平成16年度アカウミガメ産卵情報 IN SAGARA


相良海岸への4WD車の乗り入れは静岡県条例により禁止されています!
アカウミガメは非常に警戒心が強いので、光が見えると上陸できません!
夜間、駐車場等の利用につきましても十分ご留意下さい。

@6月3日 上陸時間推定午前1時 現状維持8月4日脱出確認 初ストランディングも同時(アオウミガメ)
 



A6月6日 上陸推定時間午後23時 現状維持8月4日脱出確認

今朝は前線の北上で午前3時より雨が降りはじめた。
静波海岸横の鹿島海岸(榛原町)に上陸産卵した。
サーファーが波待ちをして車が並んでいたのにもかかわらず
上陸した。












B6月11日 上陸時間推定午前0時 現状維持 8月8日脱出確認

今朝は台風が九州方面から接近しいるが、相良の海は至って静か。
相良海岸の最多産卵域に上陸産卵。
川底の浚渫土砂を積み上げた山の上に産卵。
土砂はあまりきれいではないので、孵化率に影響を及ぼすだろう。
しかし、今年の3個体は高い位置に産卵している。
漁師の話によるとウミガメが高い位置に産卵する年は、大きな台風
が来るというらしいが・・・移植しないで済むのは幸いである。








C6月15日 上陸時間推定午前1時 移植 134個(内1個破損=流木による)
D6月15日 上陸時間不明 産卵失敗(緩傾斜護岸による)
  
今朝は2つの上陸痕が見られた。左側は産卵したが、低い位置に産卵したので移植。
右側は緩傾斜護岸海岸で、砂浜の非常に狭い部分に上陸。
4つ巣穴を掘ったものの、護岸基部に遮られ、いづれも産卵できずに帰った。


E6月22日 上陸時間不明 7月25日移植 8月12日脱出確認

浜がけの位置に上陸。
上部植生の場所まで上れず、浜ガケ下で産卵した。


F6月23日 上陸推定時間 23時 移植 115個  8月11日脱出確認



G6月26日 上陸推定時間 午前0時頃 産卵失敗

今朝は、満潮時間後に上陸。
上部植生帯を通り越して、黒松の植生まで入り込んだものの
下草がびっしりと生えており、産卵できずに帰った。













H6月28日 上陸時間午前2時30分 降海時間午前5時20分 現状維持 標識装着 JPN198218月13日脱出確認

 
午前3時18分 巣穴掘り中の個体を発見。左後肢が短く、巣穴掘りに時間がかかり、午前4時30分
産卵開始。終了後、降海したのは午前5時20分。非常に高い位置に産卵したので現状維持。
この個体は1999年(平成11年)6月12日上陸産卵したものと同じ個体と思われる。
しかし、当時標識装着したJPN19803は無く、脱落したものと思われる。


I6月29日 上陸時間不明 移植 127個 8月14日脱出確認
 


J6月29日 上陸時間午前4時 降海時間午前5時30分 移植 121個 8月13日脱出確認
 SCL:781mm SCW:638mm 標識装着 JPN19820



K6月30日 上陸時間推定午前2時 移植 162個  8月20日脱出確認
 
大型の個体で、歩幅から甲長90cmのものと推察。産卵数も今期最大であった。
高い位置に産卵したが、河口の土木浚渫砂山の上なので、台風や大雨時に流失の恐れ
があるので移植。


L7月3日 上陸時間不明 移植 97個(1個破損) 8月21日脱出確認 王国祭放流会へ 

台風の波浪がまだ残る夜間に産卵。
河口の砂を浚渫して積み上げた位置の下部で産卵した。
台風の高波により、ガケ状態になっていたところで、
上部に上れず産卵した。
発見したのは午前3時半。満潮が4時50分。
急いで掘り起こし移植した。
右の写真は午前4時30分だが、汀線がすぐ近くまで来ている。
巣穴は勿論水没していた。







