大排気量のディーゼルエンジンの轟音にはターボチャージャー(過吸気機器)のかん高い金属音が混ざっていました。61式(ろくいちしき)戦車が目の前を猛進してゆく姿を 始めて見たときの意外な印象でした。61式とは1961年に採用されたという戦車で。この戦車の開発にあたってアメリカのMー46パットン戦車を研究したためか、車体にはかなり参考にした部分がみつけられます。戦後初の純国産戦車は日本人特有の繊細なデザインでまとめられています。

 タミヤは70年代にこの戦車を模型化しています。車体の裏の溶接あとまで丹念にモールドしてあり、当時の意気込みが感じられます。モーターで走らせることが出来たこのキットは時代の流れか、いつしか模型屋から姿を消しました。しばらくして、実車同様、改修作業をほどこされMM(ミリタリーミニチュアシリーズNo163)に返り咲きました。よく出来た戦車兵が新しく加えられ、デカールも最新のものがセットされています。

 キットを改修前の昭和 50年代の、富士教導団の戦車大隊第3中隊の車両の姿で製作してみました。砲塔に描かれた鶴のマークが美日本的で美しいです。塗装はグリーン単色で砲塔には黄色いナンバーが入っています。


■塗装はグレーがかったダークグリーン。実際は塗られたばかりの塗装色と褪色してほこりがついた状態ではかなり違いがあるようで、これは作る本人のイメージできめればよいのでは。グンゼから自衛隊戦車色セット発売されている。この中にOD色2314(TCー09)がセットされています。


-

■砲塔

砲塔表面はデザインナイフで細かく削り鋳造された表面をグラインダーで仕上げたような感じにしてみた。実車の表は案外、滑らかな仕上げ。鶴のマークとシリアルナンバーは手書き。砲塔の周囲に取り付けてある細長い金具はホチキスのハリで表現した。アンテナガードは木片で治具を作り、真ちゅう線で製作。

-

■コマンダーズハッチを後部から見る。
■アンテナガード右側を後部より見る。基部は取り払われている。

■砲塔上部からエンジンデッキを見る。改修前の車両なので右側面にBOX(タミヤキットDー4)が取りつけられている。 
-

【 BACK 】

次のページ