「ちょっと台湾の旅」報告

 


10/29(金)30(日)31(土) と三日間、 台湾に行ってきました。
急に思い立って何ひとつ下調べもなく、 一人で気軽にさっくりと行ってきましたが、
台湾、楽しいですね!
国の雰囲気自体がお気楽&ハッピーで 一人旅でも超リラックス!
とっても気に入りました。リピーターになりそうです。
 

<きっかけ>

台湾には初めて行きました。近い国だし 、中国圏にはあまり興味がないせいか、
いままで「行かねばならぬ!」と一度も 思ったことがなく、
今頃「初台湾」となったわけですが、 それというのも、
大学の友だちからのエアメールがきっかけ。

「3ヶ月ほど台湾で中国語の勉強をしに 来ています。」って。

彼女はもともと外国語学部で中国語を やってた人で、
私とも、大学3年の時に メキシコに旅行したことあるんだよね。
んで、彼女の滞在が11月末までだって 言うんで、会いにいってみたわけなのよ。
 

<航空券>

航空券は55000円で、チャイナ・エアー。 (台湾の航空会社。よく落ちるよねー。・・・・・。)
少し高いって以外に思うかも知れないけど、 このフライトは時間がいいんだよ。
 

羽田 → 台北  0850   1110
台北 → 羽田  1745   2130
 

ね。フルに台湾にいられるでしょう・・・・・・。
チャイナエアーって、羽田からだから近いし、
成田エクスプレスとか使うとお金もかかるし (往復5000円超える!これがきついんだよね)

週末絡みの台湾は、フライト時間によって 料金がとっても違うんです。
夕方ついて午前中に帰ってくるNWなんかだと、 40000円。 なるほどね。
 

<羽田の国際線ターミナル>

私、羽田の国際線ターミナルって初めて行ったけど、「くせ者」ですねー!!!!
国内線から国際線のターミナルまで、「30分に一本くらいしかない連絡バス」(!)
に乗り換えなくっちゃならなくって、しかも、210円もとるんだよー!
日本についたばかりの外国人なんか、日本円の小銭もってなかったらどうするんだー!!!
せめて200円とかキリの良い値段にするべきだと思う。不親切!!!!!
しかもしかもバス来るのに結構待つくせして、
乗ってる距離がほんのわずかっていうのも腹が立つ。
無料シャトル走行するべし!!!!ぷんぷん。せめてタクシー位は走っていてほしいよね。

☆現在バス代は100円になりました!(99年11月より)

ついでに言うと、ついた先、国際線ターミナル、これ、すごい小さくてなんにもなくてびっくり!!
まあ、チャイナエアー専用だからな。
第三世界の地方都市のバスターミナルくらいの機能もないね。(なんだかカルトな例えだが)

これが日本の空港か?うーむ。
台湾通の友だちに言わせると、
「台湾は国としてみとめられていないから、空港も隅に追いやられて別管理になってる」んだって。ふうん。

チェックインの時にコンピューターがダウンして(!)チェックイン業務が凍結、
結局マニュアル作業で全員のチェックインをしてやんの。
おいおい。今時第三世界でもそんなこと無いぞ。
さすが良く落ちる飛行機会社だ、と妙なところで納得してみたり・・・。
でも、日本語専用リコンファーム電話があるってのはちょっとうれしい。(さすがチャイナエアー!)
だって、私、田舎の国に行って電話通じなくってリコンファームできなくって困ることよくあるんだもの・・・・。

かくして台湾に飛び立ったのです。
飛行機は並の並だが、スチュワーデスの紫のチャイナ風制服は好きだな。
(そんなことバッカ見てる)
 

<両替と電話と市街へのバス>

台湾に着いて、まずは両替。

日本円 30000円 → 8820元 

RATE  1円 = 0.294元  1元は3〜4円の間じゃ!(計算苦手)

両替屋の隣に台北駅までのバスチケット屋が何社かある。
200元、120元、90元 と何故か値段はいろいろだが、
一番安い90元のにしてみた。
ちゃんと高速使うし、1時間弱で着いたし、どれに乗っても大差ないか?

