≪自民憲法草案 前文に「国を愛する国民」 原案判明 自主制定を強調≫という見出し記事が05年10月7日の朝日新聞夕刊に載った。
前半部分を抜粋すると、「自民党新憲法起草委員会(委員長・森喜朗前首相)が今月末にまとめる党新憲法草案のうち、前文原案骨格が7日、明らかになった。『国を愛する国民の努力によって国の独立を守る』との文言で、愛国心や自主防衛の考えを滲ませたほか、自主制定であることを強調する。『国の成り立ち』として、国民が国民の統合の象徴である天皇と共に歴史を歩んできたとの趣旨も盛り込む方向だ。」
自民党HPから拾った、平成17年7月7日の日付の<新憲法起草委員会・要綱 第1次素案>の<前文>の項目は次のようになっている。
(同じHPに平成17年10月7日の日付で、「<「新憲法草案」の前文案を了承 前文に関する小委員会>
新憲法起草委員会前文に関する小委員会は7日、「新憲法草案」の前文案を了承した。同案は、4月4日に森喜朗起草委員長に提出された要綱に基づき作成されたもの。8月5日に開かれた起草委員会の会合で審議され、草案のたたき台となる「新憲法第一次素案」には、「全体を見た上で前文案をまとめたい」(中曽根康弘委員長)との方針により、前文案は盛り込まれていなかった。今後、条文完成作業と平行して前文の調整が行われ、28日に予定されている起草委員会の会合で草案全体が決定される。立党50年を迎える
11月に「新憲法草案」として発表される予定」との記事があるから、<1次素案>は平成
17年7月7日ではなく、平成17年10月7日の間違いだと思う)
<前文>
1、 前文作成の指針
@新たな憲法前文の草案は、自由民主党の主義主張を堂々と述べ
ながら、広く国民の共感を得る内容とする。
A現行憲法から継承する基本理念(国民主権、基本的人権、平和
主義)をより簡潔に記述し直すと共に、現代及び未来の国際社
会に於ける日本の国家目標を高く掲げる。
B現行憲法に欠けている日本の国土、自然、歴史、文化など、国
の生成発展についての記述を加え、国民が誇り得る前文とす
る。
C「なぜ今、新憲法を制定するのか」という意義を前文で明らか
にする。戦後60年の時代の進展に応じて、日本史上初めて国
民自ら主体的に憲法を定めることを宣言する。
D現行前文の文体が翻訳調、生硬、難解であるのに対して、新た
な前文は正しい日本語で、平易でありながら一定の格調を持っ
た文章とする。
2,前文に盛り込むべき要素
@国の生成
・アジアの東の美しい島々からなる豊かな自然に恵まれ、国
民は自然と共に生きる心を抱いてきたこと。
・日本国民が多様な文化を受容して高い独自の文化を形成し
たこと。我々は多元的な価値を認め、和の精神をもって国
の繁栄をはかり、国民統合の象徴たる天皇と共に歴史を刻
んできたこと。
・日本国民が先の大戦など幾多の試練、苦難を克服し、力強
く国を発展させてきたこと。
A国の原理
・日本は国民が主権を有する民主主義国家であり、国政は国民
の信託に基づき、国民代表が担当し、成果は国民が受ける
る。
・自由、民主主義、人権、平和を基本理念とする国を愛し、そ
の独立を堅持する。
・日本国民は人権を享受すると共に、広く公共の福祉に尽力す
る。
B国の目標
・内にあっては、自由で活力に満ちた経済社会を築くと共に、
福祉の増進に努める。経済国家にとどまらず、教育国家、文
化国家を目指す。地方自治を尊重する。
・外に向けては、国際協調を旨とし、積極的に世界の平和と諸
国民の幸福に貢献する。地球上いずこにおいても圧政や人権
侵害を排除するための不断の努力を怠らない。地球環境の保
全と世界文化の創造に寄与する。
C結語
・明治憲法(大日本帝国憲法)、昭和憲法(現行日本国憲法)
の歴史的意義を踏まえ、日本史上、初めて国民自らが主体的
に憲法を定める時期に到達した。
・日本国民およびその子孫が世界の諸国民と共に、さらなる正
