ノコギリタテヅノカブト(ポルテリ)
学名 Golofa porteri

コロンビア・ベネズエラに生息するGolofa属の最大種。標高1800mから2000mの高地に生息し、細い竹の汁を吸う。オスは細長い角、長い足、光沢のあるオレンジ色の体色を持つ。現地でのWild個体は雨期の6・7月に限られる。
最初はエアクスの幼虫がビッダーズでノコギリタテズノカブトとして紹介されていて落札・飼育をはじめました。しかし、ネットサーフしていると、同じゴロファの属名で「ポルテリ」の名が目に入りました。画像を見てみるとエアクスより大型であることが判明。高価な個体でしたが購入しまいした。♂♀を複数購入し、累代にチャレンジします。光沢のあるボディに毛のついた上角。名の通りノコギリのような黒い頭角。まさに、金色の騎士といった格です。個人的には一番好きなかぶとむしです。
2005年4月2日(土)
生体購入

コロンビア産F2の♂(2月上旬羽化未後食)ビッダーズで落札

2005年4月4日(月)
生体購入2

コロンビア産F1の♀(2月上旬羽化後食済)をビッダーズで落札

2005年4月5日(火)
生体購入3

コロンビア産F2のペア(♂2月下旬羽化♀3月上旬羽化共に未後食)をビッダーズで落札
このペアはあの有名なヘラクレスヘラクレス様から購入しました。
これならバッチリでしょう。

2005年4月12日(火)
生体購入4

コロンビア産F2の♀(3月末羽化未後食)をビッダーズで落札

2005年4月30日(土)
後食開始

♂は2匹とも後食を開始しましたが、♀はいずれも仮眠状態。まさか♂がこのまま★になったりしないかと心配です。それにしてもエアクスは写真で見る限り♀の上翅が♂同様にオレンジ色ですがポルテリは黒なんですね。♀達は相変わらずマット内に潜ったまま。一方、♂はやたらと元気がいい。昼夜を問わず転倒防止用の木を口でガリガリ削ってます。野生では、細い竹の表面を削ってその汁をなめてエサにしているようなので、その習性が出ているのでしょうか?しかし、♀の様子が気になります。

2005年5月3日(火)
オークションの難しさ

悲しみは突然訪れました。後食済といわれて購入していた♀がいつまで経ってもエサを食べないので心配していたのですが、本日あっけなく★になってしまいました。この♀は左中足の符節が欠損しているとオークションの際、事前告知されていました。無事正着したので気にしなかったのですが、左前足も麻痺して可動することはありませんでした。結局、到着から約一ヶ月間エサを食べずに死んだ事になります。ポルテリの♀は一頭で、140mmのヘラヘラのペアが楽に購入できるくらいの金額がするので損失も甚大です。それに、最初に購入した♂は画像や事前告知はされていませんでしたが、左側上翅に大きな傷があります。羽化する際に人為的なミスでついた傷でしょう。オークションの画像では、正面と右斜めからの画像だけだったのでまったくわかりませんでした。
相手が専門業者でないかぎり、ノークレーム・ノーリターンが当たり前の世界なので、皆さんも気をつけましょう。傷があっても貫通しているわけでもなく元気ですからブリードには問題ないのですがね。
標本にするとなると、もう一方の♂と比べると見劣りします。F2のペアは北海道の有店舗から購入したものなので、完璧なペアの個体でした。購入する基準としては、店をちゃんともって営業している店舗でオークションでの評価が高い所から購入するのが安心でしょう。

2005年5月24日(火)
♀を追加購入。

いつまでも悲しみくれてはいられない。前進あるのみ。信頼にたる方から♀を購入すべく専門誌等でもお馴染みの福家氏が経営するレインフォレストビートルズ様からコロンビア・サタンデール州産F3。
4/20羽化54mm♀と4/28羽化53mm♀を購入。
必ずや、ポルテリの累代に成功したいと考えます。

2005年5月25日(水)
ペアリング

各♀も後食を始めたので、ペアリングを開始。しかし、ヘラクレスのようにうまくいかない。っていうか、♂が下手くそなんだよね。長い手をうまく利用出来ていない。ペアリング用のケースをもっと大型にした方がいいのかな?