そうそう、このバスチケットの所に台北の無料タウンマップがある。ちゃんと日本語。
結構良くできてる。もらっておくといいかも。

それから、友だちに電話。
電話、よく通じますね。すごくうれしい。
電話はコインなら、1元玉を入れて、市外局番は要らない(市外局番かけたら通じなかった)
ピポパですんなり通じます。
(但し、出た相手が日本語も英語もできないことが多いのがつらい。宿の人でも!)
5元や10元玉を入れた場合、お釣りは戻ってきませんが、
使用後青いボタンを押すと、余っているお金で次の電話ができるらしい。
知らなかった。くやしい。

どんよりと曇った市街を走って台北駅前でバスを降りたら、いいタイミングで
白いお肌がきれいで元気な友だちが迎えに来てくれました。
 

<きれいでおすすめの宿>

まず宿探し。
友だちの紹介で「城美大飯店」へ。
台北駅から徒歩5分位かな。歩き方にも載ってる。

台湾って一人旅だとびっくりするくらい宿代が高いんだ。(一人だと倍になるので)
普通のビジネスホテルは、なんと、しっかり日本並のお値段。(7〜8千する)
ここは、990元で、
熱々のシャワー、タオルも石鹸もシャワーキャップも歯ブラシもシャンプーその他もついてて、!!!
とっても清潔でこのお値段は安い。フロントは英語も通じます。

「城美大飯店」
台北市漢口街一段88号
電話 02−23147305 
FAX    23146328
E−MAIL panam@ms22.hinet.net

(E−MAILは、英語じゃないと相手が受信時に文字化けします。念のため。)
 

<おいしそうな街>

一息ついて、彼女と街歩き。
台北って歩いてるだけでおいしそうな街!!!!
食べ物屋が異常に多くって、おいしそうなものがいっぱいいっぱい売ってるの。

台湾の女の人ってみんな働いていて、共稼ぎだからあんまり家で夕食作ったりしないんだって。
外食か買ってきて食べるのが普通。
だから外食が充実していて、しかもとっても安い。
家事も自然に分担。
良い国だ!私も台湾で働く女だったらよかったのに。
 

<台湾のお茶に感動>

 お茶屋でバイトしているというくらい 彼女がハマっている、 という
台湾の茶道「功夫茶(クンフーチャ)」。
この本場仕込みのお手前をちょっと おしゃれな喫茶店 「徳也茶喫」で
披露していただきました。

いやあ、台湾の茶道って、お茶の香りを楽しむものだったのね。
感動しました。

お茶の入れ方もお道具もとっても面白い。

まずびっくりしたのが急須。
めちゃめちゃ小さい!!!
直径6〜8センチ位しかない。
それに茶葉はいっぱい入れる。 (日本の茶さじ一杯は確実に入れる)

そして、お湯呑み。
これも日本の酒のおちょこ位しかない。 小さいの。

そしていろんなお道具。 湯呑みや急須だけじゃなくて、

香りを楽しむだけの器、 (聞茶杯)
お茶を捨てるだけの器。 
お茶を湯呑みに注ぐだけの器。 (茶海)
お茶のアクを取るだけの棒。
そして熱々のお茶を常に保つアルコールランプを使った土瓶受け。
たっぷりお湯が入れられる大きな土瓶。
お茶受けも上品だし。

茶葉も違うんだ。
日本のお茶は葉っぱを細かく切ってある けど
台湾のお茶って、葉っぱが丸ごとくるくるともみこんで丸まって乾燥してる。
だから小さい急須の中で一杯に広がって、
同じ茶葉の急須で何度も何度もお茶が入れられる。
一回目のお茶は捨てるし。

それと、飲む前に香りを楽しむの。
お茶を香り用の器に入れて、 お茶自体は捨ててしまい、
直後にたちのぼる香りを楽しむ。
これ、感動したな。
この香りだけの時と、飲むときの香りと 全然違うの!!!
この、ふわんっ!と、強く柔らかく香り立つ。これです。
お茶って各国楽しみ方にいろいろあって、
楽しいけど、 これには私もハマりました。
台湾に行ったらぜひ、 お茶でもてなしてもらって下さい。

これが台湾式の茶道具。お茶菓子もおいしい!
 

