海洋環境を考える講演会(要約)


・・・清水港の採水調査・・・東海大学海洋学部澤本彰三教授



 駿河湾海を守る会では、1997年9月12日から1999年6月現在までおよそ1週間に1回の 

割合で、清水港内の4点で表面採水調査を実施してきました。採水地点図は、「クリーン駿河湾」

第2号に掲載されているように、「貯木場口(折戸湾の入り口)」、「巴川口」、「日本軽金属排  

水溝付近」、そして「一文字堤(外防波堤)」の4点です。調査回数はおよそ90回になりま    

した。このほかに、港橋でもおよそ2週間に1回の割合で同じように調査を行っています。    

この調査で判ったことを、3枚の図を使って説明します。図には第1回から現在までの、     

調査日ごとの数値を示してあります。                                   


表面海水の温度(図1):1枚目は、採水したときの表面の温度を示します。表面の水をバ

ケツでくみ取り、この海水の温度を測った結果です。全体を見るとアルファベットの「W」の 

ように見えます。気温は1年を通してみると、8月にもっとも高く1月下旬から2月初旬にか 

けてもっとも低くなります。表面海水の温度は1ヶ月ごとに見ると、気温の変化にだいたい 

合っているようです。実際には、1998年には1月に、1999年には2月に最低になりまし 

た。調査期間全てについて地点ごとに見ると、「日本軽金属排水講付近」が殆どいつも高く

(平均20.1度)「一文字堤」がこれに次ぎ(平均18.6度)「貯木場口」「巴川口」は   

いつでも低く(平均17.5度)特に冬は著しく低いという特徴があります。「港橋」は、も   

っとも低い場所(平均16.4度)になってます。                          


表面海水の塩分(図2):2枚目は屈折計で測定した表面海水の塩分を示します。塩分の 

単位にはパーミル(千分の一)を使います。たとえば塩分が30パーミルという海水は1リット 

ルに3グラムの塩を溶かしています。この図には、いつでも0から35パーミル近くの値があ  

るので、季節の移り変わりによる変化がはっきりしません。これが塩分から見たときの清水港

の特徴です。調査期間全てについて地点ごとに見てみると、「港橋」と「巴川口」では低く   

(それぞれ平均6.8パーミルと11.6パーミル)、「貯木場口」日本軽金属排水講付近」  

では高くなり(それぞれ平均20.4パーミルと28.1パーミル)、「外防波堤」がもっと     

も高い(平均31.2パーミル)という特徴があります。                       


 静岡では平年であれば、雨は4月から9月までは200mm以上降り、12月と1月には 

100mm以下と少なくなります。ところが1998年には1月から3月までは100〜200mm

4月から10月までは300〜500mmも降りました。11月にはほとんど降らず12月には 

わずかに40mmでした。この影響は、3月から10月に低い値、11と12月に高い値    

となって現れています。                                        


 表面のプランクトン量(図3):3枚目は、植物プランクトンの量を示します。網目幅が    

0.025mmの網地で海水1リットル(1000ml)をろ過してプランクトンを集めます      

(5mlにする)。この中から0.1mlを取り出し、顕微鏡で種類を調べながら細胞の数を   

数えます。植物プランクトンは、ふつう春先に海の色が茶褐色に変わったりするほど増えます

 調査期間すべてについて見ると、12月から2月まではプランクトンの量は少ないようです   

地点ごとに見ると「港橋」はもっとも少なく(平均24000細胞/リットル)、「巴川口」     

では平均120000細胞/リットルとやや多く、「貯木場口」と「日本軽金属排水講付近」  

ではさらに多く(それぞれ平均346000細胞/リットルと532000細胞/リットル)     

「一文字堤」(平均60100細胞/リットル)がもっとも多いという特徴があります。清水港

の植物プランクトンは、入り口の方に量が多いと言うことになります。             


 清水港は浅いことと植物プランクトンの栄養物質(植物の肥料)があるので、海水の温度が

プランクトンにちょうど良い状態になれば、いつでも海の色が変わるほどに増えてしまいます

その例を、1998年12月に見ることができます。                         


1999.6.27.BAY SIDE 入船館にて


図1

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図2

図2

図3

図3




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