里山仕事・しょんた塾

しょんただより Vol.27



お彼岸にはまだ間があるのにすっかり春です。牧ノ原公園のカタクリはちらほら、サクラは開花直前、しょんたのスミレ、タンポポはもう盛り。気の早いワラビまで見つけることができました。お隣の菊川・上倉沢では20人ほどが棚田の畔塗り。今年も新たに何枚か耕作再開の合意が得られたようで、昨年までの草田が田起こしされていました。林床も土手も田んぼも、人手の跡のあるところでは春がいっせいに競い合っています。

もくじ

■ 惣寄合招請、会場確定しました

■ 日程変更!!諏訪原城址竹退治

■ 報告:森づくり教室・椎茸菌打

■ 報告:植栽 笹間上 陣屋ノ段

■ 紹介:やま・さと・もりの企画


■ 惣寄合招請、会場確定しました ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

3月31日(日)第5回定例惣寄合の会場が決定しました。金谷町交流センター2皆ホールです。場所はしょんた塾事務所の5軒下手。駐車場がお茶祭りの準備でふさがっていますが、交流センターのさらに下手、ビデオ屋さんの隣に駐車できます。

1時にお集まりください。資料綴じなど作業の後1時半くらいを目処に開会です。議事録のためミトメ印をお持ちください。カヤネズミのビデオ上映します。

惣寄合の成立・議決には会員資格の確定が必要です。会費が未納の方は急いで入金をお願いします。正会員(議決権有り)会費は年額3千円、賛助会員(議決権なし)は1口2千円です。賛助会員であった方が正会員になる場合は入会金(2千円)は免除されます。入退会は自由ですからご遠慮なく連絡ください。


■ 日程変更!!諏訪原城址竹退治 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

前号でお知らせした日程を4月14日から1週遅れの21日(日)に急遽変更します。日取り以外は変更なし。肝煎総代の大チョンボ。お詫び申し上げます。

4月13、14日は金谷茶祭り。2年に1回の町を挙げての大祭りで、しょんた塾事務所の前の通りは、終日茶娘踊りや各町内の屋台がひきまわせれて大変な賑わいです。例年前庭でバーベキューをやっていますので、見物ついでにどうぞ。

お茶祭りが終わると金谷はお茶の本格シーズン入り。お茶以外のことをやってると肩身が狭い季節に入るのですが、21日あたりはかろうじて茶摘みもハシリ。ん、今年は早いかな?

 


■ 報告:森づくり教室・椎茸菌打 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

2月17日(日)金谷町が大代地区で進めている森づくり教室、今年はシイタケの菌打ちでした。しょんただよりが間遠なため連絡が直前となってしょんた塾からの参加は2人半。全体では大代小学校の緑の少年団や大代地区のひとびと、植林組合や一般の参加者も結構あって約300人。

朝一到着早々に農林課長さんから依頼で、植林組合の衆と一緒にコナラの搬出と玉切り。千本以上のホダ木を用意するのは結構たいへんで、たっぷり汗をかかせてもらいました。この日は、午後から天候が崩れる、との予報で、役場の職員も気もそぞろ。トントン運んでそれぞれ5本のホダ木をお土産に持って帰りました。


■ 報告:植栽 笹間上 陣屋ノ段 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

3月10日(日)川根町は笹間上、加賀沢詰の陣屋ノ段、例年にまして早い春のポカポカ陽気。集まったのは約30名。主宰の増田さんの当初の希望人数には及ばないものの心配したほど手薄でもない、というビミョーな参加人数。島田方面からのアクセスルートに通行止めが発生したため、遠回りを余儀なくされて集合時間が若干遅れるハプニング。それでも10分以内の遅れで全員到着はたいしたもの。打合せもそこそこに分乗して林道を現地へ。

山主の岡村さんが用意した苗木はヒノキ800本、コナラ200本とケヤキを1本。最初に全員でコナラを植える。頂上部の比較的平らな場所に植え始める。

地拵えの時に指摘されたように、伐採・ケーブル搬出時の積出し場所に使われたこともあって、現場には20cm以上のヒノキ葉が堆肥状に積もっている。これを除けてから露出した土に植える穴を掘るため中腰でのかなりの重労働になる。増田さんの行動提起にあったビニールは、植付け苗の根に堆肥状の落葉を接触させず、土だけを寄せるために掘った土を置いておくためのもの。岡村さんによると、落葉が土中で発酵すると60度以上にも発熱し、そのために植付けた苗の根がやられて活着せず枯死、という失敗が少なくない、とのこと。

