モーツァルトの歌劇
●バッハの世俗カンタータ
ヨハン・セバスチャン・バッハ(1685-1750)は、主としてライプツィヒ時代に独立した世俗カンタータを書き、さまざまの機会に演奏した。 それは大学の儀式、トーマス学校の祝日、貴族や著名な市民の邸宅での祝事、富廷からの依頼などである。 ザクセン選帝侯のために書かれた大規模な祝賀や崇敬のためのカンタータのほとんどは、コレギウム・ムジクム(バッハが指導していた大学生を主体としたアマチュアのアンサンブル)で演奏された。 当時の好まれたタイプ歌劇風の音楽劇 drama per musica で、神話や羊飼いの物語、あるいは寓話に基づく祝祭の性質にふさわしい単純な節を持っていた。 また、さらに抒情的なカンタータやイタリア語の作品(2曲)もコレギウム・ムジクムで演奏された。 そしてかなり庶民的な様式と軽快な筆致を持った《コーヒー・カンタータ》と《農民カンタータ》は、真に迫ったユーモラスな性格で際立っている。 なお1725〜1742年の作品のほとんどの歌詞は多才なしかし二流の詩人ピカンダー(本名クリスティアン・フリードリッヒ・ヘンリーチ)の手になるものである。


コーヒー・カンタータ BWV.211 《おしゃべりはやめて、お静かに》

1529年と1683年の二度にわたるトルコ軍のウィーン包囲は、ヨーロッパに大きな災害をもたらしたが、同時に新しい文化や生活様式に触れる機会ともなった。 コーヒーもその一つで、この新しいぜいたくは、葡萄酒や煙草と同じように、音楽家に恰好の材料を提供することになった。コーヒーを主題にしたカンタータは最初フランスで、次にドイツで作曲されている。
ライプツィヒはヨーロッパ屈指の商業都市で、外国の産物や新しい流行には敏感だった。 1697年頃には早くも市評議会でコーヒー店への課税が議題にのぼっており、1725年には免許を受けたコーヒー店が8軒もあり、その中でツィマーマンの経営する二つの店では演奏会が開かれていた。出演者は当時ライプツィヒに2つあったコレギウム・ムジクムの一つで、彼らは金曜日の夜、冬にカダリナ街の店で、夏にはもう一つのツィマーマンの店の庭で音楽会を開いた。このコレギウム・ムジクムは、1702年にテレマンが設立したもので、バッハは二度(1729〜37年、1739〜41年)にわたって、そして恐らくその後も指揮者をつとめていた。
ライプツイヒ時代のバッハの教会カンタータの大部分にテキストを提供したピカンダーコーヒー熱を見逃すはずはなく、1727年に出版した詩集の中でコーヒー熱を諏刺している。 後に彼はそれを喜劇的カンタータの素材に転用し、バッハに提供した。作曲の時期は1732年(シュピッタ)、1732-35年(デュル)、1734-35年(ジーンズ)などの諸説があって確定しがたい。
ピカンダーの歌詞庶民的な気分を取り扱っている。父親「旧弊氏」リースヒェンコーヒー狂(当時のライプツィヒの淑女たちにも共通の好みだったと思われる)をさまさせようとする。 父親の脅しは、最後に結婚を許さないというまで効きめがない。 しかし娘は父親に罠をしかける。彼が適当な婿を探しに行っている間に、彼女は「好きなだけコーヒーを作ることを夫が約束し、結婚証書に書きこまなけれぱ、どんな恋人も家に入れない」と公言する。
音楽は10曲から成るが、最後の2曲のテキストはピカンダーのものではない。 彼は結婚と引き換えにコーヒーを飲むのを諦めることを娘が約束するところで終らせたが、多分バッハは滑稽な終りをつけ加えることで下品に陥ることを防いでいる。 追加のテキストが誰の手になるものか判らないが、オリジナルの形よりも彼の趣味に合っていたことは確かだし、さらに想像すれぱ、ツィマーマンの店で演奏し、報酬を受け取るのであれぱ、コーヒー讃歌で終らせるのがふさわしいことは当然考えられる。
二人の登場人物 〜もう一人語り手のテノールがいる〜 は明快に表現され、大きな説得力を持っている。年とった男は不平をいっては威張り散らす。 若く、純真な娘は花婿への期待に胸を躍らせ、生き生きとしている。 この独創的なカップルは、ドイツ各地で人々を犬いに喜ばせたであろう。 1739年にはフランクフルト・アム・マインでこの曲が演奏されたと権測されるのは、このことを物語っている。
バッハの音楽は、性格と情熱の描写にすぐれている。 それは登場人物のアリア 〜第6曲のもったいぶった重々しいリズムや、第8曲の舞曲のリズム〜 ばかりでなく、語り手のレチタティーヴォ 〜第1曲の父親を説明する時の重々しい付点リズム〜 にも示されている。
編成はソプラノ(リースヒェン)、バス(シュレンドリアン=旧弊氏)、テノール(語り手)、演奏はフルート、ヴァイオリンIII、ヴィオラ、通奏低音で、第8曲ではチェンバロがコンチェルタンテとして取り扱われている。


