先頭打者本塁打が決勝点となり1-0で勝利した試合
 1901年に現行のNational League、American League二リーグ制がスタートして以来、昨年(2005年)までの105年間に、165756試合が戦われました。うち、スコア1-0の「緊迫した」試合は、4045試合(最多1914年の94試合、最少1930年の15試合)。全試合数の僅か2.4%を数えるのみという、希少な試合であることが理解できます。
 通常、1-0試合は投手戦の締まった試合という印象をもちますが、その試合内容はまさに千差万別の観があります。
 
 1989年8月23日に行われたDodgers-Expos戦は、5時間14分、延長22回にわたり延々とプレーが繰り広げられ、Dodgers20安打、Expos13安打計33安打が乱れ飛んだにもかかわらず、いずれも得点に結びつかず、43イニングス目の22回表にDempsey(Dodgers)のソロ本塁打であっけなくケリがつくという、効率が良いのか、悪いのか分からない試合として知られています。この他、両軍ともにフタケタ安打を放ちながら、1-0というケースは2例(1967年9月1日Giants-Reds戦、1968年4月15日Mets-Astros戦)記録されています。

 一方、1965年9月9日の同じくDodgersとCubsの一戦は、得点同様の貧打戦(Dodgers1安打、Cubs無安打)で、しかも5回裏のエラーが決勝点という、これまた緊迫していたのか、ダレていたのか判断が付きかねる展開でした。
 
 さて、本稿が対象とする1957年以降の1-0試合は2092試合で、得点が本塁打による試合は479試合。1-0試合の2割強が本塁打によって決した、ことになります。
 うち、1回に本塁打が飛び出し、その後、両者とも無得点でゲームセット、といういわゆる「スミイチ」が本塁打によるケースは34試合。さらに1回表に記録されたのは16試合。
 そして本題である「先頭打者本塁打が決勝点となり1-0で勝利した試合」は60年代2回、70年代2回(いずれも73年)、80年代はゼロ、90年代2回、そして2000年代に入ってまだ1回と、49年間で僅か7試合を数えるに過ぎません。
 なお、12年ぶり、かつ、現在のところ最後となるこの記録を達成したのが、我らがKazこと松井稼頭央、というから複雑な気分になるではありませんか。

 

先頭打者本塁打が決勝点となり1-0で勝利した試合
試合日 チーム 打数 安打 先頭打者 相手チーム 打数 安打
1963/09/02 Cincinnati Reds 31 4 Pete Rose New York Mets 28 3
1969/06/12 Philadelphia Phillies 31 4 John Briggs Los Angeles Dodgers 31 7
1973/04/28 San Francisco Giants 31 5 Bobby Bonds St. Louis Cardinals 29 4
1973/09/07 New York Mets 32 7 Wayne Garrett Montreal Expos 31 5
1991/08/07 San Francisco Giants 33 8 Darren Lewis Atlanta Braves 30 6
1992/06/19 Seattle Mariners 31 4 Greg Briley Minnesota Twins 30 4
2004/05/12 New York Mets 30 3 Kaz Matsui(松井稼頭央) Arizona Diamondbacks 32 3

 

 

初回先頭打者以外の本塁打が決勝点となり1-0で勝利した試合
試合日 チーム 打数 安打 打者 打順 相手チーム 打数 安打
1974/08/18 Texas Rangers 28 4 Jeff Burroughs 3 Cleveland Indians 27 4
1976/07/17 Houston Astros 30 4 Cesar Cedeno 3 New York Mets 30 5
1982/09/04 Pittsburgh Pirates 29 4 Lee Lacy 2 Los Angeles Dodgers 30 6
1985/05/08 Chicago Cubs 30 5 Ryne Sandberg 2 San Francisco Giants 33 6
1985/07/11 Kansas City Royals 32 5 George Brett 3 Cleveland Indians 31 6
1993/08/22 Chicago White Sox 30 3 Frank Thomas 3 Minnesota Twins 32 8
1998/09/20 Los Angeles Dodgers 27 2 Trent Hubbard 2 San Francisco Giants 29 4
2001/09/23 Tampa Bay Devil Rays 31 4 Steve Cox 3 Toronto Blue Jays 31 5
2002/09/24 Cincinnati Reds 32 6 Aaron Boone 2 Chicago Cubs 30 4

 


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