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●Meade 300oシュミット・カセグレン反射望遠鏡●


通   称:SSC−12
口   径:304o
焦点距離:3048o
明 る さ:F10
光学方式:シュミット・カセグレン式反射望遠鏡
ファインダー :8倍50o
赤 道 儀:LXD−750、ドイツ式赤道儀

この写真のオプション:
 アクセサリーボックスとアクセサリー、モバイルパソコン、パソコン接続ケーブル

 米国Meade社の大型反射望遠鏡、口径300oを越えるこの巨体がCDSと言う内蔵のコンピュータ制御で、秒速約6度角のスピードで目標の天体を自動で導入してくれる、これは早い!しかも精度も高く極軸を合わせておけばほとんど目標の天体が視野に入ります、CDSは便利な機能が沢山付いていてGOOD!口径300oの迫力も凄い、オリオン大星雲(M43)をこいつで始めて見たときは思わず感激の声を上げてしまったほど、明るい球状星団は星の一つ一つが見分けられるほど美しい眺めです、惑星はこのホームページの写真でも紹介しているとおりです(写真より実際に見る方がもう少し綺麗に見えます)。
 この望遠鏡の鏡筒は天体を眺めるのには最適ですが、写真撮影は向きません、シュミット・カセグレン式の為、周辺減光や視野の狭さが顕著に出ます、しかし赤道儀の作りは立派で、遊びの多いギアでもCDSによるピリオディックモーション補正とがっちりしたがたいのお陰で、ギア精度の高い国産赤道儀に迫ります、赤道儀は天体写真にも十分使えます。
 作りはいかにもアメリカ的で面白い?です、赤道儀の軸受けベアリングが外から見えてたり、見えない部分は手を抜いてあったりと、結構作りが大胆!!
 とにかくめちゃ重いので、暗いところでの組立は慣れるまで大変。
 この重い望遠鏡を高速で動かす為、安全上赤道儀のギアを一部プラスティックで作ってある、動作中に大きな衝撃が望遠鏡に加わった場合、わざとギアを壊して他の部分を守る仕組みになっているようであるが、ギアの作りが弱すぎて私は普通に使っていたのにもかかわらず壊れた!!自分で直したがあくまで応急処置である、もっとしっかり作って貰いたい。
 ピントつまみを回すと主鏡が動くことでピントを合わせることが出来るが、直径が300oもある主鏡の動作は安定するのに時間がかかる、つまりピントを合わせたつもりでも、時間が経つと少しずれてる、惑星など高倍率で観察する場合はヘリコイドを別に買う必要がある。
 赤道儀に内蔵されているCDSというコンピュータはRS−232に対応しているので、パソコンによる制御も可能です、市販の天体シュミレーションソフトは、ほとんどミードの望遠鏡が対応しています、また説明書には通信プロトコルや制御に必要なコマンドも載っているので、私はPC−98のMS−DOSコマンドラインから制御するプログラムを数本作成しました、MS−DOSのコマンド感覚で望遠鏡が制御できます。通信制御プログラムを組める人なら結構簡単に動かせます。

 CDSによる目標天体の自動導入は大変便利な機能であるが、昔ながらの自分で星図と実際の星空を見ながら目標の天体を探すのも楽しいものだ、CDSに頼りすぎると、このような楽しみが無くなってしまうので、初心者には絶対に勧めない、最もCDSは知識を伴うので初心者が使うには無理である。


 この望遠鏡は1993年に購入した物、当時「円」が「ドル」に対して一番高かった頃で、この望遠鏡は国産の同じクラスと比べたらずば抜けて安かった上、限定台数特別価格をやっていた、また当時は高速自動導入が出来る望遠鏡は他には無かった、写真撮影より眺めることが主なのでシュミット・カセグレンで良い、ドイツ式赤道儀なので他の望遠鏡が容易に載せることが出来る、などがこいつを購入した理由、国産の望遠鏡とはだいぶ性格の違う望遠鏡で、上で述べてるように欠点も多いが、遊び心とスターウォッチングを楽しむには十分贅沢な望遠鏡だ。


《CDSのパネルとコントローラー》

 CDSのパネルには電源やコントローラーやRS−232等の色々なコネクタが付いている、LEDによる電流計が付いていて、動作中のモーターにかかっている負担の量の見ることが出来る、私の望遠鏡は一度ギアが壊れて応急処置をしてあるので、この電流計は重要だ。
 ミードの赤道儀は高速で動く関係上、ギアに遊びを設けてあり、そのままではギアから発生する周期的な動きのムラ「ピリオディックモーション」が大きい、しかしCDSにはこのピリオディックモーションを補正してくれる機能があり、しかもかなり補正精度が高く、高精度なギアを使った国産の赤道儀に引けを取らないのだ、これは驚きだ!この赤道儀を天体写真用に使いたい人も非常に便利だ。
 コントローラーはアメリカンサイズ!日本人の手には大きすぎ!!作りも大胆でもう少し丁寧に作って貰いたい!!まあ普段使っていて気になるようなものでもないのだが…。


《極軸望遠鏡》

 オプションで極軸望遠鏡を付けることが出来る、自動導入の精度を上げる意味でも是非付けたい。極軸望遠鏡の周りにはベアリングがむき出しになっている、ここには普段カバーが付いているから見えないが、この辺もアメリカ的な作りだ!!
 赤道儀はガッチリと作ってあり、CDSのピリオディックモーションの補正もあるので、天体写真にも十分使える。
 極軸望遠鏡とは、望遠鏡が地球の自転による天体の日周運動に正確に追従できるよう、赤道儀の回転軸の一つを正確に天の北極へ向けるため、北極星を使って合わせるためのもの、北極星は天の北極より1度ほどずれているので、極軸望遠鏡に付いているスケールを使って北極星を合わせる。


《赤道儀を並べたところ》

 左から1型、スカイキャンサー、LXD−750。スカイキャンサーは少し手前に置いてあるので実際はもう少し小さい。
 最初にLXD−750を見たときは、そのバカでかさと重さにとても驚いた、確かに作りは大胆だが、ギア以外は非常にガッチリとした出来だ。


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