里山仕事・しょんた塾

しょんただより Vol.8


1999年10月14日

しゅうとばんもナラシも終えたお茶の畝のむこうに富士山がよく見える季節になりました。1ト月たよりを飛ばしてしまいましたが、8号をお送りします。

もくじ

■ 補助金、助成金決定通知、続々!

■ これからの予定(10〜12月)

■ 報告 応急手当、草刈、カヤの巣

■ 業務連絡 振込用紙の同封について


■ 補助金、助成金決定通知、続々! ■■■■■■■■■■■■■■■■■

静岡県緑化推進協会の「森づくりグループ活動支援推進事業費補助金」25万円の採択が9月20日で、日本財団の「ボランティア支援事業協力援助金」95万円が10月1日で、それぞれ決定した旨の通知をいただきました。これで先にいただいた静岡県コミュニティづくり推進協議会からの7万円とあわせて活動初年度に総額127万円の助成金をいただくことになります。

日本財団の援助金は「里山保全活動に係るチェンソー等整備」事業で、すべて機材の購入に充てられます。チェンソー、刈払機を各5組、兼帯(鉈と鋸をひとつの鞘にセットしたもの)、鎌、ヘルメット、など10セットを購入します。これらにより、活動分野や対象フィールドが増加しても対応できる機動力を備えることができるほか、一般の参加者を募った活動の際の貸与機材が充実し、活動を質的にも広げていける条件が整ってきました。

今回の日本財団の支援重点事項が「里山の保全活動」と「不登校児等への取り組み」の2つだったことから、実績に乏しいしょんたにもテーマがマッチして援助の決定に至ったものでしょう。購入した機材は、しょんた塾の活動で使うだけでなくまわりの森林ボランティア団体などの要請に応じて貸し出すことも行なう予定です。機材の不足が活動の制約になっている団体などがありましたら、連絡ください。

県緑推の補助金は一部共同装備の機材の購入に充てるほか、保険料や燃料、消耗品、印刷費など「普及啓発活動」を含む活動費に使用する予定です。いただいたお金に恥じぬよう、活動の充実にこころしましょう。まずは感謝。


■ これからの予定(10〜12月) ■■■■■■■■■■■■■■■■■

7号でお伝えしたうちのいくつかが実現に向かって動き始めています。日取りが固まったものをしょんた内外を問わず、日時の順番に紹介します。しょんた塾の企画以外のものでは肝煎総代の情報収集能力の限界から「漏れ」があること、収集情報の取捨選択は同じく肝煎総代の独断と偏見に基づいていること、をあらかじめご承知置きください。

項目
日時と内容

しょんた田んぼ草刈り

10月16日(土)17日(日)30日(土)

定例活動として決行します。

「レンゲ田プロジェクト」がささやかですが起動しました。7号が出て1週間とたたないうちにレンゲのタネを仕入れてきた会員さんがいます。2人目に貰って来た人の分と合わせて12Kg、都合6反歩の田んぼをレンゲで埋めるタネがそろいました。9月、定例活動の応急手当講習のあとのほんの少しに続き10月10日11日にごく限られた会員で田んぼの草刈りをはじめました。草刈りの後のスキ起こし作業のデータもとれ、3人が半日かかればとりあえず田んぼ1枚にレンゲの播種ができそうです。
参加できる方は、野良仕事のできる服装、長靴か地下足袋。道具は鎌、刈払機スコップ、ツルハシなど。飲み物と昼食は持参。時間は10時〜4時ですが、途中の出入りを遠慮する必要はありません。参加できる時間だけで結構です。

第2回 
せと川フォーラム

10月17日(日)
9時〜16時

藤枝市藤の瀬会館 入場無料(企画紹介)

瀬戸川流域自然と文化フォーラムの主催。雨天でもやります。遊んで学ぶ野外活動、志太メダカの里親募集、展示・販売、シンポジウム・アトラクション等企画モリモリ。問合せは藤枝土木事務所(総合庁舎)企画検査課054-644-9172。

間伐実習 樵の会

10月23日(土)24日(日)

しょんた塾も定例活動に準じて参加。

樵の会が主催する健康な森を育てる定番作業、人工林の間伐にしょんたからも参加します。今回の企画は一般の参加人数よりも確実な技術習得を目標とし、これまでの活動参加者やしょんたの会員などを対象とするそうです。
事前に申込が必要です。「〒426-0078 藤枝市南駿河台4-13-1 遠藤真知子」宛に葉書かFAX(054-643-6062)で。住所、氏名、電話番号、参加可能日、集合場所間での交通手段を明記のこと。申込は10月18日(月)で締切。集合は岡部町「玉露の里」駐車場に午前9時。服装は長袖、長ズボン、しっかりした靴。飲物、昼食、軍手持参のこと。道具は貸し出しもしますが使い慣れたものがあれば自前でどうぞ。参加費500円は当日。雨天中止です。

