里山仕事・しょんた塾 |
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しょんただより Vol.10 |
2000年1月12日 おそまきながら、あけましておめでとうございます。本年もよろしくおねがいします。さて、しょんたの林床は一年で一番明るい季節。林内散策も絶好。意地レンゲの育ち具合も見に来て下さい。遅れてた10号をお送りします。 |
もくじ
項目 |
日時 |
内容など |
定例活動 |
1月22日(土) |
1月22日がメインですが翌23日も希望者があれば実施の予定。なお23日には諸般の都合がつけば、間伐材を搬送する作業の可能性もあります。 |
交流活動 |
1月30日(日) |
しょんた塾の活動として会員がフォーラムへ参加することを奨励、支援することにしました。会員がこちらに参加した場合の参加費(500円)交通費の一部をしょんた塾の会計から支出しますので、後日申し出て下さい。今年は里山関係の団体の参加も増加の兆し。いろいろな交流を深めて下さい。肝煎総代が分科会「■里山で遊ぶ」のパネラーを勤めますが「■都市と山村をつなぐ〜森づくり入門」「■森と川そして海」の分科会にも参加して下さい。なお、参加申込は会員各自で直接おこなってください。しょんた塾はポスターセッション〈パネル展示〉にも参加します。展示パネルはドロナワで現場で設営ですので会員各位は少し早めに来て手伝って下さると助かります。 |
番外活動 |
2月5日(土) |
静岡県コミュニティづくり推進協議会から現地訪問があり、活動の内容紹介や今後の方向の話し合いなどを行ないます。肝煎連は全員出席ですが、会員の皆さんも都合がつけばご参加下さい。 13:30から2時間程度。会場は金谷町地域交流センター〈しょんた塾事務所の5軒下手)です。 |
定例活動 |
2月6日(日) |
集合:午前9時しょんた・大框田んぼ。事前の申込などは不要。当日現場へ。 |
惣寄合 |
3月19日(日)午後 |
定款上の惣寄合〈年次定例総会に当たるもの〉を日程のみ先行して決定しました。会場その他の詳細は追って決定次第連絡します。正会員、賛助会員は日程に入れておいて下さい。定款上必要な議決事項として平成12年度予算、事業計画などを審議しますが、どちらかといえば「何をどうやるべえ」とケンケンガクガク話し合うことが目的。今年度の反省なども考えておいて下さい。午前中は除伐、草刈りを予定。翌日も作業を提起する可能性があります。 |
■ シンボルマーク、機材の貸出しなど ■■■■■■■■■■■■■■■■
しょんた塾のシンボルマークを決定しました。緑のリーフレットの表紙にあるエゴノキのシルエットの図柄がシンボルマークです。こんご各種の印刷物にはできるだけ使っていくことにします。作者のN会員からも快く使用許諾をいただきました。 助成金で購入した機材の貸出しに関する関する考え方を決定しました。しょんた塾以外の団体等への貸出しは、肝煎寄合が承認すれば無償。会員が個人目的で使用したい場合は事前に肝煎総代に申し出る。個人目的での使用の場合には1回1台あたり500円程度の寄付をお願いする。以上が仮のガイドラインです。詳細は惣寄合で煮詰めましょう。
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■ 中日新聞静岡版「事始め00」に記事 ■■■■■■■■■■■■■■■■
新年の同紙特集記事「静岡の新千年紀 事始め’00」の第3回(1月5日)に「環境 一歩を踏み出す」と題してしょんた塾が取り上げられました。いわゆる第2社会面のトップコラムでカラー写真付き6段のずいぶん大きな扱いです。12月19日の諏訪原城址竹伐りの際〈後述記事参照)途中でモデルをしょんたに派遣、撮影した写真でI会員、K会員、H会員の坊やと冬枯れの風景がなかなかフンイ気を伝えています。記事も総代、書方役、勘定役の3人で2時間近い取材を受けてしょんた塾の趣旨などをうまく伝えてくれています。 実は12月19日は静岡第1TVとSBSが取材に来ており、3時頃と4時頃にそれぞれローカルニュースで放映された模様〈残念ながら誰も見ていない〉。 静岡県の提供番組(?)静岡朝日テレビ「ねっとわぁく静岡」で「森づくりの楽しさを見つけよう」という1月30日の森づくりフォーラムの宣伝番組(?)の中にしょんた塾が紹介(1月5日6:55〜6:59に放送)されたのですが、こちらも誰も見ていない。これはVTRが確保できそうです。 以下は読み落とした人のために中日新聞の記事から転載。 |
