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  第73弾 日朝実務者協議日本代表団の交渉能力と北朝鮮の今後  


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                                                                                                                                                             アメリカ陸軍はネバタの秘密基地で
                                                                        金正日の銅像を倒す訓練を積んでい
                                                                        るそうです。
                                                                        事実かどうかはアメリカ国防省に問い
                                                                        合わせてみて下さい。

                                                                                                                                                                 この写真は合成写真ではありません。
                                                                          現地で撮影した正真正銘の事実写真
                                                                                                                                                                だと言うことですが。

                                                                        哀しいですね。銅像の顔が笑顔で作られて
                                                                        いると、倒されても、笑顔のままです。独裁者は
                                                                        銅像が倒されるときのことを考えて、笑顔は避け
                                                                        るべきだと思いますが。何となく哀しげな表情に
                                                                        見えるのは気のせいでしょうか。             

 
 日朝実務者協議日本代表団の交渉能力と北朝鮮の今後

 

朝実務者協議日本代表団は、横田さんの安否確認にはその証言が欠かせないと要求してまで、めぐみさんの夫とされるキム・チョルジュン氏との面会を実現させた。いわば面会を横田めぐみさん消息解決の最重要事項と位置づけていたということだろう。当然なこととして、そこに一つでもウソがあったなら、拉致解決に向けた北朝鮮側の対応のすべてに疑問符がつく、試金石となる面会でもあったろう。

 その折、横田さんの娘と確認されているキム・ヘギョンさんとの父子関係証明のために毛髪の提供を求めたが、キム氏に
「自分は工作機関に携わっており、微妙な立場にある」として協力を断られ、果たせなかった。

重要事項であるはずの面会で、「微妙な立場」の一言のみで日本代表団が引き下がったとは考えられない。北朝鮮側の不誠実さを思い知ったことのみを成果として引き下がったとしたら、子供の使い程度の代表団だったと言うことになる。どうしても毛髪の提供を受けるべく、あれこれと言葉を駆使して、食い下がったであろう。具体的にどんなやり取り・言葉の応酬があり、その努力も空しく相手の強硬な拒絶が崩せなかったか一言一句違わずに逐一報告すべきである。その内容・経緯によって、日本代表団の交渉能力が判読可能となるからである。

際にはどういったやり取りが展開したのだろうか。日本側に有利となる状況に持っていくためには、いやが上にも尋問の形式を取らざるを得なくなるだろう。但し、言葉丁寧に穏やかな口調で行い、尋問の雰囲気を極力和らげる必要がある。より理想的であろうやり取りを想像することはできる。

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 あなたが事実キム・ヘギョンさんと親子関係にあるか、我々は科学的に証明しなければならない。DNA鑑定に回すために、あなたの毛髪を提供していただきたい。ここでの真偽を北朝鮮側回答の信憑性を測る物差しともしなければならない。

 「私は工作機関に携っており、微妙な立場にあるために、毛髪を提供することはできない」

 あなたはご自分の立場を既に明らかにした。毛髪検査によって証明されるのは親子関係の事実と北朝鮮側対応の真偽のみであって、そのことによってあなた自身が明らかにした立場以上のものが証明されるわけではない。

 「もし私が外国で工作員として活動して何かの事情で死んだとする。日本で行ったDNA鑑定との照合によって単なる旅行者ではなく、北朝鮮の工作員だと判明した場合に本国に迷惑をかけることになる事態は、工作員として前以て避けなければならない」

 
北朝鮮の工作員はあなた一人ですか?

 「いいえ、違います」

 拉致問題をクリアしないことには、日朝国交正常化に進むことはできないというのが日本の立場です。日朝国交正常化どころか、今回の交渉で日本国民が納得できる成果が出てなかったということになったなら、日本政府としても経済制裁を発動しなければならないところに追いつめれないとも限らないのです。もしもそういうことになったなら、北朝鮮の国益に利益とならない事態だと思われますが、如何ですか?

「そういった事態を避け、一刻も早い朝日国交正常化の実現を望みたい」

 工作員があなた一人でないということなら、あなたの外国での活動の免除と経済制裁、もしくは国交正常化とを天秤にかけた場合、北朝鮮にとってどちらが国益に適う措置となるでしょうか?

 「我が国には我が国の事情がある。毛髪はお渡しできません」

 
それはあなた個人の態度なのですか。上から指示されて、できないとおっしゃっているのですか?

 「工作機関に携っている者が取るべき態度としての考えからです」

 経済制裁の発動、国交正常化の遅れを例え招くことがあっても、工作機関に携っている者が取るべき態度を優先させるべきとお考えなのですか?