自然復元シンポジウム

10月26日(火)
1時〜

静岡労政会館ホール 資料代千円 (企画紹介)

自然環境復元研究会、日本ビオトープ協会などの主催。武村正義元大蔵大臣の講演「21世紀の国家環境戦略」、自然環境復元研究会静岡県支部から「復元基準づくりの提言」に続き「新世紀の自然復元像:人と自然のバランスシート」と題する公開座談会。杉山恵一静大教授を座長に志太榛原農林事務所千葉農村整備課長、山田辰美常葉学園短大助教授、浜松NPOネットワークセンター山口代表、内海日本ビオトープ協会静岡県支部長など。
郵送又はFAXで事前申込が必要。詳細情報、申込先、申込書用紙はしょんた塾事務所にあります。定員312名先着順で締切。

しょんた塾シリーズ
講演会 その1

平成11年10月31日(日) 
午後7時〜9時(開場6時半)

夕方5時から設営を始めます。お手伝いください。

昔のくらしが守ってきたもの・そしていま失われつつあるもの
身近な生き物たちの生きる環境が、イネを育てる作業や畦の草刈り、雑木山の手入れなど、ひとの手が加えられることで守られてきたことに注目が集まっています。中年以降の人たちが子供のころ親しんだドジョウやモロコ、カエルやヤゴがめっきり少なくなりました。どこにでもいたメダカは、いまや「絶滅危惧種」になってしまいました。ひとのくらしと自然のかかわりについて考えるひとときをどうぞ。講演の後は自由な質問時間も予定しています。
講 演:山田辰美常葉学園短期大学助教授
山田先生のプロフィール:藤枝市在住、幼少のころから瀬戸川で魚捕りに親しみ現在に至るまで淡水魚をはじめ水生生物、水にかかわる生態系の調査研究を行なっている。常葉学園短期大学附属環境システム研究所では生物の研究だけでなく、ビオトープ、森づくり、環境教育、ボランティアの指導など幅広くご活躍。また中部地方建設局から委嘱され建設省河川モニターとして菊川を担当。

会 場:金谷町神谷城西組公民館(金谷町神谷城)
入場無料。事前の申込の必要はありません。当日直接会場にお越しください。
主 催:特定非営利活動法人 里山仕事・しょんた塾
後 援:金谷町 金谷町教育委員会

県民シンポジウム

11月6日(土)
午後1時〜3時半

藤枝エミナース 無料  (企画紹介)

山のこと森のことを考えよう --- 大井川のめぐみを次代に ---
講演「森はいのちの源」
島崎洋路元信州大学教授。島崎先生に小嶋睦男静大教授、柳沼武彦北海道漁連参事を加えてトークセッション「誰が森を守りどんな森とするのか」。ともにおおいに期待できそうな内容。ぜひ参加したいもの。中・下流域の農村林地所有者に、あらためて自分の山を見つめてもらおう、と大井川流域を皮切りに、静岡県農林水産部が仕掛ける新しい意欲的こころみ!
300人の定員で先着順締切。
往復ハガキ、FAX、電話、e-mailのいずれかで事前に申込が必要。
〒420-8601 静岡市追手町9-6 静岡県農林水産部 企画調整室
FAX:054-221-3217
TEL:054-221-2605
e-mail:nousei@pref.shizuoka.jp

島崎先生を囲む愉快な樵としょんた連大交流会

11月6日(土)
夕方〜7日(日)

藤枝水車村〜しょんた 飲み代宿泊実費

7号で「愉快な山仕事」同窓会の誘致、の可能性を報じましたが、思わぬ展開になりました。上記の「県民シンポ」に島崎先生の招聘が決まったため、急遽島崎先生の指導を仰いでいる「愉快な山仕事」の浜田さんを通じて先生のシンポ以降の日程をブロック、藤枝は滝谷、水車村のカヤ葺き屋根の囲炉裏端での交流大宴会を企画したもの。
水車村は「樵の会」の発足の地、しょんたの企画も同じころ同じ場所から産声を上げ、ともに触媒として「愉快な山仕事」の影響がありました。奇しくもこれらの結びつきの契機となった「第6回雑木林会議in横浜」からちょうど1年でもあり、おおいに飲み、かつ語りあかそーぢゃぁないか、というわけ。翌日は島崎先生をしょんたや諏訪原城址に引っ張っていって、今後の整備計画のご指導を仰ごう、という下心がありますが、このあたりの調整は未了。
皆さまに参加を呼びかけます。参加資格は特になし。できれば浜田さんのご本は読んどいたほうがいいかな。食事と宿泊の都合がありますので、事前に「大交流会実行委員会事務局長」の市岡さん(会員名簿を参照のこと)に参加申込をしてください。
宿泊代は千円。食い物、飲み代は経験的には2千円以内。いずれも現地で精算徴収。

