第7日目前半

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 日 時  平成8年10月6日(日) 天候 曇り



雲立のクス

 浜松市の旧国道1号線から駅とは反対に北へ上った、遠鉄八幡駅のそばに八幡宮はある。社伝によれば10世紀、神託によって許部神社を当地に遷されたのが始まりという1千年の歴史があるお宮である。
 11世紀に陸奥出陣の途中、八幡太郎義家が参籠し武運を祈って、社前の楠の下に旗を立てた故事から、その楠は『御旗楠』と呼ばれていたが、16世紀、三方ヶ原合戦に破れた家康が当地へ逃れ、義家ゆかりの楠の洞へ潜んで武田軍の追手をかわし、合わせて武運の長久を祈った。その時、楠の上に瑞雲が立ち昇り、神霊が白馬に跨がり浜松城方面に飛び立った。吉兆に勇躍城に帰り、犀ヶ淵で敵兵を防いで信玄の浜松城入場を防ぐことが出来た。それ以来『御旗楠』は『雲立楠』と呼ばれるようになった。
 雲立のクスは昭和27年4月指定の県指定天然記念物である。楠の洞は回りが朽ちて天井を失い二つに分かれているが、かっては人が入れる程の空間だったようだ。支柱やワイヤーで支えられてはいるものの、まだまだ元気な様子がうかがえた。









法橋のマツ

 旧東海道を東に戻り、天竜川駅の近くを探す。民家の屋根を越えて繁る巨松を探したが見当たらず、お寺の境内だろうとお寺を探すが見つからない。聞くと行き過ぎたといわれ戻って、ようやく建て込んだ民家の間に、巨松を見つけた。
 法橋のマツは昭和27年4月県指定天然記念物である。太い幹が無残に折れて痛々しい。樹勢も悪く、モルタルで補修された幹は叩くと響く。支えで立ってはいるが何時倒れても不思議はないように感じる。
 金原法橋の庭前にあった松で『法橋のマツ』と呼ぶ。金原法橋という人物については良く知らない。所在地の『妙恩寺』という記載から、勝手にお寺の境内に在ると思っていたが、近くにお寺もないから地名なのだろう。









善導寺の大クス

  • 番号    118
  • 生育地   磐田市西町
  • 指定    県指定天然記念物 
  • 樹種    クスノキ(くすのき科)
  • 幹周囲   8.2m
  • 樹高    28m
  • 枝下面積  850u
  • 樹齢    700年
  • 巡礼日時  1996年10月6日 AM9:50

 磐田駅前のバスが頻繁に通る道のそばの小公園に善導寺の大樟はある。
 徳太寺公の墓所の目印として植えられた楠だという。樹勢に勢いがあり奔放に拡げた枝が素晴らしい。支柱に頼って立っている巨木の多い中で、まだまだ太くなっていくだろうと頼もしく思った。夜中には散水もされて、悪い環境の中だが、大切にされているようだ。








磐田農高の落羽松
 地図は前述「善導寺の大クス」参照

 磐田駅前通りを北へ進んで、秋祭りで屋台に道を阻まれて少し待った後、磐田農高へ入る。開いていた通用口から入る。農業高校だけに緑が多い。目的の落羽松は野球のグランドと校舎の間にあった。
 北米東南部・メキシコ原産のスギ科の高木でマツではない。冬には葉を落とすが、今は緑の細い葉で覆われている。樹種では県内最大木である。









甲塚のクロガネモチ

 国道1号線を横切って、磐田原の台地に登り、甲塚公園に入る。筆者の勤める会社の西部営業所のすぐ近くである。元静岡大学農学部の跡地がスポーツ公園になっている。標識に導かれて公園の奥へ入った。
 『見付の名木』と表示されていた。クロガネモチはよく街路樹に植えられ、晩秋には赤い実を付ける照葉樹である。甲塚のクロガネモチに添えるように、かなりの太さの照葉樹が植わっていた。はじめ見た時は1本の木に見えたが、よく見ると樹種の違いが解った。枝張りで『西/0 m』というのはその木があるからである。裏へ回ると幹の芯が空洞になっていた。









須賀神社のクス

 磐田から三ヶ野坂を越えて旧東海道をたどる。袋井市街の手前、街道から 100mほど外れたところに須賀神社がある。
 クスは社殿の背後にあった。樹齢のわりに幹が太くて瘤でごつごつしている。かって、東海道歩きの折りもここまで足を伸ばしたように記憶している。







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