義と平和と繁栄の時代を生きることを願い、国の根本規範と
して、国民の名において新たな憲法を制定する。
* * * * * * * *
参考までに朝日記事の抜粋部分と重なる<前文>の箇所は次の通りである。
・自由、民主主義、人権、平和を基本理念とする国を愛し、そ
の独立を堅持する。
・日本国民が多様な文化を受容して高い独自の文化を形成した
こと。我々は多元的な価値を認め、和の精神をもって国の繁
栄をはかり、国民統合の象徴たる天皇と共に歴史を刻んでき
たこと。
「自由、民主主義、人権、平和を基本理念とする国を愛し、その独立を堅持する」主体は「A国の原理」が、日本という国はどのような国民の存在によって成り立たせるべきか、国民の存在形式に言及しているのだから、前後の文脈からしても、「国民」でなくてはならない。言っていることは、『朝日』の記事が言うように、「国を愛する国民の努力によって国の独立を守る」ことを国民の存在形式とするよう求める努力要求であろう。
最初に断っておくが、「国」はいくら「自由、民主主義、人権、平和を基本理念と」していたとしても、現実世界は「基本理念」だけで成り立っているわけではないし、成り立つわけでもない。人間営為の原則は自己利害であり、自己利害からどうしようもなく逃れられない限界を抱えている。いわば、自己利害の影響を受け、そこから判断された「自由、民主主義、人権、平和」へと意味づけされることが往々にしてある。テロを経験した自由の国アメリカが、人権か安全かで揺れ動くのはそのためだろう。
まず「独立」とは、単に外国に領土を支配されず、主権を確保している状態を言うだけではない。領土被支配・主権確保は基本形だが、外国の主張に動かされ、主体的に行動できなければ、政治的・外交的に属国状態にあり、真の「独立」とは言えない。子供は生まれたときから一個の独立した人格を有するが、生活面でも意思の面でも、親の支配を受ける。いわば主体的行動を確保していなければ、国は親の保護下にある子供の状態にあると言える。日本はサンフランシスコ条約締結後、世界に向かって果たして政治的・外交的にも常に全面的な「独立」国家であったろうか。
もし「独立」の「堅持」を国民の存在形式として求めると
するなら、物理的にも政治的にも独立国家としの政治・外交を全面的に展開できない政治家・官僚を篩(ふるい)にかけて、基準外を排除していく政治家・官僚の選別を第一番に国民の存在形式としなければならなくなる。
逆説するなら、サンフランシスコ条約締結以後の日本が対米追随外交を専らとし、真の独立国家として世界と対峙してこなかったのは、そのような政治や外交しかできなかった政治家・官僚を篩にかけて選別する存在形式を国民が怠けて築き上げなかったからだということになる。
さらに逆説するなら、国民の怠慢が与党自民党の政治家・官僚を戦後政治家でございます、官僚でございますと生きながらえさせてきたと言うことができる。
領土と主権の保全だけに限らず、政治的にも外交的にも日本が真の意味での独立国家を全うするために、全うできない政治家・官僚を選別の篩にかける存在形式を国民が自らのものとする努力を果たしてきたなら、政治家・官僚の地位を保てる人間がどれ程いただろうか。自分たちの地位と権益、あるいは私利私欲を守り、それらにしがみつくためにも、国民は「自由、民主主義、人権、平和を基本理念とする国を愛し、その独立を堅持する」ことを存在形式としない方が政治的に賢明な遣り方ではないか。
ゆえに、「前文」から、「自由、民主主義、人権、平和を基本理念とする国を愛し、その独立を堅持する」といった文言は削除すべきであることを自民党に提言する。
<国を愛する>とはどういうことを意味するのだろうか。
