里山仕事・しょんた塾

しょんただより Vol.19


今日土曜日、しょんたに寄ってみました。れんげが一面に芽を出して、朝露に輝いていました。あたりが冬枯れても、小さな緑のまま春を待つ訳です。人が係わった自然だからのやさしさとたくましさに心が和みます。春も楽しみです。

もくじ

■ 12/9.10...樵の会間伐第2弾

■ この冬のしょんたの里山仕事

■ 新戦力登場!カッター大威力

■ 報告:意地レンゲ・諏訪原城


■ 12/9.10...樵の会間伐第2弾 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

樵の会が9日(土)10日(日)の2日間、岡部町で間伐。申込の締切が6日で間に合うかどうか微妙ですが、しょんたの会員でもある樵の会代表・遠藤さんまで申し込んで下さい。岡部町「玉露の里」駐車場に9時集合。例によってしょんたも機材協力。

 


■ この冬のしょんたの里山仕事 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

まずは以下の日程を新しい手帳にお控え下さい。里山仕事・本番シーズンイン。

 

12/16(土)17(日) しょんたの間伐・除伐・枝打ち・草刈り

1/20(土)21(日) しょんたの間伐・除伐・枝打ち・草刈り

2/17(土)18(日) しょんたの間伐・除伐・枝打ち・草刈り

3/ 4(日)    静岡森づくりフォーラム・ジャンプ

3/17(土)18(日) しょんたの間伐・除伐・枝打ち・草刈り

4/ 1(日)    惣寄合(予算・決算を2回に分けずに1回でやっつけます)

 

冬型気圧配置のしょんたは、北風を北東の尾根が遮ってくれ、東海沿岸の青空が広がり、いわば「毎日が小春日和」。気合いを入れて仕事すると汗ばむほどです。陽だまりには早くからフキノトウ、スミレ。今年はお茶も沸かせます。

 

肝煎寄合で話した結果、定例活動も特にテーマを決めず、集まったメンバーが「この指とまれ」方式で「今日は草刈り明日は除伐、たまにゃ火の番たき火三昧、昼寝うたた寝ご随意になされ」という調子で行くことにいたしました。

 

意地レンゲを蒔ききれなかった笹根田んぼの田起こし、積上げた笹根や刈り草をたき火にしてカリ肥料の補給。植えたコナラの支柱立て。補植。水路整備。林床の下草刈り。トンヅル切り。除伐。照度調査。薪つくり。枝打ち。間伐。竹林の間引き。竹林林床の整備。立ち枯れ樹木の伐倒・始末。物置小屋建設予定地の選定。トンボ池の再整備。梨ノ木平の草刈り。草・除伐枝条チップの堆肥化実験。乾田・湿田への草チップ敷き詰めによるササ・ヨシ抑制および土壌化速度の計測実験。植物観察の復習。道具の手入れ。食い物の採集。ネイチャークラフトの制作。正月飾り作り。読書。バードウォッチング。鍋奉行。泉の整備。執筆。諏訪原城址への遠征・竹伐り。赤坂の池周辺整備の見学..........

とりあえず思いつくまま列挙しましたが、どうぞご自由に追加・補足ください。どれかを選ぶか、新しいメニューを加えるか、参加する人の神聖なる自由。なお草刈りに絡む事項は奥村、竹林に絡む事項は矢許、除伐間伐枝打ちに絡む事項は高本、諏訪原城法ほか遠征に関しては増田、の各肝煎が相談に乗ります。

 

定例活動日以外の日でも作業することはできます。救急セット、チェンソー、刈払機など資材も提供できます。基本的に単独作業は避けていただき、保険を成立させる都合もありますので、肝煎総代に連絡だけはしてください。なお、散歩、デートその他作業を伴わない行動は連絡の必要はありません。


■ 新戦力登場!カッター大威力 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

静岡県緑化推進協会の助成金22万円が11月2日交付されました。10月22日の惣寄合で成立した補正予算に基づきカッター(\297,675)を購入しました。11月23日には支払も完了。

6馬力1枚刃自走式の頼もしいヤツ。スペック上は直径3cmの枝まで投入可能。果樹園などで剪定枝を短く切って堆肥化する用途などに使われるもの。しょんたでは刈草や除伐木、竹の枝や穂先をチップ化して堆肥にしたり、散策路に敷き詰めたりといった用途に活用の予定。

 

採草地から決まった草を決まった時期に決まった方法で刈り集めて貯蔵し、茶畑に敷き込むやり方は、里山仕事のひとつとして適切な伝統技術体系が出来上がっています。

 

耕地の草押さえとして適度の堅さを持ち、空隙を保持することによって雑草の発芽や成長を阻害し、余り短期に分解しない。しかし分解後は有効な有機成分を土壌にもたらす....最も優れているのはススキで、ヨシ、ササがこれに続くとか。

