mail.wbs.ne.jp

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