   「功夫茶」 台湾式お茶の入れ方      

1)急須にお湯を入れ、湯飲みなどをそのお湯で暖める。
2)茶葉を入れて、最初のお湯を茶海(お茶を注ぐ為の器)に捨て、新しいお湯を注ぐ。
3)しばらく待って、茶海の中のお湯を急須の上からかけて蒸らす。
 (最初のお茶はアクが出るので、急須のフタをとり、それを取り除く。)
4)急須の外側が乾いてきたらOK。まず、茶海にお茶を注ぎ、それを聞茶杯に注ぐ。
  それを湯呑みに移し、空になった茶杯で香りをかぐ。
5)湯呑みのお茶を飲む!
 

お茶の道具はかわいくって欲しくなるけど、結構高い!
めちゃチープなものでも急須が1000円位。
お茶もピンきりですが、いいものは、日本の高級茶と同じ位高いです。
お茶は計り売りもしてくれます。
 

<タクシーで市内めぐり>

お茶のあとはいよい台北市名所めぐり。山ほど走っている黄色いタクシーで
ちゃかちゃか動き回りました。
台北は街がとってもコンパクトにできていて、どこにいくにもタクシーにのって
10分とかからない。メーターもついてるし、値段も200円〜300円程度。
 

<新光摩天展望台>

 台湾一のっぽのおしゃれなビルは、台北駅前三越デパートのビルです。
46階建て。私高いところ大好き!すかさず展望台(150元)へ。
展望台へは、マクドナルドがある地下のところのエレベーターから。
どんより曇って眺めは今一つだったけど、
河が流れていたり、台北の街の様子がよくわかって、楽しい!
夜景は抜群だそうな。(夜は10時まで。)

<忠正記念堂>

真っ白い大理石に青い屋根がまぶしい、美しくてでっかい建物。
中には蒋介石の像があって、衛兵がぴしっと守っている。
毎時JUSTに衛兵交代があって、これはとってもかっこいい。
タダでみれるし。
周りは公園になっていて、とてもきれい。
個人的にはなんといっても見てもらいたいのが、
鯉の餌の販売機!!!!
これは私的台湾一の大ヒット物です。

天気のいい日には大理石の白さがまばゆいほど・・・。
 

<龍谷寺>

夜でもにぎわっていた、庶民の信仰の場。
20元のお参りセットを買って、たくさんある
仏像に順番にお参りしていくのが楽しかった。
お線香は長くって、線香立てにうまく立てられないから、
えいっ!って縦に投げ入れてうまく刺さるようにするんだそうな。

お参りセットのもう一つ、
金箔のついた紙は「あの世のお金」。
ご先祖様があの世で困らないように、お寺脇の焼いてるお釜で、
一枚ずつ燃やしていく。
この紙、赤いはんこの絵がなかなかかわいいのだ。

龍谷寺。夜もにぎわっている。 
 

<屋台メシ>

いよいよ楽しみにいしていた屋台メシ!

龍谷寺の入り口を出て右にワンブロック歩くと
屋台がずら〜っ!!!!

ブタのしっぽだの、カエルのむき身だの、ブタの足だの頭だの、
怪しげな食材がおいしそう(!)に並べられていて、
これが一体どういうふうな料理になって出てくるのか、ち〜っとも想像できないところが恐い。

これは肉類。真ん中はカエルのむき身・・・
 

友だちのおすすめ、
肉団子入りのあっさりスープ。
これ、ホントにおいしかった!肉汁が、じゅわっ!と口の中一杯に。

湯葉みたいのに巻いて揚げてある春巻き。
これもおいしかったー!甘めのたれがまたおいし。

空芯菜という、茎の中が空洞のお野菜の炒めた奴、これも絶品。
歯ごたえがたまらない。

ビールはもちろん「台湾ビール」!
台湾にはこの「台湾ビール」くらいしか国のビールはないみたい。
軽めなのにしっかりした味で、ちょっと懐かしい感じのおいしいビールなのだ。

台湾屋台メシ。上の空芯菜、絶品だったな。
 

台湾料理、結構あぶらっぽいですね。
肉団子のスープみたいに、
すごく薄味のあっさりスープが良く合います。

味は、なんの抵抗も無くたべられるし、
とってもおいしい!!!

