里山仕事・しょんた塾

しょんただより Vol.7


1999年8月22日

残暑は厳しいですね。それでも、しょんた塾事務所のアケビは実が百個くらいぶら下がって色づき始めました。コナラのドングリも丸々と太ってきました。

もくじ

■ NPO法人設立手続完了しました

■ 9月18日しょんた応急手当講習

■ 秋以降の活動について、いくつか

■ 報告 汗汗汗の諏訪原城址3号堀

■ 余話 カヤネズミの巣って本当?

■ 短信 たより6号から、これまで

 


■ NPO法人設立手続完了しました ■■■■■■■■■■■■■■■■■

8月19日静岡法務局島田出張所にて法人設立登記が完了しました。6日に静岡市の「ふじのくにNPO活動センター」にて県知事からの認証書をいただき、法務局との打ち合わせの後17日に登記を申請、受理されましたので、しょんた塾は晴れて「特定非営利活動法人里山仕事・しょんた塾」となりました。形式上、設立の日は平成11年8月6日(設立手続が完了した日)、登記の日が8月17日となります。

8月6日の認証書の交付では、ほかにヘルスブレインネットワーク(浜松)、もえぎ(韮山)の2団体が認証され、これで県下のNPOは計10団体になりました。しょんた塾は当日の交付の順序からすると9番目のようです。静岡新聞(8月5日)、中日新聞(8月7日)にそれぞれ報道されました。

19日、これを受けて県知事宛に「法人設立登記完了届出書」を提出。この届けは今後の県の窓口ともなる志太拝原行政センターに持参しました。同時に金谷町と県税事務所に法人町民税、県民税均等割の免税を申請、受理されました。ちなみに設立から登記にかかった費用は、書類の作成実費を別にして、法人代表者印の制作費3万円、登記申請の際の申請人の印鑑証明3百円、完了後の登記簿謄本、印鑑証明の費用2千5百円、が全てです。法務局(島田出張所)金谷町(税務課)志太拝原県税事務所といずれも初めてのNPOの受け付けで、ご担当のかたがたは戸惑いながらも急遽申請書式を課長さん自ら作っていただくなど、それぞれ親切に対応していただき、滞りなく処理を進めていただきました。紙面を借りてお礼を申し上げます。

登記はまだでしたが、認証を受けた報告をかねて8月9日孕石金谷町長と面談してきました。欧米流とは違う地域社会のありかたを模索するうえで、NPOの存在を一つの重要な要素として考えていきたい、キクガワモロゴの保護などについてもできる協力を考えて欲しい、とのことでした。棚田景観、諏訪原城や牧ノ原公園のカタクリ自生地などについて意見を交換、今後の行政としての支援を約束していただきました。

特定非営利活動法人(NPO)の設立が完了して一段落ですが、これはほんの出発点、活動の中身の充実で関係者の期待に応えるべく、ノンビリ、ジックリ頑張っていきたいと思います。

※ 登記が完了しましたので、金谷郵便局に法人名義での貯金口座を開設し、3月の設立総会以来現金で管理してきた会のお金を全額(53,373)預け入れてきました。これ以降のしょんた塾の出納はすべてこの口座を通じて行うことにします。あわせて振替送金(入金)口座の開設手続を行いましたが、こちらが利用できるのは9月初めになりそうです。利用可能になり次第、会費をこちらに入金しようとお待ちの会員に振替用紙をお送りします。70円ですが、送金手数料はご負担いただくようにお願いします。


■ 9月18日しょんた応急手当講習 ■■■■■■■■■■■■■■■■■

9月の定例活動は、野外活動で想定されるケガや急病時の応急手当の講習会を行います。講習時間は9時〜12時。講師に金谷消防署から来ていただきますので、時間厳守でお集まりください。特別に持参するものなどはありません。会場は臨場感を重視してしょんた大框田んぼです。雨天の場合には金谷消防署に会場を移して行います。金谷消防署は国道1号線(バイパス)の大代(おおじろ)インターの北100メートル。実施会場は当日7時時点の天候を判断して決定します。判断に迷う場合は、肝煎総代宅か携帯電話に電話ください。金谷消防署を会場とする場合にも、しょんたに案内係を9時半くらいまで待機させることにします。午後は、しょんたの田んぼの草刈りまたは造林地の徐伐を行います。通常の里山仕事装備でお越しください。昼食は各自でご用意ください。