===== 「里山」は財産 現代人も共生できたら ===== 幾重にも仕切られた田んぼの背後に、クヌギやコナラの雑木林が広がる。小川にはメダカが泳ぎ、あぜ道にはヒガンバナが咲くー。かつては各地の農村でよく見られた「里山」の風景。しかし、農業の機械化や開発の波で、こうした景色は減る一方。見かねた現代人たちが保存を目指して立ち上がった。静岡県榛原郡金谷町を中心に活動するNPO「里山仕事・しょんた塾」のメンバーだ。 現在、同塾の代表にあたる肝煎総代を務める奥村さんは3年前、同町神谷城の小字「塩ノ田(しょんた)」にある休耕田を活用して畑仕事を始めた。サラリーマンの奥村さんに、里山に関する知識は全くなかった。ある日、休耕田の後ろに広がる一部の樹木だけが落葉し、その周囲の森が緑のままであることに気づいた。「なぜだろう」と疑問を抱いた奥村さんは勉強を重ね「しょんた」一帯が落葉樹林などからなる里山であること発見した。その後、仲間などに声をかけて昨年3月末に塾を結成した。 === 人為が自然はぐくむ === 落葉広葉樹が茂る雑木林は、燃料となるシバ、肥料となる腐葉土を生み出す。昔の人は定期的に幹を切り、枝を落とすなどして生活を支える林の管理に努めた。小川も利水のために掘ったものだ。こうした人間の営為の下にはぐくまれた里山には、タヌキ、キツネから沢ガニ、カエル、トンボまでさまざまな生き物が住み着き、豊かな生態系が息づいたという。 しかし、燃料は木から石油に変り、林の必要性は薄れた。人の入らない林は、木材として多く植えられた杉やヒノキに取って代わられる。そのうえ減反政策で水田の担い手も減り、里山はさびれる一方==奥村さんはこう、分析している。 同塾はこれまで「しょんた」を舞台に、林の下草や棚田跡のササ、アシを刈り取り、レンゲのタネをまくなど保存に向けた仕事に取り組んでいる。保存のための技術を「しょんた」で身に付けた塾生らが将来、各地の里山で活動を広げていくという構想も持っている。 === 昔の風景を21世紀へ === 「人間が経済原理に従って右往左往することで、自然は荒れていった」。常葉学園短大の山田辰美助教授〈生態学、環境教育学〉は里山衰退の歴史を批判する。人間が自らが築いた自然を自ら失ってしまうことにストップをかけようと一歩踏み出したメンバーたち。現代に生きながら昔の風景を取り戻すことは容易ではないが、塾生の一人は言う。「許された時間の中でどれだけのことができるかですよね」。21世紀に向け、自然と人間の新しい共生のスタイルを見いだせるかどうかが注目される。 |
■ 11/27 チェンソー講習と除伐に9名 ■■■■■■■■■■■■■■■■
秋も深まった11月27日、日本財団の助成「里山環境保全に係るチェンソー等整備」事業の購入機材を教材に、メーカーのSTHIL社と購入先の駿遠商事さんから各1名の講師を迎えて機材の整備と使い方の講習を行ないました。始めはおっかなびっくりの参加者もバー、ソーチェンの取り外しから目立て法、燃料、チェーンオイルの補給、エンジンの始動と停止と進むにつれ真剣に。実際に丸太の切断をおこなうころには早く自分の順番が回ってこないかとウズウズ。チェンソーも仮払機もそれぞれ5台もあり、参加者が少なかったこともあって充実した講習となりました。受講者は次に使う際の講師になるように、という課題設定でしたが、さてその成果は....次の機会にお試しあられたし。2時間の午前中の講習はあっという間に時が過ぎ、午後の除伐が待ち遠しくて食事もそそくさと。