とにかく、私は「旅に出た初日の夜、
屋台メシ食べてビールを飲む瞬間」が、この世で一番幸せな時間なのだ!!

料理はだいたい20元〜50元くらいで、とってもお気軽。
屋台メシなら量も少しずつ食べられるから、
いろんな物がたべられて、とっても幸せ。
 

 <華麗!圓山大飯店>

チープな食事で心が満たされた後、豪華な気分を楽しもう、と、
台北一ゴージャスなホテル、圓山大飯店へ。
山の上にあって、真っ赤な中国式宮殿建築のスーパーゴージャスな建物は、
夜ライトアップされて、めちゃめちゃきれい。
いざ中へ入ると、どっひゃー!!!
真っ赤真っ赤、(でも上品なのだ)ものすごい豪華な中国宮殿ジャンジャカジャーン!
ってかんじで、おみそれいたしやした。

ロビーのあるラウンジでは弦楽四重奏の生演奏で、ゆったりお茶が飲める。(高い茶だが)
もちろん食事をして豪華な気分になるもよし。

しかし、私たちはお金もないし、汚い格好だし、
ばちばち記念撮影してトイレを借りて、ホテル内探検をして、楽しみました。
「切手を買いたい」とサービス係に言ったら、絵はがきを6枚くれて、
「書いて渡してくれれば、切手貼って出しておきます」とのこと。
絵はがきだけありがたくちょうだいしました。

こんなところ、泊まりたいねえ〜!

「歩き方」によると、

シングル4000元〜
ツイン  4000元〜

そんなに高くないじゃん!!!

電話 25965565
FAX 25948243

市内からタクシーで15分くらいかな・・・・・。

外もゴージャスだが、中身も豪華!
 

<現実に戻って我がホテルで格闘>

豪華な気分を味わって部屋にもどったら、結構でかいゴキブリが!
こんなにきれいな部屋なのに。。。(狭いが)
と思ったが、フロントで殺虫剤を借りに行き、
フロントの姉ちゃんに、日本語で、「がんばって!」と言われて部屋に戻り
いざ、対決!!!!
   我勝利せり。 (万歳・・・・・・・・。)
 

<不思議なのみもの>

ジューススタンドで、これがおすすめ!
と言われて買った、「珍珠乃茶」。
中に1cmくらいの茶色いぐにゅぐにゅした「珠(タマ)」(固めの白玉に近い食感)
がいっぱい入っていて、ミルクティーなんだけど、なかなかおいしかった。

面白いのがストロー!!!
1cmもあるタマを吸い上げられるように、ストローが直径1.5cmくらいあるのだ。
これをぶすっ!とドリンク上部のフィルムに突き刺し、
んごごごごごっっっ!!!と一気に飲む。
口の中でぐにょぐにょのタマが踊って、それを噛み噛みして食べながら飲むのだ。

  ・・・・だからどうだって訳じゃないけどさ。500ml一本40元くらいだったな。
 
 

こうしておいしい台湾第一日目終了。
 
 

<2日目>

 

 
 
2日目の朝は、なんと大寝坊!!

起きたらもう9時じゃない!

急いで支度して、ホテルのお粥の朝食をかっくらって出発!
今日は渓谷鉄道に乗って、大きな滝まで一人で冒険なのだ!

<台北駅>

台北駅って、なんだか空港みたい。
ものすごく便利で施設が充実していて近代的で!!!