政治家・官僚が深く関わったアスベスト対策の遅れが言われているが、有害性よりも有効性を優先させた結果としての「対策の遅れ」だと言うが、より厳密に言うと、「有効性」とは産業保護優先・企業利益優先を内実としたもので、それが<国を愛する>気持から出た政策決定でなかったはずはない。なぜなら、国民に<国を愛する>心がけを求めているのである。政治家・官僚のすべての行為が、それが党利党略だろうと、既得権益優先だろうと、省益優先だろうと、天下り行為だろうと、700兆円もの借金のバラ撒きだろうと、企業優先であろうと、<国を愛する>気持から出た性格のものでなければ、自分がしていないことを国民にだけ求める破廉恥な矛盾行為となるからである。
少なくとも一般国民は愛国心を行動基準としていない。<愛国心>を常なる行動基準としているのは日本の政治家・官僚だけだろう。そのお陰で、中身がガタガタとなってはいない世界に冠たる優秀な日本をつくり出すことができ、そのようにも日本が優秀で、直さなければならない点が何一つない完璧な「独立」国家であるとするなら、小泉首相がなぜ構造改革を言い出しているのか理解に苦しむことになる。もしかしたら小泉首相は構造改革で日本をおかしくして、中身がガタが来ている外国に近づけようという算段なのかも知れない。それが普通の国ということだと。
一般国民が愛国心を行動基準としていないのは、生活の糧とならないからだ。戦前のように愛国心が生活の糧となる局面が生じたときは、その場合にのみ、愛国心を行動基準とする。
日本の政治家・官僚が愛国心を常に行動基準としているのは、愛国心を生活の糧としているからに他ならない。党利党略・既得権益優先・省益優先・政官財癒着・天下り行為・借金のバラ撒きを生活の糧とする愛国心″s為となっていると言うことである。
政治家は親を大事にしろ言う。しかし大事にできる親とできない親がいる。老人を敬えと言う。老人にしても、敬うことのできる老人とできない老人がいる。生徒時代、電車やバスに乗ったときは老人に席を譲れと教えられた。老人が乗ってきて、誰か席を譲る乗客がいないか、年寄りには譲るものだといった視線を乗客の一人一人に順番に向けられると、譲ろうとしていた気持がたちまち萎えてしまった経験があるが(誰が譲るもんかと意地悪な気持になったこともある)、対象に例外を設けずに一律的に注ぐことができる愛情など存在しない。だから、学校教師が目上の人を敬えと言うのは、単なる綺麗事に過ぎない。学校教師からして敬うことのできない人間が多いことさえ気づいていない。
気づいていたとしたら、無理矢理学校教師を敬わせるために、目上の人を持ち出したに過ぎないだろう。
下手に女性にモーションを掛けて、私にだって選ぶ権利はあるわと手ひどく拒絶されたことを我が人生に於いて何十回となく経験しているが、それは人間として正当な感情の表出であるし、正当な権利の主張であろう。例外を設けずに、女は男を愛せと強制したなら、女の誰もが多淫症にならなければならなくなる。
「国を愛し、その独立を堅持する。」――
上記の関係式を「会社を愛し、その独立を堅持する」として、会社の独立性にも当てはめることができるのだろうか。
「会社の独立」は「会社を愛」する社員の努力を使命として成り立つと法則化し得るか否かということである。
会社を愛せる社員も、愛せない社員もいるだろう。すべての社員が会社を愛しているとするのは、会社の万能化以外の何ものでもない。ある社員にとっては万能ではあっても、すべての社員に万能な会社など存在しない。すべての社員が会社を愛するよう、愛社精神の涵養を求めたとしても、愛せない社員をどうしようもなく存在させてしまうことを意味する。
現実には、愛社精神で会社勤めしている人間がどれ程いるだろうか。そこで稼ぐ給料を生活の糧としているに過ぎない社員にとって、愛社精神は無縁であろう。愛社精神を発揮することによって獲得できる何らかの実利(特に金銭的利益)を生活の糧とし得る人間だけが愛社精神を振りまわすことができるのは、愛国心を振りまわすことで生活の糧を得ることができる人間に限ることと同じであろう。