午後はしょんたのクロチク林の裏〈南側〉の10年生ヒノキの除伐と枝打ち。志太榛原農林事務所から借り出した枝打鋸と、これも助成で購入した兼帯を腰に、2人で1台のチェンソーを抱えて勇躍として向かう。現場は一度も枝打ちしていないヒノキの間に鬱閉されて立ち枯れたススキとヤマウルシなどが茂る山で掻分けて頭から突入しての作業。これも助成機材のヘルメットにはイヤマフ(防音用の耳覆い)とフェースシールド(顔面保護用のスチールネット)が着いているので、枝にひっかかって大騒ぎ。ともあれ枝打鋸で枝を落とし、雑木をチェンソーで倒していくと林内が見る見るうちに明るくなっていく。行動提起としてはスジのいい木は広葉樹でも残し、ヒノキでもヒネたのやツルに巻き付かれて曲がってしまったのは倒すこと。ときどきは間違ってスジのよさそうなヤマザクラをチェンソーの勢いで伐倒してしまってブーイングを浴びたり....。女性も交えた2時間ほどの作業で約40メートル四方の除伐と枝打ちができました。 あらためて作業の終わった林内の明るさを再確認しながら記念撮影。スジ良く育ったヒノキ林の枝打ち、除伐は作業は比較的楽だが単調。雑木の多い部分の除伐は伐るべきか残すべきかの選択に迷って能率は上がらないけど面白い。モヤシみたいな木ばかりで樹種も良くわからないので、調査や計画のノウハウも身に付けなければ。混交樹林の育成というのは口で言うほどカンタンじゃないね、など感想を述べあって作業を終了しました。 もちろん、作業終了後の機材の手入れは午前中の講習の復習でしっかりと..?ジツはたった2,3時間前のことなのに案外に手順を忘れててマゴツクことしきり。貴重な復習となったことも教訓でした。 |
■ 12/19 諏訪原城址竹伐りと門松制作 ■■■■■■■■■■■■■■■■
ちなみに松を発見したのは中川根の賛助会員Oさん。車を運転しないので、日ごろ大井川鉄道に乗りつけており、車窓から若い実生の松が河原に点々と生えているのを見覚えていた。この松の発見が「志太榛原郷づくり倶楽部」の参加になる「門松づくり」企画を一気に推進するキッカケになった、というのが真相。実は地建大井川管理事務所もこの松の存在を知っていたのはただ一人。総代が「許可が必要ですかね?」と尋ねていったときには事務所の人たちもみな顔を見合わせて「そんなモンどこにあるんじゃぁ」。実際、しょんたを中心にして半径10KM圏内に樹齢10年未満の松が生えている山は存在しない。このこと自体が「里山の衰退」の実例にほかならない、といえる。さて、勇躍でかけた6名は、大井川鉄道敷に接する茶畑の脇に邪魔にならない位置を見つけてクルマを置き、SLの走る線路を越えて踏み分け道から河原に下りる。文字通り氾濫原のヤナギとヤブを掻分けて目指す河原に到着。ナタを振るって松の下枝を約100本採取。手近なところの真っ赤に実を付けたツルウメモドキを剪定バサミでパチパチやっていると小用に河原に向かったS会員が戻ってきて、もっと大量に採れるのがある、と言う。出水で削られた崖近くのヤナギの枝からツルウメモドキがいく抱えも垂れ下がっていて、ヨジ登って上で切り落とすと用意したカゴはたちまち一杯になった。1時間余りで十分な量を採取してこの日は行動を終了。 19日、弁当の準備があって事前に参加確認を取ったこともあり、参加は実に41名。しょんた塾始まって以来の大量参加となった。内訳はしょんた塾の関係者で20名、郷づくり倶楽部から14名、志太榛原行政センターと金谷町教育委員会から各2名。このほかに12月5日に行われた県の「里山づくり入門講座、小笠山教室」の参加者から3名がいわば一般参加。ついでに志太榛原行政センターからの記者発表を受けて取材に来たテレビクルーが4,5名、前述した中日新聞の記者とカメラマン2名。静かな諏訪原城址がこの日は賑やか。