電光掲示板があったり、郵便局があったり、チケット売り場なんかも、
空港のカウンターを思わせる。
建物の内装も豪華だし、電車自体は全部地下から出発で、
駅構内は整然としてる。

時刻を調べたら、電車はでてしまったばかり。
一時間後の次の電車を予約。

台北→瑞芳  急行90元  約45分
 

<切手>

駅の郵便局で台湾の切手を購入。
台湾の記念切手ってきれいでセンスも良くていろいろあって楽しい!
中でも断然お気に入りは、おいしそうな台湾の高級料理10集類が
切手になってる台紙付きシートの切手。
なんともおいしそうな切手で、貼っても結構かわいい。
それに、その台紙には、親切にも10種類、ひとつひとつの料理の解説が書いてある。
他にも切手が好きな私は、いろいろ買ってしまいました。

日本まで葉書10元。

<電車の旅>

地下のホームから電車に乗り込むと、うわあ、なんだか混んでる!
しかも私の席にはすでにきれいなお姉ちゃんが座ってしまっている。
もしや、やられたか?と一瞬思ったけど、私の指定席券を見せたら
素直に席を立ってくれた。
・・・・・・・・ありがたい。さすが先進国。(これがもしインドとかだったら!ははは)

車両は近代的で照明も明るい。
ご機嫌で車窓を眺めると、電車はすぐに地上にあがり、
なんともしっとりと懐かしい風景が・・・・・・。

川沿いを走り、田舎ののどかな風景を楽しみながら、間もなく電車は
瑞芳駅に到着。

ここは、今日の冒険の目的地、「十分の滝」へ行く渓谷鉄道、
平渓線の始発駅。

平渓線は、台湾の山々を抜け、渓流沿いをはしり、
亜熱帯の密林を抜け・・・・・・
抜群のロケーションを走る単線ローカル鉄道。

何せ三日間の旅、田舎大好きの私がこれだーっ!って思って選んだ、
「台北近郊冒険の旅」の、ハイライト。
思った以上によかったですね!!!!!

ちょっと雨がふってきたりして、しっとりとした台湾の山を抜け、
降りたところが「大華」という無人駅。(瑞芳→大華 17元)

この駅、どうしよう!!!って思うくらい、寂れて小さくて、何もない!!!!!
マジにどうしようかと思ったね。
ホームは15メートルくらいしかないし、駅舎もないし。
屋根とベンチと時刻表があるだけ。
傘も無いのに雨ふってるしさー。

なんて表現したらいいのかなあ。
「山の中で一人で道に迷って、やっと見つけた
一日に6本位しかないバス停でいつ来るかもわからないバスを一人で待つ」、
そんな気分にさせられる駅でしたね。

周りは巨大なシダ植物が生い茂るジャングルで、
すぐ下は渓流で・・・・・・。

それで、とにかく、滝まで徒歩15分、
なんと裸の大将の芦屋雁之介みたいに、
線路の上を行くのだ!!!

これが滝への唯一の道。
 

ほんとかよ・・・・・・。と思って不安になったのは
マジに線路と川と、ジャングルしか無いところを一
人で突き進んでいかなくっちゃならなかったから。
人っ子ひとりいないじゃん!!!!

でも冒険冒険、てくてく歩き出す。

途中、雨にしっとりと濡れて、てらてら光った青々とした巨大シダ植物や、
ひらひらと舞う蝶や、苔生した石なんかを見ながら歩き、トンネルを抜け、
急にそのなんにもない線路沿いに、建物があったと思ったら、
それが台湾一の大滝、「十分大暴布」の入り口だった!!!

入場料150元を払って中に入ると、しっかり観光地として整備されている。
だって、ゲートの外、線路なんだよ!
「駅」ならまだしも、ただの線路なんだよ。
道路なんてないんだよ。
ましてや観光バスや、タクシーが停まったりできるはずもないじゃない!

みんなみんな歩いてくるのかなあ。
バーベキューサイトなんかもあるけど、荷物はどうするんだろう???
 

<十分の大滝>

ま、とにかく滝が見たい、と中へ。

すると、
「うっわーっ!!!!」

すごいすごい。
ゆる〜〜やかな湖のような川が、いきなりぱっくりと落ち込んで、
どどどどどどっっっっっー!と滝になって落ちてる!!!!

