平成12年度アカウミガメ産卵情報 IN SAGARA


夜間の相良海岸への4WD車の乗り入れ遠慮ください!
アカウミガメは非常に警戒心が強いので、光が見えると上陸
できません!

・第1号 6月14日 午前2時30分上陸(推定) 4時降海。 現状維持 8月13日孵化74匹

午前3時40分産卵終了時のアカウミガメを発見。
直甲長  83.5cm
直甲幅  66.0cm
全 長 110.0cm
標識装着 JPN19806
なかなか元気の良い個体で、産卵終了後も休む事
無く、カモフラージュをして降海していった。
総産卵数116 孵化74 孵化率63.7%
孵化日数61日









・第2号 6月15日 午前2時上陸(推定) 降海時間不明 移植 孵化せず

昨日に引き続き上陸産卵が見られた。
巡回コースの最後にあたった為、カメさんとは
会う事ができなかった。
この海岸は狭く、上部植生帯まで登らず産卵
したので、移植した。
産卵巣は石がゴロゴロしていて、浅く、また
破損卵が2個見つかった。
総産卵数110個 内破損卵2個
移植卵108個
孵化0







・第3号 6月19日 午前2時上陸(推定) 降海時間不明 現状維持 8月14日移植 19日孵化

本年3回目の上陸産卵だ。
上部植生帯まで一度登って、途中の傾斜面に産卵した。
砂の状態等が非常に良い場所なので、現状維持とする。
このあたりの海岸は、砂浜面が低く、常時車輌(サーファー)
が走り回っているので、降雨時、または台風時には水没する
し、上部植生帯の中には、流木やゴミが捨てられている為、
白アリの食害やその他の菌に侵される可能性が高い。
また、サーファーなどが産卵巣を確認できるよう、標識を取り付
けて保護の呼びかけもしてゆく。ちなみに、このHPのアドレス
も添付した。
産卵数71  孵化41






・第4号 6月20日 午後21時上陸(推定)降海時間23時(推定) 現状維持 8月19日孵化

昨日に引き続き、上陸産卵が見られた。
潮の具合から、昨日の前夜半に上陸したものと思われる。
この海岸にはテトラポットが7基設置されており、ウミガメ
の上陸しにくい場所だ。
しかし、このあたりには、年1回程度の産卵がある。
上部植生帯との中間に産卵したので、移植したいが、
産卵からの経過時間を考えて、現状維持とする。
台風が来たらゴメンナサイ。
産卵数118  孵化96








・第5号 6月21日 午後22時上陸(推定)降海時間24時(推定) 産卵失敗

本年5回目の上陸は海水浴場前だ。
海の家建設現場付近まで行ったが産卵に適した場所が
見つからず、浜半分の所でボディーピットして巣穴を掘った
ものの産卵しないで降海した。
この場所は後背地にパチンコ店があり、駐車場の光が常に明るく、
東側100mには、公園と漁港があり、漁港の水銀灯はかなり明るい
が、公園の水銀灯は現在は消えているが、いづれにしても
かなり夜間でも明るい場所だ。
ただ、沖合に設置されたテトラポット群の最北端に位置しており、
漁港とテトラポット群の間が広くなっている浜でもある。







・第6号 7月4日 午後22時上陸(推定)降海時間24時(推定) 79個産卵(移植) 8月24日孵化 68

久しぶりの上陸産卵だ。
緩傾斜護岸設置海岸に上陸したが、緩傾斜護岸の基部に
あたって、2回程度チャレンジしたものの、登る事ができず、
戻って産卵。
日曜日から、東京大学大学院の渡辺国広氏が相良に調査に
入っており、昨日と今朝早朝の3時30分より、調査に同行して
おり、満潮時汀線より僅か十数メートルという、台風接近時には
水没する可能性が高い事を確認して保護区画へ移植した。
しかし、この緩傾斜護岸というものは、どのような意味で作られ
たのか、人間側の主観のみで作られた事は間違い無いにしても、
毎回、この場面を見ると悲しくなる。






・第7号 7月9日 午後22時上陸(推定)降海時間24時(推定) 現状維持 孵化せず

台風一過の上陸産卵だ。
昔から、台風の過ぎた後にウミガメの上陸があるという言い伝え
がある。本当だった。
昨夜は観察ツアー。20数名が参加したが、ツアー海岸から一番
離れた位置の海岸に上陸産卵した。
この海岸の沖合には、障害物が全く無い。
ただ、普通の日は、サーファーが夜通しいる海岸でもあり、
少し波が大きかったので、うまく産卵できたようだ。
産卵数128  全巣孵化せず








・第8号 7月9日  上陸時間、降海時間不明  産卵失敗
 砂浜の狭い部分に上陸して、堤防に2回程度あたり、産卵に適した植生や高くなった場所が無かったので
 諦めて降海。


・第9号 7月10日 午前0時上陸(推定)降海時間不明 産卵数131個(内1個破損) 移植125

最多上陸地区への産卵だ。
しかし、依然この地区の浜ガケは修復されておらず、
ウミガメも上部植生帯まで、のぼる事ができず、
何度か上部へ登る事を試みた後、浜ガケ下部で産卵。
保護区画へ移植した。

8月27日孵化











・第10号 7月10日 午前0時上陸(推定)降海時間不明 産卵失敗

本日は違う海岸に2頭の上陸がみられた。
しかし、この緩傾斜護岸設置海岸では、上陸しても産卵する
事が難しく(上陸位置によるが)、産卵したとしても、満潮、大波
時の水没や大量降雨時の水没の危険に常にさらされる事に
なる。
左の写真は、上陸時のもので、汀線からわずか10mで、護岸の
基部にあたっている。そして、護岸の1段目に上り、右方向へ
42m(実測)歩いて、降海した。降海場所は、汀線まで、僅か
7mしかなかった。
ここが、緩傾斜護岸でなく、垂直護岸なら産む事ができた筈
である。






