FIFA Club World Championship Toyota Cup 2005

2005. 12. 15(Thu) 準決勝 リバプール ×デポルディポ・サプリサ


 待ちに待ったトヨタカップがやってきた。
今大会から従来の欧州王者×南米王者というフォーマットが6大陸王者が集うフォーマットに変更された。
いわば新トヨタカップである。
 かえすがえすも2001年スペイン大会がスポンサー企業の破綻により中止になったのが残念だ。
アジア王者であったジュビロ磐田が出場し、欧州王者レアル・マドリッドとの対戦が決まっていただけに・・・。
もう何年か早くトヨタが世界クラブ選手権のスポンサーとなり、門戸が開かれていれば・・・。

 平日の夜の試合だというのに、日本のチームが出場していないと言うのに観客が40,000人以上も入るとは驚いた。
7月のジュビロ×レアルの試合で、やはり平日の夜の試合で、会場が味の素スタジアムで、しかも地元東京のチームでもないのに30,000人も入ったとき同様の驚きだ。

 その平日夜間開催のため、スタジアムに着いたのはキックオフ10分前…。
試合終了後、慌ただしく帰宅するというハードな日帰り観戦であった。
    


   




 GK 12 レイナ
 DF 4  ヒーピア
    6  リーセ
    17 ホセミ
    21 トラオル
    23 キャラガー
 MF 8 ジェラード
    14 シャビ・アロンソ
    22 シソコ
 FW 9 シセ
    15 クローチ

 サブ 1 デュデク
    13 カーソン
    2 ワーノック
    3 フィナン
    7 キューウェル
    10 ルイス・ガルシア
    16 ハマン
    11 ポンゴル
    19 モリエンテス


GK 1 ポラス
DF 3 コルデロ
   4 R・ゴンサレス
   5 J・ドラモンド
   16 バディージャ
   23 ベネット
MF 2 ボラニョス
   8 センテノ
   19 アソフェイフ
FW 11 ゴメス
   12 サボリオ

サブ 18 F・ゴンサレス
   21 ナバス
   6 パークス
   13 エスキベル
   14 ヌネス
   22 フォンセカ
   9 ブレネス
   10 ソリス
   15 フィリップス
   17 ロペス
   7 アレマン
   20 G・ドラモンド


ジェラード(#8)、シセ(#9)



KICKOFF

  

クローチの先制ゴール(前半3分)


 今日のリバプールはまさに「圧勝」。
サプリサは、ほとんどなすすべもないまま、リバプールが繰り出すスーパーゴールにひざをつくこととなった。
 先制ゴールは、早くも前半3分に生まれた。
前線での激しいプレスから、左サイドのリーセが正確なクロスを供給。
これをポストに入ったシセがダイレクトで落とし、飛び込んできたクローチが右足ボレーでネットを揺らす。
決めたクローチの身長は、200センチ。
リーグ戦ではなかなかゴールを決められず、木偶の坊だとかウドの大木などと揶揄されていたが、この試合では、ポストプレーだけではなく足元での技術の確かさもアピールした。


















豪快なボレーをジェラードが決め、2点目



 クローチが前線で競り合いに勝ち、左サイドへ流れたボールに、またしてもリーセがクロス。
ボールの軌跡は、ジェラードが振り抜く右足と見事にシンクロして低い弾道のシュートとなり、一直線でゴール右隅に突き刺さった。
日ごろ、スカパーで何度も見ているシーン。
だが、やはり現場で見ると迫力が違う。
どんなに横酷(?)の観客席がピッチから遠くとも、ボールがジェラードのインステップにミートした瞬間の空気の波動が伝わってくるような錯覚さえ覚えた。
 結局、2−0のスコアのまま、前半が終了する。
リバプールとサプリサの力の差は一目瞭然。 ジャイアント・キリングを期待できるようなレベルの問題ではない。
 後半13分、ジェラードが左サイドへミドルパス。
これをリーセがDFと競り合うと、こぼれ球をクローチが拾ってペナルティーエリア内に持ち込み、ゴール右隅に落ち着いて流し込んで3点目。


ジェラード→11 ポンゴル(後半19分)