高さ20m 幅40mもある、台湾のナイアガラ。
これ、すごいかっこいい滝なんだ!迫力あるし。
滝のダイナミックさと、落ちる前の緩やかさのコントラストが見事。
ちょっと上流に赤い吊り橋がかかっていて、それも絵になる。

スゴイ迫力!山の中に突如現れる。
 

うれしくて、台湾の学生に「写真撮って下さ〜い!」なんて言って、
ニコニコ顔で写真撮った後、
「謝々〜!」なーんて言いながら石段かけ下りたら、
見事に「つるりんっ!」ってすべってころんで
服が苔と泥のやわらか〜い土でどろどろに!(しくしくしく・・・・・・・)

洗面台で洗って気を取り直して「すごーい!きれーい!」
なんて一人でさわぎながら、
またまた荷物背負って帰り道を歩き出す。

今度は反対側の駅まで徒歩20分。

線路の上をてくてくてく・・・・・・・。

でも、景色はやがてひらけて、ススキの野原や、
たんぼや畑、田舎の風景を楽しみながら歩く。

途中、かわいい犬が人なつっこく私のあとをついてきたりして、
幸せな気分でてくてくてく・・・・・・。

天気もだんだん良くなって、気分爽快、
足取りも軽く「十分駅」のほうへ。
十分のちいさな街は、家々の軒が線路際にせりだして、
なんともレトロないい雰囲気。
たどりついた駅は観光の駅らしい小さくてもきれいな駅舎で
吊り橋もあっていい景色。

たのしかったー!
なんだか上機嫌で電車を待つ。

これから今日泊まるつもりの海の見えるおしゃれな街、
「九扮」へ行くんだー!

(注)ジューフンと読む。実は「扮」の字は「てへん」ではなく、「にんべん」。
 

<瑞芳の様子とカネボウのはなし>

「九扮」といえば、台湾の映画「非情城市」で有名。
「歩き方」には、ほんの1ぺージしかのってないからよくわからない。
映画では、階段があって路地がせまくて、なんだかとってもステキだった。
どんな街だろう・・・・・・・。
わくわくしながら九扮行きのバスが出る瑞芳の街へ戻る。

 瑞芳の駅をおりると、いっぱいタクシーがとまっていて、その先はおいしそうな食堂や、
八百屋さんや、「大キラリ」の中国語版の資生堂のポスターがはってある化粧品屋さんや、
日本の田舎の商店街のよう。

カネボウのお店もいっぱい。台湾ってホントにカネボウ資生堂、たまにコーセー、
いっぱい路面の化粧品屋さんがある。
思わず、「こんにちはー。売れてる?奥さん。」って、いつものように営業にまわりたくなっちゃう。

 九扮行きのバスは、駅を出て左に歩き、100m位行ったセブンイレブンの前のバス停から。
地元の学生が体操着にジャージのままバスを待ってたり。

セブンイレブンは、お弁当の宣伝ポスターとか、肉まん売ってたり、ホント、日本と変わらない。
置いてあるものが台湾の商品だってだけで・・・・・。
カネボウのコンビニメイク「it・be」なんかも什器そのまんまで売ってる。
台湾のお姉ちゃんが色選んでたりしてて、おもわずおなかの中で「ありがとうございます・・・・・・・・・。」
 

<いざ、九扮の街へ>

九扮の街は、バスで15分くらい。(17元)
じつのところ、行くまで九扮の街って、海が見下ろせる坂の街だってこと、忘れていたんだ。
ローカルバスは、街を抜けて、海の方へ、そして、海沿いの山を登り、
「うわーーーっ!」いい景色!

夕暮れの岬がつらなる海岸線や港がずっと下の方にひろがって、とてもきれい。
そして街が山にへばりつくようにずっと上に続いてる。

バスを降りて歩き出す。一体どこへあるけばいいのか。
とりあえず、「非情城市こちら→」という看板をみつけ、狭い路地の階段をあがってみる。
なんだかすてきなところ。家の間をくぐってせまい路地を行けば、ふっと眼下に海が。
どうやらこの街の中心、非情城市の看板のあるお店のあたりにたどりつく。

階段にそっておしゃれな店がいっぱいならんでいる。
どの店もレトロで、色彩アートの感性も統一感があって街全体が本当におしゃれ。
赤地に黒い文字で看板やメニュー。海を見下ろせる台湾風のレトロな喫茶店。
台北の若者の最高のデートスポットですね。
車は通れないから、静かだし。

 