■ 秋以降の活動について、いくつか ■■■■■■■■■■■■■■■■■

■ しょんた塾旗揚げ講演会 ■■■

10月31日(日)しょんたのある神谷城で講演会を開催することがほぼ決まりました。講師は常葉学園短期大学助教授の山田辰美先生、藤枝市にお住まいで瀬戸川水系の生物からひろく里山環境の研究やボランティア活動にかかわっておられ、田んぼの手入れや周辺の里山の利用が動植物の生態系にどのようにかかわり、近年の利用放棄がいくつかの種の絶滅に直結していることなどのお話をいただく予定です。この講演の「軒を借」りて、神谷城の皆さんに、しょんた塾が進めようとしていることの理解をいただくこともねらいの一つです。この講演会には、金谷町ならびに金谷町教育委員会の後援をいただくことがほぼ確定しています。会場の件(神谷城西組公民館が候補)と町、町教委の後援の書類手続が完了次第、チラシを作成する予定です。

■ 諏訪原城の間伐とカタクリ自生地の観察木道づくり ■■■

金谷町教育委員会史跡保存課と話し、3号堀の竹伐りに続き秋から冬にかけて樹齢15〜20年前後と思われる町有地化された造林地の間伐と間伐材による牧ノ原公園カタクリ自生地の観察木道づくりを提案してきました。町教委としては、史跡の主体である城郭遺構の保全さえしっかりしていれば、ボランティアで間伐、徐伐などの手入れをしてくれることは歓迎、県教委文化課に問い合わせ、進めてよいか早急に確認する、とのことです。カタクリ自生地の観察木道は金谷町野の花の会の会長さんから提案されたものです。フェンスで囲われた自生地をカタクリの花の時期に開放しているのですが、観察コースが踏み固められてしまいカタクリに悪影響を与えているので木道を整備したい、というもの。町教委もこのアイデアには好意的なので作業の時期その他を間伐の時期とあわせて調整していきます。いまのところ12月から2月くらいを予定しています。なお、カタクリ自生地のササ刈り奉仕を野の花の会と町教委に提案していますが、従来「金谷シルバー人材センター」に委託しており、不景気のあおりで同センターへの発注が減少している、という事情もあり、少し様子を見ることにします。

■ 「愉快な山仕事」同窓会の誘致 ■■■

長野県佐久市の山林を会場に行われている「愉快な山仕事講座」の同窓会を招致する形で、しょんたと諏訪原城址の山林の今後の整備計画をケーススタディしてみる、という企画を検討中です。宿泊を伴うこと、講師の費用を考慮する必要があること、などから、まだ招致の結論を出していません。定例活動の折りなどに会員の皆さんのご意見をいただきたいと考えています。

※「愉快な山仕事講座」実行委員会代表浜田久美子さんの著書「森をつくる人びと」(コモンズ刊)を参照ください。

 ■ 炭焼の計画について ■■■

小関相談役から、道と茶畑にかぶさってきているシイを伐って炭を焼かないか?大框田んぼの南の駐車場のノリ面なら窯をこしらえていいぞ、という話が来ています。落合相談役からは、工務店資材置き場の下に昔から神谷城辺の炭窯につかっていた良質の赤土がありいつでもユンボで掘り出してやる、清水で炭焼をしている旧友がいるから指導もたのめる、とも言われています。肝煎寄合で検討しましたが、窯屋の資材や炭材、燃材の蓄積、1昼夜以内で窯だしができる設計、作業人員・工数の見積もりなど課題が多く、現在の会員数の状況では半端な手出しはしないで、来年以降の課題として考えよう、という結論になりました。どなたか計画を中心になって進めよう、という方がいらっしゃいましたら「この指とまれ」方式の指をあげてください。心得のある方や指導者などの自薦、他薦も歓迎です。