しょんた塾としてはこの日の企画はウデ試し。7月に会員11名で竹伐りを行なったことを受け、多少おこがましくはあるが「指導者養成」の実地版体験企画。里山保全活動を一般市民参加で企画する際の現場指導者とはどのようにあるべきか、を実際に経験してみることがしょんた塾の課題目標。郷づくり倶楽部の人たちは「一般参加者」のいわばボランタリエキストラ。「エコリンピック」など川根筋での植林その他で環境保全活動も行なっていてその延長・一環としてしょんた塾の活動に「お手伝い」に来て下さったのでありいわゆる「一般参加者」とは少し違うのだが、両者の思惑が企画において一致した。結果、約6名の班を5班編成、しょんた塾会員で各班に班長副班長を配置することができてめでたしめでたし。 しょんた塾メンバーは全体集合の1時間前9時に集合して以上の位置づけ、課題設定の説明、作業場所の案内を受け、機材を班ごとに分配して準備を完了したところにほぼ時間通り全体が集合した。ちなみに、準備した機材は、兼帯38挺(しょんた塾10挺、中部流域林業活性化センターから20挺、金谷町教育委員会から8挺)、竹鋸4挺、剪定バサミ8挺、錐出し小刀10本、錐5本、ペンチ3個、ヤカン6個、ロープ、ハリガネ、ワラ縄など。
今回の作業目的は「竹の根絶やし」なので指定範囲の竹は順番に全部伐り倒すこと。作業の安全を考えて地際で水平に鋸を入れ、腐食を速めるために切り株にナタで「割り」を入れること。枝はナタの背で取り、捍に鋭い切枝跡を残さないこと。竹炭用材として長さを正確に1.9mに揃えること....などを提起。安全上2人一組で作業し周囲、倒す方向の安全を確認してから最後の鋸を入れること。斜面に対して水平方向で並列して作業し、絶対に人のいる上で作業しないこと。班長は基本的に自分は作業せず班員の作業具合を見守ること....。 今回の伐採地域は4号堀から3の丸跡への駆け上がり斜面。第1班は女性ばかりの通称「おば班」なので斜面上の台地部分。おじさん中心の第3〜5班はいちばんハードな法(のり)面に配置して作業開始。根本直径15〜20cm、高さ12mのモウソウ竹が相手で結構てこずる。3〜5班が切って持ち上げる竹を竹炭用に長さを切りそろえる作業を担当するはずだった年長者と若い女性の2班も堀を下って伐倒作業に参加してしまう。 さんぽ茶屋さんから弁当が届いたので作業を終了。昼食。こころづくしの山菜おこわ弁当とミソ汁。三の丸跡の一画は草刈りが済み明るい野原。陽は燦々、風はまわりの林の梢を越えていくのでポカポカ陽気。 取材の中日新聞さんから、記事の構成上しょんたの風景をバックにした写真を撮りたい、との申し出があり、食事を終えた参加者から老若男女とりまぜたモデル数名にしょんたに向かってもらう。思い入れの強いカメラマンさんの注文で、いろいろ演出。モデルの皆さんもご苦労さまでした。 ミニ門松の見本〈?)を見せて簡単な作り方を伝授。ふさわしい当年児の青竹を捜しに再び竹林に潜り込む。色どりの青々した竹はそんなにスンナリとは見つからず、ずいぶん遠くまで出かけた人もいた様子でした。あとはそれぞれ創意を凝らして門松らしきものが各種出来上がりました。材料はたった三種類、松竹梅(モドキ)だけなのに、細いの太いの、背丈くらいのから高さ25cmの文字通りミニ版まで。根を詰めて集中したあまり、二本の対にならなず片側だけで息切れしてしまった人も少なくありませんでした。前日はりきってたくさん採集したので松とウメモドキは半分くらいが余る結果に。人気のツルウメモドキはご婦人連がリースに仕立てたり花材にするわ、というので持って帰ってひと枝も残らず。
陽が陰り寒くなってきたので少し早めに終了。みんなで作品を見せあい、機材を点検、アンケートに記入してもらって感想を述べあう。竹伐りについて濠底から切り上がったので伐ったわりには成果が目立たない〈平地に掘られたカラ濠なので上から見るとそれほど変化がない、200本近く倒したのだが..)ところがあり、もっと伐りたかった、の声も目立ちました。 アンケートの結果から。 全体として好評と言えます。5段階評価で肯定側の4と5が約70%です。門松の出来栄えには評価3と十分満足していない様子が受け取れます。指導に工夫の余地がありそうです。「もっとやりたかったのは?」の質問への回答はやはりバラついて、もっと伐採を、と言う人が約40%。1時間半の作業時間では不完全燃焼、という傾向が見て取れます。 しょんた塾会員に質問した「一般参加者受け入れの自信は?」に対して、5段階評価の5〈まっかせなさい)が2名、4が2名、3が5名、2が1名でした。まだ十分に自信をもってお世話するところまでには至っていません。あせらずのんびり、がしょんた塾の塾是。じっくり時間をかけて進めていきましょう。 最後に、アンケートに記された感想の一部を紹介します。 ●年末の1日、用事も多いときですが、こうして一日「やったなー」の気分が明日への希望につながります。よかったですよー。 |