九扮は海を見下ろすレトロな坂の町。

この街は、日本が台湾を占領していた頃、金鉱があって、ゴールドラッシュで栄えたところ。
日本軍が幅をきかせていろんなドラマが生まれた街。
今は金脈も途絶え、静かな田舎街に戻っている。(そしておしゃれな観光地でもあるが。)
そして、台湾映画の巨匠ホウ・シャオ・シェンがその時代の様子を「非情城市」という
大作映画にして、日本でもアジア映画ファンには人気がある。
私も彼の映画が好きで、(静かで眠たくなるけどね)
台湾といえば山間を走る鉄道とこの監督の映画を思い出す。
そんな私の台湾のイメージも彼の映画に影響されてる。
 

<面白い安宿>

ステキステキ。小さな坂の街をあるきながら、今夜の宿を探す。
宿くらい、たくさんあるだろう、とふんでいたらところがどっこい
ちっとも宿が見あたらないんだな。
あってもぶっ高かったりして。

宿を探して小さな街をいったりきたり、だんだん暗くなってきて
観海楼というレストランに入って
「安宿を探しているんだけど・・・・・・。」
と尋ねてみる。

英語が流ちょうなおじさん、すぐに宿を紹介してくれ、
さっと電話をかけてくれて空きと値段も聞いてくれる。
うわあ、親切!!!!

値段も安い!一人300元(約1000円ちょっと)だって聞いて、
場所をおしえてもらう。

「あとで夕飯を食べにくるから」、とお礼を言ってその宿へ。

「柳園」という宿は、展望台をすぎて
さらに2.3分歩いたところにあった、とても静かでいいところ。

日本語が話せるおばちゃんがいて、部屋へ案内してもらってびっくり!!!!

部屋が、ドミトリー、というのかなんというのか、
ひとつの部屋が上下に区切られていて、それをまた半分にくぎって小部屋にしてあり
ひとつひとつの小部屋(約二畳)に戸がついて外から鍵がかけられるようになっている。
カプセルホテル的発想に近い。
富士山の山小屋(知ってるかな?)を思い出した。(それに扉がついてるかんじ)

その小部屋高さ1.2メートル広さ2畳くらいに、お布団ひいて、詰めればそこに2人泊まれる。
なんだか落ち着くよ。おもしろーい。

シャワー、トイレは共同。とっても清潔で問題なし。安いからおすすめです。

   
このコンパクトさ!鞄は25X35cm位。
 

「柳園」
瑞芳鎮福住里基山街237号
TEL 02−4975195  4971619
街のおみやげ屋さんや、レストランに宿の名刺がよく置いてあるから
お店の人に尋ねればおしえてくれると思う。
 

<おしゃれなカップルと出会う>

おみやげ屋さんをひやかしてすこし買い物をしながら
さっきの観海楼というレストランに戻って夕食。
このレストラン、めちゃめちゃ眺めがよくってステキな夜景を楽しみながら食事。
ゆっくりしていたら、台湾人のすてきなカップルが英語でいろいろ話しかけてきてくれて、
(ふたりとも英語が上手だから私、なかなか聞き取れない。お恥ずかしい)
一緒に夜の街を散歩。

しかし、このカップル、彼が陳さんといって、たぶん28才くらい、
彼女が黄さん、たぶん26才くらいだと思うんだけど、
ふたりともなんだかとっても洗練されていて、服装も性格も上品でおしゃれでステキなの。
せっかくの泊まりのデートなのに、ジャマしちゃってもうしわけないなあ。
住所を聞いて結婚してないんだ!ってびっくり。夫婦だと思った。

左から陳さんと黄さん。右は私。
 

九扮の有名な焼きもの工房に行って、工房のひとと話なんかして、(これまた結構かっこいいお兄さん!)
とっても気に入ったお魚のお茶碗を買いました。(2000円くらい。一番高い買い物)

この工房の横に「天空之城」っていう、本当におしゃれな喫茶店があるんだけど、おすすめです。
間違いなくこの街の「彼と行きたいNo・1スポット」でしょう・・・・・。

別れ際、明日8時50分にここで会おう、と、なんと次の日も一緒に行動してくれることに。
なんでなんで????
せっかくのデートなのに!!!!!????
でもせっかくだから遠慮しないで図々しくご厚意に甘えることにしました。
 