■ 春のしょんたをレンゲ野に・企画 ■■■

肝煎寄合で炭焼き企画と並行して検討し、こちらを当面の目標にすることに決定しました。しょんたの田んぼのうち、とりあえず相談役の地所分の休耕田のササとヨシを刈り、レンゲの種を蒔いて春の棚田のかつての姿を復活させよう、というものです。原へ上がる道の下側の田んぼは県道からもよく見おろせるのでレンゲ、見上げる形になる道上の田んぼは背丈の高いナタネがいいのではないか、という意見もあります。はじめのとりくみはささやかでも、そのうちにあちこちの休耕田が、春にはレンゲ秋にはヒガンバナで彩られたら....という楽しみのタネ蒔きです。お盆の挨拶に相談役のお宅に伺った際に話して了承をいただきました。ついでに聞くところによると、昔からしょんたは不思議とヒガンバナが咲かないところだったが、県道下の相談役の田んぼの畦にはいっぱいあるから、この秋からでも根株をしょんたにもってって植え付けてみたら、というハナシになりました。9月以降、田んぼの草刈りを少々前倒しし、耕起とタネ蒔きを計画します。レンゲ、ナタネのタネの入手法や蒔き付けの時期、詳しい人など、情報とご意見をお寄せください。

■ 以下はしょんた塾以外の森づくり、里山・雑木林関連の企画紹介です ■

■ いずれもしょんた塾事務所にて少し詳しい案内を閲覧できます    ■

■ 主に志太榛原地域と近隣の企画を紹介しますが、他の資料もあります ■

行 事
日 時
内 容

樵の会 木工教室

8月29日(日)

9:00〜15:30

植栽、下刈の縁で寄贈された木材で岡部町の新築保育園の家具、遊具を制作。持ち帰り用の木工製品も。参加費千2百円。一般参加者は20名程度。問い合わせ、申し込みは樵の会会長遠藤さん(054-643-6062)

環境システム研究所セミナー

9月7日(火)

自然環境復元の理論と技術その7..身近な空間のエコアップ..住まいから里山まで、と題して常葉学園短期大学附属環境システム研究所主催のセミナーが行われます。「自然を取り込んだ住環境作り」8日(水)「里地の自然復元」、ともに10時〜16時20分、静岡駅近くのJR東海静岡社員センターにて、受講料は1日のみ12,000円、2日20,000円。お問い合わせは主催者(電話054-261-1315、FAX054-265-1251)へ。

静岡県森づくり室企画・主催講座静岡森づくり情報HOME

静岡森づくり塾:実技中心の森づくり指導者養成の6回連続講座、森づくりグループのリーダーが対象、30人限定(抽選)8/20締切

里山づくり入門講座(雑木林編)

10/31、11/21、12/5の3回の講座(いずれも日曜)

小笠山運動公園の一画で常緑樹林に遷移しつつある森林の取り扱い方を体験学習する。8/30から9/17まで募集、先着順70人。

秋の種拾い活動

10月10日(日)

富士山ふれあいの森林にて種拾い。女性、家族連れ向き。8/30から9/17まで募集、先着順70人

静岡悠久の森づくり教室

11月7日(日)

巨樹の森を育てる間伐法を浜北の県立森林公園で体験学習。10/4から10/15まで募集、先着順70人

静岡森づくりフォーラム・ステップ1月

昨年に引き続く講演+分科会のフォーラム。静岡市内予定。11/29から12/17まで募集、先着順400名

静岡悠久の森づくり教室

2月27日(日)

巨樹の森を育てる枝打ちを浜北の県立森林公園で体験学習。1/4から1/21まで募集、先着順30人

第7回雑木林会議

11月12日(金)〜

11月14日(日)