農民カンタータ BWV.212 《われらの新しいご領主に》 (狂言風カンタータ)

1742年8月30日に、侍従カール・ハインリッヒ・フォン・ディースカウは、ライプツィヒ近郊のクライン=チョッハーの領主として村人から忠誠の誓いを受けた。 彼は60歳の誕生日にこの祝典を迎えたが、領主として土地税、アルコール飲料税、所得税などの監督官でもあった。
祝典の大きなイヴェントは、花火の打ち上げとバッハの《農民カンタータ》の演奏であった。テキストの作者はバッハに多くのカンタータのテキストを提供したピカンダーだったが、彼の職業は官吏で、1740年に彼は近隣の土地税とアルコール飲料税の徴税吏であった。新しい領主を迎えて地位を持ちつづけるのに不安を感じたのか、あるいは持ちつづけることを許された感謝を表わすためか、彼はCantate en burlesque (狂言風カンタータ)の台本を書き、この地方で最も重要な作曲家の援助を得たが、この気晴らしはピカンダーにとって新しい領主に気に入られる点で、すばらしい方法であったに違いない。
彼の詩の主題はクライン=チョッハーの農民の生活から採られた。休日を喜ぶ農民たちは、上部ザクセン地方の方言でカンタータを始める。 その後で農民の恋人同士が紹介され、彼らは新しい領主とその妻を讃え、次に徴税吏、徴兵官にいろいろと当てつけ、踊りながら酒場に入って行くところで終る。
当時の上流階級は、フランス語とイタリア語での物語の上演に食傷していたから、対照のためであったにせよ、ドイツの農民の余興を当然のことながら楽しんだに違いない。 ピカンダーの狂言風カンタータも、この辺を踏まえての作品であろう。
バッハがこのような台本に音楽をつけたとしても驚くことはない。彼は多分、事件の道徳的側面を全く問題にせず、一度だけではあったが、ほとんど終始一貫してポピュラーな様式で世俗作品を作曲することを楽しんだであろう。 彼自身がドイツ農民の血を引いていたことは《ゴールドベルク変奏曲》の最後に、民謡に基づくクォドリベット(良く知られた旋律と歌詞が連続して現われたり、同時に組み合わされたりする接続曲の一種)を書いたことからも明らかである。
貴族的な要素は二つのアリア〜第14曲と第20曲〜だけに現われるが、前者は10年ぐらい以前に書かれた祝典カンタータ《国の父なる国王陛下万歳》 Es lebe der Konig, der Vater im Lande (BWV.Anh.11) から、後者は《フェーブスとパンの戦い》 Streit zwischen Phobus und Pan (BWV.201) からとられた。 残りはすべて快いポピュラーな形式の限界内にとどまっている。 そこには叙唱がない。第2曲と最後の曲(第24曲)だけが二重唱で、その間に農民と恋人たちは、代わる代わるレチタティーヴォとアリアを歌う。 器楽の伴奏の主体はヴァイオリン(2)、ヴィオラ、バス(通奏低音)だけで、これは村のオーケストラの様式である。 ホルンは2曲 〜第16曲と第18曲〜 に登場するが、後老は元来、狩猟のための歌であったことを考えれば納得が行く。 そしてフルートは第14曲にだけ使われている。
カンタータは器楽楽章(序曲)で始まる。 それは七つの短い舞曲調の民謡に基づくクォドリベットで、ワルツで始まり、中間にはサラバンドのリズムも登場するが、最後にワルツが戻ってくる。 舞曲調は声楽都分も支配しており」、ブーレー(第2曲、第24曲)、ポロネーズ(第4曲、第6曲)、マズルカ(第12曲)、サラバンド(第8曲)、農民舞曲(第22曲)、原形不明の舞曲(第10曲)が認められる。これらの曲はすべて短かく、粗野で楽しく、飾り気なく仕上げられている。旋律の形式は徹底的にポピュラーで、バッハの頭の中では良く知られた旋律が渦巻いていたに違いない。特に三つの旋律は、当時のドイッで歌われていたことが判っている。また第8曲には有名なスペインの《ラ・フォリア〉の旋律が使われている。
パッハの全作品の中で、このようにポピュラーな音楽を使った例は少ないが、粗野な農民を主人公とし、彼らの日常生活を反映しながら、バッハの音楽は芸術的に高い水準を保つている。晩年のバッハが到達した抱擁力の広さと、融通無碍の書法を示す好個の作品といえよう。
●演奏者について
クリストファー・ホグウッドは、イギリスの古楽演奏のリーダーの一人である。1941年9月10日、ノッチンガムに生まれた彼はケンブリッジのペンブローク・カレッジで古典と音楽を学ぴ、1964年にバチェラー・オブ・アーツの称号を受けた。彼が特に大きな影響を受けたのはレイモンド・レバードとサーストン・ダートで、その他ラファエル・プヤーナとグスタフ・レオンハルトにも学んだ。 その後ホグウッドは、ブリティッシュ・カウンシルの奨学金を得て1年間をプラハで過ごし、同地の大学と音楽アカデミーで研究を進めた。彼はケンブリッジ時代から、すでにハープシコード奏者としてデヴィッド・マンローと定期的に共演しており、1967年にアーリー・ミュージック・コンソートが組織された時にメンバーとなったのは、自然の成り行きであった。その後10年にわたって、このグループは大きな成功を収めるようになり、ホグウッドはさらにハープシコード奏者として多くの録昔を残し、ラジオの講演著作、楽譜の校訂など、幅の広い活動を展開し、脚光を浴びるようになった。
ホグウッドは1973年に、歴史的な様式に基づいてバロックと初期古典派音楽の演奏を目的とするアカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック(エンシェント室内管弦楽団)を組織し、指揮者に就任した。この剰寸1によるモーツァルトの交響曲全曲録音は鳥い評価を受けたが、彼はその後バッハ、ヘンデル、ヴィヴァルディの主な管弦楽作晶、ヘンデルのオラトリオなどを積極的に取り上げ、近年はオリジナル楽器による演奏を、べ一トーヴェンにまで広げている。彼はさらに世界のオーケストラの指揮台に立ってポピュラーな名曲を手がけており、その活動には端侃すべからざるものがある。わが国には1972年にアカデミー室内管弦楽団のチェンバロ奏者として初めて来日し、1976年にはアカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック(五人編成)のリーダーとして、バロックの器楽曲と声楽曲を演奏した。さらに1984年には拡大されたアカデミー・オブ・エンシェント・ミュージックを率いて来日し、チェンバロを弾きながらモーツァルトとハイドンの作品を指揮して話題をまいた。

