日本の巨木−第2回−(高知県)

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杉の大杉 美空ひばりゆかりの日本一の大杉

 大豊町は高知市から南国市を通り、高知自動車道を20分、大豊インターチェンジで下りた国道32号線に沿った町である。『杉の大杉』は国道から西へ少し登った八坂神社にある。
 社叢からとびぬけて高い梢で『杉の大杉』の存在が知れた。入口で200円の入場料を取られたのには驚いたが、大杉の保存に使ってもらえるならと、快く出した。
 昭和22年、9歳の美空ひばりが当地でバス事故に遭い1ヶ月半の入院をした。その折り、日本一の『杉の大杉』に「日本一の歌手に」と祈願した。その逸話を記念して『大杉の苑(美空ひばり遺影碑・歌碑)』が作られていた。入場料でその碑も見れるという。
 狭い境内いっぱいに『杉の大杉』が占めていた。夫婦杉ともいわれるように南北に2本の木からなっているように見えるが、1株が二俣に分かれているのだという。幹の割れ目が同系色の金属板で補修されて貫禄充分である。木柵に防護されて触れてみれないのが残念である。今まで見てきた巨杉とはスケールのレベルが違うと思った。樹齢3000年というが、屋久島の縄文杉の波打つような木肌と違い、幹に直線的に伸びる力強さがあった。まだまだ長生きしそうである。
 『美空ひばり遺影碑』の前に立つと本人の『川の流れのように』の歌が始まった。周囲に響く音に1度聞くだけの我々は良いが近所の住民は同じ曲に飽き飽きしているのではないかと同情された。『杉の大杉』自身はどう聞いているのだろうか。







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