第7回全国雑木林会議99あいち、が愛知県犬山市で開催されます。日程は、11/12 エクスカーション(相生山緑地"オアシスの森"、トヨタフォレスタヒルズ・モデル林)とウェルカムパーティ、11/13 全体会と分科会、交流会、11/14 愛知県主催「全国里山シンポジウム」と雑木林市民活動発表会、となっています。申込書をしょんた塾事務所に置いてあります。問い合わせ先は「全国雑木林会議99あいち事務局」(犬山市役所総務部企画課、〒484-8501 犬山市犬山字東畑36 電話0568-61-1800 FAX 0568-62-4730)


■ 報告 汗汗汗の諏訪原城址3号堀 ■■■■■■■■■■■■■■■■■

7月17日(土)定例活動で初めてしょんた以外でボランティア活動を行いました。しょんたの北500mに位置する国定史跡諏訪原城址の空堀に侵入したタケの伐採です。参加者は11人、うち1人はこの日初めて谷許肝煎に誘われてやってきたSさん(終了後入会申込をされました)男性8名、女性3名です。参加者のほかに金谷町教育委員会から諏訪原城の説明をかねて若いTさんが立ち会い。

梅雨が明けたのかどうか定かでないこの日、曇り空で時折陽が射すが風が全くなく、おまけに作業現場の3号堀は地面から5m程掘り下げられた地形でよどんだ空気。汗が全然蒸発しないでタラタラ流れる、というコンディションでした。しょんたで集合の後、諏訪原城周辺にしょんた塾の幟を立ててまわり、諏訪原城の駐車場に集結。教委のTさんと落ち合って城址の概況説明を受け、全体を一回り。城址はここ数年で町が民地を買い上げたもので、茶畑、ヒノキの造林地、雑木林、竹林、と多岐にわたる森林がモザイク状になっています。ここはそろそろ間伐を、とかこの雑木林は手を入れれば落葉樹林に仕立てられる、とか、この木立は休憩場所に整備できる、とかこもごも語り合いながら約1時間かけて見て回る。やはりみなさん歴史より植生に目が行く様子。最後に、隣り合わせた9号堀、10号堀の切った竹の始末の方法の違いを見て、美観上堀の底、長手方向に並べるほうがよい、などと話し合う。

10時半、見学・視察を終えて装備を点検、勇躍3号堀に向かう。3号堀は幅約25m、長さ約80m、深さ約5mの円弧状の空堀。空堀とは言っても底部の一部には雨水。タケは堀底なので周囲を圧倒して光を独占することが難しいためかそれほどの密度ではなく堀全体の約半分に150本ほど。太さはおおむね直径5〜10cm。ざっとの概算で午前中でカタがつくと判断。

この日の目標は、単にタケの伐採だけではなく、班を率いて行動する際のリーダー、指導者としての留意事項を習得すること。そのため2班に分かれたうえで、交代で作業から離れて班メンバーの行動をウォッチすること、を確認。また、1日がかりで3号堀をカタづければいいので、絶対に急がないこと、気温、湿度からして頻繁に休憩し体力を消耗しないこと、を提起して作業にかかる。結果、やはり全員が竹伐りに集中、休憩を宣言してもなかなか作業の手が休まない。交代で班メンバーウォッチ、というのはどこかにスッ飛んでしまう。途中強制的に全員休憩を15分ほど入れたものの、次から次へと竹に向かって突き進む。

竹伐り初心者にはあらかじめ説明しないと、倒す方向を考えないでノコを入れるので、重量がモロに歯にかかってノコが動かなくなること、枝払いがつい、いい加減になって地面を枝葉が覆い隠してしまい、早めに班長が指示しないと足場が悪くなり危険な状態になること、など、所々で反省を入れながら、約1時間半で作業はほぼ完了。堀の底がすっかり明るくなりました。

昼食は本丸跡の木立(低木が払われ枝打ちもされて心地よいところ)に移動して昼食。女性3名がいるし蚊も多いので誰も実行はしませんでしたが、脱いで絞れば雑巾なみに汗。天候の具合で凪いでいるのはやむを得ないが、林縁の常緑樹をもう少し伐り透かせせばこの木立はもっと心地よく風が通るようになるね、適切な休憩場所を確保しておくのは作業を企画する際の最低条件だね、などと話し合う。

