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- 番号 123
- 生育地 河津町田中 木宮神社
- 指定 国指定天然記念物
- 樹種 クスノキ(くすのき科)
- 幹周囲 15m
- 樹高 24m
- 樹齢 1000年以上
- 巡礼日時 1998年8月14日 AM10:30
伊豆の河津町役場の300mほど南の田の中に離れ小島のような森がある。それが木宮神社の社叢である。神社のそばまで車で入りたくて一回りしてみたが、森に通じる道がすべて狭くて車では近寄れなかった。諦めて車を停め炎天下300mほど歩いて神社正面の鳥居を潜った。
木宮神社は杉桙別命(すぎほこわけのみこと)神社とも呼ばれ、平安時代に作られた『延喜式』にも載っている古い社である。本殿左奥に大クスはあった。『来の宮様の大クス』と呼ばれ、古来より御神木として崇められてきた。江戸時代から明治時代中頃まで『河津郷七抱七楠』とよばれていた大クスの中で、現存する唯一の木である。伊東の『葛見神社の大クス』と共に全国19位の太さの巨木である。
とにかく太くて存在感のあるクスであった。幹は当然だが枝の太さが尋常ではない。千年を越す樹齢ながらまだまだ樹勢が旺盛であった。しかし主幹数メートルの高さに縦にぽっかり空いた大きな「うろ」が、大クスの幹の中が空洞である事を示していた。神社の境内には大クス以外にも鳥居の左に一本、本殿右手に一本、クスの巨木があった。しかしこの大クスを前にしては色褪せて見えた。
大楠の根方に石碑に短歌が一首刻まれていた。「木宮や神代の昔偲ばるる仰ぐも尊し樟の大森」 |