第7回 

全国雑木林会議99あいち

11月12日(金)
〜14日(日)

愛知圏犬山市

11/12 エクスカーション(相生山緑地"オアシスの森"、トヨタフォレスタヒルズ・モデル林)とウェルカムパーティ、11/13 全体会と分科会、交流会、11/14 愛知県主催「全国里山シンポジウム」と雑木林市民活動発表会。申込書をしょんた塾事務所に置いてあります。
問い合わせ先は「全国雑木林会議99あいち事務局」(犬山市役所総務部企画課、〒484-8501 犬山市犬山字東畑36 電話0568-61-1800 FAX 0568-62-4730)助成金で参加費を予算化しましたが肝煎総代の日程が微妙。参加可能な方がいらっしゃいましたら連絡ください。

11月と12月のしょんた塾定例活動

11月27日(土)

しょんた10年生ヒノキ林の徐伐

12月18日(土)

しょんた徐伐 or 諏訪原城址伐竹 or 諏訪原城址間伐

11月は助成金による購入機材の初使用になる見込みです。チェンソーと刈払機の使用法と徐伐のやり方そのものが学習テーマになるでしょう。うまくすれば、この造林地の手入れ方針について11月7日島崎先生からご指導が得られるかもしれません。
12月は日取りだけ先行して決めました。中身については金谷町教委との調整が済んでいないので今のところ固まっていません。なお、この日は志太榛原行政センターが事務局となって運営されている「志太榛原郷づくり倶楽部」の会員が、しょんたの活動に合流したいとの申し出があり、これを受け入れることを前提とした設定になっています。いずれも、詳細次号。

静岡悠久の森づくり教室

11月7日(日)

県立森林公園(浜北市) 間伐と森林ウォーク 定員30

2月27日(日)

都田悠久の森(浜松市) 枝打ち森林ウォーク 定員30

巨樹の森を育てるための森づくり作業(間伐、枝打ち)の体験と森と親しむプログラム。参加費無料。弁当、飲み物は持参。先着順で申込を受付。募集の締切は10月22日。申込者全員に参加の可否の連絡が来ます。
申込は電話、FAX、葉書に参加希望日、郵便番号、住所、氏名、年齢、電話番号を明記して 〒420-8601 静岡市追手町9-6 静岡県環境部森づくり室。TEL:054-221-2682 FAX:054-255-6495


■ 報告 応急手当、草刈、カヤの巣 ■■■■■■■■■■■■■■■■■

9月18日秋冬の作業シーズンを前にして定例活動のテーマは応急手当と救急救命講習。前日まで続いた大雨でしょんたの地面はグショグショ。しかし何とかいけそうと判断して現地決行を金谷消防署に連絡。こちらの道案内の仕方が悪くて消防指揮車を一時迷わせる。救急車を呼ぶ時のことを考えて深く反省。

消防署からは若いレスキュー隊員と老練なトレーナーの名コンビ。田んぼの地面に手際よくブルーシートを敷いて早速講習開始。はじめはケガの際の止血法。動脈を圧迫して一時的に血流を止める練習(止める部位を学習)。自分の動脈だけでなくペアを組んだ相棒の血流を止めるのは案外難しいもの。三角巾の使い方、骨折やねんざ部位の副木固定の方法などのあと、ケガ人の搬出法を、2人のうち片方が負傷した場合、複数の介助者がいる場合、タンカの即席準備法などを教えていただく。

数日前に神谷城でスズメバチ被害が発生しており、マムシ、スズメバチなどに対する対処法を学ぶ。ただ、こればかりは要するに「君子危うきに近寄らず」いざやられたら速やかに救急車、というシンプルな対処法。