■ 余話 カヤネズミとケナフを巡って ■■■■■■■■■■■■■■■■
朝日新聞12月17日の朝刊「ミニ時評」に「非木材紙の草ケナフ『結構づくめ』は本当か」と題する、清水弟<企画報道室>の署名記事がありました。まんざらご縁がないわけではなし、短いので無断ですが全文を引用します。 ====================================================================== 自動販売機のコーヒーを買うと、紙コップに「森林資源保全のため、非木材紙(ケナフ)を使用しています」と印刷されていた。ケナフはアフリカ原産の1年草。茎の太さが4,5cmで高さ4,5mに達する。成育が早く、多量の二酸化炭素を吸収して地球温暖化防止に役立ち、水中のチッソやリンの吸収効果が高く水質浄化になり、製紙原料でもあるというから、結構づくめである。 しかし、ケナフに疑問を持つ人もいる。大阪市立大の畠佐代子さんはこのほど「アンチ・ケナフ」のホームページを開いた。http://www.ne.jp/asahi/doken/home/charoko/kenaf/index.htm畠さんは河川敷や休耕田にすむカヤネズミを研究している。頭胴長5−8cm、体重7−14gと日本最小のネズミで、オギ、ヨシ、ススキなどに巣を作る。ケナフは日本の気候に合って成育が速く、耕作地のほか河川敷や空き地にも盛んに植えられているが、野外での成育データは不十分だから、「田畑のあぜや休耕田、河川敷の植物を刈り取ってのケナフ植栽はやめるべきだ」と主張する。「ケナフの会」〈広島県安浦町)や「ケナフ協議会」(東京都港区)のホームページをのぞくと、サミットが開かれるなど大変な活気だ。「自然環境を壊さないか」との質問には「セイタカアワダチソウのような植生への影響力はないので、休耕田をケナフ畑にしても、いつでも元に戻せます」と答えている。 ケナフ協議会の稲垣寛・会長も「生態系への影響は、絶対ない。米国でも証明されている」と断言する。しかし、「琵琶湖のヨシの代わりにケナフを植える案がある」と聞くと、何もそこまでと言いたくもなる。 畠さんのホームページからは推進派のホームページにもリンクできる。 ====================================================================== 引用以上 (ヨコ書き化とフォントの都合で、多少表記に変更があります) 畠さんは以前のたよりで紹介した「カヤ日記」の制作者。「誰もまだ見ぬ」しょんたのアイドル==カヤネズミの不思議な発見者です。ちなみにしょんた塾の事務所には、しょんたで取ってきたススキとイネのカヤの巣が飾ってあります。 法面保護に有用として米国に移植されたクズがはびこって厄介者になっている例や中国から日本に移植された竹の現在の様相を見ても、有用とされても外来生物の移入は慎重でありたいもの。アメリカザリガニも大タニシも善意の移入の結果。セイタカアワダチソウは始めから歓迎されざる侵入者ですし、ブラックバスやブルーギルなどの心無い放流が日本の水生生態系を危機に瀕せしめていることは耳新しい。メダカの絶滅がニュースになったからといって、安易にペットショップで買ったものを放流したりするのは、本質的には同じ結果をもたらしかねません。 休耕地にはびこったセイタカアワダチソウの領分にススキがその勢力を回復しつつあるのを見て密かに快哉を叫んでいます。しょんたではススキもヨシも毎年刈られることで健全な採草地に維持されています。クズ布やクズ根、クズ粉の復活を考えている人もいますが、さてクズばかりは草刈りの厄介者。ツルで刈り草を結束するのに利用することもあるけど。カヤくんたちは巣をかけないし、さて....。ヒガンバナもレンゲも移入植物、クズもそうだと聞いたような気もします。里山の景観を美しいと感じる美意識は、飢饉をしのいだ祖先たちの記憶の所産なのでしょうか....。 |