 

単に農閑期に入るから草刈りに取り掛かるわけではなくて、植物の地上部分が成長を止め(つまり最大に成長した状態)、翌春に他を圧して急速に成長し光合成競争において有利な位置を占めるための養分を、十分に地下茎に蓄え終えたタイミング、で刈らなければなりません。タイミングを誤れば、敷草の性能が不十分で、翌春の競合優位を他の植物に占めさせ、採草地の生産性を劣化させることになります。

 

牧ノ原のクロボク土の由来はススキであったらしい、そうです。ススキが何百年といった単位で継続して優位を占める草原、というのは自然なことではありません。ススキが極相の草原、なんてのは日本の気候ではあり得ないことで、ススキ草原は木本植物が侵入して数年で遷移していってしまいます。クロボク土を造った牧ノ原のススキ草原は、ヒトの継続的な営為で維持されてきたことは明らかです。「牧」というコトバからすると相当な期間、牧草として利用されたものと思われ、現在の敷草としての利用の技術の体系は、途中で変化してきたものでしょう。

 

道具(鎌の種類)、刈り方(斜面に対して刈っていく方向・幅)、1次的な束ね方(一つかみの本数・結束の素材:刈り草)、小束を放置して自然乾燥させる工程・日数、大束ね(小束ねの集積数・結束素材:クズ、ツル類)の方法、大束ねを塚に仕立てる方法(水はけを良くし分解を遅らせる積み方)...etc.,敷き込みも、草押さえとしての期待期間・分解しミミズが繁殖して有機土壌化する期間・ミミズをエサにするモグラが跳梁跋扈して茶の根を痛めないように、など頻度や1回に敷き込む厚さにいたるまで優れた技術体系になっています。

 

閑話休題、こうした技術体系の継承・伝承は、しょんた塾の目標の一つで、実はカッターの導入はあえていえば「邪道」。適度に乾燥させて運搬を楽にした知恵も、塚に組んで冬の風景を演出し、刈取りと敷込作業との時間的なずれを調整して労働負荷を分散させる....カッターの能力はこれらの体系を破壊的に変化させていきます。

動力刈払機もいわば伝統技術破壊の元凶で、ともに化石燃料を消費して時間あたりの単位作業の効率を最大にすることは確かだが、前後の工程との組み立ての合理性や負荷の集中・分散度を考慮したコストパフォーマンスは果たして?

 

じぃちゃ、ばぁちゃが仲良く冬陽の下でゆっくりゆっくり手刈りし、束ねて塚をこさえていく脇でバリバリ刈払機を振り回しながら「俺らぁどうやらウサギぢゃわなぁ。どうも結果はジジカメ・ババカメに先を越されそうな....」

 

月イチボランティアの哀しさ、時間効率もばかにはできないので、いずれ伝統技術体系の継承の機会を、と念じつつ刈払機もカッターも精々活用いたしましょう。某日某所試運転したところ実に確かに強力パワフル。草束も竹の穂先、細い小枝の類いはアっという間にチップの山にしてくれます。細かくすると体積が大幅に縮小することも実感....威力は冬のしょんたの里山仕事で実感されたし。剪定枝なんぞもどうぞお運び下さい。


■ 報告:意地レンゲ・諏訪原城 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

10月21,22日の田起こし・レンゲ蒔きは参加者延べ数19人、種まきまで至った田んぼは昨年の倍、約3畝に拡大しました。たより冒頭の描写は高本肝煎の12月2日の記述....メールでいただいた文章をそのまま借用しました。

この日いちばん活躍した道具:某氏が浅草河童橋で買ってきた焼き鳥用ウチワ

思いのほか意外に活躍の道具:10年間眠ってて復活した落合さんちの耕耘機

              あっという間に分解掃除。シリンダまで解体し

              て修理してくれたスズキ自販の両M会員に感謝。

 

11月11、12日諏訪原城祉馬場跡のヒノキ林間伐の参加者は延べ36人。うち会員以外から17人。間伐(ほぼ)完了面積は5反歩。伐木数は約180本。黙々と伐って倒して払って玉切ってた樵の会Sさん率いる4人組の能率。ベンチ作りや枝打ちにとアチコチ浮気しながら作業してたE会員率いるグループの愉しみ方。手ばやい準備でおなかの底から暖まったS会員のモツ鍋。

 

この日いちばん活躍した道具:掛かり木の処置に絶大な威力を発揮「木回し」

思いのほか意外に活躍の道具:小たき火の風防に威力・拾ってきたコルゲート


       編集 特定非営利活動法人 里山仕事・しょんた塾

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