もっとも単に経営者や経営陣に対するおべんちゃらで、愛社精神を振りまわす人間も多くいるに違いない。叩けば飛び散るホコリから国民の目を逸らす手段として如何に国を愛しているか、愛国心を振りまわす政治家がゴマンといるようにである。
朝日新聞の05年4月13日の朝刊に、『会社への忠誠心・日本が世界最低 「非常にある」9%だけ』と題した記事が載っている。
「日本人の会社への帰属意識や仕事への熱意は世界最低水準――。そんな結果が、米世論調査会社のギャラップの調査で明らかになった。帰属意識や熱意が『非常にある』と判定された人の割合はわずか9%で、調査した14ヵ国のうち最低。4人に1人が『全くない』とされ、職場に反感や不満を感じているという。
調査は今年3月に電話番号から無作為に選んだ千人を対象に、『自分の得意なことを行う機会が毎日ある』『自分が何を期待されているかが分かっている』『自分の意見が考慮されているように思う』『成長を励ましてくれる人がいる』など12問を5段階評価で答えて貰い、総合的に評価した。
その結果、仕事への忠誠心や熱意が『非常にある』が9%、『あまりない』が67%、『まったくない』が24%となった。03〜04年に同じ調査をした他国と比べると、『非常にある』はシンガポールと並んで最低、最も高い米国(29%)の3分の1以下だった。一方、『全くない』はフランス(31%)に次ぐ2番目の多さだ。
同社は『米国は不満があれば転職する。日本は長期雇用の傾向が強いこともあって、相当我慢しているのではないか』と分析している」
「仕事への忠誠心や熱意が」「全くない」が「フランス(31%)に次ぐ2番目の多さ」(「24%」)という調査結果を分析すると、フランスの国民性は個人主義と言われていることからの、会社より個人
≠フ意識が生み出した「31%」で、日本人の場合は権威主義を国民性としていて、会社を上位権威とし、従業員を下位権威に置く支配力学が働いている関係上、会社への従属
個人より会社は色濃く反映されているが、実体としては主体的な帰属ではなく、従わされている構造の関係を結んでいるために、「仕事への忠誠心や熱意」が見せ掛けの傾向にあることからの「フランス(31%)に次ぐ2番目の多さ」ということではないだろうか。
「会社への忠誠心」が「日本が世界最低水準」であったとしても、会社は存続する。親がなくとも子は育つではないが、社員に愛社精神がなくとも、会社は成り立つと諺化することができる。
ということは、国民に愛国心なかったとしても、「国の独立」は成り立つことにならないだろうか。
会社を愛していなくても、会社から支払われる給与を生活の糧としている人間としては、会社が倒産せずに継続しないことには、給与の保証を失う。保証を失わない程度の関心といったところだろう。
会社のために能力を発揮したとしても、特に下位に位置している多くの社員の能力は周囲との相対化によって、吸収・一般化され、自己性から離れる。俗に言う、カネにはならないとなったなら、与えられた仕事を消化し、消化に見合う報酬を給与として得ることのみを役目とすることの方がエネルギーの効率的な使い方というものである。
談合を成功させて会社に多大な利益をもたらした橋梁会社やゼネコンの会社幹部はそれなりに特別な報酬を与えられ、生活の糧とし得るから、愛社精神は濃厚だろうが、官僚を高額な給料を払って天下りさせたとしても、談合で天下りに要する経費を遙かに上まわる利潤を獲得できて、会社に利益を生じせしめるのだから、問題は社員の愛社精神といった情緒性が会社の経営を決定するのではなく、会社経営に直接携わる会社幹部が如何に談合を巧妙に根回しするか、如何に政治献金を金額以上の見返りを計算して効率よくバラ撒くか、あるいは株価対策や帳簿操作や給与カット・人員カットといったことも含めて、極めて無機質・非情な経営の方法にかかっていると言える。