2005年5月28日(土)
産卵セット1号

ついに産卵セット第1号を作成。ヘラクレスヘラクレス様から購入した♀に別系統の♂を掛けました。
大プラケースにカブトマットを押し固めてあります。サタンと同じようなセットにしてあります。
頼む〜産んでくれ〜。

2005年6月8日(水)
産卵セット2号

福家氏から購入した4/20羽化個体も1週間前から盛んに後食していたので、ペアリング。そして産卵セットしました。これで、2セット完了。今週末には、もう1ペア届きます。もう繁殖業者みたいだな。

2005年6月11日(土i)
3匹目の♂到着
ビッダーズで3匹目の♂を購入。3月羽化の未後食個体。一番若い事になります。
先に購入した2匹が死んだ時用の予備です。
2005年6月12日(日)
第3号セット
1週間♂と同居させてペアリングした♀の産卵セットをしました。特に手の込んだことはしてありません。
5月にセットした1号が気になります。
2005年6月21日(火)
第1号採卵
第1号のセットを確認することにしました。
セットの卵出しを早めた理由は、ケース底から卵の視認が出来なかったので産卵セットが正しいかの確認及び、♀が有精卵を産んでいるかどうかです。
幸い掘り出してみると出るわ出るわで46ヶ。中に腐りかけているものもありましたが半数くらいは孵化してくれるでしょう。さすが幼虫はいませんでした。しかし、1日1.5ヶのハイペース。ポルテリってこんなに産卵するものなのですね。
2005年6月22日(水)
残った♀の状態
今回のポルテリ飼育で購入したのは♂3♀6。♂は全て存命中でエサを食べています。ただし、中には食が細くなり明らかに弱ってきた個体もあります。♀は1頭が購入後エサを一切食べずに死亡。4頭は後食を始めて現在産卵セット中。最後まで後食をしなかった♀はどうもヤバそうです。
後足は完全に麻痺し、弱弱しく歩くこともままならない状態です。これでは後食・ペアリングどころではありません。やはりポルテリは難しいのかな?それとも羽化後、すぐに長旅でこちらへ運ばれ来る負担が大きすぎるのかな?
2005年6月23日(木)
や、やはり

昨日、様子がおかしいと言っていた♀が他界しました。
これで6頭購入した♀の内、2頭は後食前に死亡したことになります。
お、恐ろしい。損失額を計算したくない。
残る4頭に相当頑張ってもらわないといけません。頑張れポルテリ♀達。4頭で100頭くらい幼虫を残してちょうだい。

