マイケル・ニュートン博士著

『死後の世界が教える「人生はなんのためにあるのか」 ――退行催眠による「生」と「生」の間に起こること、全記録』

VOICE

2300円

 

  前世療法、または退行催眠により、催眠下にある被験者が自分の前世について語りはじめる、という現象は以前からよく知られ、関連した書籍もいくつか出版されています。実際に前世があるかどうかはともかく、このような療法により、患者の精神的な葛藤が癒されることがあるのは事実のようです。
  この本がユニークなのは、「前世」ではなく、過去の人生と人生の間の中間状態、つまり死後の世界に焦点が当てられていることです。著者の催眠によって語りはじめた被験者たちの死後の世界の体験は、あまりにも似通っているのです。そして、個々のクライアントの報告の微妙な違いは、彼らの魂の発達段階の違いにあるのだ、と著者は言います。著者はここで人間の魂の進化のレベルについて詳細に語っています。
  この本は全体の構成がとてもよくできていて、まず、著者の死後の世界に関する説明の部分とクライアントのセッションの部分が交互に繰り返され、読者は退屈することなく、また必要以上に難しい議論に立ち入ることなく、最後まで集中力を失うことなく読み進むことができます。さらに、全体が魂の死後の世界への到着から新たな人生に旅立っていくまで、死後の世界の時間軸に沿って展開されますから、次にどうなるだろうという期待が途切れることは最後までありません。また、読み進むにつれて、魂のレベルが高くなるとどういった経験をするようになるのか、といったこともわかってきます。
  このように、本の構成自体もとてもよくできていて、アメリカでベストセラーになったのもうなずけます。前世や死後の世界を信じる人も信じない人も、一度、書店で手にとってみられるとよいでしょう。


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