午後は明るくなって目立つようになった3号堀の立ち枯れヒノキを数本伐採。堀から上がると勢い余って手近なところに生えているタケをさっさと伐りにかかる。教委のTさんと女性陣あきれる中、2,30本を伐倒。続いて城址入口近くの12号堀に10数本侵入していた太いモウソウチク(直径20cm以上)を伐倒、枝落とし。持参の水分が全員枯渇していたので、この間女性陣に甘いものとお茶の買い出しに行ってもらう。

2時半、作業終了。反省会。やはりリーダーとしての行動の在り方に反省。その他、軽い切り傷だったが、救急箱をしょんたに置いたままだったことを反省。

事故らしきものとしては、Tさんが新調のナタで枝をコジて大きく欠かしてしまった。助成金の見積書作成でお世話になった駿遠商事の社長さんによれば、このごろのナタ、カマは機械打ちなので、ギンギンに刃がつけてあっても、使う前に刃に溜まってかくれている「応力、たわみ」をよく研ぐことで取ってやらないと欠けやすい、とのこと。この時点では気がつかなかったのだが、総代も新調の「山仕事用スパイク地下足袋」の履き心地が悪く指が痛いのを我慢していて、結局左足の親指の爪を殺してしまい1ヶ月以上痛い思いをするハメに。

新調の道具は慎重に使うべしというオソマツ。


■ 余話 カヤネズミの巣って本当? ■■■■■■■■■■■■■■■■■

岐阜県徳山ダムの建設予定地、天然記念物ヤマネの棲息環境が危うくなっているというNHKのニュースを見た日、インターネット経由で素敵な問い合わせが舞い込んできました。発信者の了解を得たので、いただいたものとこちらからの返事を転載して紹介します。

いただいたメール

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初めまして。野外における、カヤネズミの生態を研究しております。カヤに関する情報をインターネットで検索したところ、貴サイトを発見し大変興味深く拝見しました。貴サイトの「しょんた便り」について、お尋ねします。

現在、全国のカヤネズミの生息分布を都道府県別に掲載した、「全国カヤマップ」を作成中なのですが、(「全国カヤマップ」作成の趣旨:http://www.ne.jp/asahi/doken/home/charoko/kaya/map.htm)貴サイトの「しょんた便り」Vol.1のカヤに関する情報を使用させていただけないでしょうか。

使用させて頂きたい情報は、

1.発見日
2.発見場所
3.発見したもの
4.発見時の状況等です。

「全国カヤマップ」は年末をめどに、当サイトの「カヤ日記」(http://www.ne.jp/asahi/doken/home/charoko/kaya/index.htm)で公表いたします。よろしければ、こちらの方もご覧下さい。お返事、お待ちしております。

<「カヤ日記」更新しました>

http://www.ne.jp/asahi/doken/home/charoko/index.htm ←個人
http://www.sci.osaka-cu.ac.jp/biol/asoci/index.htm ←学校

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「全国カヤマップ」作成支援のお願い
http://www.ne.jp/asahi/doken/home/charoko/kayamap.htm

肝煎総代からの返事

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おたよりありがとうございます。特定非営利活動法人 里山仕事・しょんた塾の肝煎総代の奥村です。たいへん驚いています。ずいぶん強力な検索エンジンですね。

さて、お尋ねの件ですが、のっけからおわびを申し上げなければなりません。

しょんただより1号の「カヤネズミの巣なんか見つけて喜んでる」という記述がヒットしたのだと思いますが、これは根拠のある表現ではありません。つまり、カヤネズミの巣(らしきもの)であって、厳密な意味でカヤネズミが棲息していることを確認したものではありませんので、「全国カヤマップ」に引用なさるのは少々不適切です。しょんたの休耕田で草刈りをすると、ササやススキの地上5,60cmの高さに直径10cm内外の草の固まり;「巣」らしきものを頻々と発見するのは事実です。私が子供のころ(40年前)同様のものを見つけて祖父に聞いたときに「カヤネズミの巣」と教わったので、そのように思い込んでいる、というのが真相です。私が草刈りをするのはたいがい秋以降で、それも刈払機を使うことが多いので、「らしきもの」とは思いながらも確認しないままで過ごしてきました。身内の「たより」のうちはまだしも、ホームページに掲載するなどの方法をとる訳ですから、今後は、表現を厳密にすることを心がけるつもりです。