二つのカンタータで主役を歌っているエマ・カークビーは、古典の歌手として理想的なテンペラメントの持ち主である。彼女はオックスフォード大学で古典を学んでいる問に、ルネッサンスとバロックの音楽に興味を持つようになった。彼女のレパートリーは15世紀のイタリアのフロットーラから、ダウランドを中心とするイギリスのリュート歌曲、パーセルの歌曲、バッハ・ヘンデルのカンタータとオラトリオ、モーツァルトからハイドンの宗教作品に及んでいる。 カークビーのヴィブラートを抑えた声は清純そのもので、その後の時代の流れの中で、これら古い音楽にまとわりついた一切の爽雑物を洗い落としてくれる。 「天使の声」と呼ばれるのも当然である。 彼女はアントニー・ルーリーの主宰するザ・コンソート・オブ・ミュージックと数多くの録音をしている他、エンシェント室内管弦楽団、ザ・タヴァナー・プレイヤース、ロンドン・バロックなど、イギリスの主な古楽の演奏団体と共演している。
わが国には1984年にザ・コンソート`オブ・ミュージックのメンバーとして来日し、さらに1986年、ルーリーと二人で再ぴ訪れて、リサイタル、公開レッスン、公開講座を開き、彼女の文学的教養の深さと、澄んだ美しい声で改めて感銘を与えた。また、バスのデイヴィッド・トーマスとテノールのロジャーズ・カヴィ=クランプもオワゾリール・レーベルに欠かせない重要な歌手達であり、今回もすばらしい名噌を聞かせてくれている。

〔高橋昭〕
≪歌詞対訳≫
(※注;独文中で色が変わっている「a」「o」「u」ウムラウトがついています。ssエスツェットです)
KANTATE 211 
SCHWEIGT STILLE, 
PLAUDERT NICHT

1. Rezitativ (Tenor) 
Erzahler
Schweigt stille, plaudert nicht 
und horet, was jetzund geschicht : 
da kommt Herr Schlendrian 
mit seiner Tochter Lieschen her, 
er brummt ja wie 
ein Zeidelbar ; 
hort selber, 
was sie ihm getan ! 
 

2.Arie (Bass)
Schlendrian
Hat man nicht mit seinen Kindern 
Hunderttausend Hudelei ! 
  Was ich immer alle Tage 
  Meiner Tochter Lieschen sage, 
  Gehet ohne Frucht vorbei. 
 

3.Rezitativ (Bass & Sopran)
Schlendrian
Du boses Kind, du loses Madchen, 
ach ! wenn erlang ich meinen Zweck : 
tu mir den Coffee weg ! 
Lieschen
Herr Vater, seid doch nicht so scharf ! 
Wenn ich des Tages nicht dreimal 
mein Schalchen Coffee trinken darf, 
so werd ich ja zu meiner Qual 
wie ein verdorrtes Ziegenbratchen. 
 