 



<3日目>

 

<朝の九扮>

今日はとってもいい天気!!!!
このところずっと雲っていたっていうから、ホントにラッキー。

朝、お散歩していると、カメラと三脚をもったアマチュアカメラマンがいっぱい。
だってほんとに絵になる街。
朝の光をあびて、柔らかく海と山が輝いて、とてもきれい。
路地は朝もやでほんわり。
軒先の赤い提灯と青い空と海。コントラストがまさにこの街。

 海を見下ろすレトロな喫茶店。この街らしい一枚。

街の名物、お芋(サツマイモみたいなもの)を練り込んだお餅やお饅頭、
朝早くからこのお餅をふかしているせいろの湯気が白く立ち上ってホントすがすがしい。
このお餅をいれた暖かいお汁粉のようなたべもの、30元で朝食に。
おいしい。

街の名所、「非情城市」にでてくる、野外映画館の跡。
もう草がぼうぼうで朽ち果ててなんとももの悲しい。

そして時間になって彼らと再会。

<金爪山へ登る>

彼の車で金鉱跡のある金爪山へ。
なぜか、彼の親戚なのかともだちなのか、わらわらいっぱい人が集まり、
20名位の団体になる。(いったいどういうつながりなのか、は、めんどくさいから聞かなかった)

最初、「太子賓館」という占領時代に日本の天皇がみえたときに立てられた純日本式邸宅へ。
しっかり観光地でガイドについてみてまわる。
私にはめずらしくないのだが、台湾人にとっては畳や障子はめずらしいらしい・・・・。
みんなではしゃいで写真をとりまくる。

金鉱のトロッコや鉱山ののあとを見学して、
それからなぜか山登りを始める。
彼女のほうの黄さんなんて、サンダルだし、めちゃめちゃ暑いし、ふうふういいながら山頂まで。
日本のお寺があるってかいてあったから、どんなかなと思ったら、
お寺の跡!で柱と石灯籠しか残ってないじゃんか。

でも途中すごく眺めが良くってすがすがしかったな。
ススキがいっぱいで・・・・・。山の間に海がみえて。

隣の山の頂上に、とってもかわいい台湾のお急須の形をした天然岩がある山があって、
その名もティーポットマウンテン。
本当にそのままの形なんだ。おもしろい。

それから山を下って坂の街を上へ下へてくてくあるきまくって解散。
20人もの人が「じゃあねー!」で解散っつーのも一体全体よくわからん展開なのだが、
私の帰りの飛行機の時間もあるし、気をつかってくれたんだろうな。
ともかくエアコンの聞いた車にのっかって彼の運転で台北に帰る。

レストランに行って食事をし、
途中、きれいな海沿いを通り、私がきゃあきゃあさわぐから、
降りて写真を撮ったりして・・・・・。
台湾の海。深い透明感のある青色でホントにきれいだったな。泳ぎたい!

帰り道、歩き疲れて眠っちゃったんだ。起きたらもう台北の街の中で、
二人とあまり話もしないで悪かったな・・・・・・。
空港行きのバスが出ている松山空港(国内線の空港)のバス乗り場まで送ってもらう。
すぐにバスがでたから、あわただしく出発。

二人には本当にお世話になりました。
帰ってすぐにEメールを打ちました。すぐに返事がきました。
台湾も日本と同じようにインターネットが当たり前になっています。
ほんとに世界中つながってる。
すてきなことですね。

そして空港へついて
再両替をし、(空港税は航空券にコミコミだった)
チェックイン。

やがて飛び立ち台北のすばらしい夜景を眺めていました。

そして東京の夜景もすばらしかった。
羽田着って初めてで、感動しました。
ライトアップされてる東京タワーの横をぐっと旋回して、お台場の大観覧車を見下ろして・・・・・。
こうしてみると、東京もステキな街なんだ、と・・・・・。
 
 

以上、台湾報告でした。

台湾、ステキな国でした。
日本の隣に、こんなにHAPPYな国があるって知らなかったよ。
また、行きたいと思います。
 
 

           

           Nov14 1999
 

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