 リバプールのベニテス監督は、この3点目で勝利を確信。
3点目の6分後、キャプテンのジェラードを下げて、フランス代表のFWシナマ・ポンゴルを投入。
さらに、27分にはヒーピアに代えてスペイン代表ルイス・ガルシア、34分にはシャビ・アロンソに代えてドイツ代表ハマンと次々に豪華メンバーをピッチに送り出す。
 この選手層の厚さ、豪華さこそが、欧州と他の大陸との一番の違いであり、他の大陸チャンピオンとの格の違いが、はっきりと見えてくる。


サプリサの一矢報いようと必至の反撃…
決してゲームをあきらめることなくリバプールのゴールに殺到するも、ことごとく決定機を封じられ、ネットを揺らすことはできなかった。


試合終了


 リバプールは、ジェラードを中心に長短の素早いパスを有効に使って相手守備を崩すというコンパクトなサッカーを展開していた。大きな再度チェンジも有効だった。
 2002年冬、ロンドンで観戦した時(×アーセナル戦)は、守備を固めて、FWオーウェンを中心に速攻中心のカウンター攻撃だったのだが…。

                   前半 後半 合計
リバプールFC       
デポルティボ・サプリサ 

  【得点】 
    クローチ(前半3分、後半13分)、ジェラード(前半33分)


 
 
 両チームを比べると個々の技術の確かさ、パスの意図の明確さ、そして組織としてのシンクロニシティやダイナミズムなどすべての面においてリバプールは明らかにサプリサを凌駕していた。
 そしてそれは、モチベーションの高さや闘争心で拮抗(きっこう)できるようなレベルの問題ではない。

 18日の決勝は、サンパウロ×リバプールという従来通りの「南米×欧州」という組み合わせとなった。
めでたし、めでたし…。
とても楽しみな顔合わせである。


 従来の欧州王者と南米王者だけで争われてきた世界王者の称号を今大会からアジア、アフリカ、そして北中米カリブとオセアニアの各大陸王者を加え、争うように変更された。
特に1回戦は、マイナーな4大陸王者によるメジャーな欧州王者と南米王者への挑戦権を賭けた戦いである。
しかし、このフォーマットには功罪の両面がいろいろとあるように思えた。

良かった面
@マイナーな4大陸へモチベーション
  各大陸選手権で終わっていた大会が世界への扉がつながれたことによりアジア、北中米、アフリカ、オセアニアのチームにとって希望が見えるようになったこと。
 天皇杯が各都道府県のチームにプロチームとやってみたいとモチベーションを高める点と同じと言えようか。
 世界によりサッカーが普及し、より高いレベルのサッカーが普及するよい機会になるかもしれない。
 現にジュビロなどJリーグのチームはACLを世界への扉と位置づけ、それまであまり乗り気でなかったACLに本腰を入れるようになった。

是正したい点
A6大陸王者を競わせるコンセプトの問題
  その一方で、14試合を経て出場権を得た南米王者と、6試合だけの北中米カリブ王者を平等に「大陸チャンピオン」として扱うべきだろうか?
 欧州、南米と他の大陸にはやはり歴然とした実力の差が見られる。
 それゆえ各大陸の出場枠は、平等に”1”という現状のフォーマットはどう考えても公平であるとは思えない。
 悪しき平等と言おうか・・・。
 他の4大陸の競技レベルの向上が求められる。

Bチケット価格の問題
  欧州・南米王者と、それ以外の大陸王者との力の差が大き過ぎる現状から1回戦と準決勝は興行的にはどうなんだろうか?
 チケットの額に見合うだけの試合内容なのだろうか?
 チケットの値段が高すぎないだろうか?

Cホスト国のファンが感情移入できない問題
 ワールドカップにもある「開催国枠」がないので、ホスト国日本のファンからすれば感情移入できず、盛り上がりにも欠ける。
 観客動員数がすくないと川淵キャプテンはお冠だったらしいが、我が輩からすればよく日本のチームが出場していないにもかかわらずよく入ったと思う。
 平日夜間開催だったことや厳しい寒波に襲われたにもかかわらず・・・。