4.Arie (sopran) 
Lieschen
Ei ! wie schmeckt der Coffee susse, 
Lieblicher als tausend Kusse, 
Milder als Muskatenwein. 
  Coffee, Coffee mass ich haben, 
  Und wenn jemand mich will laben, 
  Ach, so schenkt mir Coffee ein !

カンタータ第211番
コーヒー・カンタータ (1734/35年頃)
《おしゃべりはやめて、お静かに》

1.レチタティーヴォ (テノール)
語り手
おしゃべりはやめて、お静かに。
今から始まることの次第をようくお聞きあれ。
そうらその名もいかめしい旧弊旦那がおいででござる、
娘のリースヒェンの首根っこぐいっとっかんで。
その息まきは蜜蜂の巣をひっっかんだ
熊もかくやの有様で。
どんな仕打ちを娘から受けたのか、
とくと御自身お聞きあれ!
 

2.アリア (バス;弦楽:通奏低音 ニ長調 4/4 自由なダ・カーポ)
旧弊おやじ(シュレンドリアン)
さても子供という奴は
厄介千万のしろものじゃ!
  わしが毎日、口を酸っぱくして
  娘のリースヒェンめにいい聞かす
  言葉も素通り、どこ吹く風じゃ。
 

3.レチタティーヴォ(バス/ソプラノ)
旧弊おやじ
この性悪っ子め、このはねっかえりめ、
ああ! いつになったらお前はわしのいうことを聞いて、
コーヒーをやめてくれるのか。
リースヒェン
お父さま、そんなに厳しくおっしゃらないで!
もしも私が日に三度
いつものコーヒーを飲めなくなれば、
私それこそつらくって、
乾からびた山羊の焼肉みたいに痩せちゃうわ。
 

4.アリア
(ソプラノ;横型フルート;通奏低音 口短調 3/8 自由なダ・カーポ)
リースヒェン
ええ! コーヒーのおいしさったら、
千のキッスよりなお甘く、
マスカットワインよリなおソフト。
  コーヒー、コーヒー欠かせない。
  私を慰めてくれるつもりなら、
  ああ、コーヒー入れてちょうだいな!

5.Rezitativ (Bass & Sopran)
Schlendrian
Wenn du mir nicht den Coffee lasst, 
so sollst du auf kein Hochzeitsfest, 
auch nicht spazierengehn. 

Lieschen
Ach ja ! 
Nur lasset mir den Coffee da ! 

Schlendrian
Da hab ich nun den kleinen Affen ! 
lch will dir keinen Fischbeinrock 
nach jetzger Weite schaffen. 

Lieschen
Ich kann mich leicht darzu verstehn. 

Schlendrian
Du sollst nicht an das Fenster treten 
und keinen sehn vorubergehn ! 

Lieschen
Auch dieses ; doch seid nur gebeten 
und lasset mir den Coffee stehn ! 

Schlendrian
Du sollst auch nicht von meiner Hand
ein silbern oder goldnes Band 
auf deine Haube kriegen ! 

Lieschen
Ja, ja ! 
nur lasst mir mein Vergnugen ! 

Schlendrian
Du loses Lieschen du, 
so gibst du mir denn alles zu ? 
 

6.Arie (Bass
Schlendrian
Madchen, die von harten Sinnen, 
Sind nicht leichte zu gewinnen. 
Doch trifft man den rechten Ort, 
O ! so kommt man glucklich fort. 
 
 

7. Rezitativ (Bass & Sopran) 
Schlendrian
Nun folge, was dein Vater spricht ! 

Lieschen
In allem, 
nur den Coffee nicht. 

Schlendrian
Wohlan ! so musst du dich bequemen, 
auch niemals einen Mann zu nehmen. 

Lieschen
Ach ja ! Herr Vater, einen Mann ! 

Schlendrian
lch schwore, dass es nicht geschicht. 

Lieschen
Bis ich den Coffee lassen kann ? 
Nun ! Coffee, bleib nur immer liegen !
Herr Vater, hort, 
ich trinke keinen nicht. 

Schlendrian
So sollst du endlich einen kriegen ! 
 

8. Arie (Sopran) 
Lieschen
Heute noch, 
Lieber Vater, tut es doch I 
Ach, ein Mann ! 
Wahrlich, dieser steht mir [trefflich] an ! 
  Wenn es sich doch balde fugte, 
  Dass ich endlich vor Coffee, 
  Eh ich noch zu Bette geh, 
  Einen wackern Liebsten kriegte ! 
 

9.Rezitativ (Tenor) 
Erzahler
Nun geht und sucht der alte Schlendrian, 
wie er vor seine Tochter Lieschen 
bald einen Mann verschaffen kann ; 
doch, Lieschen streuet heimlich aus : 
Kein Freier komm mir in das Haus, 
er hab es mir denn selbst versprochen 
und ruck es auch der Ehestiftung ein, 
dass mir erlaubet moge sein, 
den Coffee, 
wenn ich will, zu kochen. 
 

