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当社施工例


T邸増改築工事 母屋側(工期:平成19年6月~12月)

施工前のT邸(正面)
T低は平成9年に当社にて施工いたしました。
新築当時延床面積は約65坪と大きな建物で
ありましたが、御家族が増えるにしたがい手狭になり、
この度、12坪増築を行って2世帯住宅化を行い、
それに兼ねて既存部分のリフォームを行わせて
いただきました。
赤線部分より左側を増改築して若夫婦様のお宅に。
右側は既存のままとしながら居間とキッチンを
LDK化してリフォームさせていただくことになりました。
若奥様・老奥様と1ヶ月以上ほぼ毎日の打合せにより
施主様のアイデアをふんだんに取入れた改築です。
施工前のT邸(キッチン9帖)
他に食品庫1帖も備えた非常に大きなキッチンでした。
真ん中に食事カウンターを配しその背面・上部には一品物の
造り付け収納兼作業台を備えています。
システムキッチン長も3.0mと標準(約2.5m)より長く
現在でも十分に通用するデザインと作業性を誇りました。
しかし、施主様は以下の条件を提示されました。
①隔離された台所をリビングと一体化しLDK化したい。
②LDK化に合せて対面式キッチンとしたい。
③使えるものは転用したい。
施工前のT邸(居間8帖+広縁3帖)東側
畳撤去後、キッチン側からの撮影です。
正面にある収納を撤去し、壁を取り除きます。
そして、広縁まで一体化することにより11帖の居間を構築
します。(台所の半分も居間になるので実際は16帖)
収納撤去後も正面の柱は構造上撤去が難しい為、そのまま
残置としました。
改築時に問題となるのがこのような通柱の移動です。
不可能ではないのですが、構造を変えていくため、仮柱の
設置・補強・新柱の設置等施工にコストがかかります。
逆に残しておきながら上手く空間を利用する事を考えます。
施工前のT邸(居間8帖+広縁3帖)西側
上の写真の対面です。
1この襖の向こうに6帖和室があり、こちらも床の間・壁面他
をリフォーム致しました。
奥の広縁が和室側と続きになっていますが、ここには引戸を
設けて和室側の広縁を独立させます。
このお宅は先代社長が力を入れたこともあり、非常に高価な
材料がふんだんに使われております。
こういった家は飽きが来ませんし、改築するに当たっても
それを利用できますので非常にやりやすいです。
柱は檜4寸無節の白木です。これを殺さないようにします。
施工前のT邸(居間8帖+キッチン9帖)北側
広縁からキッチン側に向かっての撮影です。
正面右側の壁を撤去し居間とキッチンを一体化します。
上記理由により正面の柱は残置としました。
ここから見るとキッチンの大きさがわかるかと思います。
合計20帖を対面型キッチン4帖+居間16帖にします。
完全な和から和洋折衷(若干和寄り)ということで
施主様と話し合いました。
蛇足ですが、このお宅、今でも改築せずとも十分に高級な
和風住宅として通用します。
先代の作ったそれをいじるとなると私も力が入りました。
6帖和室床の間
施工時に荷物を積んでしまった状態で申し訳ありません。
居間の隣の6帖和室床の間です。
こちらも簡単にリニューアルします。
6帖和室の写真は御座いませんが、壁・襖・床の間の簡単な
改築と家にある空いた空間を使って収納を作成いたしました。
その他にも広縁に収納を新しく設置したりとかなり大幅に
手を入れることとなりました。
施工中の様子1
広縁よりの撮影です。
キッチン・壁が撤去されており床を施工中。
床の真ん中が空いているのは堀ゴタツを設置するからです。
左奥には1.3帖の食品庫が見えます。
床は檜小節の無垢板(クリアコーティング済)です。
赤身と白身がゴチャゴチャと混ざらないように貼り順を
考えて貼っていきます。
キッチン部分には以前の収納がそのまま残っていますが
これはそのまま使用します。
施工中の様子2
建具・家具も入って工事も終盤の状態です。
天井照明は傘型蛍光灯から天井直設置型にして補足照明
として4隅に調光付ダウンライトを設置してます。
こうすることにより居間の使用人数に合せて照明を調整でき
ます。
真ん中の四角の穴は900mm×1500mmの掘りコタツ。
今回は既製品を使用せずケヤキの枠を使って作りました。
施工完了(LDK20帖)
完成後の北側撮影全景です。
檜貼りの床とコタツ周りの琉球畳が良い感じです。
柱はボードの飲み込みを埋め木した後に鉋をかけて
一皮向きました。
焼けた木の色合いが綺麗だったのですが、埋め木との
バランスを考慮しました。
再度、年月を経て木の焼け具合を楽しんでください。
正面のキッチン隔壁にはホーロー(陶器)を貼ってみました。
実用面で汚れ・傷に強く、アクセントにもなります。
カウンター照明は雪洞照明となっています。
施工完了(LDK20帖)
上とは逆からの撮影です。
カーテンは仮設置のもので、この後に新しくなりました。
壁は施主様が選んだ白に薄く桃色が入ったジュラク壁。
室内から見ると白なんですが、夜に外から見ると淡く桃色
がかって見えて素晴らしく新鮮です。
施主様大正解です。(実は当初、私は反対しました。)
琉球畳の市松配置がここからだと確認できます。
出窓下の収納は配置換えと同時に襖からタモに変更。
残置した柱も邪魔にならないような配置になっています。
堀コタツ
部屋を大きく使いたい場合は掘りコタツに蓋をすることが
できるようになっております。
今回は施主様の御希望により蓋部にも琉球畳を入れました。
ひっくり返したテーブルの足の裏に木片が着いていますが
これはコタツ時のズレ止めです。
システムキッチン
タカラ製のエマーユシリースを使用されております。
サイズは255cm。標準的な大きさです。
入れ替えたのは本体と換気扇のみ。
普通はキッチン収納等もセットアップするのですが
今回は以前使用されていたシステムキッチン収納・家具
を転用・改造を行い施主様の使いやすいように再構築
しました。
食器収納①
上記キッチンの反対側には以前使っていた収納兼作業台を
改造(寸法変更・天板交換)した食器収納を配置。
扉は引戸から開き戸に改造しています。
上に乗っている引戸収納は今回新設としました。
家具色は数百から選べますが、台所には白が清潔・簡素で
合せやすいと思います。
奥の空いた空間にはレンジ等の設置空間+作業場所として
使っていただいています。
また、この空間には新たに窓を設けています。
食器収納②
上の写真の奥のレンジの上にこの家具があります。
以前は換気扇が付いていた空間ですが、以前使われていた
カウンター上収納家具を真っ二つにすると丁度良いサイズ
になったのでこれを改造して設置しました。
もう一方の片割れは食品庫に設置しています。
寸尺法で作られているので当然と言えば当然ですが
ピッタリと収まりました。
手前は以前使用されていたシステムキッチンの収納。
ホーローは経年変化が少ないので古さをあまり感じません。
リビングと和室の間仕切り戸襖
間仕切り4枚戸襖の向こう側が和室となっております。
元々は普通の襖だったのですが、改築に伴い戸襖に
変更し、それに伴ってクロスと手掛金具を選んで頂きました。
このクロス、カタログ単価が「時価」という高級品です。
茶紫色の市松模様の織物なんですが光の加減により
見え方が変わり、とても上品で綺麗です。
クロスといってもピンからキリまでありますし、使い方も
工夫次第で様々な使い方がありますので御相談ください。