いま、あらためて「カヤ日記」を拝見してみましたが、確かに「球状巣」らしく思えてきました。ひょっとすると本当にカヤくんたちがうちのしょんたにもいるのかもしれません。何らかの方法で確認できたら、連絡いたします。

おわびメールの返事ついでで恐縮ですが、里山を愛するサイトとして紹介させていただくべく、当方「里山仕事・しょんた塾」のリンク集「里山研究」の項から「カヤ日記」にリンクを張らせていただきたいと存じます。ご返信をお待ちします。

また、次号の「しょんただより」に、このメールをそのまま紹介させいただきたいと思いますが、いかがでしょう。ご発進いただいたメールの引用からは、ご所属、お名前は削除した形にさせていただいております。

それにしても楽しくて素敵なサイトですね。カヤくんたちによろしく。

以下は「カヤ日記」ホームページからのカヤネズミに関する記述の引用です。

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カヤネズミ(学名:Micromys minutus)という生き物をご存知ですか?

頭胴長(鼻先から尾の付け根まで)約6cm、尾長(尾の長さ)約7cm、体重7〜8グラムの世界一小さなネズミです。背中はオレンジ色、腹部は真っ白でとても愛らしい姿をしています。主に休耕田や河川敷、草原に生息し、そこに生えているススキ、オギ、チガヤなどイネ科の葉を利用して、直径10cmくらいの球形の巣を作ります。巣に使われる葉は生きており、周りの植物と同じ色をしているため、上手にカモフラージュされています。彼らはこの巣で出産・子育てをし、また休息場所として利用しています。

しかし最近、河川の工事や、新しい道路・ゴルフ場の建設などでカヤネズミの生息地がどんどん奪われています。田畑のあぜ道や休耕田に生えているススキの群生も、カヤネズミの大切な生息地ですが、農家の方が刈り取ってしまうため、住みかを失いつつあります。

都市部に近い郊外では、姿はおろか、巣を見つけるのさえ難しい状況です。私は大学院でカヤネズミをテーマに研究していますが、調査のためにあちこち歩いてみて、思った以上にカヤネズミを取り巻く環境が悪化していると感じました。

カヤネズミは、ドブネズミのように人家に侵入して悪さをしたり、ハタネズミのように畑にトンネルを掘って作物に被害を与えたりはしません。彼らはオヒシバやエノコログサ、バッタやイナゴを食べて暮らす、おとなしい生き物なのです。

こんなに小さくてかわいらしく、無力な生き物が、私たち人間の活動によって住みかを奪われて消えていくことは、とても悲しいことだと思います。もしカヤネズミの姿を見かけたり、巣を見つけたときは、どうかさわったりせずに、そっとして置いてやって下さい。

これから秋に向かい草刈りを始めると「カヤネズミの巣(らしきもの)」を発見する機会も増えると思います。どなたか、果たしてこれが「カヤの巣」であるのかどうか、確認する方法をご存知でしたらお知らせください。


■ 短信 たより6号から、これまで ■■■■■■■■■■■■■■■■■

しょんただより6号(7月6日発行)前後からこれまでの活動について、法人登設立関係以外のことをおつたえします。

静岡県緑化推進協会森づくりグループ活動支援推進事業

志太榛原農林事務所からご案内をいただき、この助成金を申し込みました。全県で4団体、各25万円の助成金です。決定がいつになるかは未定、志太榛原では樵の会も申し込みましたのでどちらかでももらえるといいね、と話し合っています。使途はあまり限定されていないので、樵の会とどういうふうに使おうか、と「とらぬ狸の皮算用」中。(申し込みは6月、前号でお伝えするのを漏らしました)

