早起きは三文の得、早寝は一生の得! 

 

 静岡市内でも24時間やっているコンビニが多くなり、それに押されて大型スーパーやデパートなども夜8時や9時まで営業するところが増えています。世の中がだんだん夜型になってきているのでしょうか?

 NHKが調べた国民の就寝時間の調査では、1960年では国民の65%が午後10時までに就寝していたのに対し、1995年の調査では午後10時までに就寝する人は30%以下に減少しています。

 「午後10時までに就寝する子ども」の割合は、10年、20年前と比べ、各年齢において確実に減少しています。3歳児では、1980年には約80%が午後10時までに就寝していましたが、2000年ではそれが約50%に減っています。特徴的なのは、1歳6ヶ月ではなんと45%と半数を割っています。幼稚園が始まるまでは、親の生活に付き合わされている子どもの実態でしょうか。

 夜が遅くても、朝遅くまで寝ていれば(いわゆる遅寝遅起き)、問題はないのでしょうか?

 最近の睡眠に関する研究で、睡眠と健康の関係について解明が進んできました。人間には概日リズムと呼ばれる規則正しい周期的リズムがあり、深部体温、メラトニン、コルチゾール、成長ホルモンなどのホルモン分泌、睡眠覚醒などにそれぞれ周期的リズムがあり、睡眠リズムとその他の生体リズムに解離が生じると、昼間の眠気、夜間の不眠、抑うつなど、様々な心身の不調をきたしうることが判明してきました。また、不登校の子どもの多くに睡眠覚醒リズムの障害が認められるという報告もあります。

 そして、研究では規則正しい睡眠覚醒リズムを築くためには、朝起きて光を浴びることが大切であり、夜遅くまで明るい電灯の下で起きていると生理的リズムを崩す引き金になることも指摘されています。

 睡眠を十分にとることにより免疫機能が強化されますし、身長を伸ばしたり筋肉を付けたりする成長ホルモンも睡眠中に分泌されることが知られています。

 また、2歳前に、夜、明るくしていると、近視が増えるという説もあります。

 地球上に人間が出現してから、10万年以上が経っています。「電気」というものが発明されるまでは、人間は朝日とともに起き、日没とともに一日の生活を終え就寝していたのです。ほんの100年ほど前に「電気」というものが生活の中に入り、夜間も明るく生活ができるようになり、人間は次第に夜型の生活を始めるようになったのです。しかし、10万年の間に人間のDNAに刻み込まれた生体リズムは、たった100年で急に変わることはできないはずです。夜型生活は人間にとって異常な生活リズムであるはずなのです。

 「早寝」は、十分な睡眠をとるという意味だけでなく、正常な生体リズムを築くことになり、肉体面だけでなく精神面でも健康的な生活を送る基礎となります。心の問題が議論される今日・・・。

 「健康な心は、早寝から生まれる!」

 さあ、今日から1時間早く電気を消してみてはいかがですか?