10.Chor (Terzett) 
Die Katze lasst das Mausen nicht, 
Die Jungiern bleiben Coffeeschwestern. 
Die Mutter liebt den Coffeebrauch, 
Die Grossmama trank solchen auch, 
Wer will nun auf die Tochter iastern !
 

5.レチタティーヴォ (バス/ソプラノ)
旧弊おやじ
お前がコーヒーをやめなけりゃ、
婚礼祝いに出しちゃやらぬ、
いや、散歩にだって行かさんぞ。

リースヒェン
ええ、けっこうよ!
でもコーヒーだけは許してね!

旧弊おやじ
何をつべこべと、この生意気小猿め!
いま流行の裾広がりのスカートも
買ってはやらぬぞよ。

リースヒェン
それも我慢ができますわ。

旧弊おやじ
窓辺に寄って往来を
眺めることも許しはせん!

リースヒェン
それも耐えます。でもお願い、
コーヒーだけは許してね!

旧弊おやじ
それに、もうこのわしの手で
金銀映えるリボンなど
帽子につけちゃやらぬわい!

リースヒェン
ええ、いいですわ、お父さま!
でも私の楽しみだけはとりあげないで!

旧弊おやじ
さても不埒なリースヒェンめ、
何にもいらんといいおるか?
 

6.アリア
(バス;通奏低音〔バッソオスティナート〕 ホ短調 4/4〕
旧弊おやじ
わがまま強情な娘ども、
こいつを手なづけるのは楽じゃない。
だが泣き所を一つぎゅっと衝きゃ、
おお、それそれ結果は上首尾じゃ。
 

7.レチタティーヴォ (バス/ソプラノ)
旧弊おやじ
では聞けよ、この父のいうことをな!

リースヒェン
何でもおっしゃるとおり、
でもコーヒーのことだけはいや。

旧弊おやじ
ようし! そんならとくと覚悟せい、
一生結婚できぬとな。

リースヒェン
あら!お父さま、結婚ですって!

旧弊おやじ
そうじゃ、そいつは許さんといっておる。

リースヒェン
私がコーヒーをやめないうちは?
まあそれなら!コーヒーとの縁もこれ限り!
お父さま、お聞きあれ、
私はもう決して飲みませぬ。

旧弊おやじ
それならお前に、いい婿殿をば見つけてやろう!
 

8.アリア(ソプラノ;弦楽;チェンバロ;通奏低音 ト長調 6/8 ダカーポ〕
リースヒェン
今日のうちにも、
お父さま、そうしてくださいましな!
ああ、良き殿方!
ほんとうに、これこそ私の願いなの!
ことがどんどんうまく運んで
コーヒーをやめたご褒美に、
一人でベッドに入る前に、
すてきな良人が見つかりますように!
 

9.レチタティーヴォ (テノール)
語り手
こうして老いたる旧弊旦那は行って
その娘リースヒェンのために
ただちに花婿をば探しにかかる。
だがリースヒェンのほうは、そっと独りごと:
どんな男性が現われようが、うちには入れぬ、
じかに約束してくれた上
結婚証書にも一筆書き入れて
私の好きにいつなりと
コーヒー入れていいという、
許しをくれる人でなきゃ。
 

10.合唱 (ソプラノ/テノール/バス;
   横型フルート;弦楽;通奏低音 ト長調 2/2 〔ブレー〕〕
猫にゃねずみ捕りがやめられず、
娘にゃコーヒーが欠かされぬ。
おっ母さんがコーヒー愛用すれば、
お祖母ちゃんもそいつをたしなんだ。
なのに娘ばっかりいびるとは、
それこそとんと聞こえませぬ!


 
 

 
 

