地獄変相十王図

 地獄変相十王図とは、亡者を裁く十王の庁、閻魔十王の戒めと慈悲を表す、「地獄の場」の迫力ある図です。
 昔は、正月の16日と、8月の16日は村全体が農作業を休みました。この日には閻魔様のお祭りがあって老若男女が参詣し、相当の賑わいをみせたのです。このとき、集まった村の衆の前で、地獄変相十王図絵を絵解き、披露したのです。
 しかし、この行事・語りは、大正13年頃で絶えてしまいました。そして、昭和50年まで旧名主の土蔵に眠っていたのです。土蔵から出された時は見る影もなく、虫喰いのあとがあり、軸棒がおちていました。地域の人たちはこの姿に耐えきれず、史跡保存会を設立して70万円の寄付金で修復したのです。
 毎年、花応院の住職(僕の叔父)により絵解きが行われ、地域の行事となっています。

 閻魔大王裁きの場

 左に罪をはかる秤。
 右に生前の罪を写す浄瑠璃の鏡。
 閻魔大王のまえには司命、司録がいて、人命を司り、一切の記録を。 亡者は首かせをはめられ、しばら れてかがみの前に。


畜生再生の図

 人から再生した馬を、地獄の獄卒、馬頭が追う。
 亡者の頭に錐を刺し、善行を命ずる脳に入れ替える白鬼。
 鉄の杭にしばり、大きな釘抜きで、下を引き抜こうとする鬼。


地の池地獄の図

 お産で死んだ人が落ちる血の池地獄。
 一人の女がはいあがり、山の下で祈りを捧げる。
 救いにこられた地蔵菩薩のお姿。
 亡者の悪い腹に釘を打ち、善に変えよううとする鬼。



修羅地獄の図

 闘争心が強く、人を殺し、殺そうとする者の落ちる地獄。
 空中に短剣が舞う。下には氷の川。
 氷が割れて、極寒の底に沈みゆく亡者・・・・。


針の山地獄の図


 三途の川の渡し場は3つ。深瀬を渡り、流される悪人を襲う竜。体中に針が刺さっても、亡者たちは、獄卒に槍や鉄棒で突かれて・・・・・。


極寒地獄、氷の池の図

 氷の池に入れられ、冷たさにもがき苦しむ亡者。岸に上がろうとすると、鎌槍、鉄棒をもった獄卒に突き落とされる。意識を失えば、活、活、ととなえ、生き返らせ、苦しめる。 


畜生報復地獄の図

 動物をいじめ、殺した人たちが、地獄に落とされ、報いを。巨大な虎、シシ、犬、ハチたちが襲い、手、胴、まで、ばらばらにしてしまう。まわりは、逃げ場のない火炎地獄。


剣の山と餓鬼地獄の図

 剣が茂る山。登るまいとすれば獄卒に打たれ、登れば剣が体を切り裂く。餓鬼道に落ちた者たち。子供を食べようとする女餓鬼。碗にもった飯は火となり燃え上がる。


火の車の図

 地獄の使者、午頭、馬頭が火の車を引き、死者の霊を迎えに・・・・。足ることを知らず、欲の心がうず巻くとき、おのずから、焦熱地獄に落ちる。


 賽の河原の図

 河原の石で、塔をつみあげる子。積んでも積んでも、鬼たちに崩される。地蔵菩薩が救いの手を・・・・。三途の川の岸にはいあがった亡者は、奪衣婆に着物をはぎとられて・・・・。


地獄の釜ゆでの図

 大釜で亡者をにる鬼。臼のなかで、亡者を鉄棒で打ち砕く鬼。地獄の鳥が亡者を運ぶ。人をゆで悪を放出。悪行を封じる閻魔大王の慈悲。善だけになった亡者は極楽浄土へ。

みなさん知っていますか?


       閻魔王は10人いて、そのうちの5番目が閻魔大王です。
       閻魔王たちは、審判の日がちがっていて、自分の受け持ち
       の日に亡者を審判します。