陣屋ノ段から無双連山の尾根を西に越え、大井川を渡った山の上、中川根の白羽山に集う会が行った一昨年の植付けの際には、少々指導が行き届かなかったために中学生が植えた数百本が全滅だった、などという例もあり、最初の高本さんの技術指導もこれらを強調されていたので、参加者はかなり神妙。

コナラ200本を約1時間かけて植え終わり、さてこの様子ではヒノキがどこまで植付けられるか?山主さんは、残れば自分でのんびりやりますから、と至って鷹揚に構えておられるが、少々心もとなさを禁じえない。

15分ほどの小休止の後、斜面の等高線沿いに参加者を一列に並ばせ、1.8メートルの文字通りの間尺を手に、順次最大傾斜線に沿って下に植付けていくやり方でスタート。はじめは緩い傾斜で中腰仕事だったのが、数本植える間に傾斜がどんどん強まって、胸の高さぐらいの位置を掘るようになる。さらに地拵えもマシな所になり、落葉の堆積が少なくて能率が急速に向上。はじめは女性と中学生がやっててくれた苗運びも、あちこちから声が掛かって、まさに蝶が舞う如く。どんどんはかどって「昼メシー」の声が掛かるころには「脇目も振らず」状態。

昼食は風速5メートル程の風もシマ(地拵えで積上げた枝葉の堆積)のカゲで除ければお天道サマがポカポカ。風は作業にかかれば却って心地よいほど。遅れて午後から参加した大学生と小嶋教授、チョウチョ役は却って疲れると植付けにまわった女性・中学生の戦力参加もあって、昼食後1時間半ほどで用意した苗のすべてが植付け完了。快挙。

山主さんいわく「シロウトなんぞにやってもらったら後の補植が大仕事」と危惧する山仲間が多いが、今日の植付けを見るかぎりその心配はない、とタイコ判が押せる、と。

植付け地の植生状態からすると、今年は苗が埋もれるほどには草は茂らず下刈りの必要はないだろう、という見立て。それでもやはり岡村さんのタイコ判がホンモノかどうか、ウサギやカモシカの影響がどうか、夏には見に来たいねと言い交わして山を下りました。

 


■ 紹介:やま・さと・もりの企画 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

以下、紹介するのは基本的に転載です。自薦他薦あまたの受信分から、独断と偏見、義理と人情と好み、趣味で選んだものを掲載します。体裁を合わせたりカタチを揃える都合上多少の割愛その他があることは送信者もご了承願います。

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まずは、しょんた塾設立以前からの賛助会員であり、不思議な「もりのポータルサイト」の主宰者、北遠林業を担わんとする静岡県職員のH氏からのご案内

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4月20日は、森林バイオマスを考えるセミナーを佐久間町で行われます。こうしたこともないと佐久間町に行く機会もないと思いますので、皆さんご一緒にきていただけるとうれしいな。

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     ■■古代ミステリー合宿会議 第3分科会の御案内■■

■「森は21世紀のエネルギー源だ!林産地天竜で森林バイオマスを考える」■

 長い歴史の中で、森林は木材とエネルギーの供給を担ってきました。20世紀の後半、化石燃料の普及により森林のエネルギー供給の役割は終わったかのように見えますが、21世紀には地球環境と共生するエネルギー源としてあらためて注目され始めています。

 古代ミステリー合宿会議・第5分科会では、林業・木材加工関係者を始め、森林エネルギーに関心のある市民・学生・研究機関・行政の方々と共に、森林エネルギーの理解を深め、山里での森林エネルギーの利用を林産地天竜で考えます。

 なお、古代ミステリー合宿会議は、静岡県と北遠地域の5市町村で構成する空と緑のロードパーク計画推進協議会が主催する「民の暮しクロスロード市INAKAX2002」のセミナーとして実施します。

●日  時:平成14年4月20日(土)午後2時30分から午後5時

●場  所:歴史と民話の郷会館(静岡県佐久間町役場内)

●主  催:空と緑のロードパーク計画推進協議会

●共  催:フォレストピア北遠広域交流推進協議会

●企画運営:民の暮しクロスロード市 INAKAX2002実行委員会

        第5分科会担当 酒井章博(杉川上夢プロジェクト)

●連絡先 :〒431-3313 天竜市二俣町鹿島559

        北遠農林事務所森林整備課内

        電話 0539−26−2327

        Email wbs37179@mail.wbs.ne.jp

        HP  http://www.inakax.com/

 