続いて、心肺蘇生法の講習。脳出血や心臓発作などによって意識を失い、呼吸や心臓が停止している人のための蘇生法である。救急車が到着するまでの間の数分間に人工呼吸や心臓マッサージがなされていれば、救命率は飛躍的にハネ上がる、つまり助かる確率が非常に大きくなる、とのこと。特に心臓が停止して最初の数分で酸素の補給が断たれて脳の壊死が始まる。この数分を人工呼吸や心臓マッサージで補えれば、いわゆる「植物人間」状態を防止することができる、という。

講習は聞いて学ぶとともに「習って覚える」実践的なもの。等身大で皮膚や骨格の感触を再現した人形を練習台に、倒れている人の状態、出血はあるか、吐瀉物、意識、呼吸、脈拍などの有無の確認方法とともに、人工呼吸法、心臓マッサージの方法を練習する。人形にはマイクロコンピュータが組み込まれていて、マッサージなどの速度(間隔)、圧迫強度などが記録紙にプリントされる。早すぎる、とかここまで力をかけるとアバラが折れる、など指摘され、全員が2回ほど実習。参加者が7人と少なかったのでその分中身が濃かったといえる。

2時間はアッという間、お昼で講習は終了。三角巾20組を寄贈していただく。感謝。

 

昼食後はそれぞれ用事があって継続参加者は4名ほど。レンゲ田プロジェクトに向けて田んぼの草刈りに着手。この日は刈払機が3台あったので、主にセイタカアワダチソウとススキを刈る。谷許肝煎は個人用に刈払機を買ったばかりでおおいにハリキる。高本肝煎は1坪ほど鎌で刈広げた後クワとスコップで掘り返してみて様子を探る。ササ、ヨシ、ススキの根はかなりシツコクてスコップもハネ返す....ただこの日は皆さん時間がなくまとまった作業にならず、作業工数の見積もりになるような進捗にならない。ま、ノンビリやりましょ。なんとか田んぼの1枚くらいはレンゲも咲かせるでしょう....誰も焦らないところがエライ。

午後3時の休憩のあとは肝煎総代と谷許肝煎の二人だけになる。ま、後1時間ほどやって刈払機の燃料タンクがカラになったところで終わりましょ、と田んぼと水路際に分かれて作業開始。10分ほどして谷元肝煎のエンジン音がやみ総代を呼ぶ声がする。そう、カヤの巣である。地上から約1メートルの高さ。ススキの葉を巻き込んだ入口がどこだか全くわからない直径10cmの草の固まり。もういっこ出てきたらほぐしてみよう、とふたりして探してみるが見つからない。あきらめてこの一個を大事に取っとくことにする。二人で交互にカヤの巣(らしきモノ)を掲げて記念撮影。ついでに、ススキの根元にまとまって咲いているナンバンギセルもカメラに収めてこの日の行動をおしまいにする。

後日(10月11日)おじちゃんちの稲刈りをY会員と手伝ってるときカヤの巣を3コ発見。そのうちいっこをほぐしてみたが、鳥の羽などはカケラも見つからず、カヤネズミの巣、と断定して良いものと思われる。イネに作ってた巣はなぜか少し小振り。おじちゃんにいわせると、「そったらもなぁ、珍しくもなんともねぇ。親指の先っちょくらいのハダカの子ネズミを見たこともあらぁ」とのこと。

「手伝ったお礼」をこちらから言い出して稲穂着きの巣を持ち帰る。しょんた塾の事務所の玄関、ススキ製とイネ製のカヤの巣がふたつ並んで揺れています。そのうち誰かが写真をスキャンしてくれたら、第一発見者の谷元肝煎とカヤくんの傑作のどアップをホームページで紹介いたしましょう。


■ 業務連絡 振込用紙の同封について ■■■■■■■■■■■■■■■■

待っていてくださった方々に振替用紙を同封します。会費、賛助会費の入金にお手近の郵便局からご利用ください。振替手数料の70円はご負担ください。ちなみに正会員の入会金は2000円、正会員年会費は3000円、賛助会員の1口年会費は2000円です。適宜金額を記入して送金ください。通信欄に金額の内訳を記入してくださると助かります。また、通信欄にその旨ご記入いただけば、会費以外に寄付金として取扱いもいたします。

会員、賛助会員に入会する旨の意思表示をなさっていない方に対して、たよりをお送りしている例があります。お世話になったお礼を込めてお送りしている場合がほとんどですが、こちらの方々にも振替用紙を同封させていただきます。ご厚意で送金いただけば、寄付金として扱わせていただくなり、継続的な賛助会費としての取り扱いをいたしますが、催促するつもりはございません。


編集 特定非営利活動法人 里山仕事・しょんた塾

 

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