小栗判官縁起絵図


 小栗伝説とは、古く室町時代の鎌倉公方家と管領家の間の争いに関係した小栗家が滅亡し、その御霊を鎮める巫女の語りとして発生したようです。
 その伝説の中の小栗判官の物語の絵解きの絵として残っていた物が「小栗判官縁起絵図」です。
 小栗判官の生涯がえがかれており、絵解きの台本「小栗判官一代記」も残っています。
 これらは、初めから花応院にあったものではなく、旧名主の蔵に保管されてあったものを「地獄変相十王図」とともにのちに花応院に移し、復元されたものです。
 この「小栗判官縁起絵図」は、縦120センチ、横60センチほどのもので、物語の14の場面がえがかれています。その中からふたつの場面を紹介します。


 これは、二つめの場面で、大人になった小栗判官が、ある日、深泥池のそばで想夫恋を吹いていると、池から大蛇が現れました。 大蛇は美しい女にかわり、小栗は契りをかわしてしまうという場面がえがかれています。


 これは、六つめの場面で、小栗を憎み、殺そうと計った大膳が荒馬の鬼鹿毛をひきだし、小栗に乗りこなせるか問いただします。落馬させて命を取ろうとしますが、小栗はこれを鎮め、曲乗りをしてしまいます。(しかし最後に毒酒で殺され、小栗の地獄への旅が始まります。)という場面です。


 これが「小栗判官縁起絵図」、「地獄変相十王図」の絵解きの台本です。この台本は、地元の藤沢市西俣野史跡保存会により損耗はなはだしかったものを、尾嶋直良氏により、清書されたものです。


 この塚は、小栗判官が毒酒にかかって命を落とし、土葬された場所だと言われています。県道の拡張工事で、三分の一ほど削られました。この塚は不思議な塚で塚の上部が凹んでいて、この凹地に土を入れ高くしても、いつの間にかまたくぼんでしまうという珍しい現象があったそうです。