M7月7日 上陸時間推定 午後22時時 現状維持 8月27日脱出確認

この海岸へは初産卵である。
画面左側に漁港があり、漁港の拡張工事が昨年完了して、旧漁港側
から、新漁港側の船だまりに水銀灯の防犯灯が向けられた為、上陸
が激減してしまった海岸である。
画面を見ても分かるとおり、残った僅かな植生帯まで上って産卵した。

8月30日台風16号の高波が押し寄せる中、写真右手に見える排水溝が
砂により詰まった事による浚渫作業の為、移植してほしいとの要望が
工事関係者と地域住民からあり、全卵孵化脱出終了を確認した。
危機一髪!移植しないリスクがこんなところにもある。





N7月7日 上陸時間推定午前0時 現状維持

相良海岸沖に並ぶ離岸堤群の間から進入産卵した。
砂浜の広い部分の上部植生まで上って産卵したので
現状維持とした。













O7月7日 上陸時間推定 午前0時 移植 121個 8月24日脱出確認 
 
この産卵も離岸堤群の間からの進入産卵。
一度は上部植生に上って巣穴掘りを試みたものの、堅かったのか、
気に入らなかったのか、また戻って、植生の下部で産卵したので移植。


P7月7日 上陸時間不明 産卵失敗(相良海水浴場中央付近)


Q7月11日 上陸時間推定午前1時 降海時間3時20分 移植120個 標識装着JPN19822 8月28日脱出寸前
 
午前3時20分、産卵終了直後のアカウミガメを発見。
河口の土砂を積み上げた位置で、上に上れず下部で
産卵。
甲長、甲巾はノギス不携帯にて不明!


R7月11日 上陸時間推定午前2時 移植95個 

上記産卵位置から川を挟んで50mくらい西側に上陸産卵。
川がある為、この位置は巡回最終時にチェックするので
少し遅かったが、足跡から午前4時頃降海したと思われる。













S7月12日 上陸時間推定午前0時 移植125個 9月3日脱出確認 
  
相良海水浴場ど真ん中への上陸産卵。海の家と海の家の間に産卵した。
海水浴場であり、また高波時には水没の恐れがあるので移植。


21.7月14日 上陸時間不明 産卵失敗(緩傾斜護岸による)

手前から上陸。緩傾斜護岸最下段付近をうろうろした後、
最下段に上ったものの、産卵できないと判断したのか、
ボディーピットもせずに降海した。













22.7月15日 上陸時間午前3時30分 降海時間4時30分
 
今朝は週間新潮社のカメラマンと3週目の同行。昨日、御前崎でアカウミガメの産卵シーンを撮影したものの、
朝焼けの中のアカウミガメを撮影したいという。今朝は新月間近の満潮が午前3時。おまけに、昨朝失敗した
個体がいるという絶妙のタイミング。新月に近いので、波打ち際付近は、ウミホタルの発光現象見られる中、予定
の巡回コースを終了しようとした午前4時40分。先ほど通過したあたりに足跡らしきものが・・・。
早速行ってみると、産卵がすでに終了したあとであった。まるで、二人の行動を見透かしたような産卵である。
これだからウミガメは止められない!


23.7月18日 上陸時間午後9時30分 捕獲 19日午前8時放流 移植131個
 
相良自然環境塾の開催中、午後9時からの海浜見回りで、海水浴場駐車場に居るのを発見。
駐車場で巣穴掘りを試みるが堅くて失敗。一旦は海に帰ってしまうかと思われたが、途中で
産卵。アメリカ海洋大気局(NOAA)のジョージ・バラーズ博士から日本ウミガメ協議会の亀崎
博士託された大型のアルゴス衛星追跡発信器を装着(写真左)。翌日の午前8時、産卵した
場所(写真右)から放流。朝からにぎわう海水浴場での放流となった。
環境塾で子供達 がつけた名前は『CHAPON』チャポン。これからバッテリーの寿命である
3年間追跡調査をする。
見物人の間からは『可哀想』との声も聞こえたが、ウミガメは絶滅の危機にさらされているのに
その生態は闇に包まれている。「やさしくなる為には、まず知る事からなのである。」
だから、行動追跡調査は非常に重要な、ウミガメを救うための調査に他ならないのである。