ちなみに奥のカーテンは工事用の仮設のものです。
広縁片引戸
元々広縁だった部分をLDに拡張したので、和室側の広縁
との間仕切りに引戸を設置しました。
この障子はメラミン障子というもので、簡単に言えば透明の
アクリル板の両面に和紙を貼り付けたものです。
非常に耐久性があるのでお子様が破き難い為、
今回使用しました。
割高ではありますが貼り替えの手間等考えるとお勧めです。
また、障子は細かく分割されており、汚れたり破損した場合
その部分だけ簡単に入替ができるようになっています。
それを応用して模様替えしたい場合も簡単にできます。
出窓下収納
新築時から地袋があったのですが、地袋は奥のものが
取り出しにくいという欠点があります。
そこで地袋のうち半分を引き出しに改造いたしました。
残った地袋も襖からタモの戸襖に変更し、改築後の
デザインと合うようにいたしました。
底の深い引き出しは洋酒のビンくらいは楽に入る上に
奥の物も取り出しやすいので実用的です。
リビングより和室6帖
間仕切りを開けるとこのように和室と続きになります。
これは先代が大人数で使う際に便利なようにとしておい
たレイアウトですが、基本と言えば基本の形です。
間仕切りを外して掘りコタツに蓋をすると20帖以上の広間
ができあがるといった次第です。
和室側は壁の塗り替えと襖の貼り替えによるイメージチェンジ
と半間収納の設置という軽い改築のみですがイメージは
かなり変わりました。
和室(6帖)
上記写真、間仕切りを入った所からの撮影です。
仏壇は造り付で新築時より変わりません。
今回は向かって左側の半間収納を新設(元は壁でした)。
襖・床の間の壁・畳の帯色を今風にしてみました。
純和風の部屋がこれだけで明るくなり雰囲気が変わり
ますが、元の素材・造りが良いだけにそれを殺さないように
注意しました。
床の間
このように、床の間には可動式スポットライトを設置。
飾り物を際立たせる事が出来ます。
この床の間は先代社長が精魂込めて作った立派なもの
なので、基本は変えておりません。
襖もこの部屋の雰囲気に合わせて張り替えました。
赤い部分は和紙に竹を編んだもので、非常に綺麗です。
和室6畳全景
基本はジュラク壁の塗り替えと襖の張替えによるリニューアルです。
全体の色・デザインを変えるだけで、純和風からモダンな雰囲気に明るく変わりますので、若い人でも抵抗無く使える部屋となりました。
畳も表替えを行うついでに帯色を薄紅色に変更し、全体との調和をとっています。
和室6畳よりリビングとの間仕切り戸襖
戸襖を閉めるとこのようなデザインとなります。
リビング側の落ち着いた雰囲気と反対に少し派手な雰囲気となっておりますが、元来の和室に飽きたならば思い切ってここまでやると面白いと思います。
手掛けはあえて純和風のままとしております。
手軽にできて大きくイメージを変えるならこの手法が一押しです。
玄関飾り棚
玄関部分は特に手を加えておりませんが、元々設置されていた飾り棚にスポットライトを増設し、飾り物が引き立つように致しました。
写真では光が強すぎですが、実際はここまでではありません。
これだけの工夫で玄関の顔が大きく変わりますし、飾り物の楽しみも増えます。


SES施工例