第32日目

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 日 時  平成11年5月29日(土) 天候 晴れ



一本杉

 興津の西、清水市横砂から山切川沿いに北へ遡り、山に上って行くと清水市吉原に至る。吉原の善原院の左側を巻くように登る農道を、脇道に外れないようにたどって茶畑の間をどんどん登っていく。『一本杉』は頂上に近い道路の左側に立っている。
 茶畑に囲まれて根元に小さな石の祠が一つ。祠の側から小さな泉が湧き水が湧き出ている。下枝が枯れずに残って地面の触るほどで、昔から一本だけ立っていた事を思わせる。杉としては珍しく枝葉に隠れて幹がよく見えない。
 説明板によると「標高六〇〇メートルの峯山中腹の高台に市街地を見下ろすようにそびえている。古くから独立した立木として育ってきたらしく、地上部五メートル位から十五メートル位のところに太い側枝が拡がっており、大木としての樹勢を見せている。」








真珠院のナギ

 東名高速道路清水インターを降りて国道一号線を西へ向い、静清バイパスの左側の側道を2kmほど進み、天王町の交差点を右折し、バイパスの下を潜って北の山の方へ2kmほど進むと真珠院がある。
 真珠院ではちょうど葬式が終り片付けをしているところであった。山門を入ったすぐ左にこのナギがあった。根元近くに大きい瘤があった。








草薙神社のクス

 草薙駅から南へまっすぐ日本平に登る道を1.5kmほど進むと道路左に草薙神社の森がある。
 草薙神社の参道左手にこのクスノキがある。巨木と言ってもこれはもう木としては壊れてしまっている。根か樹皮か何だかめちゃくちゃといったところ。だから幹周囲20m余といってもほとんど計測不能なのだろう。しかしまだ枯れているわけではない。何本かの細い支幹が生き延びている。ところでじっくりとこの写真を見てもらいたい。龍の頭部を背後から見た形に見えないだろうか。別の角度から見てもその印象が変わらない。草薙神社は『龍勢』で有名。このクスノキは『龍勢』の龍かもしれない。
 『龍勢』については説明板があった。「戦国時代の天文十二年(西暦1543年)初めて火縄銃と黒色火薬が伝来したのち、城攻め用の『火矢』から転じて『のろし』が考案された。『昼のろし』(龍勢)は煙や布きれ又は旗などを漂わせて『夜のろし』(流星)は光で合図しあうものであった。駿府城と久能東照宮の守りとして、この技法が当地に口秘伝のまま受け継がれきて、更に工夫改良され、安政年間からは日本武尊を祭神とする草薙神社の秋季大祭日(九月二十日)に打ち上げが行われ現代に伝わっています。」








中之郷熊野神社のクス

 JR草薙駅の駅頭から線路沿いに西へ200mほど行った左手に、中之郷熊野神社がある。
 神社社殿の右手に御神木のこのクスノキはある。後ろに少し反った太い幹は均整のとれたほれぼれするような姿である。ここは旧東海道から西へ250mほど北に入ったところで、往時ももっと若々しい姿を旅人に見せていたに違いない。




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