ダンゴ釣りに魅せられて!!

讃友会会長 原保


   黒鯛のカセ釣り(ダンゴ釣り)に魅せられ、清水に通い初めて40数年。「魚釣りはフナ釣りに

  始まって、フナ釣りに終わる」と言われますが、私は黒鯛釣りに始まって黒鯛釣りに終わりたいと

  思っています。

   数ある黒鯛釣り場の中で、清水はトップクラスであると確信しています。なんと言っても日本一

  の富士の山を眺めながらの黒鯛釣りは、釣り仲間の羨望の的になっています。

   思えば昭和30年代〜40年代にかけ、私の居住する富士の田子の浦港を筆頭とする水質汚染が

  駿河湾に蔓延し、清水港も汚染が進行しました。当時釣り船店から出航する際、巴川の異臭で船酔

  い者が続出。川面にはヘドロがプカプカ、釣った魚も脂臭くて食べられませんでした。幸いにして

  清水市長を始め、行政・関係諸団体および市民の協力で、まだ完全とはいえませんが昔の清水に戻

  りつつあります。もうあのお茶色の海はお断りです。

   先日の6号台風一過後の蒲郡郡団子茅渟倶楽部(GDCC)例会に参加しました。釣果はこの時期と

  しては若干物足りなさを感じましたがそれなりの釣果はありました。例会を14時に切り上げ、 

  巴川の港橋から下流域、日の出埠頭、ヨットハーバーその他の清掃活動をやりましたが、釣り人が

  残すゴミはほとんど無くなり釣り人のマナーの向上がうかがえました。目についたのは一般家庭の

  ゴミと、弁当など食べた後のゴミをビニール袋に入れたものでした。またタバコの吸い殻が多いの

  には、タバコを吸う者として肩身の狭い思いがしました。例会釣行中、流木その他巨大ゴミが釣り

  場に押し寄せ、一時釣りになりませんでした。これは、巴川水系から発生したものではなく、遠く

  富士川からのもので台風が過ぎたあと北風や北東風により清水港内に吹き寄せられたものです。

  富士川上流部の山林が、針葉樹林のため保水力が少なく、降った雨が直接河川に流入し急激な増水

  による現象といえましょう。したがって本当の意味で清水港を綺麗にし、黒鯛のみならず多くの魚達

  が活きやすくするには国政レベルの環境保全対策が不可欠と考えます。

   黒鯛が活きやすいといえば、種の保存対策も忘れてはならないと思います。その一環として放流

  事業の推進が考えられます。現在清水では清水釣船業協同組合のご尽力により、毎年黒鯛の稚魚が

  放流されています。そして、我々釣り人も釣行一回につき300円の放流資金を提供させていただ

  いているのは周知のところです。しかし、放流された黒鯛がその後どうなっているのか解明されて

  おりません。その手がかりをつかむ手段としてタグ打ち放流があります。

   昨年9月、清水でJFTのチヌ(黒鯛)王座決定戦が開催されました。その時選手の皆さんが釣った

  140枚の黒鯛を提供していただき、タグ打ち放流をしました。初日約70枚を港橋山本釣船店前

  に放流したところ、なんと驚く勿かれ直線距離で約5km離れた袖師の船溜まり手前で、翌日釣り

  上げられたのです。それも2枚…。黒鯛の習性は熟知しているつもりでしたが、その行動範囲と 

  スピード、黒鯛の未知の世界を垣間見た思いがしたものでした。結果的には8例が報告されていま

  すが、まさかこんなに早く釣り上げられるとは予測していなかったので、広告を出すのが遅れ、 

  広告を見る前に釣った人もいたのでは? と思います。

   今年も9月に王座決定戦、10月にフレッシュトーナメントが清水で開催されます。選手の皆さん、

  絶大なる釣果をあげていただきタグ打ち放流にご協力ください。 



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