里山仕事・しょんた塾

しょんただより Vol.6


1999年7月6日

もくじ

■ 7月17日諏訪原城址3号堀伐竹

■ 7、8月のしょんたでの活動予定

■ 申請書、補正の補正のまた補正?

■ 雨中のヤブコギから始まった....


■ 7月17日諏訪原城址3号堀伐竹 ■■■■■■■■■■■■■■■■■

6月30日に金谷町教育委員会と、打ち合わせて来ました。計画は以下です。当日は、教育委員会から来ていただいて、中世城郭遺構諏訪原城の解説付き。

日時 7月17日(土)雨天の場合は、翌日に順延。雨天決行はありません。
当日朝7時の時点で雨が降っていれば順延です。不明の場合は肝煎総代に問いあわせてください。

時間
活動計画
09:00

しょんた集合 参加確認ののち、諏訪原城址駐車場に向かう

09:30

現地説明会  国指定史跡諏訪原城の概要と現状の視察、林況把握

10:30

3号堀にて  伐竹の基本的なやり方の解説、行動上の注意の伝達

10:50

作業開始   主に作業の技能・技術習得、作業進度のデータ収集

12:00

昼食

13:00

作業開始   主に班指導上の工程・安全管理知識の習得が目標

16:00

反省会

活動準備
目 標

しょんた塾で初めての作業企画です。今回は冬の竹伐りと違い、竹林の管理や材料として利用する伐り出しではなく、夏に向かって養分を蓄積し始める前に伐採することによって勢力を消耗させ、2,3年繰り返すことで侵入した竹を絶やしてしまうための作業です。来年度以降に、広く呼びかけて一般参加者を募って行う際の指導者の養成が第2の目標です。作業の効率の追及ではなく、初心者の技術指導と安全管理がなにより大切です。今回の活動を通して、意識的に他人の作業と行動を見る目を養うこととします。

道 具

ナタ、ノコギリ..とりあえずありあわせで。教育委員会から数挺用意していただきますので、手持ちが無い人は丸腰でも借りて作業できます。テストを兼ねて道具の能率を体験することも目標のひとつです。慌てて購入する必要はありません。草刈機をお持ちの方はご用意下さい。燃料はこちらで25:1の混合ガソリンを用意します。

服 装

長ズボン、長袖シャツ(できれば作業用の上着)、帽子(あればヘルメット)3号堀は空堀ですが底には水が溜まっています。土手の登り下りもあり、滑って転んで、と、かなり汚れることを覚悟した服装にして下さい。蚊もたっぷり居るでしょう。

履 物

ゴム長、ワークブーツ、安全靴、地下足袋など。踏み抜かない靴底と、くるぶしまでを保護し、裾さばきの始末が良く、ときどき出くわすマムシの牙を通さないものが望ましい。

手 袋

軍手の購入には及びません(準備あり)。革手袋(作業用)がお薦め、いくつかサンプルを用意します。これもいろいろ試してみてから自分に合ったものを購入しましょう。

装 備

タオル(2本以上)、雨具(念のため)、腰からつるす蚊取り線香入れ筆記用具、スチールメジャー、飲物、オヤツ、弁当(コンビニも近い)


■ 7、8月のしょんたでの活動予定 ■■■■■■■■■■■■■■■■■

いくつかメニューを提示しておくことにします。ご希望の作業をお手持ちの道具と時間を勘案しつつ現地で相談しながら進めましょう。なお、これらの活動には保険は設定しません。
掲示板制作、工務店資材置場下のモウソウの伐竹、クロチク林の手入れ、5年生ヒノキ林の下草刈り・トンヅル切り、10年生ヒノキ林の徐伐・トンヅル切り、30年生スギ林・雑木林の林床のササ刈り、休耕田・水路脇のヨシ・ササ刈り、トンボ池・材料置場用のゴロ石集め、道路脇の草刈り・ゴミ拾い、植生調査の続き...etc.,

以下は肝煎総代のしょんた行き日程。これ以外の日程での皆さんの活動予定は相談に応じます。肝煎総代が居なくてもできる作業はたっぷりです。

7/18、7/25、7/30,8/1、8月は土日が全部ふさがってますが、逆に平日はお連れがいらっしゃれば出掛けます。なお「お盆」は山には入らないのがしきたり。


■ 申請書、補正の補正のまた補正? ■■■■■■■■■■■■■■■■■

6月17日のNPO推進室で「補正」の打合せにしたがって30日に「差替申出書」を提出、20数項目の補正事項をやっとコナしてホッとしてると、7月3日の夜9時過ぎにNPO推進室から電話がかかってきました。

こんな夜遅くに、しかも閉庁のハズの土曜日....差替書類にまた不備とのこと、NPO推進室の熱意にはアタマが下がります。月曜日に再度書類を作って火曜の朝イチに速達。2度あることはナントヤラ、まだまだあるかな「開き直り」。

県内で4月に最初の一陣5団体が認証を受けたのに続き、6月29日に2団体の認証が出ました。第3陣にしょんた塾とあと3団体ほどが第3陣の予定らしい。ヒトのアシを引っ張らないように速やかな補正で対処します。いまのところ「早くて7月中、遅くとも8月には」という見通しは、そのまま。

6月30日静岡市呉服町の「ふじのくにNPOセンター」の開所式があって、しょんた帽に作業服の「しょんた塾総代正装」で列席してきました。県民の自主活動に利用できる施設で、会議や打合せの会場や、印刷設備、図書・資料が整い、インターネットにもフリーに接続できます。肝煎連でバタバタとやっつけた「活動紹介パネル」も掲示されています。静岡へお出かけの際はどうぞ。