■ 余話 大つち、小つちってご存知? ■■■■■■■■■■■■■■■■
大犯土、小犯土って書くらしいだけぇが、だいたい奇数月の月末近くに、大つちの日があり一週間くらい後に小つちがある。暦(こよみ)の上では庚午(かのえ うま)の日から丙子(ひのえ ね)の日までが大犯土、戊寅(つちのえ とら)から甲申(きのえ さる)までが小犯土っちゅう訳だけぇが、面倒なんで暦を見て済ますな。この1月で言うと13日のところに「大つち、さんりんぼう」と書いてある。これがほれ「大つち」さぇぇ。小つちは21日だな。2月は無うて3月の13日が大つち、21日が小つちになっとぉ。 暦の説明じゃぁ、大犯土と小犯土が始まる日からそれぞれ7日間は土を犯すなとされとる。まぁ、耕したり植えたりはやめたほうがいいっちゅうこんだ。山仕事の衆はちょっと別の忌み、というか使い方をしよる。 大つちから小つちの間は、木や作物つまり植物だな、これが「水上げ」をする時だっちゅうことになっとぉ。地面の下から勢いをつけて水を吸い上げる、その音がするくらいだそうな。つまり、このあいだは、木は水分をたっぷり幹に蓄える状態になっとるちゅうことさぇぇ。 何でこれが大事かぁ。水をたっぷり含んだ木ぃは、そこで伐り出すと乾きにくいだけじゃのうて腐りやすい。したっけぇが材料には使えんというこんだ。乾かしてから使っても同じこんで、挽いてみれば大つち小つちの間に伐った木はすぐ分かるそうな。だから山仕事の衆は伐り出しの仕事は大つちの前に片づける。大つちの前の日に伐った木がいちばん素性がえぇ、という。明日から水をあげるぞっちゅうて、いちばん乾いた状態になっとるというわけだな。ちかごろは山仕事の衆の中でも、こんだことを言うなぁ年寄扱いされるらしゅうて...へへ、今どきの山仕事に若い衆はおらんだてぇ...事務所の衆はだいたい若けぇし、監督だのお役所の衆は若けぇし、迷信嫌い。大つちだの小つちだの関係なく伐り出してくる。違いが分かるひたぁ居なくなっただし、だいたい木を乾かすのも挽いてから重油を焚いてやっちまう。それでも、仕事で言われて伐るときはときを構わずやっちまうだけぇが、自分ちの普請の材料を伐ってくるときはそんだこたぁしねぇ。ちゃぁんと大つちの前の日に伐ってくるもんだ。大事に使うものを伐るときだけさなぁ。だいたい薪炭や堆肥だ敷き込み粗朶やらは1年2年のもんでたいした違いはないけぇが、普請ものは100年200年のものだけぇ。 大つち小つちの間は山仕事は休みかってぇ?そーっんだこたぁねぇ。伐り出す仕事はやらんでも他の仕事はたぁーっぷりあるし、その間にやったほうがいい仕事もある。大つち小つちの間の木や草はたぁーっぷり水を含んでて腐りやすいわけだかん、早く土に還したいものを伐ったり刈ったりすればいいっちゅう訳だ。いちばーん分かり易いなぁ、地ごしらえだいなぁ。昔は薪やら炭やら伐ったもんはみぃーんな持ち出してきて使っちまっただからコマイもんを伐る時期を考えるこたぁあんまりなかった。今だったら薪なんぞにはしねぇし、除伐した木は早く腐殖したほうがいいだけん、大つち小つちの間にやるのがいちばんだろ。 草刈りは、堆肥にせよ茶畑の敷き草にせよ、月うちの日取りなんぞは考えてもみねぇ。入り会いの刈り山は、稲やお茶の仕事の段落のつくのを見計らって刈り始めの解禁日が決められていたし、雇い人を使っちゃぁいけねぇ決めだかん、婆さんから娘から、家中総出で懸かったもんだ。自分の山の草は青みのあるうち、養分が根に落ちてしまわんうちに刈ったほうがいいってぇアタマはあったが大つち小つちは考えなかっただな。 大意は中川根での聴き取りがベースですが創作部分も少なくありません。 誤認、誤解、方言のおかしい点などのご指摘をいただければ、幸いです。 |
編集 特定非営利活動法人 里山仕事・しょんた塾
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