「先生。この子、寒くなってから急に頭をかゆがるようになったんです。カサカサしちゃって、フケみたいのもいっぱい出てくるんです。」
「おかあさん。この子は毎日シャンプーしてるんですか?」
「はい、毎日シャンプーしてます。それでもフケが出るんです。」
「おかあさん、それはね、シャンプーのしすぎなんですよ。シャンプーっていうのはね、皮膚の油分を取るんです。だから、シャンプーをすればするほど皮膚から油分が抜けてカサカサになるんです。カサカサするから、皮膚が荒れてフケみたいにぼろぼろ落ちるんですよ。」
「じゃぁ、シャンプーをしない方がいいんですか?」
「そうですね。シャンプーの回数を減らしてください。カサカサ具合によって違いますが、週に1回か2回でいいと思いますよ。」
そして、1週間後・・・
「先生。先生の言われたとおりにしてみたら、かゆみも減ったし、フケも減りました!」
「よかったですね。」
冬は空気が乾燥します。空気が乾燥すると皮膚も乾燥します。皮膚に油分が多いと乾燥しにくいのですが、油分が少ない皮膚は乾燥してすぐにカサカサになってしまいます。
乾燥肌の患者さんにワセリンを処方して塗ってもらうことがありますが、これは皮膚に油分(ワセリン)を補充して、皮膚を乾きにくくするためです。
シャンプーや石鹸は皮膚の油分を取り除く作用があります。このため、シャンプーや石鹸を使って洗えば洗うほど皮膚は乾燥しやすくなります。
乾燥しやすい皮膚の方は、冬の間はシャンプーや石鹸の使用は控えめにした方がよいでしょう。
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