・第11号 7月12日 午前1時上陸(推定)降時間不明 現状維持 9月1日孵化

上陸産卵シーズンも最盛期を迎えたようだ。
通常はあまりない、離岸堤の間からの進入上陸産卵だ。
河川の横の半安定帯の上に産卵した。
ただ、漂着ゴミが多く、砂がきれいではない。
通常は、卵が腐り易い場所だが、一応現状維持で様子をみる
事とする。
産卵数128
孵化114











・第12号 7月14日 上陸時間不明  産卵失敗

上陸シーズン最盛期に入った模様。
しかし、この場所は、御前崎港の拡張工事にともない、砂浜が減少
している地区だ。
ウミガメは上陸して、汀線より27m(実測)のところに横たわる防潮
堤に遮られ、4回ほど行きつ戻りつしながら防潮堤に遮られ、産卵
しないで、降海した。
先日の台風で、砂が全てすくいとられている事も産卵しない要因
だ。
しかし、産卵しても必ず移植しなければならない場所だけに、
悲しくも、ホットする場面である。







・第13号 7月14日  上陸時間午前2時  現状維持 9月3日孵化

この日は2ケ所の上陸である。
上記1ケ所が産卵失敗だったので、一安心だ。
浜ガケの形成されている地区だが、サーファーや地元住民の
海岸への出入り口の道の延長上だったので、浜ガケは崩されて
おり、ウミガメは容易に上部、半安定帯まで登って産卵した。
この場所は離岸堤の後背地にあたる為、砂洲が発達しており、
上陸部分では、39m、降海部分では、37mも砂浜を歩いている。
産卵数113
孵化8(白蟻食害)









・第14号 7月15日  上陸時間午前2時(推定)  現状維持 

上陸も最盛期に入る。
毎日のように上陸してくる。
大潮間近でもある為、暫く続きそうだ。
この上陸個体は、昨日この場所より西の砂浜の短く
なったあたりで、産卵に失敗したものと同個体と思われる。
浜ガケを1回では上れず、2回目にやっと上って、上部
植生の下のほうで産卵した。
理想的な産卵場所だ。
産卵数98
孵化0








・第15号 7月28日 上陸時間推定午前2時  146個  移植  9月15日孵化 125

久しぶりの上陸産卵だ。
緩傾斜護岸での産卵で、上陸位置は汀線から僅か8mあまりで
緩傾斜護岸にあたり、6.5mのところまで戻って産卵したが、
巣穴は緩傾斜護岸の基部にあたり、巣穴の深さは40cmしかなかった。
じつに可哀想な産卵風景だ。












・第16号 7月29日 上陸時間推定午前2時  産卵失敗

石の多い片浜海岸への上陸だ。
上部植生まで上ったが、草に阻まれて産卵しないで
帰った。















・第17号 7月30日 上陸時間推定午前1時 73個産卵 移植 9月17日孵化 48
・第18号 7月30日 上陸時間推定午前2時 産卵失敗
 
一晩に2回の上陸だが、海岸が違う。
上左のものは、先日の台風で形成された、浜ガケにより阻止されて、浜ガケ基部へ産卵した。
汀線より僅か16mで、満潮時水没の可能性が高いので、移植した。(巣穴堀中に水がしみ出して
きて、巣穴が深く掘れなかったので、73個の産卵に留まったようだ)
上右のものは、緩傾斜護岸の浜に産卵。汀線から僅か6mの場所に、護岸の基部があり、基部
に沿って15m歩いて、諦めて海に帰った。たとえ産卵行為に入っても、護岸の基部があり、産卵
に支障をきたす海岸だ。


・第19号 7月31日 上陸時間午前2時30分 降海時間4時15分 現状維持 9月18日孵化101/133
・第20号 7月31日 上陸時間推定午前2時30分 移植(116個) 9月17日孵化98

今朝は2頭の上陸産卵が見られた。
内1頭は午前3時30分に監視員が発見し、ただ今上陸中です
システムにより、希望会員6名に連絡された。
標識装着 JPN19808
しゃしんのものは、海水浴場中央部分の海の家の裏側に回り込んで産卵した。
砂浜は狭く、海水浴場駐車場がつくられ、コンクリート護岸に遮られ、海の家の裏側で産卵した。









・第21号 8月1日 上陸時間午前2時30分 降海時間4時20分 移植 143個 孵化0
 直甲長 82cm
 甲巾   61.5cm
 標識装着 JPN19810
 産卵位置 汀線より24m
 ただ今、上陸中ですシステムにより観察者8名。



・第22号 8月6日 上陸時間推定午前2時  現状維持  10月3日孵化 113/119
・第23号 8月6日 上陸時間推定午前2時  現状維持  10月5日孵化 85/88
 
違う海岸に2回の上陸産卵が見られた。
上左は離岸堤の間から進入して、産卵。上陸場所のすぐ横には、キャンプをする人たちが多くいた。
上右は、緩傾斜護岸の砂浜のもっとも広い場所に産卵。汀線から50m歩いて産卵した。



・第24号 8月10日 上陸時間午前4時30分〜6時10分 移植 10月4日孵化 90/137

通常の巡回終了後に通報で上陸産卵を確認。
相良海水浴場中央部分への上陸だ。
日が昇ってギャラリーも多い。
直甲長 88cm
直甲巾 74.8cm
全長  110cm
標識装着 JPN19811
産卵位置 満潮時汀線より30m 
産卵数 137個






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