 「私は単に工作機関に携っている一人でしかありません。政治上の判断は私の役目ではありません」

 
工作活動はあなた個人の考えからではなく、上からの指示によって行うものであり、それがどのようなものであっても、国の利益に添う内容の活動であると思われますが。

 「そのとおりです」

 
工作機関に携っている者が取るべき態度を優先させた場合の経済制裁・国交正常化遅れは北朝鮮の国益に反する、間違った優先順位に当たらないでしょうか。 

「難しいことは私には分かりません」としか答えようがないのではないか。

 
毛髪を提供してもいいかどうかも、改めて上からの指示を仰いでいただけないでしょうか?経済制裁を回避し、国交正常化を早めることも、国益に沿う工作活動と言えると思います。与党自民党には拉致は金正日将軍が指示してやらせたことだと主張する者もいます。彼らは経済制裁早期発動の最強硬派に属しています。彼らを納得させるためにも、誰もが否定し得ないDNA鑑定による科学的解明が必要なのです
 
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正日が指示してやらせたこと──は、揺さぶりとして使う。このくらいの揺さぶりが使えないようでは外交交渉に携る資格はない。

からの指示でも、毛髪提供はダメだと言うことなら、それは金正日の指示ということになるだろう。最終決定権者は金正日のみであるということだけではない。経済制裁 問題や国交正常化という国の最重要政策をどうするかは、少なくとも金正日が議長となった場で論議されるだろうからである。

致は国家政策として金日成・金正日親子が指示して実行させた国家犯罪であるという認識と立場から交渉に臨まないことには、見るべき進展は望めないだろう。拉致は日本人に対してのみ行われたわけではない。レバノン女性に対しても行われ、韓国人に対しても行っている。北朝鮮側が説明したように、「特殊機関の一部部署」「恣意的に」為しうる技ではない。金日成・金正日親子が仕出かした国家犯罪であるという隠された事実を揺さぶり、動揺を与え得る言葉の駆使を伴った想像的な交渉術が展開できるか否かに拉致解明の成果はかかっている。それができなければ、北朝鮮側の誤魔化しとその場しのぎは永遠に続くだろう。また、国家犯罪だからこそ、金正日が首謀者として関わっていた陰謀を露顕させない目的の誤魔化しとその場しのぎに終始しなければならない繰返しを招いているのである。

田めぐみさんや「安否不明者10人」の消息の解明だけではなく、拉致されたのではないかと疑われている全員の決定的な真相解明は、何よりも金正日を独裁者の地位から引きずりおろして、北朝鮮を開かれた社会としなければ、到底不可能だろう。いわばどのような交渉であろうと、金正日を独裁者として延命させる内容のものであったなら、体制擁護に不都合とならない範囲の毒にも薬にもならない曖昧な事実の提供はあっても、核心を衝く事実の提供は期待できないに違いない。

の文脈が正当性あるものだとするなら、二度目の日朝首脳会談で日本側が25万トンの食料支援、1000万ドルの医療品支援、さらに経済制裁を発動しないという約束は間違った政策だったと言わざるを得ない。また小泉首相が今回の実務者協議を踏まえて、なおのこと「北朝鮮の誠実な対応を期待したい」とする姿勢は、金正日亡き後の北朝鮮にこそ望める期待であって、生存中はないものねだりに等しいことになる。

正日体制崩壊の演出は、サダムのイラク同様に軍事攻撃による外からの方法がある。勿論北朝鮮の一般市民の間に大量の死者をつくり出す。但し金正日体制を放置しておいた場合にも、無視できない数の餓死者・政治犯収容所における刑死者を進行形の形で将来に亘って確実に生産されていくだろう。軍事攻撃による死者を取るか、金正日体制放置による死者を取るか、その選択にかかっている。

朝鮮経済が完全に立ち行かなくなって、内側からの崩壊を待つ手もある。金正日体制の指導部、あるいは軍部が金正日を見限って、クーデターを起こす。但し、確実にそうなるという保証がないばかりか、その間に於いても餓死者・刑死者の数は増え続けるだろう。保証はない内部崩壊を少しでも促すには、国際機関も各国も人道援助と名づけた一切の支援を打ち切るだけではなく、可能な限りの経済制裁を課して、金正日を追いつめることだろう。そのことによるしわ寄せが食料を与えられない形で社会的弱者に集中して餓死者と刑死者を一層増加させることになるが、独裁体制の存続か、民主化かを天秤にかけて、 それらの死を独裁体制打倒による民主化獲得の代償とするかどうかである。  

だ単に金正日を生き延びさせ、その独裁体制に蘇生治療を施すだけとなる人道支援・経済支援は中止すべきだろう。

 


           

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