OKANTATE 212 
MER HAHN EN 
NEUE OBERKEET 
Caniate Burlesque 
[~] (Si^fonia) 
~~]Duett-Arie (sopranlBaB) 
Mer hahn en neue Oberkeet 
An unsem Kammerherrn. 
Ha gibt uns Bier, das steigt ins Heet, 
Das ist der klare Kern. 
Der Pfarr, mag immer buse tun ; 
lhr Speelleut, halt euch flink ! 
Der Kittel wackelt Mieken schun, 
Das klene luse Ding. 
[~~ Rezitativ (Diaiog : Sopran & E~B) 
(BaB :) 
Nu, Mieke, gib dein Guschel immer her ; 
(sopran :) 
wenn's das alleine w~r. 
lch kenn dich schon, du Barenhauter, 
du willst hernach nur immer weiter. 
Der neue Herr hat ein sehr scharf Gesicht. 
(BaB :) 
Ach ! unser Herr schilt nicht ; 
er weiB so gut als wir, 
und auch wohl besser, 
wie schon ein biBchen Dahlen schmeckt. 
D~]Arie (sopran) 
Ach, es schmeckt doch gar zu gut, 
Wenn ein Paar recht freundlich tut ; 
Ei,da braust es in dem Ranzen, 
Als wenn eitel Flch und Wanzen 
Und ein tolles Wespenheer 
Miteinander z~nkisch war. 
~] Rezitativ (Ba~) 
Der Herr ist gut : Allein der Schbsser, 
das ist ein Schwefelsmann, 
der wie ein Blitz ein Neu-Schock 
strafen kann, 
wenn man den Finger kaum 
ins kalte Wasser steckt. 
D~] Arie (E~J3) 
Ach, Herr Schbsser, geht nicht gar zu schlimm 
Mit uns armen Bauersleuten tim ! 
Schont nur unsrer Haut ; 
FreBt ihr gleich das Kraut 
Wie die Raupen bis zum kahlen Strunk, 
Habt nur genung ! 
D~JRezitativ (sopran) 
Es bleibt dabei, 
daB unser Herr der beste sei. 
Er ist nicht besser abzumalen 
und auch mit keinem Hopfensack 
voll Batzen zu bezahlen. 
~81=8 Arie (sopran) 
Unser trefflicher. 
Lieber Kammerherr 
Ist ein kumpabler Mann, 
Den niemand tadeln kann. 
'[~] Rezitativ (Dla!og .' sopran & B~B, 
(BaB :) 
Er hilft uns allen, alt und jung. 
Und dir ins Ohr gesprochen : 
Ist unser Dorf nicht gut genung 
Letzt bei der Werbung durchgekrocen? 
(sopran :) 
lch weiB wohl noch ein besser Spiel, 
der Herr gilt bei der Steuer viel. 
~] Arie (sopran) 
Das ist galant, 
Es spricht niemand 
Von den caducken Schochen. 
Niemand redt ein sturnmes Wort, 
Knauthain und Cospuden dort 
Hat selber Werg am Rocken. 
~] Rezitativ (B~B) 
Und unsre gu~dge Frau 
ist nicht ein prinkel stolz. 
Und ist gleich unsereins ein arm 
und grobes Holz, 
so redt sie doch mit uns daher, 
als wenn sie unsersgleichen war. 
Sie ist recht fromm, recht wirtlich und genau 
und machte unserm gn~dgen Herrn 
aus einer Fledermaus viel Taler gern. 
~~JArie (B~l~) 
Funfzig Taler bares Geld 
Trockner Weise zu verschmausen, 
Ist ein Ding, das harte fallt, 
Wenn sie uns die Haare zausen, 
Doch was fort ist, bleibt wohl fort, 
Kann man doch am andem Ort 
Alles doppelt wieder sparen ; 
LaBt die fiinfzig Taler fahren ! 
~~] Rezita~v (S:opran) 
Im Ernst ein Wort ! 
Noch eh ich dort 
an unsre Schenke 
und an den Tanz gedenke, 
so sollst du erst der Obrigkeit zu Ehren 
ein neues Liedchen von mir h6ren. 
~~]Arie (Soprale) 
Klein- Zschocher mtisse 
So zart und stiBe 
Wie lauter Mandelkerne sein. 
In unsere Gemeine 
Zieh heute ganz alleine 
Der UberfluB des Segens ein. 
~] Rezitativ (Ba~) 
Das ist zu klug vor dich 
und nach der Stadter Weise ; 
wir Bauern singen nicht sor leise. 
Das Stuckchen, hore nur, 
das schicket sich vor mich ! 
~]Arie (B・/~) 
'ES nehme zehntausend Dukaten 
Der Kammerherr alle Tag ein ! 
Er trink ein gutes Glaschen Wein, 
Und laB es ihm bekommen sein ! 
-2L7. Rezitativ (Sopran' 
Das klingt zu liederlich. 
Es sind so hubsche Leute da, 
die wurden j a 
von Herzen druber lachen ; 
nicht anders, als wenn ich 
die alte Weise wollte machen : 
~~: Arie (Sopran) 
Gib, Sch~ne, 
Viel Sbhne 
Von artger Gestalt, 
Und zieh sie fein alt ; 
Das winschet sich Zschocher 
und Knauthain iein bald ! 
~] Rezitativ (E~l~) 
Du hast wohl recht. 
Das Sttickchen klingt zu schlecht ; 
ich muB mich also zwingen, 
was Stadtisches zu singen. 
~~] Arie (BaL;) 
Dein Wachstum sei feste 
Und lache vor Lust ! 
Deines Herzens Trefflichkeit 
Hat dir selbst das Feld bereit't, 
Auf dem du bluhen muBt. 
~I}Rezitativ (Diaiog : sopran & BaB) 
(Sopran :) 
Und damit sei es auch genung. 
(BaB) 
Nun mtissen wir wohl einen Sprung 
in unsrer Schenke wagen. 
(Sopran :) 
Das heiBt, du willst nur das noch sagen : 
~~] Arie (sopran) 
Und daB ihr's alle wiBt, 
Es ist nunmehr die Frist 
Zu trinken. 
Wer durstig ist, mag winken. 
Versagt's die rechte Hand, 
So dreht euch unverwandt 
Zur linken ! 
~~: Rezitativ (Dlaiog : Sop"an & Bal~) 
(Ba~ =) 
Mein Schatz, erraten I 
(s~p*an =) 
Und weil wir nun 
dahier nichts mehr zu tun, 
so wollen wir auch Schritt vor Schritt 
, in unsre alte Schenke waten. 
(BaB =) 
Ei ! hol mich der und dieser, 
Herr Ludwig und der Steur-Reviser 
muB heute mit. 
3~ Chor (Sop.an/B~B) 
Wir gehn nun, wo der Tudelsack 
In unsrer Schenke brummt ; 
Und rufen dabei fr~hlich aus : 
Es lebe Dieskau und sein Haus, 
lhm sei beschert, 
Was er begehrt, 
Und was er sich selbst wtinschen mag ! 
 