日本財団ボランティア活動資金援助事業

静岡森づくり情報での案内を見て急遽申込書を取り寄せ、大慌てで書類を作って7月15日の消印有効にやっと間に合わせました。事業名は「里山保全機器整備」。活動用の草刈機、チェンソーなどあわせて95万円を申し込んでいます。
日本財団では今年度のボランティア助成にあたり、1里山の保全活動、2不登校児等への取り組み、を2大重点事項に挙げています。しょんた塾は活動実績が少々不十分な難がないではありませんが、重点事項のトップにまさにマッチする活動。密かに期待しています。
こちらは11月に決定が下ります。助成が決定すれば、一般参加者を募った講座を開いたり、しょんたや近隣の里山整備活動に強力な機材を用意することができます。

東光寺下刈体験

7/24県主催の「静岡下草刈り体験隊、島田市東光寺」に肝煎総代と新入会員のMさんと二人で参加しました。当日の参加は全体で19名。志太榛原農林事務所と藤枝市森林組合の皆さんの指導です。この日は梅雨明け直後の酷暑高湿度、現場は南東向けの急斜面で真正面から太陽が照りつけ、大鎌を振るっての作業のキツさと暑さで汗だく。現場までの斜面の斜面の上り下りに息は切れるはで大変でした。休憩時間に尾根筋の手入れされた山林を吹き抜ける風のありがたさが身にしみました。持参した水筒は瞬く間にカラになりましたが、本当にいい汗をかかせてもらいました。

藤枝、瀬戸川にあらたな提携先?

8/3 会員のIさんの紹介で藤枝市の瀬戸川沿い、堀の内の「アトリエ独楽」さん所有の放置された茶畑の伐採を行ってきました。参加したのは平日参加が可能だった肝煎総代とYさん、Kさんの3人。もともとは「アトリエ独楽」さんに集まる「空耳(そらみみ)の会(静岡大学の学生を中心とする子供会ボランティア)」の活動場所にすべく、尾根上の竹林の伐採の指導、が目的でしたが、諸般の事情で、5m近くに伸び放題になってしまった茶の木の伐採を行いました。雨上がりで気温も湿度も大変だったため昼で切り上げ、ソーメン、テンプラに加えて移築した古民家の風通しのよい「昼寝」をご馳走になりました。こどもたちの遊べる里山、という共通点でこれからも協力しあえる展開になるかもしれません。

しょんたの泉、復活小作戦

神谷城のお年寄りにとって「しょんた」とは、冷たくておいしい水の湧いているところ、の代名詞だったようです。原(牧ノ原)の茶畑への往復に必ず立ち寄ってノドを潤したり、スイカやウリを冷やしておいたり、そんな湧水が道脇にありました。車で作業に通うようになり、茶畑の肥料が分解、混入して飲用に適さなくなり誰からも忘れられていました。8月初め、改役(あらためやく、しょんた塾の監事さん)に教えられてこの泉を(再)発見しました。コンクリで囲って水を溜めるようになっている姿はそのままでしたが、スギの落ち葉と生い茂ったササ、倒木に埋もれて近づくのも大変になっていました。少し草を刈ってありかはわかるようになりましたが、道を付け、埋めてしまっている落ち葉を掻きだす、などすこしずつ手を入れ始めました。冷たさは子供のころの改役の記憶のままです。

静岡森づくりカレッジ

8/7 森づくり室主催の「静岡森づくりカレッジ」にたくさんの会員が参加しました。しょんたの盟友浜田久美子さんの「森づくりの楽しさ」、今後いろいろとご指導を仰ごう(と勝手に考えている)常葉短大山田辰美先生の「変化する里山の生態系」、樵の会の相談役になられた静岡大小嶋睦男先生の「県民参加の森づくり」、富士山自然の森づくり代表(元東大、三重大)渡辺定元先生の「地球温暖化と森林の役割」、と盛りだくさんの内容でした。今後はこうした催しの情報をしょんただよりでも事前にお知らせし、会員の皆さんが参加できるようにしていきたいと思います。

