足回りのグリスアップとキャブレーターセッティングさらには

エンジンハンガーのグリスアップ

PW50のフロントフォークは、ブレーキが付く左側が単なるコイルスプリングのダンパー無しで、右側がコイルとダンパーである。しかし、オイルシールは使われていないし、密封ダンパーらしい。分解出来そうで私には分解できなかった。インナーチューブとアウターチューブのガタツキは大きい。注意すべきは、その構造ゆえ、インナーチューブとアウターチューブの間から水が浸入して、中のスプリングを錆びさせてだめにしてしまうことである。そこで、耐水グリスを用いてダストシール内に詰め込み水の浸入を防止しよう。ただし、あまりつめ過ぎると作動性が悪くなる。体重の重い子供には良いかもしれないが。

PW50は、排気内部に制限のリングがある。そして、新車購入時は、そのリング付きに合わせたセッティングがなされているのだ。サービスマニュアルには、キャブのことは書いてないが。なぜなら、リング解除後、低速に置いて混合気が薄く、始動性がとても悪く100回キックをしなければかからなかったからだ。そして、子供が制限リング無しで自由に乗るようになって、明らかに低速が薄く、激しく吹けあがり非常に乗りにくいようだったのだ。そこで、シートを外し、キャブのテッペンのねじを外し、ジェットニードルのクリップ位置を思い切って2段下にずらして組みなおした。すると、非常に乗りやすく短い直線でも子供が容易に全開にできるようになった。普通のモトクロッサーなら2段もクリップ位置を変えると乗れたものではないのだが、非力でオートマのPWには、それが見えにくかったのだ。この感じなら、メインジェットをさらに上げた方が良いように思う。

PW50のエンジンハンガーは、同時にそれはスイングアームピポットでもある。エンジンといっしょになったリアのばね下荷重の塊があるこのマシンは、それゆえリアのトラクションが極端に悪いのが最大の弱点である。そこでPW50にとってリアのトラクションを稼ぐのが勝利への近道である。それには、ハイグリップな角のしっかりあるモトクロスタイヤに常に交換する。スタンディングではなく、リア寄りに荷重をかけたシッティング乗りをする。そして最後にエンジンハンガー兼スイングアームシャフトを常にグリスアップして可動性を良くしておくことである。PW50は、リア回りにベアリングが存在しないのでなおさらグリスアップは、重要である。