EGSIMによるエンジン性能解析事例  [EGSIM画面へ]

 −エンジンの過渡性能−

 通常エンジン性能は一定回転数、スロットル開度の定常運転で計測します。車両の一定速走行や緩加減速の際のエンジン性能は

定常運転での値に近いものとなりますがエンジンスロットルの急開閉時などの性能は定常運転時のそれとは異なるものとなります。

最近では動力負荷を車両での加減速運転と等価な値に制御できるトランジェント動力計により過渡性能の計測やエンジン制御因子の

キャリブレーションを行なうエンジン過渡試験も行なわれるようになるとともにエンジンシミュレーションでも従来の定常運転に加え過渡運転の

シミュレーション機能への要求、期待が大きくなってきました。 Ver. 8.0では「過渡性能計算」と称する上記過渡運転シミュレーションが

追加されました。以下にモータサイクルでの解析事例を紹介します。

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【解析条件】

<エンジン>

  250cc 4サイクル 4バルブ

<車両>

■重量:190kg(車両+ライダー)

■駆動系:

   ○1次減速比:3.083

   ○トランスミッション減速比:2.846(1)

   ○最終減速比:3.066

   ○タイヤ有効半径:0.243m

<初期条件>

■初期条件

スロットル開度:1%

エンジン回転数:2000rpm

上記運転条件で定常運転を行いエンジン内が平衡に達した最後のサイクルの最終クランク角

(排気上死点)での状態を初期値とする。

<スロットル操作>

■操作開始時期:最初の過渡サイクルの排気上死点からクランク角270deg(約吸気閉直後)

■開度変化:0.03sec2000rpmでクランク角360deg)で1%から全開100%まで直線的に変化

したがって過渡第1サイクルの吸気閉じから第2サイクルの吸気開きまでの期間に全開まで開き終える。

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【解析結果】

■クランク角毎の変化

       図-1 クランク角毎のエンジン回転数、トルク、吸入空気流量の変化

■サイクル毎の体積効率変化

             図-2 サイクル毎の体積効率変化

エンジン回転数はクランク角毎に変化するので各サイクルの開始時(クランク角位置=排気上死点)におけるエンジン回転数を

サイクルの代表回転数とし過渡サイクルの体積効率を定常運転でのスロットル全開の体積効率と比較したグラフです。

No.2サイクル以降はスロットルは全開となっていますが図より体積効率はNo.2サイクルでは定常より15%ほど大きく、

No.3サイクルでは逆に15%ほど小さく、またNo.4サイクル以降は定常に近い値となっていることが分かります。

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 さらに運転条件を変えると過渡サイクルではどのようなことが起こるでしょうか?

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