■ 雨中のヤブコギから始まった.... ■■■■■■■■■■■■■■■■■

梅雨さなか6月26日、定例活動:しょんた植生毎木調査をおこないました。参加者は11名(女性1名)株式会社サイトプランニングの若き専門家、山野さんと「趣味の延長」で来てくれた県環境部森づくり室の佐藤さんの指導。

「雨天決行」の前触れ通り、集合時刻にはしっかり降ってます。お向かいのHさんの倉庫で雨宿りしながら、「今日はまぁ、遠いトコから講師が来てくれてるし(山野さんは浜北、佐藤さんは沼津)講師の説明と、雨の雑木林の散策で概況調査のお茶を濁そーか」なんぞと日和見主義者=総代は考えてました。

ところが高本肝煎、佐藤講師のほか、飛び入り参加の県庁農林水産部林業振興室のSさん、志太榛原農林事務所のMさん....(なぜかこの日は林業バリバリのコームインがやたらと多かった)などは雨など屁にもかけない猛者達。山野先生ともども「そんじゃまぁ、森林簿の小林班の林種記載と現況がどれくらい一致してるか確認しましょ。総代ドノ、案内して下さい」ときた。

森林簿というのは、5年ごとに航空写真を元に役所(農林事務所)が法律に基づいて調査、記載された森林の国勢調査(みたいなモノ)の記録。図面と表で構成されて、どこがどんな林地になっているのかが小林班(ショーリンパン=同一植林期の区画になっていて、植林、下草刈り、徐伐、間伐の補助金の単位でもある)ごとに記載されている....お役人が多いとこういう解説はお手の物。

総員カッパを着込み一番ヤブが茂ってる小林班から踏査することにする。雨はますます降りしきる。山主のおじちゃんから事前に教えてもらってた記憶が頼りの総代を先頭にヤブに突っ込む。「刃物は不要」とナタもカマも持ってこなかったことを後悔しても遅い。ひたすら、かき分けて1列で進む。

ヤブとはいいながらも、隣の山主さんが徐伐・下刈りしたところ、植えた時期が明らかに違っていたり、境木(さかいぎ)とおぼしき木の列があったり、とおのずと小林班にはそれなりの区画が確認できることをみんな納得。「と」の13番(小林班の名前)から26番までを踏査。湿度が高い中、汗グショで開けた所まで出ると、おぉ、雨が上がり西の空には晴れ間も覗いてきた。おおがまちの電線テーブルに戻って午後の作戦会議と昼食。テーブルの上を覆うエゴの花は終わって、隣のネムの花が開き初めている。

佐藤講師の話。ネムについて2題。東南アジアに行くとネムは一番ありふれた樹種で種類もたくさんあり、しかもみんな常緑。間氷期に温暖化の一環で南から進出してきたマメ科植物が、寒冷期に南に戻るか、移動できないで衰退していったとき、落葉する形質を備えて冬の寒気・乾燥期を生き延びた連中が残存しているものだろう、と。

成長が早くて枝を長く伸ばすが材質は柔らかい。夏の木陰に良く冬には落葉するので明るい、とネムを街路樹に使った都市の担当者は、常緑で手間がかからんだろう、とクスを植えた担当と並んでアタマを抱えることになったという。常緑樹といっても葉っぱが永久に生きてるわけではない。秋の落葉は風で飛んでっちゃって気にならないけれど、春先の芽吹き時に盛大に葉を落とすクスを街路樹に使うと側溝が詰まるやらなにやらで近隣からモンクが来る。ネムは枝折れ、落枝が多い。台風でも来た日には道路上に延ばした長い枝がこれまた盛大に折れ落ちてドライバーやケーサツからモンクが来る、というわけ。さて、午後は当初の予定通りプロッティングして毎木調査。晴れ間が時折のぞくとは言え、条件は良くないし、通常なら20m×10mの区画を複数作るのだが、10m×10mをいっこで済ますことにする。これをさらに5m×5mの4区画にして2班が2つづつ調査。プロットする場所は一番手近で植生の種類が多そうな、おおがまち田んぼのすぐ東の斜面に決める。もうひとつの候補地だったウワミズザクラ、ヤマザクラの多い斜面は林床のササがずいぶん伸びてて濡れるからカナワンというので今回はパス、次回回し。コンパスを出すまでもなかろ、と3m4m5mの三角形をつくって直角を出し、区画を決めてビニールヒモを引き、毎木調査を開始。マジメにトントンと調査を終えました。山野講師曰く「今日は疎林で良かった、小潅木が茂った薮だと5m区画で100番(本)以上プロットすることになる、今日の区画はせいぜい20番台でしたもんね」と。

講師謝礼代わりのしょんた帽のお礼だそうで、パソコンで作図した図面と調査結果を後日届けていただけることになりました。

この日、19日の静岡の講演会で講師の中川さんから教えてもらった、と定例会に参加した地元金谷のMさんが入会。静岡に通勤する産業翻訳の専門家。登山歴はヒマラヤを含め「極めた」ヒト。岩と氷雪の世界からピッケルをカマに持ち替え里山に転進です。野良仕事、山仕事は堂々たるシロート。


編集 発行 里山・環境 NGO/NPO 里山仕事・しょんた塾

 

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