樵の会設立総会

「カレッジ」と同じ日、同じ会場(建物)で、盟友団体「樵の会」の設立総会が開かれました。会員も30名を越えて意気軒高です。今後の発展が期待されます。対象とするフィールドや活動内容、会員までオーバーラップするところもありますが、それぞれの特徴や違いを生かし、尊重しつつ、活動日の調整なども話し合いながら進めていきます。ともにがんばりましょう。

しょんた塾の案内チラシ

「カレッジ」参加者に配付する紹介チラシを用意して欲しい、という県森づくり室からの要請で、急遽A4ウラオモテのチラシを作成しました。折しも、東京在住のN会員(本職のアートディレクター)からボランタリで作ってくれたA4三つ折りのチラシのドラフトが届きました。肝煎寄合では「やぁーっぱし、総代の字ぃばっかりのより、はるかに読みやすくて、さすがはプロ」との一致した評。ただ哀しいかな指定の位置に納まるべき「らしい写真」が全然ない、そのうちに撮りためなきゃ、とか。印刷費用もメドが立ってないし、N会員からレイアウトしたソフトのコピーを貰って勘定役の職場のプリンタで出力しちゃおか、とか。談論風発するばかりで、すぐには完成に向かいそうもありません。10月末の講演会には間に合わせたいね、といいながら、もう少しチェを絞ることになっています。「総代の字ぃばっかり」のでよければ、回りの人へのお知らせ用に必要な場合、会員から申し出ていただければ、コピーを作ります。

全国一斉自然しらべ「99里やま」

財団法人日本自然保護協会が毎年行う全国一斉自然しらべのテーマが「里やま」になりました。調査用紙を取り寄せてあります。10月末日までにごく簡単な調査をして記入送付すればよい、というものです。調査用紙はコピーでもOKなので、どこか適当な里山の調査結果を送りたいという会員は申し出てください。9月の定例活動の折り、参加者で試みにしょんたの調査結果の記入をやってみます。

森林と市民を結ぶ全国のつどい

第5回の今年は高知県で8/19から8/22で開かれました。肝煎総代が参加する予定でしたが、残念ながら個人的事情で参加できず。森づくり室と志太榛原農林事務所のスタッフが参加したはず。そのうち話を聞かせてもらいましょう。

静岡県環境フェア’99

県の環境政策室からフェア(9/23〜25ツインメッセ)に出展しないか、とのお誘いをいただきました。3万円の出展費用もセミナー、教室、講座の実施やスタッフ派遣の形をとれば還元することも可、という申し出でしたが、いかんせん準備期間も乏しく、ウィークエンドNPOのしょんた塾には手に余る、との肝煎寄合の判断で見送ることにしました。

ふじのくにNPO法人連絡会議

県内のNPO申請中、認証済み団体の連絡会議が結成され、参加と幹事派遣の要請がありました。肝煎寄合で連絡会議には正式参加するが、幹事の派遣は肝煎各人の状況から困難であり丁重に辞退する、ことを確認しました。

金谷町広報

NPOが設立されたのを機会に、9月号にしょんた塾を紹介していただくことになりました。幸い7/17の諏訪原城伐竹の時の写真をM会員が撮っててくれたので、これも掲載してもらいます。掲載号ができ次第、会員数くらいは町役場から貰ってお配りするつもりです。

しょんた塾事務所・しょんた文庫

正式なNPOの事務所(肝煎総代夫人の事務所の間借り)が改築で新しくなりました。住所その他は全く変わりませんが、少し事務所らしくなって少し広くなりました。相変わらず平日は休業状態ですが、寄贈された書籍で「しょんた文庫」もできました。文庫には「里山文献」の寄贈を歓迎します。文庫の目録はなるべく早くデータにしてホームページに掲載するとか、貸し出しができるようにする、とかを考えています。入力ボランティア歓迎。


編集 発行 特定非営利活動法人 里山仕事・しょんた塾

 

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