・コーディネーター 小島健一郎氏(木質バイオマス研究会事務局長)

 日本における木質バイオマス利用の可能性、その方策ほかの研究と普及に取組む「木質バイオマス研究会」の要。世界の事例から日本の状況まで幅広い認識の中で司会を務めます。

・パネリスト 中川重年氏(神奈川県自然環境保全研究センター研究部専門研究員)

  雑木林の再生を始めとして、休日は全国を飛び回る行動派研究員。その活動範囲はとどまるところを知らない。今回は注目の「森林エネルギーとはなんだ」をわかりやすく解説します。

・パネリスト 西岡泰久氏(伊那谷森林バイオマス利用研究会事務局長)

 天竜川の上流で動き出した森林バイオマスへの取組み。市民との協働で進める活動を報告します。

・パネリスト 高橋保市氏(株式会社タカハシキカン代表取締役会長)

 昭和10年創業のボイラーメーカー。発電装置付ボイラーなどバイオマス利用技術の現状とこれからを発信します。

・パネリスト 森口定介氏(静岡県龍山村森林組合長)

 村内全世帯にスギチップを使った生ごみ処理機を配布した龍山村。その経過と現状、これからの森林資源の活用を報告します。

・パネリスト 藤浪健二郎氏(静岡県農林水産部林業振興室技師)

 森林バイオマス利用の静岡県の現状とこれからを報告します。

●同時開催:森の知恵暮し見本市・農家の馳走直売市・天竜木オークション

        (天竜市民体育館)

●参加方法(詳しくはhttp://www.inakax.com/tabi/)

 宿泊参加(バス) 集合 JR浜松駅(12時30分)

  15,000円(1泊2食・火明かり通信復活イベント付き)

 日帰参加(バス) 集合 JR浜松駅(12時30分)

   3,000円

 日帰参加(自家用車) 集合 歴史と民話の郷会館(14時30分)

   1,000円

 

●静岡県佐久間町(http://www.enshu-net.or.jp/sakuma/)

愛知県と接する天竜川中流の山間の町です。町内には中央構造線が通り、会場となる佐久間町歴史と民話の郷会館はその上に位置します。また海と山を結んだ塩の道も通っていました。そんな佐久間町は、日本の文化の交差点であり、多くの民話や花の舞などが伝承されています。近代では、金原明善翁の治山治水事業、佐久間ダムの電力開発が有名です。天竜市街から車で約1時間かかります。

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複数のメーリングリストや紹介者から送られてきました。本来の直接発信元を捜しましたがたどり着けないでいます。内容については信頼できると思います

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■■■ 田んぼのめぐみ 「生きもの目録」シンポジウム ■■■■■■■■

    テーマ 百姓仕事と生きもののにぎわい

                       主催「農と自然の研究所」

                       後援・トヨタ財団ほか

 

何もいない川よりもメダカやフナのいる川の方が、どうしていいのでしょうか。何もいない空よりも、どうして赤トンボや黄アゲハの飛ぶ空の方がいいと感じるのでしょうか。何もいない田んぼよりも、オタマジャクシやタイコウチやクモや糸トンボのいる田んぼの方が、どうしていいのでしょうか。

 カエルは、生まれた田んぼにもどって来て、卵を産みます。赤トンボは、今年もはるばる東南アジアから、この国の田んぼに産卵のために、飛んできます。ウンカ糸片虫はじっと田んぼの土の中で、中国からのウンカの飛来を待っています。かつては、これらの生きものにはカミがタマシイが宿っていました。生きものは百姓のそばで、一緒に生きてきました。

 やっと「科学」も、こうした カネにならない生きものの大切さを「生物多様性」と位置づけ、価値を見いだそうとしています。しかし、虫見板による「ただの虫」が発見される前までは、近代化農業は生きものを排除・防除・駆除してきました。

ところが、こうした身の回りの「自然の生きもの」は百姓仕事によって育てられ、守られてきたのです。そのことを、やっと胸を張って主張するシンポジウムを福岡と東京で開催します。誰でも参加できます。この国の「農」と「自然」の再建のため に、あなたの力が必要です。

 

《福岡会場》

2002年3月23日(土)午前10時〜午後5時  【資料代1000円】

●会場   九州大学農学部4号館1階大教室

  地下鉄貝塚駅下車徒歩5分(福岡市東区箱崎)

 

