セレブの暮らし
世の中様々な暮らしがありますが、私には縁の遠い上流階級の生活について映画やTVで垣間見てみましょう。お奨め1は「コロンボ」
舞台はほとんどが大邸宅上流社会です。100平米はあろうかという玄関ホール、同じく大きな吹き抜けのリビングルーム、広大なキッチン、20人も座れるダイニング、寝室が7つそれぞれバスルーム付き、地下にビリヤードルーム、高級車が数台並ぶガレージ、ガーデンパーティが開かれる芝生の庭、プールの周りにはデッキチェアが並ぶ。こんな邸宅で事件は起こります。こういう家を「マンション」と呼びます。
お奨め2は「ホームアローン」でしょうか、ケビン少年が家中で活躍しますから邸宅の見学ができます、一家は暖房も電気もつけっぱなしで長い休暇に出かけるのか、※1 なんて貧乏人の私は考えてしまいます。この程度が「マンション」の下限かもしれません。※2
まだまだ日本の例もありますがここで疑問「彼らはどうやってあの家を維持管理しているのでしょうか」ハウスクリーニングに毎日1人か2人、庭師が時々、インテリアデコレーターを雇って調度を整える、季節にはプールの清掃、パーティーにはケータリングサービス、警備員、財産管理の弁護士・・気が遠くなりそうな経費がかかっていることが想像されます。
どこの国でも日々の暮らしが使用人無しでは成り立たない貴族のような階級は存在しました。普通の日本人でも発展途上国に駐在勤務中にこのような使用人5人などという生活を経験された方もいらっしゃるようです。もし他人を頼らずに大邸宅で暮らそうと思ったら朝から晩まで家の整備にかかってしまい、自分が労働者になってしまいますね。
庶民の暮らし では人が暮らして行くために必要最小限はどれほどなのでしょう。起きて半畳寝て一畳という言葉があります、登山の1人用テントなどはもっと小さいですね。タテ2.2m Xヨコ1.2m X高さ1.2m、これはカプセルホテルの1室、某所に並ぶ段ボールハウスはもう少し広いかもしれません。古代の縦穴住居はたぶん20平方メートルそこそこ、10〜20帖ほどの家に一家何人かが暮らしていたことでしょう。落語に出てくる昔の長屋は九尺二間(くしゃくにけん)と言いますから6帖一間+αです。職人や浪人の内職仕事もここでしていました。
(S.O.H.O.のルーツ?)庶民は古代から近世までは調理、歓談、入浴、排泄、など就寝と食事以外の行為の多くは他所で行われていました。深川の長屋に住む大吉つぁんは朝起きると路地の突き当たりの共同トイレで用を済ませ、共同の井戸で顔を洗う、横でお高さんが持ち出した七輪(しちりん)で朝食を作ります。毎日キャンプ場で暮らしているようなものですね。一旦火事でも起これば家財道具一式は背負って逃げます、建物は大家さんの物ですから個人的被害はゼロ、(不埒にも家が新しくなる、と喜ぶ輩もいたとか。)
※1:留守だからといって暖房を止めると水道管が凍って破裂します。人が住まないで冬を過ごし た家を買ったら、かなり大がかりな点検修理を覚悟しなければならないそうです。
※2:2011年に240万ドルで売りに出されていました。2012年3月、158万5000ドルで売却された。日本に定着した「マンション」という言葉にここで異論を唱える気はありませんが、くれぐれも海外で自分が「マンションに住んでいる。」なんてことはおっしゃらないように。an apartmentとか a condominium(コンドー)に住んでいる。と言って下さい。向こうで友達になった人に「日本に行ったら泊めてくれ」と言われ、部屋が無い?マンションに住んでいて?!まあ誤解を受けても損をする訳でもないからいいとしましょう。しかし、ワンルームマンションとは何とおかしな言葉でしょう。同じく変な和製英語デザイナーズマンションという言葉もありますね。
集合住宅と一戸建て
日本では人口の約40%位は都会で生活していると思われます、生まれてこのかた土を踏んだことがない、という人がいても不思議とも思いません。また、共同住宅以外(1戸建て)に住んだことがないという人も身近にたくさんいます。ここでは集合住宅と地面に接した住まいの暮らしの違いについて考えてみましょう。
マンション、アパートなどいわゆる集合住宅においては管理組合あるいは大家さんが共用部分については管理してくれます(管理費や家賃の内です。)大きな音を立てないことなどの制限がありますがプライベートな部分と公共部分がドア一枚で明確に区切られます。ベランダなどは占用しますが使う権利を持っているだけで自分のものではありません。草花や野菜を育てている方も多いと思いますが、少し問題を含みます。
一戸建ての自分の家に住むと言うことは自分の敷地内の全てに責任を持たなくてはなりません、建物はメンテナンスが必要です、門や塀、生け垣等の手入れも欠かせません。お金を出して誰かに依頼するか、さもなければDIYで行うしかありません。ガーデニングが流行していますがこれは趣味の世界ですから人任せで行う人はあまりいませんね。建物のメンテナンスも同じで趣味と考えれば楽しい作業です。車は洗ったり多少のメンテナンスをされる方は多いのですが、住宅のドアの蝶番や錠に油を差したり緩んだビスを増し締めしたりは自分ですべきでないとお考えでしょうか。建物の構造は素人には手を出せないブラックボックスではありません。家を、生活を楽しみましょう。それが出来ない又は嫌だという方は一戸建ての家を持つことはやめた方がいいと思います。