 


 

●カンタータ第212番口民カンタータ
(1742年8月30目上演)
《わLらの新Lい二瀬主に》Bwv.212
狂言風カンタータ
1.シンフォニア(ヴァイオリン;ヴィオラ;通奏低音
一イ長調〔プレスト〕3/4→〔アレーグロ〕2/4→アンダ
ンテ6/8→〔アレーグロ〕2/4→アダージョ3/4→アレー
グロ2/4→プレスト3/4)
2.二量唱アリァ(ソプラノ/バス;ヴァイオリン;
ヴィオラ〔ノン・オプリガート〕;通奏低音一イ長調2/2)
わしらの新しいご領主に
式部の守がおなりじゃぞ。
祝いにビールのお振舞い、
頭ヘキュッとくる生一本。
牧師のお顔ほにがりきり、知った一ことかよ、
楽士の衆、手早く用意だ、頼んだぜ!
ミーケの女っちょ、もううずうず、
おてんぱ丸出しのはしゃぎよう。
3。レチタテイーヴォ(ソプラノとバスの掛け合い;
通奏低昔;弦楽間奏〔民謡メロデイー〕)
(バス)
うんならミーケ、おらにキッスさ、してくんろ。
(ソプラノ)
そこでとまれぱ上できさ。
でもあんたの肚は読めてるわ、女たらしの遊ぴ人、
ずるずる深入り、とめどなし。あたいはご免だ、
今度のご領主さまはそりゃお目きぴしい方だもん凸
`バス〕
どっこい!ご領主さまは叱りゃせぬ。
わしらに負けずご存知さ、
そうさな、きっともっとよく、
ちいっとぱかりのいちゃつきが、
どんなに甘いもんかってな。
4.アリア(ソプラノ;器楽編成は第2曲と同じ
イ長調3/4〕
あら、それはそれは甘すぎて、
両人の睦言なんぞ聞いてはおれませぬ。
ほんに背中がむんずむず、
まるで蚤やら南京虫
おまけにぷんぷんスズメバチ
みんなで喧嘩を始めたみたい。
5.レチタティーヴォ(バス)
ご領主さまは良い方だ。悪は税金取りの奴、
あいつは地獄の役人よ。
稲妻なみにビリッと狙いうち、
こっちがちょいと指先を
水につっこんだとかで、
もう60グロッシェンの罰金とくる。
6.アリア1パス;器楽紀成は第1曲と同じ_
二長調3/4)
おお税金取リのお役人一あんまりあこぎに
わしら貧乏百姓どもをいじめなさるな!
わしらの皮までひん剥かんでのう。
毛虫みたいに葉つぱを食つて
茎を残してからぽうず、
そこらでやめておきなされ。
7.レチタチィーヴォ(ソプラノ)
何があろうと、
あたいらのご領主さまは極.トもん。
絵に描いたって描ききれぬ、
袋いっぱい銀貨を積もと、
とってもとっても買えやせぬ。
8.アリア1ソプラノ;器楽編成は剃曲と同じ
口短調3/4〔サラバンド〕)
あたいらのすてきな、
大事な式部の守さまは
殊勝立派なお方ゆえ、
誰も悪口いいませぬ。
9.レチタティーヴォ1ソプラノとバスの掛け合い)
{バス〕
ご領主さまはわしらみな、老いも若きもお救いだ。
こりゃ内緒の話だが、
ついこないだの徴兵な、
うちの村じゃまんまとうまく逃れたと?
エソプラノ〕
あたいのほうはもっといいこと知ってるよ。
ご領主さまから一声あれば
税金の額はぐんと違うって。
10.アリア1ソプラノ;器楽編成は第1曲と同じ
ト長調3/4〕
さても粋なるおはからい、
農地の租税払えなど、
どこのどなたもいいませぬ。
火のないところに煙は立たぬ、
あそこのクナウトアインやコースプデンの村なんど
地租とられるは、
身から出た錆。
.(ライプツィヒ市南西にある騎士領邑)
ll.レチタティーヴォ(バス)
それからわしらの奥方さま、
これまたちっともお高くない。
確かにわしらは貧乏で、
世にもしがねえ'木偶の棒、
それでもお声をかけてくださる、
うちとけた伸間みたいな物腰で。
神をぱ畏れ、財布の紐をば固く締めて、
殿さま大切に、錬一文も無駄にせず
幾夕一レル^にも増しなさる。内助の功のお手本よ。
^(当時ω銀貨)