午前の部  基調講演「この国の農の行方・新しい価値観」

           中島紀一(茨城大学教授)

      基調報告 宇根 豊(農と自然の研究所代表理事)

 

午後の部  生きものと百姓仕事の関係を考えるパネルディスカッション

 

パネリスト 横川 洋 (政策・思想:九州大学)

      日鷹 一雅(生きもの:愛媛大学)

      藤瀬 新策(総合:百姓)

      廣岡由香利(生きもの:農水省土地改良企画課)

      東  和敬(トンボ:元佐賀大学)

特別ゲスト 嶺田拓也(植物:愛媛大学)

 

 

2:《東京会場》  

2002年4月13日(土)午前10時〜午後5時 【資料代1000円】

●会場   東京大学弥生講堂(文京区弥生1-1-1)

 

午前の部  基調講演 山下惣一(百姓)「農の価値」

      基調報告 宇根 豊(農と自然の研究所代表理事)

 

午後の部  生きものと百姓仕事の関係を考えるシンポジウム

 

パネリスト 守山 弘 (生きもの:元農業環境技術研究所)

      松沢 政満(総合:百姓)

      宮元 均 (政策・生きもの:農水省)

      堀井 修 (総合:農業改良普及員)

      新井 裕 (トンボ:むさしの里山研究会)

      日鷹 一雅(生きもの:愛媛大学)

      池田 啓 (動物・コウノトリの郷公園)

特別ゲスト 鷲谷いづみ(植物・思想:東京大学)

コーディネーター 宇根 豊 《敬称略》

 

 

このシンポジウムのねらい

 

カネになるものだけが、農業生産物ではない百姓仕事が「自然」をつくっているんだ

昨年、農と自然の研究所の呼びかけに応えて、全国で六千人が『生きものガイドブック』を手に、田んぼの生きもの調査に取り組みました。その目的を明らかにするために、このシンポジウムを開きます。

メダカに守ってもらう

 たとえば、田んぼを埋め立て、道路をつくる計画がある。田んぼと道路を、天秤にかけ、多くの人が道路の方が重要だ、と考える。なぜなら、田んぼは減反で余っている。さらに、米はその田んぼの米ではなくても、米どころから買えばいい、と言う。

 ところが、その田んぼの横の小川に、メダカが見つかると、事態は一転する。メダカは絶滅危惧種で、貴重だ。しかも、そこに、いつも、あたりまえにいる、からこそ価値があるもので、遠くに見に行ったり、買って来ればいいものではない。だから、メダカを守るためには、道路の計画は中止しよう、という住民合意が成り立つ。田んぼはメダカによって、守られた。

そこに、いつもいないといけないワケ

 田んぼが生みだす「生産物=食料」であるコメが、どこからでもカネで、買うことができるようになり、地元に田んぼがなくてはならない理由が見えなくなったのだ。ところが、同じ田んぼで生まれ育つメダカの方は、代替できない。だから、メダカを育てる田んぼも代替できない、という理屈になる。これは、百姓にとっては屈辱的な論理のように思える。農業の価値は、カネに換えられる「生産物」だけで、表現し、評価してきたからだ。ところが田んぼでは、カネにならない、私たちが「自然」と呼んでいるものが、いっぱい生産されていたと、考えたらどうかな。

 『めぐみ台帳』を自分の田んぼでつくることは、このことを百姓が自覚し、田んぼと百姓が、「いつもそこに存在しなければならない」という国民合意を形成することが目的なのだ。「米」と、「自然」は切り離せない。

2400年めの、新しいまなざし

 これから百姓は、百姓仕事の中で、こうした生きものや草花や風景にまなざしを注ぐのです。それを消費者に伝えていき、そうした時間を「労働時間」として認め、そうしたまなざしを「農業技術」として形成していくのです。

 農と自然の研究所が作成した「生きものガイドブック」を手に、この国の稲作の歴史の中ではじめて「生産物」としての生きもの(めぐみ)が調べられました。その結果をもとにして、これらの「自然」の生きものが、いつも百姓のそばにいた意味を明らかにし、新しい百姓仕事の役割と、未来の政策を構想するために集まるのです。さあ、あなたも。

【問合先・主催者】

事前申込はいりません。会場の地図はFAXで送りますので連絡してください。

〒819-1631福岡県糸島郡二丈町田地原1168 電話とFAX 092-326-5595

農と自然の研究所 Eメール:n-une@mb7.seikyou.ne.jp

 


編集 特定非営利活動法人 里山仕事・しょんた塾

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