第19日目前半

ホームページへ



 日 時  平成9年12月28日(日) 天候 晴れ後曇り



下土狩の大イチョウ

 JR三島駅の北西700mほどの道路端に『下土狩(シモトカリ)の大イチョウ』はある。今は倒壊の危険防止のためか、工事用の鉄柵で囲まれて中に入ることが出来ない。根元にあるほこらを子安神社と言い、かっては乳が出るようにと願いをかける産婦の参拝者が多かったというが。
 鉄柵越に眺めるに葉を落とした枝振りは埴輪の武人像か、大阪万博の太陽の塔を彷彿とさせるものがあった。空洞を塞いだ補修の痕がまるで鎧を着ているように見えた。
 なお、標示のあった樹齢2000年というのは少しオーバーだと思う。イチョウは元々日本には無く、中国から持ち込まれたものだというから、その時期が2000年前では有史以前になってしまうからである。







駒形諏訪神社の大カシ

 国道1号線を三島から箱根へ登って行く途中に山中城跡がある。大カシのある駒形諏訪神社は山中城跡本丸曲輪内にあった。
 『駒形諏訪神社の大カシ』は本丸への入口部分にそびえている。約400年前、天正18年(1590年)の山中城合戦時には既に生存していたと思われるが、もちろん当時では目立たない木だったと思う。
 カシの木としては県内1、2位の大木である。幹が地上4mのところで7本の主枝に分かれていて損傷もなく樹勢は良好で枝を広く広げていた。
 山中城跡にはもう1本、『矢立の杉』と呼ばれる巨木がある。山中城跡本丸の天主櫓に接して植生しており、目通り4.37m、樹高31.5m、樹齢500年で、周囲の樹木よりもとびぬけて高く、山中城跡のシンボル的存在である。『矢立の杉』のいわれは『豆州志稿』によると、出陣の際に杉に矢を射立て勝敗を占ったのだという。肝心の勝敗は秀吉軍に包囲された北条軍は半日であっけなく落城したという。







妙法華寺のヤマザクラ

 国道1号線を三島から箱根へ登って行く途中の三ツ谷新田より、県道142号線を南へ3kmほど下った所に妙法華寺がある。
 門前の看板によると「去る平成七年四月二十三日の前代未聞の強い突風により、山門脇の桜の大木が倒れ、その衝撃で山門も崩壊し、又、名勝百軒塀と言われた百軒塀もこの強風にあおられ各所で大破しました。」とあり、百軒塀再建のための寄付を募っていた。現在百軒塀は仮の板塀で囲われていた。
 ヤマザクラのあった場所を工事していた人に聞くと、今は無い山門跡の右手で、根を掘り出した穴を埋めて、土の色が変っている場所を教えてくれた。







春日神社のクス

 JR函南駅の北西へ1kmほどの新幹線のガードを潜ったすぐ左手に、道路に面して『天地神社のクス』がある。
 幹の太さ、根が広がっている面積は尋常でないものがあった。しかし高さ数mの所で幹が途切れ、そこから細い枝がたくさん出てこじんまりとした樹叢になっていた。説明板によると『以前は二十メートル以上あったものが、火災や新幹線の工事で枝払いされた』という。盆栽を相似形に巨大化したように見え、幹に張られた細い注連縄が金のネックレスのようだ。







天地神社のクス

 JR函南駅から県道135号線を南へ1.5kmほど下ると、道路が三叉路に突き当たり、その向こうに高い木立ちが見えてくる。それが『天地神社のクス』である。
 樹高は最高。金谷の熊野神社のクスの50mが樹高では県内最高かと思っていたが、天地神社のクスはさらに高かった。さすがに幹周もすごい。はじめ横幅で見たときはそれほど太とくは見えなかったが、縦幅がすごかった。




このページに関するご意見・ご感想は:
kinoshita@mail.wbs.ne.jp