12.アリア(バス;器楽編成は第2曲と同じ
変口長調3/4〔マズルカ〕〕
50ターレルの現金を
平気な顔で飲み果たしゃ、
あとはこたえる■大事件。
女房どもから毛をむしられる。
でも出ちまったものは、戻りゃせぬ。
めぐりめぐっていつの日か、
倍にも貯めて返すから、
50ターレルは見逃がせや!
13一レチタテイーヴオ1ソプラノ)
ひとことまじめに聞いとくれ!
あそこの酒場へ
とんでって
楽しい踊りと行く前に、
まずは殿さまに献上の
新しい歌さ一一つ聞いてみて。
14.アリア1ソプラノ;横型フルート;
弦楽通奏低音イ長調3/8ダカーポ)
クライン・チョハーの村、
そは愛らしく甘くして
選り抜かれし扁桃の実のごとくならん。
われらの邑に
今日ただひとえに
満ち浴れる祝福の訪れんことを。.
15.レチタティーヴォ1バス)
こいつあお前にゃでき過ぎだ、
おまけに町の衆らの節まわし。
わしら百姓連中はそんなにおっとりとやりゃせぬ。
どうだ、この歌聞いてみろ、
おいらにぴったりくるやっさ!
16.アリア(パス〔民謡メロディー〕≡G管ホルン;
ヴァイオー1ノヴィオラ通奏低音ト長調6/8)
1万ドゥカーテンがとこの収人をぱ
式部の守さま毎日欠かさずあげなされや!
なみなみっいだブドー酒を傾け、
ごきげんよろしくおやんなされや!
.(当時の金貨)
17.レチタティーヴ利ソプラノ
〔1行目は第16曲アー』アの引用6/8→2行目以下は〃4セ・ソコ〕)
それじゃあんまリ野暮ったい。
居並ぷ粋な方たちが
あんたの歌を聞いたなら、
腹をかかえて笑うわよ。
あたいが気取って
古い節こんなに歌っと同じこと一
18.アリァ(ソプラノ;D管ホルン;ヴァイオりン;
ヴィオラ〔ノン・オブリガート〕;.通奏低音二長調3/4〕
くだされ、美しい奥方さま、
たくさんのお子を、
見目よい男の子たちを。
そしてりっぱに大きくお育てなされよと、
チョハーとクナウトアイン両村の願い
早ういみじく叶えられよ!
19.レチタティーヴォ1バス)
確かにお前のいうとおリ、
おらの歌じゃ野暮過ぎた。
そんならいっちょう張り切って
粋な町ぷリ聞かしょうか。
20.アリア1バス;ヴァイオリン;通奏低昔
イ長調3/8→2/2→3/8ダ・カーポ)
おん身の栄え揺るぎなく、
喜び楽しみて笑いたまえ!
すぐれたるおん身の心ぱえ
おん身みずからの畑を耕やし、
花咲き輝かずばやまじ。
21.レチタティーヴォ(ソプラノとバスの掛け合い)
(ソプラノ)
そんなところでもうよかろ。
(バス〕
そんじゃここらでひとっ跳ぴ
酒場へお出ましせにゃなるまいて
{ソプラノ)
あんたの気持はすぐ読めれほら
o
、こんなとこ一
22.アリア1ソプラノ;器楽編成は第1曲と同じ一
口短調2/2)
そんじゃいいかな、皆の衆、
そろそろ潮どき、
飲むとしょう。
飲みたい者は手をあげな。
右手がきかなきゃ
ぐずぐずせんと、クルリ差しかえ
左手や!
23.レチタティーヴォ1ソプラノとバスの掛け合い)
(バス)
おらのかわいいミー坊や、よくぞ当たった!
`ソプラノ)
そしてほんにもう
ここじゃ格別することもないゆえに、
あたいもそろそろ裾引き上げて
なじみの酒場へそろりそうろリ。
(バス)
うんにゃ!誰がおらをぱさらって行こと、
納税監査役のルートヴィヒ旦那にゃ
今日はとことん付き合って貰うべな。
24.合唱1ソプラノノバス;器楽編成は第2曲と同じ一一
へ長調4/4ん4Bλβλ)
わしらは行こう、トゥーデルザックが
賑やかに鳴ってる村の酒場めがけて日
喜ぴの声も高らかに叫ぴながら
ディースカウさまとそのご一一家万歳、
天がご領主さまを嘉して
その切なる祈リと
またご自身の望みとを叶えてあげてくだされや!