2005年7月10日(日)
産卵状況
6月22日に第4号をセットしました。今日は、6月21日に採卵した第1号セットの孵化状況の確認です。
孵化したのは、35頭。まだ卵の状態のものもありました。
それから第2号産卵セットの確認をしました。
これが大失敗。マットの水分を多くしすぎたようです。半分程度の卵が小さいまま茶色に変色していました。それでも幼虫3頭と卵を20ヶを確保。
第3号セットはマットの水分状態も完璧。腐敗の始まった卵はゼロで卵33ヶを確保しました。
なにより嬉しいのは、第1号から第3号までちゃんと交尾済で、有精卵を産卵しれくれる♀だと確認出来たことです。ただし、♂に追いがけをさせようとしました3匹の♂ともにもう寿命が近いのか元気が無く交尾は出来ませんでした。残念!
第2号、第3号ともセットを組みなおして再びチャレンジです。
この調子なら何とか幼虫100頭くらいは採れそうです。
次回は第4号の産卵確認をします。
2005年7月17日(日)
第4号採卵結果
昨日のバザーに♂には展示品として参加してもらいました。
あまり人気が無かったのが残念です。確かに体が大きくないからね。
第4号の採卵結果は卵が17ヶ。腐っているものもありましたが有精卵でしょう。
これで生き残った4匹の♀は全て有精卵を産卵してくれているので交尾済でハズレではないことが確認出来ました。
2005年7月19日(火)
♀1号死去
ゼリーを交換しようと第1号セット内を確認すると♀が死んでいました。
産卵数を確認すると3匹の幼虫と22ヶの卵が得られました。
相当数の幼虫を残してくれて感謝です。
2005年7月20日(水)
3号♂死去
一番最後に羽化したはずの♂が死んでしまいました。
ポルテリの♂は弱っていく様子がつぶさに見て取れます。
手足が長いため、非常に符節がとれやすく、ケースを大きめにしないと特徴的な胸角が折れてしまいます。この個体も全ての符節が取れてしまい、胸角も折れていました。
標本にもしようがない状態でした。結果としてあまり役にはたちませんでした。残念
2005年7月23日(土)
第2号♂死去
つい最近♂が死んだと思っていたら、2匹目の♂も死んでしまいました。
こちらも全ての符節がとれていました。胸角も一部が折れています。
飼育してみるとポルテリの寿命は♂♀ともに4、5ヶ月くらいのようです。
2005年7月26日(火)
2号♀死去
ここにきて続々ポルテリが落ちていきます。
今度は2号セットした♀がマット上で死んでいました。
念のため産卵の確認をしましたがマットの隆起が見られません。
結果は当然のようにゼロ個。こちらは羽化から3ヶ月しか生存しなかったことになります。
2005年7月30日(土)
1号♂死去
ヘラクレス・ヘラクレス様から購入したペアの♂が死んでしまいました。これで♂は全滅。
こちらの♂は後ろ足が1ヶ所符節欠けしただけで、胸角もしっかり残っていて綺麗に標本になりそうです。たくさんの子供を残してくれたので感謝です。
2005年8月3日(水)
幼虫を里子に
幼虫がたくさん採れたのはいいが、成虫まで羽化させるには数が多すぎる。
ネットでさばくのも面倒なので、リトルファーブルに20匹ほど引き取ってもらいました。
1年半ほどで羽化すると思うとのことでした。元気な成虫になって店頭に並んで欲しいものです。
2005年8月9日(火)
4号♀死去
4号♀がマット上で★になっていました。しかも産卵はゼロ。
7月17日に採卵した卵は全て腐ってしまい、残した幼虫もゼロという悲惨な結果に.....
有精卵だと思っていたのですが、すべて夢精卵だったのでしょう。
いっぽう、3号♀は元気で、採卵すると8匹の幼虫と卵5ヶを得ることが出来ました。
ここまで、孵化した幼虫は合計94匹です。
2005年9月3日(土)
3号♀死去
最後まで残っていた3号♀がマット上で死んでいました。
マットの隆起は見られませんでしたが念のため、マット中を確認。
やはり産卵した形跡はありませんでした。
幼虫が100匹越えるか否かは残された卵次第ということになりました。
2005年10月9日(日)
多頭飼育へ
残っていた卵は孵化しませんでした。孵化した幼虫達は個別飼育していたのですが続々加齢しているため、3令になったものはコンテナボックスで多頭飼育を始めました。初2令で多頭飼育をすると共食いをするようですが3令ならば大丈夫でしょう。
2006年1月22日(日)
コンテナボックスによる多頭飼育
おかげさまで余品販売に出し始めてからこのポルテリは非常によく売れました。
成虫ペアで5万円コース。数があまり出てこない個体なので当然といえば当然か。
王国でもストック数も50頭を割り込んだのでそろそろストップをかけます。
10月初旬に多頭飼育に切り替えたポルテリですが共食いも無く全て無事でした。
4つのコンテナ内に39頭。♂の最大個体は56gに達していました。さすがゴロファ属の最大種。
しかしこのポルテリはもともと毛深いうえに体色が黄色味を帯びているので蛹化の時期がわかりづらい。蛹化時の暴れも激しいのでそのあたりは注意したい。まだ2令をのんびりやっている個体もいます。
2006年3月5日(日)
蛹化してました
久しぶりにマット交換をしようとすると中から♀の蛹が。
お尻がシワシワになった前蛹もいました。
アセって♂は届いたばかりのコバシャ中プラケースに単独飼育で蛹化セット。
♀の前蛹は人工蛹室へ移しました。
さすがに手間取り半分程度の個体しか蛹化セット出来ませんでした。
写真は人工蛹室にいれた途端、蛹化した蛹の写真です。
3日もすれば、右側の個体のように色づきます。
これからは♂の蛹化を早める対策を考えないと羽化ずれが起きそうです。