断っておくが給与カット・人員カットは日本式経営が成り立たなくなってからの現象ではなく、それ以前から、期間工やパート社員、あるいは下請けに回す仕事量と単価の調整を通じて給与と人員とコストに関係する収支を会社の経営状態に応じて増減させてきたのである。単に正社員のみが安全地帯にいることができたに過ぎない。それが今では正社員でも安全地帯に保護されなくなったということだろう。
このような状況も、愛社精神と関係ない場所・関係ない力学で会社の経営は成立していることを示している。
北朝鮮の国家機関が日本の国土に不法入国して日本人を暴力的に拉致した行為は明らかに日本の主権侵害と領土侵犯という、国家の独立に挑戦する毀損の罪に当たるが、北朝鮮が実行犯を特定していながら、日本政府は身柄の引き渡しを実現させることができないことによって、外国による独立毀損を野ざらし状態のままに放置している。
また、「独立」は外敵からの国民の生命・財産の保全も役割とする。外敵から国民の生命・財産を保全できない独立など、意味を成さないからである。拉致被害者5人とその家族の帰国を実現させることができたが、その他の明らかに拉致された事実が濃い被害者の消息確認に北朝鮮側の協力を得ることさえできないでいる。
このことはいくら「国を愛し、その独立を堅持する」ことを国民の存在形式とすべく意志していたとしても、片付く問題ではなく、偏に政治家・官僚の一旦傷ついた国の「独立」を外交を通じて原状回復しようとする強い意志・強い姿勢――いわば国の経営にかかっていると言える。
国の経営に関しても、愛社精神と関係ない場所・関係ない力学で会社の経営が成立していると同じく、国民の愛国心と関係ない場所・関係ない力学で運営されていると言うことである。
政治家・官僚が内政・外交に亘って、如何に国を経営するか。その成果が国民の生活の糧に深く関わってきたとき――前文素案で「国の目標」に掲げているように、「内にあっては、自由で活力に満ちた経済社会を築くと共に、福祉の増進に努め」、「経済国家にとどまらず、教育国家、文化国家を目指」して、国の借金がない、年金や医療を持続的に豊かに保障する経済的にも政治的にも強い国家となり、国民の生活が安心できる水準で保証されたとき、国民は初めて国を愛する気持を持てるのではないだろうか。
卵が先か、鶏が先か。国民の愛国心が先か、政治家・官僚のきちっとした国の経営が先か。
最後の「天皇」に関する部分について。
「日本国民が多様な文化を受容して高い独自の文化を形成したこと。我々は多元的な価値を認め、和の精神をもって国の繁栄をはかり、国民統合の象徴たる天皇と共に歴史を刻んできたこと」
天皇が「国民統合の象徴」であったのは戦後期間であって、形式上「国民統合の象徴たる天皇と共に」「刻んできた」「歴史」は戦後の歴史であることを断らなければ、歴史の誤魔化しとなる。
現憲法は、<第1章 天皇> で次のように規定している。
第一条【天皇の地位・国民主権】 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。
<大日本帝国憲法>では、 「第一条 大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス」
と規定している。
明治から敗戦までの日本は天皇に「統治」されてきた。そのような状況下で、戦前の軍国主義を「天皇と共に」「刻んできた」「歴史」として国民も抱えたのであって、そのことは記憶しておかなければならない。「天皇」にしても絶対ではないと言うことである。天皇の「お言葉」なるものが政治家と官僚がつくり、それを単に読み上げる主体でしかないことを考えるなら、政治家や官僚がどう利用するか、今後とも監視対象に入れておかなければならない。