24.7月20日 上陸時間午前3時10分 降海時間午前4時30分 現状維持 標識JPN19823 9月6日孵化脱出確認

相良自然環境塾も終わり、一段落と思っていたが、
ウミガメ達はそんなことは関係なく産卵してゆく。
最盛期だ。
早朝の産卵で、裾が靄に霞む富士山をバックに撮影した。












25.7月25日 上陸時間推定午前23時 産卵失敗
26.7月25日 上陸時間推定午前2時  現状維持
 
2箇所に上陸。多分、同じ個体と思われる。


27.7月30日 上陸時間午前5時 降海時間午前7時10分 産卵失敗
 
台風10号の影響を最大限受けて、波高は5mを超えるなかを上陸。
しかし、ゴミが多く、ボディーピットもままならず、やむなく降海。
台風の高波時には、視界のきく夜明け後の上陸が多いようだ。


28.8月1日 上陸時間推定午前2時 降海時間午前3時40分 現状維持
 
標準直甲長839mm 甲巾635mmの個体。台風の波浪で出来た浜ガケを回り込むように急勾配
を上り、砂浜の上部で産卵。
満月をバックに夜明けの薄明かりの中の構図が素晴らしく、月をバックに撮影したりして・・・・
標識を付けるのを忘れてしまった!昨日、日本ウミガメ協議会からアルゴスの発信機も届いた
のだが、今日はストランディングの解剖もあるので断念した。


29.8月4日 上陸時間推定午後22時 産卵失敗

沖合の熱帯低気圧の影響で波が高く、高潮状態で
おまけに台風9号の高波の影響で砂浜の各所に浜
ガケが出来ている状態で、産卵環境は最悪。
ここは、榛原町の海水浴場。彼女らはよく見ている。
浜ガケが無く、砂浜の上部に植生のある場所を目指して
上陸してくる。
しかし、計算外だったのは、この植生の地盤が非常に
固かったのである。3度ほど位置を変えて巣穴を掘った
ものの、ダメで降海してしまった。






30.8月11日 上陸時間推定午後22時 移植 127個 10月2日孵化脱出
 
満潮が午前0時頃に近づき、産卵は最終局面だ。昨夜は相良の花火大会。
水中花火など、海面を使用したものもあり、海中に居るウミガメなどにとってはかなりの衝撃が
あるものもあり、上陸が無いものと思っていたところ、こちらが酒を飲んで見回りをさぼると見透かし
たように上陸産卵があった。


31.8月11日 上陸時間不明 通報(榛原町役場)静波海水浴場内 移植 90個(内1個破損)10月5日孵化脱出
 榛原町役場からの通報により、午前9時40分現地確認。汀線から4回のボディーピットをするも、巣穴を掘れず、
 300m以上歩いて、帰りがけに産卵。台風高波時には冠水する場所との役場職員の話から、相良の孵化場に移植。


32.8月16日 上陸時間推定午前2時 現状維持
 
産卵も最終局面だ。先般の台風で出来た浜ガケの上に上って産卵したのでそのまま保存。
6月末産卵の子ガメが孵化して帰ってゆく・・・
8月31日午前5時。大潮のもうすぐ満潮時間(5:45)を控えて、ついに産卵巣が流失。


33.8月26日 上陸時間推定午前3時 産卵失敗
 
かなり遅い上陸で自然状態では孵化できない時期だ。相良漁港防波堤の際から上陸して4つの
巣穴を掘ったものの、護岸基部に遮られ、うまく巣穴を掘れず降海。
台風16号の高波の影響で汀線ぎりぎりのところを巣穴を掘る場所を探した様子が分かる。
今朝の相良海岸(毎日更新)